12月になると、保育園で行うクリスマス会の指導案を作成する保育士さんもいるでしょう。異年齢合同で行う園もあり、ねらいや環境構成の書き方に迷うことも多いかもしれません。今回は、クリスマス会の指導案の作成方法と例文を解説します。イベントを盛り上げる導入方法やクリスマス会の流れも紹介しているため、参考にしてみてくださいね。
MIAStudio/shutterstock.com
■目次
保育園のクリスマス会ってどんな行事?
12月になると、クリスマス会を開く保育園も多いよう。子どもたちに劇や歌を披露したり、全体でゲームをしたりと、開催に向けて準備をする園もあるでしょう。
クリスマス会は、みんなでお祝いする特別な行事であり、冬の一大イベントです。
「サンタさんがやって来て子どもたちにプレゼントを配る」「給食のメニューはクリスマスケーキ!みんなでおいしくデザートを食べる」など、各園でさまざまな企画を用意していることでしょう。
保育園でクリスマス会を開催するねらいは以下の通りです。
- クリスマス会を通して、海外の文化に興味をもつ
- 出し物や歌、音楽を楽しみ、クリスマスの雰囲気を味わう
- 行事を友だちと祝う気持ちを経験する
クリスマス会は、全園児がホールに集合して行う園が多いかもしれません。当日に向けてクリスマスツリーやトナカイなどのモチーフを飾り、楽しい雰囲気を演出できるとよいですね。
また保育士さんの中には、クリスマス会の一連の流れを計画し、指導案の作成を担当する方もいるかもしれません。
子どもたちが楽しく活動に参加できるよう、ねらいや環境構成、予想される子どもの姿などを詳しく記入し、当日に向けて準備しましょう。
保育園のクリスマス会の流れ
maroke/shutterstock.com
ここでは、異年齢合同で開催するクリスマス会の流れの一例を紹介します。
1.始まりの言葉
2.クリスマスの合奏
3.保育士さんの出し物
4.サンタさん登場
5.サンタさんがプレゼントを渡す
6.園児からサンタさんにお礼の手紙を渡す
7.クリスマスの歌
8.記念撮影
9.終わりの言葉
歌を歌ったり、楽器を奏でたりと、クリスマスの雰囲気を楽しめる流れを考えましょう。プレゼントをもらったお礼にサンタさんに手紙を渡すと、子どもたちに感謝の気持ちを表す大切さを伝えることができそうです。
上記の内容の他に、年長クラスが劇を披露したり、手品師を招いたりとクリスマス会が盛り上がる工夫をする園も多いようです。
クリスマス会を主導する際は、過去の進行例や内容を参考にして、子どもたちの安全性や衛生面も配慮したうえで指導案を作成しましょう。
保育園のクリスマス会の導入ポイント
クリスマス会を開催する際、各クラスで導入を行ってからホールに集合することが多いようです。行事への期待感が高まるよう、楽しい導入を考えていきましょう。
絵本を読む
クリスマスに関する絵本を読み聞かせすると、行事への興味や関心を引き出すことにつながりそうです。また、クリスマスの由来や起源などを説明した本を読むことで、海外の文化を伝えるきっかけになるかもしれません。
毎年、クリスマス向けにさまざまな絵本が販売されているため、書店などで新しい本をチェックしてみましょう。読み聞かせの際は、行事ならではのBGMを流すと雰囲気を盛り上げられそうですね。
クイズを出題する
サンタさんやトナカイなどクリスマスにちなんだモチーフのクイズを出題しましょう。
「サンタさんはどこに住んでいるのかな?」「なぜサンタさんはトナカイと仲がいいの?」といったさまざまなクイズを出すと、子どもたちとのやり取りを楽しめそうです。
また、「MerryChristmas(メリークリスマス)の意味は?」など、外国語に親しみを持てるような機会を用意すれば、英語や他文化への興味を引き出すきっかけになるかもしれません。
歌やリズム遊びを楽しむ
