保育園でのリトミックとは?ねらいや効果、ピアノや曲を取り入れたやり方

リトミックとは、ピアノや曲に合わせて身体を動かしたり表現したりして遊ぶ活動を指し、近年保育園でも注目されている指導方法です。今回は、保育園で行うリトミックについて、ねらいや期待される効果、やり方を紹介します。リトミックを実践するときの保育士さんの援助ポイントもまとめました。


リトミックを楽しむ女の子の写真

maroke/shutterstock.com

 

保育園で行うリトミックとは?

保育園で取り入れられるリトミックとはどのようなものなのでしょうか。

 

リトミックの概要

 

リトミックとは、スイスの作曲家エミール・ジャック=ダルクローズによって考案された音楽教育法で、情操教育、音感教育、生活習慣が三位一体となった指導法として知られています。

 

リトミックでは主に、音楽を聞いて身体を動かしたり、表現を楽しんだりする活動が取り入れられています。

 

そのため保育園でも、ダンスを踊ったり、リズム遊びや表現遊びをしたりといった活動が行なわれているようです。

 

リトミックで期待できる効果

 

リトミックは感性や運動能力などの発達を促すとともに、情緒の安定にも役立つと考えられています。

 

音楽から感じたことを即座に表現するという活動を通して、注意力や集中力、思考力だけでなく、社会性、協調性などを育む効果もあるようです。

 

また、言葉遊びや数に親しめる活動や、片付けも楽しめる工夫がされており、生活習慣を身につけられると言われています。

 

リトミックは、音楽に対する感覚や表現力を養うだけでなく、子どもが成長するうえで身につけたいさまざまな能力の育ちにつながるようですね。

保育園で行うリトミックのねらい

保育園でのリトミックには、以下のようなねらいが挙げられそうです。

 

  • 音楽に親しみながらのびのびと身体を動かす
  • 音楽を通して子どもの感性や表現を養う
  • 友だちと表現の楽しさを共有する

 

のびのびと身体を動かして表現することで、表現力や感性の育ちにつながるでしょう。

 

友だち同士でかかわり合いを通して、さらに意欲や創造性が伸びていきそうです。

 

保育園でリトミックを取り入れる際は、これらのねらいを意識すると子どもの育ちに役立てられるかもしれませんね。

保育園でのリトミックのやり方

ここからは、保育園で行うリトミックのやり方を4つ紹介します。

 

音楽に合わせて身体を動かす

 

まずは、曲を流したりピアノで演奏したりしながら、感じたままに身体を動かして遊んでみましょう。

身体を揺らす

0歳児や1歳児クラスの赤ちゃんは、身体を揺らして音楽を聞く楽しさを表現するかもしれません。

 

保育士さんがいっしょに身体を揺らして明るい雰囲気を作ることで、子どもたちもリトミックを楽しい時間だと感じてくれるでしょう。

リズムに合わせて手を叩く、楽器を鳴らす

曲のリズムや歌詞に合わせて手を叩いたり、簡単な楽器を鳴らしたりしてみましょう。

 

その際に活用できる楽器には以下が挙げられます。

 

  • 鈴(リングベル)
  • タンバリン
  • カスタネット
  • マラカス

 

このような定番の楽器の他にも、ウッドストックやギロ、ブームワッカー、サウンドシェイプドラムなど変わった楽器もあるので、活用すれば表現の幅が広がるかもしれません。

歌や手遊びに合わせて身体を使って表現する

曲や手遊びに合わせて、身体をのびのびと動かして表現してみましょう。

 

手遊びなどの振付を踊ったり、曲から感じ取ったイメージに合わせて自由な表現を楽しんだりと幅広く活動できます。

 

保育士さんが表現を楽しむ姿を見せることで、子どもたちも意欲が湧くでしょう。

 

友だちの表現のよさに気がつけるように、保育士さんが積極的に子どもの表現を褒めるとよいかもしれません。

 

動物などの模倣を楽しむ

動物ごっこ

音楽に合わせて、動物の動きを模倣して遊んでみましょう。

 

動物をモチーフにした曲を流せば、子どもたちもイメージが湧きやすいかもしれません。

 

身体全体での動きはもちろん、指先や表情の使い方など細かい部分まで表現して楽しめるよう、保育士さんが遊びのモデルとなりましょう。

 

また、子どものイメージが広がるよう、「お鼻の長いぞうさん」「ぺたぺた歩くぺんぎんさん」など、動物の特徴を言葉で伝えていくとよいですね。

電車ごっこ

車掌さんやお客さんになりきる電車ごっこをリトミックに取り入れてみましょう。

 

フープやタンバリンをハンドルに見立てたり、長縄で輪を作ってその中に入ったりと、具体物があるとより想像が膨らむでしょう。

 

ピアノで電車の曲を演奏しながら、だんだんと早くなったり、ゆっくりになったりする動きを楽しむというやり方もあります。

 

そのときは「坂道です」「特急列車がやってきたよ」と声をかければ、さらに子どもたちのイメージが広がりそうですね。

おばけごっこ

音楽を聞いて、おばけになりきったり、おばけ屋敷を探検したりして遊びましょう。

 

シフォン生地のスカーフを頭に被れば、本物のおばけになりきったような気持ちになれるかもしれません。

 

