保育士資格は免許更新が必要なのか、疑問に思う保育士さんもいるかもしれません。更新は不要ですが、再発行する場合は手続きが必要になり、費用がかかるようです。今回は、保育士資格の再発行が必要な場合を、手続き方法とともに説明します。あわせて、幼稚園教諭免許を更新する際の手続きや注意点などをまとめました。
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保育士資格に免許更新は必要?
自動車免許や幼稚園教諭免許などは、一定の年数が経つと免許更新が必要となることから、「保育士も免許更新の手続きが必要なのでは?」「費用はどのくらいかかるのか?」「どのように手続きを進めればよいのか?」など心配な保育士さんもいるかもしれません。
しかし、保育士免許は一度取得すれば何年でも有効なため、更新手続きなどは不要で費用も発生しないようです。
ただし、以下の場合は保育士証の再交付や書き換えが必要とあり、手続きの際の郵送代や手数料が生じます。
保育士証の状況 | 必要な手続き |
---|---|
氏名や本籍が変更になったとき | 書き換え |
紛失・汚損したとき | 再交付 |
保母資格証明書を持っているとき | 取得 |
保育士資格と呼ばれる前の保母資格を取得している方の場合は、保育士として働く際に保育士資格を取得する必要があります。
万一、資格証明書の原本を紛失している場合には、再交付が可能です。
このように、状況により保育士免許の書き換えや再発行などの手続きを忘れずに行う必要があるため、やり方を確認していつでもできるようにしておきましょう。
次に、保育士免許の再発行や書き換えを行う際の手続き方法について説明します。
【保育士の免許更新】再交付・書き換え手続きの流れ
保育士の免許を再交付または書き換えをする場合は、次のような手続きが必要です。
1.再交付・書き換えの手引きを取り寄せる
まずは、申請書や記入例などがセットされている手引きを、登録事務処理センターから取り寄せましょう。
封筒にそれぞれ必要事項を記入し、返信用封筒を送信用封筒に入れ、サイズや重さに合った料金の切手を貼って郵送します。
書き換えの場合:登録変更等の手引き(保育士証書換え交付申請用)
再交付の場合:登録変更等の手引き(保育士証再交付申請用)
このように、書き換えと再交付の場合とで、取り寄せる手引きの内容が異なるので注意しましょう。
2.手数料を支払う
登録事務処理センターから手引きが届いたら、手数料を支払う必要があります。
書き換えの場合:1人当たり1,600円
再交付の場合:1人当たり1,100円
手数料も書き換えと再交付の場合で異なるようです。
手数料は、手引きに同封されている払込用紙を使って郵便局で支払います。
住所や氏名など、記入漏れが無いよう注意しましょう。
郵便局で手数料の支払いを済ませ、振替払込請求書兼受領証と振替払込受付証明書を受け取ります。
払い込みを済ませている証明となるため、それぞれに郵便局の受付印が押されているかきちんと確認しましょう。
3.申請に必要な書類を用意し提出する
手数料の支払いが住んだら、保育士免許の書き換えや再発行のために必要な書類を準備し、登録事務処理センターへ提出する必要があります。
【書き換えの場合】
- 保育士証書換え交付申請書
- 振替払込受付証明書
- 保育士証
- 戸籍抄本
【再交付の場合】
- 保育士証再交付申請書
- 振替払込受付証明書
- 保育士証(紛失以外の場合は添付)
保育士免許証の書き換えと再交付の場合では提出する書類が異なります。
必要なときにいつでも手続きができるよう、事前に確認しておきましょう。
最後に、誤字脱字がないか、必要な書類が揃っているか、入念にチェックします。
指定の宛先に届いたかどうかしっかりと確認できるよう、郵便局の窓口から簡易書留で郵送するとよいですね。
出典:保育士証書換え交付申請手続き/社会福祉法人日本保育協会登録事務処理センター
出典:保育士証再交付申請手続き/社会福祉法人日本保育協会登録事務処理センター
幼稚園教諭免許更新の手続き方法や注意点
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保育士さんのなかには、幼稚園教諭免許も保有しているという方も少なくないでしょう。
これまで述べたように保育士の免許更新は不要ですが、2009年4月1日に導入された教員免許更新制によって、幼稚園教諭免許を含む教員免許は更新が必要です。
そのため、幼稚園教諭免許状の有効期間や修了確認期限をチェックし、更新講習の受講対象者になっているか確認しておきましょう。
手続き方法
幼稚園教諭の免許更新の流れを簡単に説明します。
1.更新講習を選んで申し込む
は対面式講習とオンラインによる通信式講習の2種類の講習があるので、ホームページや講習内容などを参考にしながら受講したい講習を選びます。
各自で直接申し込みをするのが一般的です。
2.更新講習を受講する
更新講習には3つの領域があり、合計30時間以上の講習を受講する必要があります。
3.免許管理者へ申請する
更新講習を修了すると、各大学等から修了証明書(履修証明書)が発行されます。
修了証明書や必要な書類を、免許管理者(住所地の都道府県教育委員会)へ提出しましょう。
注意点
幼稚園教諭の免許更新を行う際に注意することをまとめました。
期限が切れる2カ月前までに終える
幼稚園教諭免許には有効期間が設けられています。
修了確認期限が切れてしまう2カ月前までに、免許更新の手続きを終えられるように計画しましょう。
有効期間が迫って慌てることのないよう、余裕をもって更新講習の受講日程を組むことが大切です。
受講が難しい場合には延長手続きを行う
現職の幼稚園教諭や保育教諭、園長などで、産休・育休中、自然災害など、やむを得ない事由がある場合には免許更新を延長することが可能です。
こちらも期限が切れる2カ月前までに延長手続きを終えられるよう、準備を進めましょう。
講習の受講免除を事前申請する
講習の受講免除を希望する場合は、事前に申請します。
例えば、園長や副園長などの教員を指導する立場にあったり、優秀教員として文部科学省や教育委員会から表彰されたことがあったりする場合、講習の受講が免除になります。
自分が免除の対象に当てはまるのか確認したうえで、希望する際は余裕を持って申請しましょう。
申請先の免許管理者は職種や勤務地による
幼稚園教諭の免許更新や延長などの手続きの申請先となる免許管理者は、現在就いている職や勤務地によって異なります。
免許管理者により必要な書類や手続きの方法などが変わることもあるため、どこの免許管理者に申請すればよいのかを事前に確認しておくことが大切です。
関連記事:幼稚園教諭免許は更新が必要?期限や手続きのタイミング、方法/保育士バンク!
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保育士免許の再発行や、幼稚園教諭免許更新の手続きを知っておこう
今回は、保育士は免許更新が必要なのかや再発行・書き換えの手続き、幼稚園教諭免許の更新についても簡単にまとめました。
保育士試験に合格したあと、保育士として働かないため登録手続きを行っていない方もいるでしょう。
一度手にした保育士資格は何年でも有効なため更新の必要はなく、費用もかかりません。
ただし、苗字や本籍の変更が生じたり保育士証を紛失したりした場合は、再発行や書き換えなどの手続きが必要となります。
いつでもスムーズに手続きができるよう、流れややり方などを事前に把握しておきましょう。