クリスマスの歌やリズムにあわせて体を動かしましょう。
ハンドベルやトライアングルなどの楽器を奏で、美しい音色を楽しむ園もあるようです。
乳児向けにはクリスマス用におもちゃを作り、音を鳴らしたり、感触を楽しんだりできる遊びを用意できるとよいですね。
【保育園のクリスマス会】指導案の実例
実際に、異年齢合同でクリスマス会を開催する場合の指導案の実例を紹介します。
<主な項目>
- ねらい
- 環境構成
- 予想される子どもの姿
- 保育士の援助方法
異年齢合同のクリスマス会のため、園児全体のねらいや環境構成を考え、時系列に予想される子どもの姿を記入していきましょう。そして、その内容に対して保育士の援助方法を記載します。
クリスマス会がスムーズに進められるよう、声かけのポイントも詳しく記入するとよさそうですよ。
クリスマス会を盛り上げるためには、会場を装飾したり、スクリーンに各クラスの壁面製作を映したりたりと環境構成を工夫してみるとよいですね。
司会進行は笑顔を心がけ、子どもたちが聞き取りやすいように、ゆっくり話すことを意識しましょう。会の途中に友だちと話すことに夢中になったり、飽きてしまったりする園児もいるかもしれません。
職員同士で連携を取り合いながら、イベントに集中できるよう、こまめに声をかけ、クリスマス会を進めていきましょう。
【年齢別】クリスマス会の指導案作成時のポイント
S_Photo/shutterstock.com
年齢によってクリスマス会の指導案の作成ポイントに違いがあるでしょう。ここでは、年齢別に詳しいポイントを紹介します。
0歳児~1歳児
0歳児~1歳児クラスでは、クリスマス会の途中にハイハイしたり、つかまり立ちしたりと体を動かしたくなってしまう子どもも多いでしょう。
指導案には「いっしょに先生と楽しもうね」「あれ?サンタさんがきたよ!」と、子どもたちがクリスマス会に集中できるような声かけのポイントを記載するとよさそうです。
また、お腹が空いたり、眠くなったりと泣き出す子どもがいることを想定して、あらかじめ職員同士で担当者を決めておくことも必要になります。
2歳児~3歳児
2歳児~3歳児クラスでは、少しずつ言葉が増えて、友だちと話したり歌いながら手拍子をしたりと、さまざまな子どもたちの姿が見られるでしょう。普段の子どもの様子をイメージして、個々の姿を想定し、保育士の援助ポイントをまとめていきましょう。
クリスマス会の途中に椅子を動かしたり、言い合いになって友だちの服をひっぱったりすることもあるかもしれません。ホールに移動する前にクラスで約束事を確認し、ルールを守って参加することの大切さを伝えられるとよいですね。
4歳児~5歳児
4歳児~5歳児クラスはクリスマス会を何度か経験している子どもも多いでしょう。合奏の場を用意したり、プレゼントをもらう代表者を頼んだりして、毎回特別なイベントとなるように工夫するとよさそうです。
指導案には、クリスマス会終了後にイベントを盛り上げてくれた子どもたちに感謝の気持ちを伝えられるよう、声かけのポイントを記載しましょう。
また、会場の装飾を4歳児・5歳児クラスで担当するなど、ただ参加するだけでなく、イベントをいっしょに作りあげる楽しさを共有できるとよいですね。
クリスマス会の指導案を作成して、楽しい行事を開催しよう
秋に運動会や生活発表会、冬にクリスマス会と行事が続き、多忙な保育士さんが多いかもしれません。イベントでの出し物の準備で忙しくなることも想定して、計画的にクリスマス会の指導案を作成するとよさそうです。
異年齢合同の他、各クラスでクリスマス会を行う保育園もあるかもしれません。その場合はゲームやクイズなど友だちと楽しめる遊びを用意して、イベントを盛り上げられるとよいですね。
指導案を作成して、子どもたちの思い出に残るクリスマス会を開催しましょう。