クリスマスの由来について、保育園の子どもにわかりやすく伝えたい保育士さんもいるでしょう。ペープサートやパネルシアターなどを用いれば、簡単に説明できるかもしれませんね。今回は、クリスマスの由来やモチーフの意味を解説します。あわせて、絵本の読み聞かせやゲームなど、保育園でのすごし方の例をまとめました。

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■目次
クリスマスの由来とは?
12月のクリスマスは、子どもにとってワクワクするイベントのひとつでしょう。
保育園では、クリスマスの製作や歌などに親しんだり、ツリーにオーナメントを装飾したりして雰囲気を楽しみますよね。
そんななか、子どもからクリスマスにまつわる素朴な質問を受けることがあるかもしれません。
子どもに簡単に説明できるよう、まずは保育士さんが由来や起源について押さえておきましょう。
クリスマスの意味
12月25日のクリスマスは、キリスト教の救世主であるイエス・キリストが生まれてきたことを祝う日です。
「クリスマス」を英語表記にすると「Christmas」となります。「Christ」はキリスト、「mas」はミサというキリスト教の礼拝を示しているため、クリスマスとは「キリストの生誕祭」を表しているといわれています。
ちなみに、「クリスマス・イブ」は一般的にクリスマスの前夜と認識されているでしょう。
しかし、イブを英語表記にすると「Evening」となり晩という意味になるため、本来は「クリスマスの夜」を指すといわれています。
クリスマスの起源
紀元4世紀頃から、12月25にクリスマスを祝うことが習慣になったようです。
一説によると、古代ローマで冬至の頃に行われていたお祭りに、キリストの誕生日を祝う行事を融合させたことで、クリスマスが広く定着していったといわれています。
このように、由来について知っておけば、クリスマスを神聖な気持ちで迎えられるかもしれませんね。
次に子どもといっしょに覚えておきたいサンタクロースやプレゼントなど、それぞれのモチーフの意味についてまとめました。
クリスマスカラーやモチーフの意味

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次に、クリスマスカラーやモチーフについてどのような意味があるのか見ていきましょう。
クリスマスカラー
クリスマスといえば、赤・白・緑の3色や、金色のキラキラした装飾を思い浮かべるかもしれません。
それぞれ、次のような意味があるようです。
赤
クリスマスになるとサンタクロースや長靴など、さまざまなところで見かける赤い色。
クリスマスカラーの赤色は、十字架にかけられた際に「イエス・キリストが流した血」を表現しているといわれています。
また、「神やキリストの愛」を表しており、キリスト教のシンボルカラーとなっているようです。
白
クリスマスカラーの白色は、真っ白な雪の色からのイメージで、「純白」や「平和」という想いが込められているようです。
また、濁りのない「キリストの清らかな心」の象徴とされています。
緑
クリスマスカラーの緑色は、ツリーやリースなどでよく見かける色ですね。
もみの木やヒイラギの木など、一年中枯れることのない常緑樹から「永遠の命」や「神の永遠の愛」の象徴とされています。
金
クリスマスカラーの金色は、「キリストの高貴さ」や「希望」などの意味が込められています。
クリスマスツリーの一番上に飾る星も金色で、イルミネーションにも使われており、神々しい雰囲気を演出していますよね。
サンタクロース

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サンタクロースといえば、トナカイのそりに乗ってやって来て、世界中の子どもにプレゼントを配るなど、子どもに夢を与えるクリスマスの主役になっていますね。
サンタクロースは、4世紀の現在のトルコのあたりに実在した「聖ニコラウス」という司教が起源とされており、「セント・ニコラウス」のオランダ語読みが「サンタ・クロース」なのだそうです。
聖ニコラウスは貧しい家の煙突から金貨を投げ入れ、その家族を救ったといわれています。
その逸話から、靴下にプレゼントを入れるサンタクロースのモデルになったようです。
トナカイ
神学者クレメント・クラーク・ムーアが、19世紀に自分の子どもたちのために「聖ニコラウスの訪問」という書物を作りました。
そのなかで初めてサンタクロースの乗ったソリを引くトナカイが描かれていたことから、サンタクロースとトナカイというイメージが定着したようです。
天使
クリスマスによく見かける天使は、聖母マリアがイエス・キリストを身ごもった際に、妊娠を告げたガブリエルという天使を表しているといわれています。
イギリスなどの国では、星の代わりに天使をクリスマスツリーのトップに装飾することもあるようです。
プレゼント
クリスマスにプレゼントを贈る習慣が始まったのは、サンタクロースのモデルとなった聖ニコラウスが困っている人へ贈り物をしたことが由来といわれています。
ほかにも、キリストが生まれたときに東方の三人の博士が贈り物を携えてきたことがもとになっているなど、諸説あるようです。
クリスマスツリー
クリスマスツリーは、旧約聖書の『創世記』に登場する「知恵の樹」の象徴とされています。
また、冬の間も葉を落とさない常緑樹が使われるツリーには、「永遠の命」という意味もあるようです。
星
ツリーの頂上部に飾る星は、トップスターと呼ばれています。
キリストの誕生の際に東の空に輝き、東方の三人の博士をキリストの元へ導いたとされるベツレヘムの星を表しているそうです。
キャンディケイン
クリスマスになると見かける白と赤のストライプ模様のキャンディケイン。
「ケイン」とは杖という意味で、キャンディが杖の形をしているのは、「羊飼いが羊を導く杖」を表しているという説があります。
また、白と赤の配色の意味は、キリストの「純真な白い心」と「十字架で流した赤い血と愛」を象徴しているそうです。
靴下
クリスマスに靴下のイメージがついた由来は、サンタクロースのモデルとなった聖ニコラウスの逸話が関係しています。
聖ニコラウスが、お金に困っていた家の煙突に金貨を投げ入れたところ、暖炉のそばにあった靴下の中に偶然入ったとされています。
このエピソードがもととなり、クリスマスに靴下を吊るしておけばサンタクロースからプレゼントを受け取れるという風習が生まれたようです。
ベル
クリスマスに鈴が用いられるのは、キリストの誕生を人々に知らせるために天使が鳴らしたとされるベルが由来といわれています。
また、ベルの音色を頼りにして迷える子羊たちを見つけられるように、という救いの意味も込められているそうです。
クーゲル
あまり耳馴染みがないかもしれませんが、クーゲルとはクリスマスツリーに飾られているカラフルなボールです。
赤いボールが使われることが多く、赤い色はアダムとイブが食べた「禁断の果実」であるリンゴを象徴しているとされています。
ツリーを飾る時期がリンゴを収穫する季節ではないことから、本物のリンゴの代わりとして赤いボールを飾るようになったようです。
イルミネーション
イルミネーションは、ドイツの宗教改革者で知られるマルティン・ルターのとある行動が由来となっています。
教会礼拝の帰り道、木々の間からこぼれる星の瞬きに感動したマルティン・ルター。
その美しさを再現するため、星に見立てたろうそくを木の枝にくくりつけて火を灯したのが、イルミネーションの始まりといわれています。
現在では火事の危険性も踏まえ、電飾で明かりを灯すイルミネーションが一般的となっているようですね。
クリスマスリース
ツリーや玄関に飾るリースは、キリストが最期のときに被っていたいばらの冠を表現しているといわれています。
リースの丸い形は始まりも終わりもない永遠を表しており、「神に永遠の愛と命を願う」という意味も含まれているようです。
なお、かつては豊作を願うものとして扱われていたことから、リースにヒイラギや松ぼっくりが飾られるようになったといわれています。
クリスマスになると見かけるさまざまなモチーフには、それぞれに特別な意味があったのですね。
クリスマスの由来を子ども向けに伝える簡単な言い換え例