おばけ屋敷の探検では、おばけに見つからないように隠れたり、小さいトンネルをくぐったりなど、さまざまな身体の動かし方をしてみるとよいですね。

 

道具を使って表現を楽しむ

 

おもちゃや道具を使うことで、より子どもは遊びの世界に入り込み、イメージが豊かになるかもしれません。

スカーフやハンカチ

スカーフやハンカチは、ひらひらとした動きを楽しむ、折ったり丸めたりして形を作るなど、さまざまな役割があります。

 

動きをちょうちょに見立てたり、丸めた形をお花に見立てたり、遊びの中で自由にイメージして楽しめるでしょう。

 

薄いシフォン生地のスカーフは向こう側が透けて見えるので、子どもが頭に被って遊ぶこともできそうです。

ボール

ボールを使って、リズムに合わせてまりつきをしたり、キャッチボールを楽しんだりしてみましょう。
身体を動かすリトミックにはぴったりな方法かもしれません。

 

スカーフと組み合わせて、ボールを包み込んでお荷物に見立てる、スカーフの上にボールを乗せて運ぶといった遊び方もできそうです。

ホログラムテープ

キラキラしたホログラムテープは、割りばしなどに貼り付けて体操選手の使うリボンを作ったり、チアリーダーのポンポンを作ったりと華やかな装飾に活用できるでしょう。

 

子どもたちはホログラムテープのキラキラした見た目に特別感を感じ、より開放的な表現につながるかもしれません。

 

音を聞いて表現する

 

音を聞いて表現する活動は難易度が高いので、5歳児クラスやリトミックの活動に慣れているクラスなどに取り入れてみましょう。

音階や拍子を聞き、決まった動きをする

ピアノの音をよく聞き、ルールに合わせて身体を動かしてみましょう。

 

例えば、高い音が鳴ったら手を上に挙げてキラキラさせる、低い音が鳴ったらしゃがみ込む、といったゲームをしてもおもしろいかもしれません。

 

他にも、ピアノの演奏のテンポに合わせて、子どもたちの歩くスピードを調整する遊びをしてみましょう。

 

演奏がストップしたら動きを止めるなど、動作に緩急をつけると遊びが盛り上がりそうですね。

演奏の様子や雰囲気を感じ取って表現する

演奏の雰囲気や音の響きを聞き、感じたことを表現しましょう。

 

まずは、短調、長調を聞いて音の感じを話しあったり、子ども自身で自由に身体を動かしてみたりするとよさそうです。

 

長調はスキップをする、短調はゆっくり動くなど、ゲームを通して音の感覚を育んでもよいかもしれません。

 

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保育園でリトミックを行うときのポイント

楽器で遊ぶ男の子の写真

MIA Studio/shutterstock.com

 

リトミックの活動で、保育士さんが意識するとよいポイントをまとめました。

 

決まった音楽を繰り返し流す

 

リトミックの始まりや終わりでは、毎回決まった音楽を繰り返し流すとよさそうです。

 

始まりの曲を聞いて、「リトミックが始まる」と期待感を持ったり、終わりの曲を聞いて「もうお片付けの時間だ」と気持ちに切り替えをつけたりといった効果があるようです。

 

リトミックの活動を記憶に定着させるとともに、自立心の育ちにつながっていくかもしれません。

 

ピアノなどの楽器で演奏をする

 

リトミックでは、子どもの動きや活動の流れに合った、即興性のある音楽が効果的でしょう。

 

ピアノなどの楽器で演奏することで、活動の進行に合わせ、保育士さんの意図に適した音楽を取り入れていけそうです。

 

保育士さん自身の楽器経験に合わせて、楽譜のレベルを選んだり、グリッサンドやアルペジオといった奏法を活用したりと工夫して演奏できるとよいかもしれません。

 

子どもの自由な表現を尊重する

 

保育士さんがリトミックの活動を計画するとき、「子どもにこんな動きをしてほしい」といった願いを持つこともあるでしょう。

 

リトミックでは、音楽を聞いて感じたことを、自分なりに考えて表現を楽しむ過程が大切だと考えられています。

 

保育士さんは子どもの素直な表現を受け止め、のびのびと自由に楽しめる雰囲気作りをしていくことが大切かもしれませんね。

 

保育士さんが率先して表現を楽しむ

 

リトミックに慣れるまでは、子どもは表現のやり方がわからなかったり、恥ずかしかったりして活動が盛り上がらないかもしれません。

 

子どもが安心して表現できるように、まずは保育士さんがリトミックを楽しむ姿を見せていきましょう。

 

保育士さんの動きを見て、「先生みたいにやってみたい」「こんな動きも面白いな」と意欲を持てるとよいですね。

リトミックを知り、保育園で実践してみよう

今回は、保育園で行うリトミックについてねらいや活動のやり方を紹介しました。

 

曲やピアノに合わせて身体を動かすリトミックでは、表現力や音楽的な感覚を身につけるだけでなく、友だちとの協調性や自立心を養う効果があるようです。

 

音楽に合わせて動くダンスや表現遊び、動物やおばけになりきる模倣遊びなど、活動内容はさまざまあります。

 

子どもの発達や興味に合わせて、工夫して実践していけるとよいですね。

 

リトミックのやり方やねらいを知って、保育園で取り入れてみましょう。

 

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