2017年12月05日

【10の姿】「自立心」 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

2018年(平成30年)4月からスタートする、改訂版保育所保育指針・幼稚園教育要領では「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が10個盛り込まれています。これは小学校教育との連続性や、保育所保育が子どもをどう成長させたか、を考えるための目安。今回は、そのひとつである「自立心」の項目について、現場で働く保育士の視点で考えてみたいと思います。子どもたちが自信を持って物事に取り組めるようになるためには、保育士としてどのようなアプローチができるでしょうか。

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自立心 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

自立心とは?


「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園・保育要領」の3つの法令にによると、「自立心」とは、"身近な環境に主体的に関わりさまざまな活動を楽しむ中で、しなけらばならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信を持って行動するようになる。"と示されています。
他者の指示通りに行動するのではなく、自ら考え、主体性を持って行動する姿が目標として定められているのです。こういった育ちに繋げていくための具体例を、実際の保育の様子からご紹介しましょう。

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保育現場で「自立心」があらわれた子どもの具体的な姿


身の回りのものは、自分で用意する〜家庭との連携〜


3歳児クラスでは、自分の身の回りの準備は自分で行うことができるように子どもたちに教えていきます。例えば、工作の活動をする時に椅子を並べたり道具を準備したりすること。給食の時間に自分でコップにお茶を入れることなどです。
また、園に来るための準備も少しずつ自分で行うことができるように練習します。ハンカチ、ティッシュ、連絡帳など、今まではおうちの人に準備してもらっていたものを、自分でカバンに入れて準備できるようにするのです。これは、保護者の協力が必要です。
降園時に声掛けをしたり、クラスだよりを活用し、子どもが自分で身の回りの準備をする大切さを伝えていきます。


うまくできなくても、再び挑戦する気持ち〜運動会の練習〜


運動会では、クラスごとにダンスを発表します。ある5歳児クラスでは、みんなで話し合い、いちばん好きな曲で踊ることに決定。おうちの人や年下のお友達にも格好良く踊る姿を見せたいと、子どもたちは張り切っていました。
しかし、本番が近くなると「疲れたから今日は練習をしたくない」「上手に踊れないから恥ずかしい」と言い出す子どもたちが現れました。子どもたちの中には、ダンスが得意でない子もいたのです。
そういった子どもたちの気持ちを高めるために、担任はある工夫をしました。運動会の1週間前、乳児クラスのお友達を招待して、ダンスの合同練習会を開催したのです。小さなお友達の前でダンスを披露すると、「おにいちゃんたちかっこいい!」と拍手喝采。
このことがきっかけで、子どもたちは張り切ってダンスの練習を続けることができました。運動会本番では少し緊張してしまいましたが、練習の成果を保護者たちの前でしっかりと披露できたことは、大きな自信に繋がったようです。


<お集まりの時間に自信を育てる〜良いところ探し〜>


4歳になると、お友達とのやり取りもだいぶ上手になり、保育者が間に入らなくても子ども同士で関係を深めることができるようになります。
お友達との関係が深まる時期だからこそ、思いやりの気持ちを育みたいと考えた担任は、お集まりの時間に「◯◯ちゃんの良いところ探し」という時間を設けました。
1日ひとりずつ、クラスの子どもがみんなの前に立ち、みんなで良いところを探して発表していくというものです。最初はウーン、と考えていたクラスの子どもたちも、担任が「いつも優しくてニコニコ」「あいさつが上手」といったように切り出していくと、「三つ編みが可愛い」「かけっこが速い」「みかんを剥くのが上手」など、日常の些細な"良いところ"まで見つけ出してくれるようになりました。
思いやりの心を育てたいという目的で始めた活動でしたが、前に立つ子にとっても、みんなの前で長所を発表してもらえる経験は、大きな自信につながったようです。また、この活動を通して、さらに挑戦したい!という気持ちも芽生え、得意なことを年下のお友達に教えてあげる姿が見られました。


経験の積み重ねが自立心を育む


小学生になると、自ら考えて取り組む機会が多くなってきます。幼児期に自立心を育むことによって、小学校に入学してからも自分から進んで興味のあることに関わっていくことができます。
しかし、自立心は短期間で養えるものではありません。小さな成功体験を積み重ねたり、失敗を乗り越えた経験が自信になったりして、少しずつ育っていくものだと思います。
保育者として、子どもたちの心が育つアプローチを考えていきたいですね。

改定保育所保育指針 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿


新・保育所保育指針の重要ポイント!「10の姿」について、それぞれの視点とエピソードを解説します

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