産休・育休に入る保育士さんの欠員を補充する際に有効な採用方法を知りたい園もあるでしょう。「採用計画の立案」や「求める人材の明確化」などを行うことで人員の獲得がスムーズに進むかもしれません。今回は産休に入る保育士さんの欠員補充対策を徹底解説します。募集する際の採用ポイントについてもまとめました。
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産休時に備えて保育士さんの欠員を補充しよう
「産休」とは出産休業を省略した言葉で、出産するために取得する休業のことを言います。
労働基準法で定められた権利の一つで、出産予定日の6週間前から出産当日までを産前休業、出産の翌日から8週間後までを産後休業として取ることが可能です。
また、産休後に取得できる「育休」については取得日数が増えることとなりました。
2022年9月までは、原則「子どもの年齢が1歳になるまで」が取得期間でしたが、2022年10月からは「子どもが1歳2カ月になるまで」と変更が加わり、いままでよりも基本的な休業期間が2カ月間延長されます。
保育園で産休・育休制度を取得しやすい環境を作り出せば、人材の定着化や復職支援に役立ち、健全な運営を行うことができるでしょう。
また、職員が産休を取得する場合にあわせて欠員補充の方法を明確化しておくことが大切ですね。
今回は保育士さんが産休に入った場合の欠員補充の対策や採用ポイントなどを解説します。産休後に育児休業を取得する方もいるため、育休時の対応策としても役立ててみてくださいね。
【産休時】保育士さんの欠員補充対策
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産休に入る保育士さんの欠員補充を行ううえで必要な対策を紹介します。
方針を決定、全体に周知する
まずは「代替職員を募集するのか」「フリーの保育士に対応してもらうのか」など園の方針を決定しましょう。
あらかじめ方針を決定しておくと、産休の申し出があった場合にすぐ対応策を考えることができそうです。
また、妊娠がわかった職員の中には「産休・育休を取るか」「離職するか」迷う保育士さんも出てくるかもしれません。
安心して産休が取れるよう、職員全体に方針を周知しておくことも大切ですね。
採用計画を立てる
産休代替職員を雇用する場合は、採用時期を逆算して計画を立てていきましょう。
引継ぎの期間や産休が早まる可能性も考慮したうえで、募集時期や面接日程を決めておくとよいですね。
特に10月~12月は運動会や生活発表会で忙しい園も多いかもしれません。園の行事なども考慮したうえで実現可能な計画を立てて人材の補充に取り組みましょう。
業務量の把握・見直しを行う
職員それぞれの仕事量を確認し、産休に入る保育士さんの業務を割り振りすることも大切です。休業に入る方には、早めに業務の洗い出しをしておいてもらうとよさそうです。
役割分担を行う際は業務バランスをしっかり考えて、職員一人ひとりの負担が増えないように気をつけましょう。
また、産休に入る保育士さんが他の職員に業務をお願いする際、申し訳ない気持ちを抱くことが多いかもしれません。「大丈夫だから安心して産休に入ってね。」などと優しい言葉をかけて配慮ある対応を心がけましょう。
【産休時】保育士さんの欠員補充における採用ポイント
産休時の保育士さんの欠員補充を行う際の注意点を紹介します。
求人票に「産休代替職員募集」と明記する
求人票には読み手に「産休代替職員」の募集であることがわかるように明記しましょう。
また、代替職員として応募しても更新の可能性がある場合はその点も記入するとよいですね。
あらかじめ勤務期間が決まっている場合は必ず契約内容や期間の詳細も記入しましょう。
求める人物像を明確化する
産休に入る保育士さんが担任を持っている場合もあるでしょう。その際の代替職員は担任を任せられる方を募集する必要がありそうです。
あらかじめ受け持つクラスのカラーを確認したり、副担任との相性を見たうえでどんな人材を補充するべきか考えたりすることが大切です。
また、子どもや保護者の方は担任の変更に不安を抱くことでしょう。発達やコミュニケーション面でフォローを必要とする子もいれば、特別な配慮を要する保護者の方もいるかもしれません。
産休に入る保育士さんにどんな人材が適正だと思うか意見を聞いて、採用時に役立てることも必要ですね。
募集方法を工夫する
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採用活動がスムーズに進むように募集方法のやり方を考えていきましょう。
さまざまな採用手法を取り入れる
産休の代替職員は契約期間が決まっている場合が多いため、更新制の職員を募集しやすい人材派遣会社からの紹介を頼んだり、転職エージェントを利用したりと採用手法を工夫するとよさそうです。
転職エージェントを活用すると希望条件にぴったりの人材を紹介してくれます。面接の日程調整や求職者との希望条件のすり合わせなども代行してくれるため、安心して活用することができそうです。
また、多忙な園の中には採用活動になかなか時間をかけられない場合もあるかもしれません。
転職エージェントなど採用に役立つサービスを利用すると効率的に人材を補充することができるでしょう。
魅力的な求人票を作成する
求人票のタイトルを工夫すると募集の増加につながる可能性があります。
例えば、
「産休代替職員募集!研修制度完備・残業なし・賞与年3回支給のアットホームな園」
「産休・育休に入る職員の代わりにフリー保育士を募集!週4日・1日5時間勤務可能」
「産休フォローの職員を募集中!持ち帰り仕事なし・好条件な少人数園です。」
など、園での働きやすさが一目でわかる文言を記載するとよいですね。
また、保育士専門の求人サイトに掲載すれば、ターゲット層の目に留まりやすいというメリットがあります。
求人票の書き方のアドバイスなどをもらえる可能性があるため、掲載費用の相談なども含めて一度問い合わせてみるとよいですね。
産休時の保育士さんの欠員補充対策に取り組もう
産休に入る保育士さんの欠員を補充するためには、採用計画をきちんと立てたうえで募集する必要があるでしょう。
あらかじめ欠員補充の方法を決めておくとスムーズな人員の獲得につながりそうです。
転職エージェントなどを活用して自園にぴったりの人材を採用できるとよいですね。