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子どもからクリスマスについてさまざまな質問をされた際は、次のように簡単な言葉に言い換えて子どもに説明すると分かりやすいでしょう。
言い換え例①
子ども:クリスマスっていつなの?
保育士さん:クリスマスは12月25日で、イエス・キリストが生まれたことをお祝いする日だよ。
言い換え例②
子ども:どうしてクリスマスツリーを飾るの?
保育士さん:イエス・キリストの誕生日をお祝いするために飾っているんだよ。
言い換え例③
子ども:サンタクロースってだれなの?
保育士さん:サンタクロースは、聖ニコラウスという人だよ。
昔、お金がなくて困っている人を助けてあげたんだって。
いまでもクリスマスになると、サンタクロースは子どもの家にやってきて、プレゼントを配ってくれるんだよ。
クリスマスにはどういう意味があるのか、ペープサートやパネルシアターなどを用いて解説してもよいでしょう。
そうすれば、意味や由来を簡単に伝えられるうえに、子どもがクリスマスの行事に興味をもてるようになるかもしれませんね。
クリスマスを楽しむための保育園でのすごし方
最後に、保育園で楽しいクリスマスをすごすためのアイデアをまとめました。
絵本を読み聞かせる
絵本を読み聞かせて、クリスマスの本当の意味を子どもに伝えてみましょう。
手作りのペープサートやパネルシアターなどを活用してみれば、子どもの興味を惹きやすいかもしれません。
クリスマスソングに親しむ
クリスマスソングを歌ったりハンドベルで演奏したりすると、クリスマス気分が高まりそうですね。
ペープサートやパネルシアターを活用して、歌詞を物語風に仕上げると、クリスマスソングにより興味を持つことができるかもしれません。
サンタクロースへ手紙をかく
年長クラスでは、サンタクロースへ手紙をかき、欲しいプレゼントを伝えてみてはいかがでしょうか。
当日にサンタクロースから返事が届けば、クリスマス会のよい思い出になるかもしれませんね。
サンタクロースと交流する
保育園でクリスマス会などのイベントを行う際は、子どもの大好きなサンタクロースに登場してもらいましょう。
質問コーナーを設けて、サンタクロースがアドリブでお話しすると盛り上がりそうですね。
クリスマスゲームを楽しむ
クリスマスにまつわるゲームを楽しむのもよいでしょう。
ツリーを飾ろう
<遊び方>
1.手作りのオーナメントを持って、列に並びます。
2.順番に、クリスマスツリーに装飾します。
リレー形式で、子どもが順番にクリスマスツリーの飾りつけを行います。
速さを競うのではなく、バトンタッチをしながら順番に飾っていくことを楽しみましょう。
プレゼントの山を作ろう
<遊び方>
1.空き箱を包装紙で包んでリボンを施し、クリスマスプレゼントに見立てます。
2.チームに分かれて、プレゼントの箱を積み上げられる高さを競います。
チームで協力し合い、できる限り高く箱を積み上げます。
友だちと相談しながら箱を縦長に重ねるなど、勝つために工夫する子どもの姿が見られるかもしれませんね。
クリスマスの由来を知り、保育園で子どもに分かりやすく伝えよう
今回は、クリスマスの由来や意味、子ども向けのわかりやすい伝え方などをまとめました。
クリスマスとはイエス・キリストの生誕を祝う日で、古代ローマで冬至の頃に行われていたお祭りが原点のようです。
また、ツリーやリースなどクリスマスを華やかに彩るモチーフには、それぞれにいろいろな意味があります。
保育園で由来を伝える際は、絵本やペープサート、パネルシアターなどを用いれば、子どもがより興味をもてるかもしれません。
保育士さんはクリスマスの意味や由来などを知り、子どもから質問されたときにいつでも説明できるようにしておくとよいですね。
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