【10の姿】「思考力の芽生え」とは。子どもの姿からつなげる実践事例

保育所保育指針・幼稚園教育要領の改定により示された「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」。この視点は10の姿とされており、今回はその中の「思考力の芽生え」について解説します。年齢別の保育の実践事例や子どもの思考力を育むためのポイントをまとめました。


砂場で遊ぶ子どもたち

ANURAK PONGPATIMET/shutterstock.com


10の姿の一つ「思考力の芽生え」とは

厚生労働省「保育所保育指針解説」の資料によると、「思考力の芽生え」について以下のように示されています。


身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。
また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。


出典:保育所保育指針解説p86/厚生労働省より抜粋


「どうしてこうなるんだろう?」と思う気持ちは、興味のあることを自ら探っていくための土台になるでしょう。


身近な物事への興味や関心は、小学校以降の学習における大切な基盤づくりにつながりそうです。


幼児期には、友だちとの関わりの中で考えたり、さらに工夫したりする経験を積み重ねていけるとよいですね。


出典:保育所保育指針解説p86/厚生労働省

保育の中で「思考力の芽生え」が子どもの姿にあらわれる実践事例

10の姿の一つ「思考力の芽生え」につながる、子どもの姿を見つける視点や保育士さんの援助について、実践事例をもとに考えていきましょう。



2歳児


<活動内容:色水遊び>


2歳児クラスの子どもたちは、いろいろなものに興味は持って「これなあに?」「なんでこうなるの?」とお話を楽しむ子どもが増えてきました。


子どもにとって身近な「色」に興味を持って、その変化の不思議さを味わってほしいと考えた保育士さんは、色水遊びを計画しています。


食紅で作った赤、青、黄色の色水をいくつかペットボトルに入れ、自由に混ぜて遊べるようにコップやスポイトを用意しました。


思考力の芽生え事例①

自分なりにじっくりと遊び込むことが、さまざまなものに対する好奇心のきっかけになっていくようです。



4歳児


<活動内容:どろんこ遊び>


4歳児クラスの夏のできごとです。
この日は園庭の砂場でどろんこ遊びをしていました。


K君・C君・Hちゃんは3人でひとつのお山を作り、真ん中にトンネルを掘っています。


普段から3人は砂遊びが大好きで、大きなお風呂やお山を作って盛り上がっていました。


今日は水を使いトンネルの中に川を流そうと考えたようで、3人は一生懸命です。


思考力の芽生え事例②

3人の意見が混ざり合い、予想とは違うユニークな遊びが始まった実践事例です。


子どもが遊びを通して考えを深めていくためには、子どもといっしょに考える姿勢を持つことが保育士さんには大切なのかもしれません。



5歳児


<活動内容:積み木ゲーム>


年長クラスでは、積み木ゲームが流行っています。


グループ対抗で積み木を高く積み上げたほうが勝ち、というルールです。

最初は少数の子どもたちの間で流行っていましたが、いつの間にかクラス全員の間でブームが巻き起こりました。


思考力の芽生え事例③

友だちと互いに意見を出し合うことで、新しい考えを生み出す喜びを味わえた実践事例です。


作戦タイムを設けることで、自分と異なる考えがあることに気づけたのかもしれませんね。

10の姿「思考力の芽生え」の観点を意識するときのポイント

積み木のおもちゃで遊ぶ子ども

Mcimage/shutterstock.com


10の姿「思考力の芽生え」の観点から、保育をするうえで意識したいポイントをまとめました。



身の回りの環境に積極的に関われる機会を作る


子どもたちの身の回りには、自然物や道具、紙や水、布などの素材や物があふれています。


そういった物的環境に興味を持ち、ふれてみるうちにそれらの特徴や規則性などに気づくことができるでしょう。


保育士さんは遊びを通していろいろな物に興味を持てるような活動を考えつつ、子どもの気づきや考えを受け止め、尊重しながら関わっていきましょう。



友だちと考えを伝え合うことを促す


友だちの意見や気づきに触れることにより、知識や経験は広がり、自分の考えを高めていくことにつながるのではないでしょうか。


保育士さんは、活動の中で「どうしたらいいと思う?」など子どもたちに考えを聞くことや、子ども同士で話し合う機会を積極的に取り入れてみるとよいかもしれません。



子どもの好奇心や探究心を引き出す仕掛けを作る


子どもが身の回りの物に不思議さや面白さを感じ、「こうしてみたい」「こうすれば面白そう」という好奇心のきっかけを作ることが大切となるようです。


例えば、色付きのセロファンを光にかざすと色のついた影が現れます。


そうしたことをさりげなく遊びに取り入れることで、「セロファンを重ねたらどうだろう」「自分の目にセロファンを当てたらどう見えるかな」など、工夫しながらさまざまに遊び、考えが深まっていくのではないでしょうか。


子どもが好奇心をもって試行錯誤しながら遊ぶことで、新しい考えが生み出され、遊びの広がりにつながるでしょう。

「思考力の芽生え」につなげるには、先回りをしすぎない保育を

今回は、10の姿の一つ「思考力の芽生え」とは何か、保育の実践事例とともに子どもの育ちを見つけるポイントをまとめました。


子どもたちの考える力を育む上で保育士さんがすべきことは、身の回りの事象に興味が持てるようにすること、そして他者の異なる意見に触れ、話し合うことができる機会を作ることではないでしょうか。


発達段階や個々の性格に応じて、必要な働きかけを考えていけるとよいですね。


事例を参考に、10の姿の一つ「思考力の芽生え」とは何かについて理解を深め、保育に活かしていきましょう。



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改定保育所保育指針 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿


新・保育所保育指針の重要ポイント!「10の姿」について、それぞれの視点とエピソードを解説します


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