5月5日のこどもの日の由来や意味はご存じですか?子ども向けに伝えるときは兜や鯉のぼりを飾ったり、柏もちを食べたりする理由も伝えられるとよいですね。今回は、こどもの日の由来や意味をわかりやすく紹介します。子ども向けに簡単に伝える方法やこどもの日ならではの製作遊びもまとめたので、保育に取り入れてみてくださいね。
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■目次
こどもの日の由来や意味とは?子ども向けに伝える方法
毎年5月5日はこどもの日。ゴールデンウィーク中の国民の祝日の一つですが、どんな意味や由来がある日なのでしょうか。
こどもの日ってなあに?
昔、5月5日は「端午の節句」とも呼ばれ、男の子の健やかな成長を祝う行事として伝えられていました。
「端午の節句」は、古代中国で行なわれていた邪気払いの行事が日本に伝わり、奈良時代頃に宮中行事として実施されるようになったと言われています。
その後、1948年に5月5日を「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」祝日としてこどもの日が制定され、端午の節句が「こどもの日」と呼ばれるようになったそうです。
子ども向けに伝える方法
保育士さん
毎年、5月5日はこどもの日です。みんなの成長や幸せを願ったり、お母さんに『ありがとう』という気持ちを伝えたりする大切なお祝いの日だよ。
「こどもの日」という名前から、子どもの成長を祝う日として認識している方も多いかもしれません。子どもに説明するときは、子どもの幸せを願うだけでなく、お母さんに感謝をするという意味があることも伝えられるとよいですね。
【子ども向けの伝え方】こどもの日に鯉のぼりを飾る由来は?
こどもの日に鯉のぼりを飾る理由や子ども向けに伝える方法を紹介します。
理由
江戸時代、将軍の家に男の子が誕生した際に、世継ぎとなる男の子の誕生を祝してのぼりを掲げていたことが鯉のぼりのはじまりと言われています。
しかし、庶民はのぼりを飾ることを禁じられていたため、「登竜門の伝説」で知られる鯉の滝登りをイメージして、鯉の形をしたのぼりをあげるようになったそうです。
ちなみに登竜門の伝説とは、「竜門と呼ばれる急流を昇ることができた鯉は竜になれる」という中国の言い伝えです。この伝説にあやかって、さまざまな困難を突破して立身出世するようにという願いを込めて鯉のぼりを飾るようになったと言われています。
また、鯉のぼりは基本的に3色あり、家族を表しています。
- 黒い鯉:お父さん
- 赤い鯉:お母さん
- 青い鯉:子ども
他の色がある理由は、子どもが増えるたびに鯉のぼりの数と色を増やしたからだと言われています。
子ども向けに伝える方法
保育士さん
鯉のぼりは、みんなが立派な大人になれるようにという気持ちを込めて飾っています。鯉は大変なことでも諦めずに頑張るんだって。みんなも鯉のように逞しく大きくなれるといいね。
保育園で鯉のぼりを飾っている場合は、実際に見ながら「黒い鯉はお父さん、赤い鯉はお母さん」などそれぞれの名前について説明するとよいでしょう。
また、鯉のぼりの歌をいっしょに歌ってみればより楽しめそうですね。
【子ども向けの伝え方】こどもの日にかぶとや五月人形を飾るのはなぜ?
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こどもの日には、かぶとや鯉のぼりを飾る理由や子ども向けに伝える方法を紹介します。
理由
こどもの日にかぶとや五月人形などを飾るのには、もともと将軍が男の子の誕生をお祝いして武具を飾っていたことに由来していると言われています。
武将にとって、かぶとや鎧は身を守るための大事な装備でした。そのため、五月人形には「わが子を守ってくれるように」という親の願いが込められていると伝えられています。
つまり、子どもが病気や事故などの災を逃れ、力強く成長することを祈って飾るようになったのですね。
子ども向けに伝える方法
保育士さん
こどもの日には、子どもが元気に育つことをお祈りして、かぶとや鎧を着けた五月人形を飾るんだよ。かぶとや鎧を身体につけたら強そうだし自分を守れそうだよね。だから身体が丈夫になって、悪いものから守れるようにという気持ちを込めて飾るんだって。
かぶとや鎧がどういったものか分からない子どももいるかもしれないため、絵本や写真などを見せてみましょう。保育園にかぶとを飾っている場合は、人形を見ながら伝えると理解しやすくなりそうですね。
【子ども向けの伝え方】こどもの日に柏餅・ちまきを食べるのはなぜ?
