保育園以外の施設 2018年08月29日

放課後等デイサービスで働く 仕事・給料・資格


保育士資格を活かせる職場の一つに「放課後等デイサービス」があります。障がいのある子どもをサポートする施設で、2012年に新しく創設された児童福祉施設の一つ。近年その数を大きく増やしています。ですが、実際にその業務内容、働く際に必要な資格などをご存知の方は少ないのではないでしょうか。


放課後等デイサービスの求人


このコラムではそうした放課等後デイサービスの特徴や、保育士が働く上でのメリットをご紹介します。

保育士の職場としての放課後等デイサービスとは

「放課後等デイサービス」ってどんな施設?


放課後等デイサービスは、6~18歳の障がいのある子どもに必要な「療育」を行う福祉施設です。名前の通り、主に放課後や長期休みなどの時間に利用します。
療育とは、障がいのある子どもが社会に出ていくために必要な能力を身に着ける手助けをすることです。療育は子どもに関わる保育としての側面もあるため、放課後等デイサービスでは保育士も活躍しています。


放課後等デイサービスの特徴



放課後等デイサービスの特徴について、業務内容や働くために必要な資格、給与の水準などを見ていきます。


業務内容


放課後等デイサービスの業務内容は施設によってさまざまです。保育士バンク!があなたの就活・転職をお手伝いします


放課後の学童保育のような預かり中心の活動から、工作や音楽のような創作活動、地域交流などを取り入れている施設もあります。社会科見学も、子どもが行きたいといった場所を目的地として行き方や一日のプランも子どもが主体となって計画している施設もあるようです。基本的には、「教育」だけをするのではなく、一人ひとりの個性に応じて成長・発達のための活動を実施することが目的です。施設スタッフはそうした活動の中で、児童の成長や体験活動の手助けをしていきます。


放課後等デイサービスで働くのに必要な資格


放課後等デイサービスには人員配置基準があり、利用する人数に応じて、児童支援員、保育士または、障がい福祉サービス経験者を一定数配置することになっています。施設数の増加に伴って、資格を持っている保育士さんの求人募集も増えているため、障がい児保育に興味のある保育士さんにとって、職場を探しやすい状況が続いています。

保育士資格以外にも、児童支援員の資格を持っている方や障がい者福祉サービスで働いた経験のある方も働くことができます。配置基準の関係で、保育士を含めた有資格者・経験者の需要は高くなっています。

また、無資格の職員も募集している場合もあります。子育て経験がある方、子どもの好きな方、障がい児保育に興味のある方なら、どなたでも働くことができるでしょう。


保育士以外の専門職「児童発達管理責任者」とは?


放課後等デイサービスには、療育に関わる専門職として「児童発達支援管理責任者」というお仕事があります。障がいのある子どもへの療育について、より専門的に関わる職種で、放課後等デイサービスには最低1人の配置が義務付けられています。
主な仕事内容は、施設に通う子ども一人ひとりの支援計画作成。保護者や子ども一人ひとりのニーズを踏まえたうえで、個別の学習指導やグループ活動を組み合わせたカリキュラムを作成、子どもの能力を向上させるための計画を立てます。その他にも、実際に療育を行ったり、保護者の相談に乗ったり、事務作業なども引き受けます。

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「児童発達支援管理責任者」になるには?


障害児保育に興味のある保育士の中には、より専門的に関わりたいと思う方もいるのではないでしょうか?
ここでは、その専門職の「児童発達管理責任者」のなり方について解説します。

児童発達支援管理責任者になるためには、さまざまな要件が課されています。
まず、必要なのは福祉、医療、教育、などの分野で実務経験です。経験した職務の内容や資格の有無によって資格取得に必要となる経験年数は異なります。
2017年度4月には要件が変わり、この実務経験の中でも児童に関わる業務に3年以上関わったことが新たに必要になりました。

この実務経験に加えて、「相談支援者初任者研修(講義部分)」と「児童発達管理責任者研修」の2種類の研修を修了することで、児童発達管理責任者として働くことができるようになります。


保育士が児童発達支援管理責任者を目指すには



保育士の方が、児童発達管理責任者になる場合を考えてみましょう。まず、保育士は国家資格の有資格者なので5年以上の直接支援業務での実務経験が必要です。具体的には、保育所や児童発達支援センターなどの児童福祉や社会福祉に関する施設での5年以上の実務を経験しなければいけません。その後、専門の研修を修了することで児童発達管理責任者として働き始めることができます。

