保育士お悩み相談 第13回「ピアノへの苦手意識がなくなりません」

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Q.ピアノへの苦手意識がなかなかなくなりません。
ピアノで、生の音で歌を教えたり、歌ったりすることが子どもにとって良いことだと分かってはいますが、ほかの仕事に追われ、中々練習時間がとれず、ピアノに対する苦手意識がなくなりません。

A.何のためのピアノか、という原点に立ち返ってみましょう。
生の音が子どもにとって良いのはなぜでしょう?
音の周波数が違うので、録音の音楽よりも、生の音を...という意見もありますが、「先生がピアノを弾くこと」が、子どもにとって何が良いのか、というと、一番は「応答的なやり取り」ができることだと思います。子どもは、環境から刺激を受け、それに対して能動的、主体的に関わっていくことで発達、成長します。


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大事なことは応答的なやりとり


よく、「五感への刺激」といいますが、ただ刺激を受けるだけではなく、その刺激に反応し、自らの行動を返して、またその返しを味わって、...というやり取りが、大事なのです。子どもたちが歌を歌うときに、ピアノの伴奏がある方か楽しいということもありますが、その伴奏(音)を感じ、その音とやり取りをする...「子どもと伴奏者とがやり取りできること」が、生伴奏の一番のメリットです。つまり、そこまでできることが生伴奏に求められることであり、テクニック的に無理ならば、「子どもたちとの応答的なやり取り」の方を優先するべきだと思います。
ピアノを弾くことに集中してしまって、子どもの様子を見ていないようであれば、伴奏はソコソコに(片手だけなど)して、子どもとのやり取りをして欲しいです。ピアノと楽譜しか見ていない先生より、ピアノを弾かずに、子どもたちと一緒に体を動かしながら歌う先生のほうが、子どもにとっては大事なのですから。


テクニックよりも子どもと楽しむ


いろいろな園の園長先生とお話をしますが、最近では「ピアノは弾けなくてもよい」という考え方の園長も増えています。弾ける人が弾いたらいい。ピアノのテクニックより、子どもたちと表現(うたや踊り)を楽しめる先生が良い、と仰います。
私もその考えで、園長時代「弾ける人が弾く。弾けない人は弾かないでいいよ」と言っていました。正直、たどたどしいピアノを子どもの耳に入れたくないし、子どもの顔も見ずに弾いたって、意味ないから、と言っていました。すると、苦手な先生たちが、こぞってピアノを練習するのです。決して、「弾けないなら弾くな」と言ったつもりではないのですが...。でもとても一生懸命に練習されて、上手な先生が教えに行ったりと、よい雰囲気ができていました。
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根底は子どものため!


やはり、「保育室で(子どものために)ピアノを弾きたい」という気持ちがなければ、練習したいという気持ちにも繋がらないと思います。根底にあるのは「子どものため」です。
ですから、「子どものため」に苦手なピアノを頑張るのか、他に得意なことで頑張るのか、自分次第でもあり、園の方針にも沿って決められたらよいと思います。
弾ける人が弾いたら良い、それぞれ得意な分野で保育士も個性を発揮して、という園もあれば、最低限、生活のうた(おはよう、給食、おかえり)という園、季節のうた(こいのぼり、おつかいありさん、大きな栗の木の下で、ゆき)くらいまで、という園、それぞれありますので、まずは今お勤めの園がどんな考えなのか、確認なさってください。
その上で、自分がどうありたいか、です。考え方は園長先生次第であって正しい、間違っているというものではなく、自分の考えも自分次第であって○×ではなく、合うか合わないか、です。
ピアノが弾ける先生になりたいのか、ピアノは弾けなくても別のところで光る先生になりたいのか、それを職場で認めてもらえるかどうか。
保育士実技試験でも、求められている技術は「楽器を弾く」ではなく「弾き歌い」です。そしてピアノという楽器に限られていません(ギターもしくはアコーディオンもOK)。実際、ギターで保育をする先生は増えて来たように思います。子どもの経験も広がっていいですよね。また、実技試験は「弾き歌い」「絵画」「お話」の3つから、2つを選択して受験します。つまり「音楽表現」が必須というわけではない、ということです。
「ピアノを弾かないとダメですか?」「どうしたら上手くなりますか?」ではなく、自分は「子どものために」何ができるのか、どんな先生になりたいのか、そういう風に考えては如何でしょうか。


プロフィール



内田淑佳(うちだよしか)
一般社団法人そだち 代表理事。心理カウンセラ―。
保育士、認可保育園の園長などを経て、一般社団法人を立ち上げ、子育て支援、保育運営サポート、研修講師を数多く務める。
カウンセラーとしてメンタルサポートの仕事に取り組みつつ、現役の保育士、保育教諭から主任・園長などの管理職、資格取得を目指して勉強中の人、潜在保育士などに向けて、保育の仕事の素晴らしさや、保育をする上で大切なことを伝え続けている。
ウェブサイト https://www.sodachi.net/

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