幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 2017年11月27日

【10の姿】改定保育指針のポイント 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

2017年に日本の幼児教育・保育の基準となる「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園・保育要領」の3つの法令の改定が行われました。
内容の変更に伴い、子どもたちが小学校就学前の姿を想定した「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」が示され、具体的な姿や保育者の指導のポイントがまとめられました。
保育現場では2018年(平成30年)4月から導入される「新保育指針」のポイントである10の姿についてみていきましょう。

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【10の姿】改定保育指針 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿とは?

10の姿は、卒園までの子どもの成長を考える視点と目安


10の姿とは、卒園=小学校入学時までに育まれる子どもの具体的な姿を、10個の視点からとらえようというものです。
これまではいわゆる「5領域」(健康・人間関係・環境・言葉・表現)によってとらえてきたものを、年長についてはもっと具体的な姿をイメージして見ていこうというもの。
また、こうした子どもの具体的な育ちの姿を小学校へと伝えたり、連携の中で活用することによって、スムーズな学校生活への移行を目指すものです。


10の姿の注意点!「年長が子どもの成長のゴール」ではない


保育園・幼稚園で子どもたちに関わっていると、年長児が成長のゴールのように考えてしまいがちです。
保育園であれば0歳からの成長を経て、基本的生活習慣を身につけたり、友達との関わりの中で心と体が育っていきます。
その集大成である年長児が卒園を迎える時、子どもたちと一緒にゴールを迎えたような気持ちになる保育者も多いと思います。


卒園は保育者にとってひとつの区切りではありますが、子どもたちにとっては人生の一過程です。幼児教育を終えると、子どもたちは小学生になります。
小学校でも勉強や仲間との関わりを通してまた新たなことを身につけ、中学生、高校生......と成長していくのです。


「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」は、これまでに別のものとして捉えられがちだった、
幼児期の姿と小学生の姿をつなげ、子どもたちの成長を連続的なものとして捉える際に役立つことが期待されます。

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具体的な10の姿のイメージは?


1.健康な心と体

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子どもが自ら健康で安全な生活を意識する。心と体を十分に使い、自分がやりたいことを思い切り楽しむ。

人が生きていく上での基礎となる部分です。健康な心と体がなければ、友達とコミュニケーションをとったり、自然の中で思い切り遊ぶこともできません。
活動の中で、自ら見通しをもって健康で安全な生活を作り出していけるようになること、も目標の一つです。



2.自立心

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身の回りの環境に積極的に関わり、諦めずにやり遂げる達成感を味わう。

子どもたちが、他人の指示通りではなく、自ら考え、主体性をもって行動するようになること。
周囲の環境に関わり、さまざまな活動を楽しむ中で、工夫していき、自信をもって物事に取り組めるようになることが目標です。



3.協同性

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友達と協力し、イメージを共有しながら共に考えていく。
言葉で自分の気持ちを伝え合う。


友達と関わる中で、時にケンカしながら、共に成長し、喜びを分かち合いがら育む「協同性」。
友達と言葉でやり取りする中でイメージを共有し、「◯◯ごっこをしてみよう」といった共通の目的に向かっていけるようになることです。



4.道徳性・規範意識の芽生え

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ルールを守る必要性を理解する。
相手の立場になって気持ちを考えたり共感したりする。


してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、相手の立場に立って行動するようになること。きまりを守る大切さがわかり、自分と友達の中で、気持ちの折り合いをつけながらルールを作り、守ったりするようになることです。大人が言葉で伝えて教えるよりも、友達との関わりや園生活の中で、少しずつ道徳や規範意識を身につけていくという視点です。



5.社会生活との関わり

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家族や地域の人と関わり、地域社会にも関心の目を向ける。社会生活の中で、役に立つ喜びを感じる。

子どもの育ちの中で、保育園の中だけでなく、子どもを取り巻く家庭や地域の環境にも目を向ける視点です。
家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみを持つようになること。また、「情報」の取り扱いも主要なテーマに含まれています。



6.思考力の芽生え

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身近な環境に関わり、様子を観察したり予想したりする。友達と関わる中で異なる考えがあることに気づき、自分の考えをよりよいものに変えていこうとする。

物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気づいたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる視点です。
友達との関わりの中で、自分とは違う考え方に触れ、さらにさらに工夫したり、考えなおしたりすることも大切です。



7.自然との関わり・生命尊重

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身近な自然物に関心を持ち、感動したり、命を尊ぶ。また、それらを言葉で表現できるようになる。

自然とふれあい、感動する体験を遠し、身近な環境への関心が高まり、面白さに気づくようになること。
保育士は、子ども自身が自然とどのように関わっていくかまで考えられるようなアプローチにつなげていきたい視点です。



8.数量・図形、文字等への関心・感覚

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遊びの中で、数量や図形、標識、文字に興味を持ち、豊かな感性と表現につなげていく。

絵本で出会う文字や、友達との遊びの中で出会う「二人で」「3つまで」という数の感覚に、興味関心を持つようになる、という視点です。
保育者は遊びの中から文字や数字に親しみ、ふれ合えるように工夫してアプローチしていきましょう。



9.言葉による伝え合い

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絵本や紙芝居などの物語に親しみ、経験したことを言葉で表現する。相手の話を聞き、言葉の伝えあいを楽しむ。

子どもは保育士や友達と心を通わせ、絵本に親しみながら、豊かな言葉や表現を身に着けて、言葉でのコミュニケーションを楽しめるようになります。
保育者は、子どもたちの「言葉で伝えたい」という思いをサポートするとともに、相手の話を聞くことの大切さにも気付かせていきましょう。



10.豊かな感性と表現

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さまざまな事象に触れ、感動したことを表現する。また、友達の表現を見て、自分が感じたことを言葉で表現する。

一人ひとりの感じた個性を大切にし、感じたことを表現できる楽しさや喜びを味わうこと、表現したい!という意欲を持つようになる、という視点です。
保育者は先回りして教えすぎずに、その子らしい表現方法を育んでいく必要があります。



10の姿は「なるべき姿」ではないことに注意!


ご紹介した10の姿は、卒園までに子どもたちが「なるべき姿」ではありません。
あくまで5歳児の後半までの成長の目安であり、目指すべき完璧な姿ではありません。
子どもには一人ひとり異なる個性があり、成長のペースはさまざま。表現は苦手だけど、本を読むことが大好きな子もいます。
子どもの得意分野を伸ばし、自信に繋がるような働きかけを考えていくことが保育者の役割ではないでしょうか。
また、10の姿は小学校に入学してからも連続して育っていくことを忘れてはいけません。
小学校の先生に申し送りをする時に、10の姿を基準に話をすることで、子どもの姿を共有しやすくなるのです。


改定保育所保育指針 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿


新・保育所保育指針の重要ポイント!「10の姿」について、それぞれの視点とエピソードを解説します

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