保育士は有資格者として要件が緩和されており、保育士としての実務も要件を満たしやすいので、児童発達管理責任者へのキャリアアップが目指しやすいといえるでしょう。


放課後等デイサービスでの保育士のお仕事


放課後等デイサービスでの保育士はスタッフとして、施設に通う子どもの活動全般を支援するのがお仕事です。施設では、個別カリキュラムとしての学習、グループでの活動を通した学習、学童保育のような形での保護者が来るまでの保育、送迎を実施している施設に関しては家への送迎、連絡帳や業務日報の作成などが主な業務です。社会科見学や地域交流の際には付き添いもします。施設のメインスタッフとして子どもの活動を支援するのが、放課後等デイサービス内での保育士の役割です。


給与の水準


給与の水準は保育士の平均と同じくらいか、やや高い傾向にあります。「保育士バンク!」に寄せられている求人をみてみると、運営団体や地域ごとに差はありますが、2018年4月時点で、月給16~27万円くらいの求人があります。
また、施設によっては児童発達管理責任者は管理職や専門職という扱いになるため、役職手当や資格手当という形で給与に上乗せがある場合もあります。


放課後等デイサービスで働くメリットとは?


では、放課後等デイサービスで働くことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。


障がい児保育の知識・経験が身につく


現代の保育士にとって、障がいのある子どもとの関わり方を知っているということは大きなプラスです。保育園でも障がいのある子どもや、いわゆるグレーゾーンな子ども、特別な配慮が必要な子どもの受け入れが増えているからです。

2016年全国保育協議会の調査によると、障がい児保育を実施している保育園は全体の76.6%。そのうち障がい児加配保育士を置いている施設は82.8%となっています。7割以上の保育園が障がい児保育を実施したり、保育士を増やすなどの特別な対応をしています。

また同じ調査では、調査した施設の半数近くで、障がい児保育の対象ではないが、特別な支援が必要な子どもがいました。
こうした現状から、障がいのある子どもとの関わり方は、保育士にとってますます必要な知識となっていることがわかります。放課後等デイサービスで働くということは、保育士のキャリアの一つとして、将来、保育園に戻ったときも役立つ経験になるといえるでしょう。


幅広い年代の子どもと関われる


放課後等デイサービスは幅広い年代の子どもと関わることができることも魅力の一つです。保育園は0~5歳児までの保育ですが、放課後等デイサービスは6~18歳までを受け入れています。施設ごとの特徴によって、預かる年齢層は異なるかもしれませんが、保育園で働くより年齢の高めの子どもや、幅広い年代の子どもを預かります。こうした幅広い年代との関わりを通して、保育士としての経験の幅を広げることができますよ。


需要の高まり


放課後等デイサービスは近年需要が高まっている施設です。放課後の時間帯の預かりをすることで保護者がその時間をパートの仕事に利用できたり、リラックスする時間を持てることが放課後等デイサービスの魅力。障がいの度合いが軽い子どもでも利用できることもあって、利用する家庭が増えています。

厚生労働省の資料によると、放課後デイサービスの施設数は2012年度に2540施設だったものが、2016年度には8352施設と、4倍程度に急増していることがわかります。

放課後等デイサービスには、保育士を含めた有資格者の一定数の配置基準があります。そのため、施設数の増加にともない、保育士の需要も高まっており、保育士求人の増加が見込まれているのです。


放課後等デイサービスで働くこと


放課後等デイサービスは障がいの軽い児童でも利用できるため、その施設数・需要ともに増えていることがわかります。放課後等デイサービスの現場では、保育の知識を身に着けた保育士の需要が高まっており、これからも求人が増えることが見込まれます。

保育士さんにとっても、障がい児の療育を担当する放課後等デイサービスで働くことは保育士としてのキャリアを考えるにあたり貴重な体験になります。のちに保育園の復帰を考えているとしても、障がい児保育をしている園や、そうした子どもを受け入れる園は増えており、放課後等デイサービスで働くことは保育士としてスキルアップできる職場です。幅広い年代の子どもと関わりたい方、障がい児保育に興味のある方も活躍できる職場となっています。

転職・就職をお考え中の保育士さんは、放課後等デイサービスも選択肢の一つとしてみてはいかがでしょうか。

参照
全国保育士協議会 
http://www.zenhokyo.gr.jp/cyousa/201706.pdf


厚労省 放課後等デイサービスの見直しについて
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168835.pdf

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