【10の姿】「自立心」とは。保育に表れる子どもの姿の事例

改訂版保育所保育指針・幼稚園教育要領によって示された「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」。今回は、その10の姿の一つ「自立心」の項目について、事例とともに保育士の視点でまとめました。子どもたちが自信を持ってさまざまな活動に取り組めるようになるためには、保育士としてどのようなアプローチができるでしょうか。


積み木を積む子どもの写真

MIA Studio/shutterstock.com

 

10の姿「自立心」とは

10の姿における「自立心」とはどのようなものなのでしょうか。

 

「自立心」の概要


厚生労働省「保育所保育指針解説」によると「自立心」について以下のように説明しています。

身近な環境に主体的に関わりさまざまな活動を楽しむ中で、しなけらばならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信を持って行動するようになる。

 

出典:保育所保育指針解説p77より抜粋

 

自立心とは、子どもにとって「生活や遊びの中で、自信を持って主体的に行動する力」だと考えるとわかりやすいかもしれません。

 

具体的には、

 

  • いろいろな遊びから自分がやりたいことを自分で選んで行動する
  • 少し難しいと思うことも挑戦してみて、できた満足感を味わう
  • 考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げる

 

こういった体験を積み重ねる中で達成感や自信が得られ、だんだんと子どもの中に自立心が育っていくようです。

 

子どもの「自立心」を育むうえでの保育士の配慮

 

子どもの自立心を育むための保育士さんの援助や配慮として以下のようなことが挙げられます。

 

  • 子どもがやりたい活動を選べるよう、目で見てわかりやすい環境を整える
  • 自分で考えて行動するための時間をゆったりと確保した生活の流れを作る
  • その日の流れを意識できるように個別に援助していく
  • 一人ひとりの子どものよさが友だちに伝わるように褒めたり、クラス全体の中で認め合える機会をつくったりする

 

子どもが自分の存在に自信を持つとともに、自分で考え、工夫して遊ぶことの楽しさを味わえるようにすることが自立心につながっていくようです。

 

また、10の姿の自立心では、他者の指示通りに行動するのではなく、自ら考え、主体性を持って行動することが、幼児期の終わりに育ってほしい姿として定められています。

 

5歳児の終わりに向けて、子ども一人ひとりのペースで育んでいけるよう、普段の遊びや生活の中で、保育士さんが援助していけるとよいですね。

 

出典:保育所保育指針解説p77/厚生労働省

保育の中で「自立心」があらわれる子どもの姿の事例

自立心の育ちが見られる子どもの姿を、実際の保育における遊びや生活の事例をもとに紹介します。

 

身の回りの準備:3歳児

 

3歳児クラスでは、自分の身の回りの準備は自分で行うことができるように子どもたちに教えていくこともあるようです。

 

10の姿「自立心」へつながる、段階を踏んで身の回りのことにチャレンジする様子を、事例をもとにみていきましょう。


3歳児に表れる自立心の事例

毎日の生活の中で少しずつ積み重ね、自分でやってみたらできたという経験が、子どもにとっての自信へとつながっていくでしょう。

 

また、身の回りのことは自分でしようとする姿がみられ、習慣づいたり、自分がしなければならないことを自覚したりしていくかもしれません。

 

よいところ探し:4歳児

 

4歳児になると、お友達とのやり取りが上手になり、保育者が間に入らなくても子ども同士で関係を深めることができるようになるかもしれません。

 

1日1人ずつ、クラスの子どもがみんなの前に立ち、みんなでよいところを探して発表していくという事例をもとに説明します。

 

友だちとの関係が深まる時期だからこそ、思いやりの気持ちを育みたいと考えた4歳児の担任の保育士さんは、お集まりの時間に「◯◯ちゃんのよいところ探し」という時間を設けました。


自立心を育む事例表

この事例では、クラス全体の中で認め合える機会を作ったことで、一人ひとりの子どものよさを分かち合うことができた様子を示しています。

 

実際の保育活動でも、子どもが自分に自信を持つことで、「ちょっと難しいけど挑戦してみよう」という意欲が育めるような援助ができるとよいですね。

 

運動会の練習:5歳児

 

5歳児クラスでは、運動会のダンスの曲をみんなで話し合い、いちばん好きな曲で踊ることに決定。

 

おうちの人や年下の友だちにも格好良く踊る姿を見せたいと、子どもたちは張り切っていました。


自立心を育む事例表

子どもが主体的に取り組むための保育士さんの援助の工夫がよくわかる事例ですね。

 

直接的な励ましだけでなく、子どもの意欲を引き出し、子ども自身が積極的に活動できる場づくりを行なっていくことが大切となるようです。

10の姿「自立心」の観点を意識するときのポイント

手伝いをする子どもの写真

myboys.me/shutterstock.com

 

10の姿「自立心」の観点から、保育をするうえで意識したいポイントをまとめました。

 

日常的な積み重ねを大切にする

 

身の回りの小さなことから自分でやり始めることで、成功体験を積み重ねていきましょう。

 

小さな自信を持つことで、安心して活動にチャレンジするための基盤を作ることが大切といえそうです。

 

また、毎日繰り返して行なうことで、自然と見通しを持つことにもつながり、子どもたちが主体的に行動することができるようになるかもしれません。

 

友だちのよさを認め合える雰囲気を作る

 

お互いによさを認め合うことで、子どもたちが自信をもって行動することにつながるでしょう。

 

友だち同士でよさを認めあい、励ましたり助けたりする関係のもとで、子どもたちは安心してチャレンジすることができそうです。

 

はじめは保育士さんが子どものよさをクラス全体に伝えていくような声かけをすることで、子どもたちが友だちのよさに気づくきっかけになるかもしれませんね。

 

諦めずにやり遂げる体験を通して達成感を味わい、自信につなげていく

 

だんだんと難しいことにチャレンジする中で、挫折を味わうこともあるでしょう。

 

「もうやりたくない」と思ってしまっても、保育士さんや友だちに励まされたり助けをもらったりしながら、諦めずに再び挑戦できるように援助していけるとよいですね。

 

「諦めなかったら成功できた」という達成感が自信につながり、困難そうな出来事にも自信を持って行動する自立心へと育っていくのではないでしょうか。

経験の積み重ねが「自立心」につながっていく

今回は、10の姿の一つ「自立心」について保育所保育指針を参考にまとめ、子どもの姿の事例を援助のポイントとともに紹介しました。

 

小学生になると、自ら考えて取り組む機会が多くなってきます。
幼児期に自立心を育むことによって、小学校に入学してからも自分から進んで興味のあることに関わっていくことができるでしょう。

 

しかし、自立心は短期間で養えるものではありません。

 

小さな成功体験を積み重ねたり、失敗を乗り越えた経験が自信になったりして、少しずつ育っていくものではないでしょうか。

 

保育者として、子どもたちの心が育つアプローチを考えていきたいですね。

 

事例を参考に、10の姿の一つ「自立心」とは何かについて理解を深め、保育に活かしていきましょう。

 

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改定保育所保育指針 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

 

新・保育所保育指針の重要ポイント!「10の姿」について、それぞれの視点とエピソードを解説します

 

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