【10の姿】「協同性」とは。意味や保育に役立つ遊びの事例と子どもの姿

10の姿の「協同性」は、保育所保育指針・幼稚園教育要領の改定により示された、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の一つです。このコラムではその意味や、遊びの中でどのように保育士さんが子どもの姿を見ていけばよいのかを解説します。年齢別の事例をもとに、協同性の育ちがわかる子どもの姿をみていきましょう。


おもちゃで遊ぶ子どもたち

ucchie79/shutterstock.com

 

10の姿「協同性」とは

厚生労働省「保育所保育指針解説」によると、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿における、「協同性」とは以下のように解説されています。

 

友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的 の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感を もってやり遂げるようになる。

 

出典:保育所保育指針解説p79/厚生労働省より抜粋

 

10の姿の「協同性」は、友だちのとの関わり合いのなかで、共通の目的を実現するために協力したり、工夫したりする経験を通して育まれるようです。

 

具体的な経験としては、

 

  • 保育士との信頼関係を基盤に友だちとの関わりを深めていく
  • 思いを伝え合ったり試行錯誤したりしながら一緒に活動を展開する楽しさを味わう
  • 共通の目的が 実現するよろこびを味わう
  • 一緒に活動する中で、それぞれの持ち味が発揮され、互いのよさを認め合う

 

以上のようなことがあげられるでしょう。

 

このときに注意したいのが、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿は子どもが絶対に達成しなければならない目標ではなく、保育士さんの援助の方向性を示したものであるということです。

 

協同性を育む遊びを無理に設定するよりも、子どもたちが協同性の育ちに向かっていけるように、遊びの中で保育士さんが声かけをしたり、適切な援助をしたりしていけるとよいですね。

 

出典:保育所保育指針解説p79/厚生労働省

 

保育の中で「協同性」があらわれる具体的な子どもの姿

協同性を育む遊びを考えるのではなく、子どもの姿から「協同性」の育ちにつながる姿を見つけて援助していくことが大切となるでしょう。

 

幼児期の終わりまでに育ってほしい姿は、「5歳児の終わりまでに育ってほしい姿」として設定されていますが、3歳児や4歳児を受け持つ保育士さんたちも意識して見ていきたいと考えているかもしれません。

 

「協同性」の育ちにつながる姿には、どのようなものがあるか、年齢ごとに事例をもとにみていきましょう。

 

1歳児

 

「言葉でやりとりを行い、イメージを共有する」というと、4・5歳児の姿を想像しますが、それは乳児期からの積み重ねによって見えてくる姿ではないでしょうか。

 

実践事例をもとにみていきましょう。

 

<活動内容:散歩中の秋探し>

 

1歳児のクラスでは、「季節感を楽しみながら散歩をする」が今週の目標。

 

赤く染まった葉っぱを見つけたり、ちょっと冷たい風を感じたりしながら、近所の公園へ出掛けました。


協同性事例①

歌からイメージをつなげて、赤い落ち葉を「まっかか」と形容する姿が見られます。

 

大好きな保育士さんが歌っていたことを思い出し、保育士さんの元へ報告しに来てくれたのかもしれません。

 

1歳児など乳児では、言葉で具体的なイメージを伝えるよりも、子どもたちが好きな歌を活用すると楽しくイメージを共有することができるかもしれません。

 

水族館ごっこ:4歳児

 

4歳児クラスでは、遠足で水族館へ行った後から「水族館ごっこ」が流行りだしました。

 

遠足後には思い出に残ったことを絵に残す活動を行い、みんなの前でどんなことが印象的だったか発表する機会を設けました。


協同性事例②

協同性の育ちは一日で発達するものではありません。

 

3歳児クラスなどから、保育士さんが丁寧に子どもたちの思いや考えを聞いたり友だちとのやりとりを仲介したりすることが大切となるでしょう。

 

その結果、4歳児で自分たちなりに言葉のやり取りでイメージを分かち合う、折り合いをつけていくといった姿につながりそうですね。

 

5歳児

 

<活動内容:みんなで看板製作>

 

5歳児クラスでは、冬の発表会の準備を進めています。

発表を見に来てくれるお客さんのために、案内表示の看板を作ることになりました。

 

1m×2mの大きな段ボールに模造紙を貼り、クラスでひとつの看板を作ります。


協同性事例③

発表会に向けて共通の目的を持ち、思いをぶつけ合って試行錯誤しながら取り組む5歳児の子どもならではの姿です。

10の姿「協同性」の観点を意識するときのポイント

保育園で遊ぶ先生と子ども

KPG Payless2/shutterstock.com

 

幼児期の終わりまでに育ってほしい姿「協同性」の観点から、保育をするうえで意識したいポイントをまとめました。

 

イメージや気持ちを共有する楽しさを味わえるように工夫する

 

子どもが保育士さんや友だちと、イメージや気持ちを共有することの楽しさを味わえるようにしましょう。

 

1歳児など乳児クラスでは、歌や絵本の読み聞かせを通してイメージを分かち合えるとよいでしょう。

 

そのとき、同じ場面で笑ったり、笑顔で顔を見合わせたりといったことで気持ちを共有するうれしさを感じられるかもしれません。

 

3歳児くらいで、言葉で気持ちを伝えられるようになったら、みんなの前で考えを発表するような場を設けてみましょう。

 

発表会を通して友だちの言葉に共感することや、自分の言葉を聞いてもらうことを通して、伝え合いのよろこびを味わっていけるとよいですね。

 

子どもたち自身の「伝え合い」を見守る

 

子どもたち同士が言葉でのやり取りを楽しめるよう、仲立ちをしていきましょう。

 

自分の言葉を受け止めてもらう経験を重ねることで、友だちの話を聞こうとする姿勢が育まれるかもしれません。

 

3歳児や4歳児では、自我のぶつかり合いからケンカに発展してしまうこともあるでしょう。

 

そのときは保育士さんが間に入り、それぞれの思いを受け止めながら仲裁を重ねていくことが、子どもたち自身で解決に向けて折り合いをつける力につながりそうです。

 

友だちのよさや個性への気づきを促す

 

友だちといっしょに遊ぶ中で、自分の思いや個性を充分に発揮することが大切となるでしょう。

 

保育士さんが子どものよいところを発信していくと、子どもたちもお互いのよさに気づけるかもしれません。

 

そうして力を合わせて活動することで、協同することの大切さがわかっていくのではないでしょうか。

子どもの「考える」「伝え合う」をよく観察すると「協同性」がわかる

今回は、10の姿の一つ「協同性」について、その意味や保育士さんが子どもの姿から協同性の育ちを見つけるときのポイントを紹介しました。

 

子どもたち自身がイメージし、考えを深め、言葉で伝え合おうとする姿が協同性につながるでしょう。

 

そこへ保育士さんが介入しすぎてしまうと、子ども自身で想像する機会が失われてしまうかもしれません。

 

今、この子はどんなことを考え、どんなことを言いたいのか。
必要以上のアプローチをせず、時には見守ることも大切ですね。

 

一人ひとりの姿をよく観察しながら、ちょうど良い距離間で見守り、10の姿「協同性」の育ちに向けて働きかけていきましょう。

 

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改定保育所保育指針 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

 

新・保育所保育指針の重要ポイント!「10の姿」について、それぞれの視点とエピソードを解説します

 

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