体調の優れない子どもを保護者の代わりに預かってくれる病児保育士。そんな病児保育士になるには、一体どうすればよいのでしょうか。今回は病児保育士として活躍できる職場を紹介します。また、病児保育士として働くメリットやデメリット、気になる求人・給料などの情報についても一緒に確認しておきましょう。病児保育士として働きたいと考えている方は、参考にしてくださいね。
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■目次
病児保育士とは
病児保育士とは、体調の優れない子どもを保護者の代わりに預かって保育する人のことです。主に病児保育専門の施設や家庭で、検温や病院の診察、食事の提供などを行ないながら子どものお世話をしていきます。
病児保育士の仕事内容
子どもの体調にもよりますが、激しい活動や外遊びなどは基本的に避け、室内で安静に過ごすような配慮が必要です。
たとえば、絵本を読んだり、子どもの好きなビデオを観たりするなど、子どもができる限り落ち着けるように心がけることが重要となります。
また、保育中の子どもの様子や体温・体調の変化など、できる限り細かい情報を保護者に伝えることも大切な仕事です。
病児保育士と通常の保育士との違い
通常の保育士の場合、元気な子どもを相手に、保育園や認定こども園などの保育施設でさまざまな遊びや活動を行ないながら保育をします。
病児保育士の場合は、病気にかかっている子、もしくは病気から回復傾向にある子を相手に、病児保育専門施設や医療機関、利用者の自宅などで子どもの病状に注意しながら保育をするのが特徴です。
いずれも子どもを相手にする仕事という点では共通していますが、保育をするときの子どもの健康状態と保育を行なう場所に大きな違いがあるようです。
病児保育士が働くことができる職場
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病児保育士が働ける職場は、大きく分けると以下の4つに分類されます。ここでは、それぞれの職場の特徴を確認しておきましょう。
医療機関併設型
医療機関併設型の場合、病院や診療所などに付設された専用スペースで子どもの保育を行ないます。
医師や看護師が常駐しているため、子どもの体調に異変が起きたときなどにすぐに処置してもらえるでしょう。
保育所併設型
保育所併設型の場合、保育園内に設けられた医務室や専用スペースで比較的症状の軽い子どもを対象に保育を行ないます。
普段から通い慣れている保育園でそのまま見られますが、看護師1名以上が常駐している必要があるため、導入されているところはあまり多くありません。
単独型
単独型の場合は、民間企業やNPO法人などが運営する病児保育を専門とする施設で保育を行ないます。
全国的に施設数は少ないものの、共働き世帯やひとり親世帯の増加に伴い、ニーズが高まっているため、少しずつ増加している状況です。
非施設型(訪問型)
非施設型の場合は、医療機関や保育所に併設されている施設とは異なり、子どもが住んでいる自宅で保育を行ないます。
医師や看護師などがいないため、病児保育士は子どもの様子をよく観察し、状況に応じて病院に付き添う必要があるそうです。
病児保育士になるために必要な資格とは?
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病児保育士になるためには、保育士または看護師の資格を取得している必要があります。ただし、非施設型で働く場合は特に資格は必要ありませんが、事前に病児保育をするための研修制度を設けているところもあるようです。
なお、病児保育には「認定病児保育スペシャリスト」「認定病児保育専門士」などといった民間の資格が用意されています。これらの資格を取得することで、病児保育に関する知識やスキルを持ち合わせていることをアピールできるので取得しておいたほうがよいでしょう。
病児保育士として働くメリット
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病児保育士として働くメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
- 少人数制なので子ども一人ひとりと向き合える
- 身体を動かす遊びをしない
- 行事などの事前準備が不要
病児保育は一人もしくは少人数の子どもを相手に保育を行なうので、子ども一人ひとりとじっくり向き合うことができます。
また、基本的に看病したり療養したりすることがほとんどのため、身体を動かす遊びはしません。室内遊びで静かに過ごすことが主流なので、体力的な負担も少ないでしょう。
さらに一般的な保育のように行事を行なうこともないので、製作物などの事前準備が不要です。このことから、業務上の負担も少ないといえるでしょう。
病児保育士として働くデメリット
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病児保育士のメリットがわかったところで、デメリットも確認しておきましょう。
- 毎回預かる子どもが異なる
- 子どもの体調が急変したときに臨機応変な対応が求められる
- 感染症が流行っている時期は忙しくなりがち
病児保育は突発的に子どもを預かることが多いので、毎回預かるこどもが違います。そのため、一般的な保育士と違って長期的な成長を見届けることができません。
さらに、病気の容体や症状は子どもによってさまざまです。万が一体調が急変したときなどには、臨機応変な対応が求められるでしょう。
インフルエンザや溶連菌などといった感染症が流行る時期は、病児保育のニーズが高まるため忙しくなりがちです。自分の体調管理にも、気をつけるようにしましょう。
病児保育士の求人・給料情報
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病児保育士として働くことを考えた場合、気になるのは求人・給料などではないでしょうか。
保育士バンク!に掲載する求人から病児保育の求人状況を調べてみたところ、クリニックや小児科、病児保育専門施設などさまざまな施設で募集が行なわれていました。いずれも少人数の子どもの保育を行なっているところが多いようで、お子さん一人ひとりと丁寧に関われる環境が整っているようです。
求人情報から給料を見てみると、正社員として働く場合は月給約20~30万円前後、アルバイトやパートとして働く場合は時給1100~1500円程度が相場となっていました。
病児保育士という仕事についてもっと詳しく聞いてみたいという方は、保育士バンク!まで、お気軽にお問い合わせください。
保育士資格を持っているなら病児保育士としての働き方を検討してみよう
体調の優れない子どもに寄り添う病児保育士は、保育士や看護師の資格を持っていると特に別の資格を取得することなく働くことができます。
活躍できる職場にも、医療機関併設型や保育所併設型、単独型、非施設型などの種類があり、いずれも病気の子どもたちを一時的に預かってもらうことが可能です。
病児保育自体、共働き世帯やひとり親世帯の保護者からのニーズが高まってきている保育サービスのひとつなので、今後も病児保育士の需要は高まっていくと予想されるでしょう。
病児保育士という仕事に興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ保育士バンク!までご相談ください。専門のキャリアアドバイザーがあなたの条件に合う求人をご提案いたします。