保育士の採用活動をするにあたって、どれくらいの選考期間を目安に進行するべきか悩むこともあるでしょう。転職を検討している方のなかには複数応募している場合もあり、面接から内定までの期間が長いと他園への就職が決まったり、内定辞退につながったりすることも考えられます。このコラムでは、選考期間の平均やスピーディーに対応することの重要性、スムーズに行うための対策について詳しく解説します。
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採用活動における選考期間の平均は?
保採用活動をするうえで、選考期間にどのくらい時間をかけるべきか考えることもあるかもしれません。
一般的な平均は、一次面接から内定まで「1週間以上2週間未満」といわれています。
保育士採用についても同様のことが考えられますが、人材不足の園では面接当日に内定を出すケースもあるでしょう。
その一方で園の行事が多忙な時期や複数の応募者の中から内定者を決定する場合は、選考期間が長くなることも考えられます。
しかし、転職者側は「できるだけ早めに結論が知りたい」、「選考期間が長いということは自分は採用に至らないのではないか」とさまざまな想いを抱くこともあるようです。
保育士を採用する際の選考期間の重要性や内定までスピーディーに対応する方法を把握し、人材確保に役立てていきましょう。
保育士の転職者の選考期間が重要な理由
まずは、選考期間の長さが重要な理由について解説します。
他園と併行して転職を検討している場合がある
求職者は自園での就業を希望する際に、他園と迷っている場合もあるかもしれません。
このような状況の中で内定がなかなか出ないと、自園で働くことに対して不安を抱き、せっかく採用が決定しても辞退してしまう可能性があるでしょう。
保育士が不足している今、人材の補充に力を入れている園は多くあります。
自園の選考期間をできるだけ短縮し、人員の確保競争に打ち勝つ必要があるでしょう。
求職者が転職に対して迷う可能性がある
求職者の方の中には、応募から内定の間に「本当に転職するべきか」と迷うこともあるかもしれません。
現在働いている園に退職を伝えると、「あなたが必要だ」、「不満があれば対処するため、園に残ってほしい」などさまざまな言葉を投げかけられ、引き止められたという保育士さんも多いようです。
また、園側が辞めることを承諾しながらも、「引継ぎが見つかるまでもう少し残ってほしい」など、現場を離れる時期の延長を希望することも考えられます。
このような場合に、転職者がもう少しこの園で頑張っていきたいという気持ちを抱くこともあるかもしれません。
選考期間が長くなるほど、転職者に迷いが生じてしまうため、内定までスピィーディーに対応することは重要になります。
面接から内定までをスピィーディーに行うための対策
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採用を成功させるために、選考期間を短縮するための方法を紹介します。
自園の人材の評価表を作成する
複数の人材と面接し、どなたを採用するかべきか迷い、選考期間が長くなってしまう可能性もあるでしょう。
自園に必要な人員を見極めることができるように、独自の評価表を作成するとよいかもしれません。
また、必要な勤務時間帯や賃金などの条件を考慮して選考するだけでなく、人柄や過去の経験を重視する園もあるようです。
そのため、「乳児保育経験がある」、「ピアノを弾くことができる」など求めている人材に対して箇条書きにして、どのような点で評価するかまとめておくとよさそうです。
さらに、副担任や補助を募集する場合は、担任との相性を考えて採用を決定することもあるでしょう。
園の現状を把握したうえで、求める人物像を明確にしてから、評価表を作成していくとよいかもしれません。
スケジュール管理を徹底する
求職者の面接から内定までを園長先生や副園長先生が担当する園は多いことでしょう。
しかし、3月~4月など入園式や卒園式などもあり、多忙な時期の採用活動について、手が回らないというケースも考えられます。
このような場合もきちんと対応できるように、求職者一人ひとりの応募から内定までをスケジュールをしっかり管理して日程調整や連絡を行い、スピーディーに選考できるように努めましょう。
人材紹介会社を活用する
園の運営が多忙で採用活動に取り組む時間がとれないという担当者の方もいるかもしれません。
また、採用活動以外の業務が忙しく、選考に時間がかかってしまうケースもあるでしょう。
このような状況の中で、保育士の人材紹介会社や派遣会社などを利用する園も増加しています。
求職者と雇用者を仲人するシステムのため、保育士さんへの連絡や面接日程の調整、採用不採用の伝達などの一連の流れを業者に任せることができるというメリットがあります。
細かなやり取りを頼むことができるため、内定までスピーディーに対応することも可能となるでしょう。
WEB面接を活用する
基本的に転職者との面接を行う際は、対面形式の園が多いようですが、日程調整などで時間がかかる場合もあるようです。
内定までの期間を短縮するためにも、WEB面接を取り入れてみるとよいかもしれません。
WEB面接はオンライン上で求職者と雇用者がやり取りをするため、移動不要で効率的に面接を行うことが可能です。
転職者の中には、現在働いている園が多忙でなかなか転職先の園まで出向くのが難しいということもあるでしょう。
インターネット環境が整備されていれば、求職者の自宅でやり取りもできるため、園が二次面接を希望する際も呼びかけやすいかもしれません。
WEB面接の導入を検討し、選考期間を短縮に向けて活用してみましょう。
合否の通達をメールで行う
採用の合否を求職者に伝える際、電話やメールなど園によって通達方法に違いがあるでしょう。
電話の場合は相手が出られないケースがあり、通達が遅くなる可能性があります。
合否をいち早く伝えるためにも、あらかじめ、求職者からメールアドレスを聞き、結果を送付するとよいでしょう。
また、どのような内容のメールを送ることが適切なのか迷うこともあるかもしれません。
メールを送る際はインターネット上のテンプレートなどを利用して、失礼のない文章を送ることを心がけるようにしましょう。
求職者へのねぎらいの言葉などを添えるなど、ビジネス的な文章にならないように気をつけるのがポイントです。
保育士の転職者の選考期間を意識して採用活動に取り組もう
せっかく応募が来ても採用を決めるまでの選考期間が長いと、内定辞退となってしまったケースもあるかもしれません。
このような事態に陥らないためにも、内定までスピィーディーに対応できるように、WEB面接の導入や人材評価表の作成などに取り組んでいきましょう。
保育士の人手不足が深刻化するいま、転職者の獲得競争はこれからも激化することが予想されます。
採用の成功に向けて選考期間の短縮に取り組み、人材確保に役立てていきましょう。