人材が不足する昨今、ブランクがある保育士さんに向けて採用活動を展開したいと考える担当者の方もいるでしょう。長らく現場から離れていた方の復職を後押しすることで、人材不足の解消に役立つかもしれません。このコラムではブランクあり保育士さんを採用するメリットや募集方法、受け入れるための対策について紹介します。
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■目次
ブランクあり保育士の復職を後押ししよう
人材不足が深刻化する中で「応募が来ない」、「常に人が足りない」と悩む採用担当者の方もいるかもしれません。
この問題を解消するためにも、保育士の資格を保有しながらも現場で働いていない方(潜在保育士)の復職を後押しすることも重要ではないでしょうか。
2015年厚生労働省の調査によると潜在保育士は約76万人といわれています。
中にはブランクがあり、現場に復帰することに対して不安のある保育士さんもいるかもしれません。
採用活動を進める際に、このような保育士さんの復帰を支え、人材の確保に役立てていきましょう。
まずは、ブランクがある保育士さんを採用するメリットについて紹介します。
関連記事:【採用担当者向け】潜在保育士が復職しない理由とは?再就職を後押しするために園ができること】/保育士バンク!
ブランクあり保育士を採用するメリット
社会経験や育児経験が豊富な可能性がある
現場から離れていた方の中には、保育士以外の社会経験や育児経験が豊富な場合があり、その経験を活かした保育活動が期待できるでしょう。
特にお子さんがいる方は日常的に子どもに対して食事や衣服の着脱などさまざまな援助を行っていることから、その経験が保育士としての業務に活かせるかもしれません。
また、子育て中は頭の中で常に家事や育児の段取りを考えながら、スケジュール調整を行うことが多いでしょう。
保育士としての業務も保育活動の他に保護者対応や園内清掃、書類作成など同時にさまざまな仕事をこなすことを考えると、家庭で培われたスケジューリング力を活かした勤務が期待できるかもしれません。
保育方針に賛同してもらいやすい
ブランクがある保育士さんの中には、他の保育施設で勤務した経験が浅い可能性があるため、自身の保育観が確立されていない場合もあるでしょう。
そのため、さまざまな保育方針に対しても柔軟に対応し、自園の特色を活かした保育活動を前向きに取り組んでくめる方が多いかもしれません。
自園の保育方針に賛同してもらえれば、「保育観が自分と合わない」などの求職者とのミスマッチを避けることができ、早期退職の防止にもつながりそうです。
求職者の応募の増加が期待できる
自園で「ブランクがあっても働くことができる保育園」というイメージが浸透すれば、復職に迷う求職者からの応募が増加する可能性があるでしょう。
近年ではインターネットの普及により、SNSや情報サイトなどでの園の評価が応募の増減に影響する場合があるようです。
自園のイメージを高めるためにも、職採用枠を拡げ、「未経験」や「ブランクあり」といったさまざまな保育士さんを積極的に募集していきましょう。
ブランクあり保育士を採用する方法
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長らく現場を離れている保育士さんを採用するための方法について紹介します。
求人票に魅力的なキャッチコピーを記載する
ブランクがある方の中には、保育士として働きたい気持ちがあっても、仕事量の多さや体力面を考え、なかなか復職への一歩を踏み出せないという場合もあるでしょう。
復職を後押しするためにも求人票には、「ブランクがある方も歓迎!土日のみ勤務も可能」、「ブランクがある保育ママも多数在籍しています。安心してお問い合わせください」など、求職者の不安を和らげられるようなキャッチコピーを記載するとよいかもしれません。
目に留まる文言の記載や柔軟な勤務体制をアピールすることで、応募の増加も期待できるでしょう。
人材紹介・派遣会社を活用する
保育業界では、人材紹介会社や派遣会社を利用して就職・転職活動を行う保育士さんが増加しているようです。
オンライン上で簡単に登録できるケースも多く、ブランクのある方も「まずは登録だけでもしてみよう」と、活用している場合が考えられます。
経営者の方の中には、人材紹介会社などを利用すると費用がかかるのでは?とコスト面で心配になるケースもあるかもしれません。
しかし、「ブランクのある方が登録している可能性が高い」、「自園の要望にあった人材を紹介してもらえる」などさまざまなメリットも考えられるため、一度費用面も含めて問い合わせしてみるとよいかもしれません。
職場見学、体験会を積極的に開催する
ブランクのある保育士さんの職場復帰を後押しするために、職場見学や体験会を開催することは大切でしょう。
子どもと関わりたいという想いを抱いていても、実際に働けるのか不安に思う方もいるかもしれません。
復帰に対してのハードルを下げられるように、現場の様子を見ることができる機会や子どもや職員と触れ合う場を積極的に設けるとよいでしょう。
ブランクあり保育士の採用に向けた対策
ブランクのある保育士さんが安心して働くことができるように、園の受け入れ体制を整備する必要があるでしょう。
具体的な対策方法について紹介します。
指導・研修計画を立てる
長らく現場から離れていた方は、復職して保育士の業務をこなせるのか不安を抱えている場合が多いでしょう。
雇用側は復帰した方がスムーズに業務に慣れることができるように、環境を整えておくとよいかもしれません。
そのためにも、ブランクのある保育士さん向けの指導・研修計画を立てるとよいでしょう。
また、あらかじめ教育担当を決めて、相談しやすい体制を整えるとよさそうです。
労働環境を整備する
保育士さんは「勤務時間が長い」、「休みが少ない」など、業務量が多いイメージを持っている方は少なくありません。
そのため、ブランクのある保育士さんも現場の復帰に対して躊躇してしまうことが考えられます。
現場の職員の勤務状況をきちんと把握し、残業時間の短縮や持ち帰り残業を辞めるなど働きやすい職場を作ることが大切でしょう。
労働環境を改善することで、現場から離れていた保育士さんが復帰しやすくなるだけでなく、人材の定着化にも役立つかもしれません。
関連記事:【採用担当コラム】保育士の人材不足の原因と解決策は?現状の把握や働きやすい職場づくり/保育士バンク!
ブランクあり保育士を採用し、人材確保に取り組もう
ブランクがある保育士さんの復職を後押しすることは、人材不足の解消に向けて大きな取り組みのひとつとなるでしょう。
不安を抱える方が前向きに職場復帰を検討できるように、求人票を工夫したり、受け入れ体制を整えたりすることが重要かもしれません。
ブランクがある保育士さんの採用に積極的に取り組み、人材確保に役立てていきましょう。