保育士の採用面接において、人材の見極め方を知りたいという担当者の方もいるかもしれません。求める人材を明確化したうえで、面接で求職者の適性を判断することは大切でしょう。今回は、面接時の「自己紹介」や「志望動機」などの質問において、良い人材の見極め方を解説します。
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■目次
採用面接で良い人材を見極めるためには
採用面接を行う中で、保育士さんの適性を判断し、自園が求めている人材を採用したいと考える担当者の方もいるでしょう。
実際に採用した保育士さんが早期離職したり、職員間の連携が上手くいかなかったりすると、面接対応や選考において、問題があったのではないかと悩む場合もあるかもしれません。
基本的に保育士の採用面接は以下の流れで進むことが多いようです。
・自己紹介
・転職理由
・志望動機
・保育士としての経験
・園の説明に対しての質疑応答
採用面接で良い人材を見極めるためには、この流れのなかで応募者の応対のしかたや人柄、エピソードなどにポイントをおくことが重要になります。
採用活動における人材の見極め方をくわしく知り、優秀な人材確保に役立てましょう。
面接時の良い人材の見極め方:自己紹介
一般的な企業の面接において導入部分の段階で、求職者に自己紹介をお願いすることが多いようです。
求職者が自己紹介をした際の人材の見極め方のポイントは、以下の内容となります。
・自分のことを明るく、ポジティブに話すことができる
・自分のことをはっきりとした口調で話すことができる
・自分自身について分かりやすく説明することができる
保育士は子どもや保護者に対して笑顔で明るく話すことが求められます。
面接で緊張している保育士さんもいるかもしれませんが、そのような場面でも一生懸命明るく話そうとする姿勢を見せることは、保育士としての適性を判断するうえで大切なことです。
また、保育士は子どもと接する際に、ものごとを分かりやすく説明する能力を必要とされる職種でしょう。
保育活動では製作の順番やゲームのルール説明など、はきはきと子どもたちに分かりやすく説明を行う場面が多いものです。
そのため、自己紹介の中で求職者が自分自身について分かりやすく相手に伝えることができるかを判断することは、良い人材を見極めるうえで重要となるでしょう。
面接時の良い人材の見極め方:転職理由
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中途採用の面接では、求職者に対して前職の転職理由を訪ねることも多いでしょう。
求職者が転職理由を話す際の人材の見極め方のポイントは、以下の内容となります。
・転職理由というマイナスになりうる要素をポジティブに話すことができる
・保育士として向上心をもった転職だと話すことができる
・退社する(した)保育施設に対して感謝の気持ちを表現できる
面接の中で、自己紹介や志望動機はポジティブに話すことができる質問でしょう。
しかし、転職理由については、「園の雰囲気が悪かった」、「賃金に不満があった」などマイナス要因を伝えなければならないケースも多いかもしれません。
その際に、求職者が前職の保育施設に感謝しつつも、保育士さんとしての向上心をもった転職理由を伝えられるのかということは、良い人材を見極めるうえで重要になります。
保育士さんは保育活動の中で、子ども一人ひとりの性格を捉える際に「落ち着きがない」という短所となりうる要素を「好奇心旺盛で、行動力がある」という長所となる言葉に変換する能力を求められることが多いものです。
ネガティブな言葉をポジティブな言葉に置き換えることができる保育士さんは、日常的な保育活動においても、明るいふるまいを心がけ、子ども自身の可能性を広げられそう、と判断することができるでしょう。
そのため、求職者が転職理由を話す際に、前職の保育施設のマイナスな部分も含めて、ポジティブに伝えることができるかというのは、保育士としての適性を判断するうえで大切なことかもしれません。
面接時の良い人材の見極め方:志望動機
面接の際は、「志望動機」を聞くことは、自園で働く意欲を確認するうえで重要です。
求職者の志望動機を聞くうえで人材の見極め方のポイントは、以下の内容となります。
・自園に対しての興味や働く意欲について示すことができる
・働く意思について、自分の言葉で話すことができる
志望動機は、園の保育観や労働条件を語る求職者も多く、保育観についても知ることができる機会でしょう。
また、「なぜいろいろな園がある中で、自園を希望しているのか」という点については、求職者に詳しく聞くとよさそうです。
自園への志望動機が明確化している場合は、「この園でどうしても働きたい!」という意欲の表れでもあり、採用後も早期離職するケースが少ないかもしれません。
良い印象を与える言葉を並べた志望動機を語るのではなく、自分の意思をしっかりと自分の言葉で話すことができるかを見極めていきましょう。
面接時に自分自身の言葉で志望動機を話そうとする保育士は、保育活動においても子どもや保護者に対しての言葉かけが丁寧で、誠実な対応となることが期待できるかもしれません。
面接時の良い人材の見極め方:保育士としての経験
面接の中で、保育士としてどのような経験をしてきたのかを質問し、求職者の保育観について知っていきましょう。
求職者の保育士経験を聞くうえで人材の見極め方のポイントは、以下の内容となります。
・保育士としての経験の中で培った保育観をしっかりと伝えることができる
・保育士の経験を通してこれからの働き方について明確化している
近年では認定こども園や地域型保育園などさまざまな保育施設があり、保育方針も多様化しています。
求職者の今までの経験とこれから働く自園の運営方針や保育方針を照らし合わせたときに、ズレが生じる場合もあるようです。
そのため、「どのような保育観をもった園で働いていたのか」、「子どもとの関わり方で気をつけていたことはないか」など具体的に質問することで、保育士の価値観や培った経験を知ることができるかもしれません。
今までの保育士経験を自園でどのように活かしていくのか、求職者と意見交換を行い、具体的にイメージしていきましょう。
面接時の良い人材の見極め方:園の説明に対しての質疑応答
面接時に、園の説明を行う保育園や幼稚園も多いようです。
園の保育方針や一日の保育活動、行事内容などを詳しく説明し、質疑応答を行いましょう。
園の説明に対しての質疑応答を行う際の人材を見極めるポイントは、以下の内容になります。
・園の説明を行った際に具体的な質問ができる
・園の保育活動に興味をもち、働く意欲を示すことができる
実際に園の説明を行ったときに、求職者の中には「保育方針が考えていたものではなく、賛同できないかもしれない」、「思ったよりも行事が多く、休日がとれないかもしれない」など不安に感じることもあるかもしれません。
このように保育施設側と求職者側の考えのズレが生じた場合に、採用したとしても早期離職となる場合も考えられます。
園についてしっかりと説明を行い、求職者の表情や仕草を見て説明に対して、働くイメージができているか、保育活動や保育方針に納得できているのか質疑応答を行なうことでクリアにし、判断することも大切でしょう。
保育士の採用面接における人材の見極め方を把握し、採用活動に役立てよう
今回は、保育士の採用面接における人材を見極め方のポイントについて紹介しました。
面接時は緊張する保育士さんも多いため、リラックスして面接に臨めるように笑顔で応対しましょう。
また、面接の前後に園見学などを行うことで、求職者側も子どもや職員の様子を確認でき、働くイメージがつきやすいかもしれません。
その際に求職者が「他の職員としっかりと挨拶しているか」、「子どもに笑顔で接しているか」などの対応力を見ることは、採用を決定するうえで重要となる場合もあるようです。
採用後の人材の定着化を目指すためにも、求める人材を明確化し、園見学や面接を通して、優秀な人材を確保していきましょう。