こどもの日に柏餅・ちまきを食べる理由や子ども向けに伝える方法を紹介します。
また、東日本地域であれば柏餅、西日本地域ではちまきを食べるのが一般的な風習とされていますが、地域ごとの風習に合わせて子どもに説明してもよさそうです。
柏餅を食べるのはなぜ?
理由
柏餅を食べる風習は江戸時代頃の日本が発祥と言われています。
柏の木は冬になっても葉がついたままで、新芽が出てきてから古い葉を落とすという特徴があります。新芽=後継ぎとして捉えることができるため、子孫繁栄や長寿など縁起を担ぐ意味が込められているようです。
そして、昔より神事に欠かせない神聖な食べ物とされていた餅を、縁起のよい柏の葉で包んで柏餅を作り、男の子が元気に育つことを祈る風習が生まれたと言われています。
ちなみに、後継ぎを重要視する武家が江戸の周辺に多く集まっていたことから、柏餅を食べる風習は江戸を中心とした東日本に広がっていったようです。
子ども向けに伝える方法
保育士さん
柏餅は昔日本で生まれたお菓子です。昔からこどもの日に『柏餅』を食べてみんなが元気に育つようにお祝いしたんだよ。
給食のメニューに柏餅が出る保育園もあるかもしれません。
その際は、こどもの日に食べる理由を説明してみるとよいですね。
ちまきを食べるのはなぜ?
理由
5月5日にちまきを食べる風習は、中国の故事に由来すると言われています。
古代中国に、忠誠心が厚く有能な政治家として国王に仕えていた屈原という詩人がいました。
人々からも大変慕われていましたが、屈原をよく思わない人々によって国を追われ、川に身を投げてしまいます。これが5月5日のことでした。
そして、屈原の死を嘆き悲しんだ人々は供物を川に投げ入れて弔うようになりました。
屈原のもとへ無事に届くようにと、悪龍が苦手とする葉っぱでちまきを包み、5色(赤・青・黄・白・黒)の糸で縛ってから川へ投げ入れるようにしたと言われています。
この言い伝えから、「忠義のある子に育つように」「災いから身を守れるように」といった意味を込めて、子どもにちまきを食べさせるようになったようです。
この風習が京都へと伝わり、現在でも西日本を中心にちまきを食べる習慣が残っているとされています。
子ども向けに伝える方法
保育士さん
こどもの日にちまきを食べるとみんなを悪いことから守ってくれると言われています。みんなが元気に大きくなれるように願いを込めて食べるんだよ。
ちまきを知らない子どもも多いでしょう。
絵や写真を用意してどんな味がするのかも伝えるとよさそうです。
給食のメニューにあるときは、説明といっしょにどんな味がしたのか子どもたちに聞いてみてもよいですね。
【子ども向けの伝え方】こどもの日に菖蒲湯に入るのはなぜ?
こどもの日に菖蒲湯に入る理由や子ども向けに伝える方法を紹介します。
理由
こどもの日に菖蒲湯に入るのには、端午の節句の行事と深く関係があるようです。
先述したように、古代中国では月初めの厄払い行事として端午の節句が行われていました。
端午の節句は雨季を迎える季節にあたり、病気や災厄が増えると考えられていたようです。そのため、強い香りを放つ菖蒲やよもぎを飾ったりお酒に入れたりして、邪気を払っていたと言われています。
その後、端午の節句に菖蒲を用いる風習が日本に伝わり、平安時代頃には宮中行事のなかで菖蒲を身につけたり飾ったりするようになったそうです。
お風呂に菖蒲を入れる習慣も、端午の節句の風習の一つとして人々の間に浸透していったのですね。
子ども向けに伝える方法
保育士さん
こどもの日に『菖蒲』という葉っぱや根を入れたお風呂につかるとみんなを悪いことから守ってくれると言われています。みんなが元気いっぱいに大きくなるようにという願いを込めてお風呂に菖蒲を入れていたそうだよ。
菖蒲という植物があることを知らない子も多いでしょう。
保育園に菖蒲湯を用意して、大きなタライなどにお湯と菖蒲を入れて足湯や手湯を楽しみながら説明するとよいかもしれません。
子どもたちが菖蒲の強い匂いを嗅いでどんな反応を見せてくれるか楽しみですね。
【こどもの日】保育園で楽しめる過ごし方
こどもの日の文化に触れることで、より行事への理解を深めることができるかもしれません。ここでは、保育園でできるこどもの日の過ごし方アイデアを紹介します。
絵本や紙芝居を読み聞かせる
こどもの日の由来や歴史をテーマにした絵本や紙芝居を読み聞かせてみましょう。
子ども向けに行事の意味を分かりやすく伝える工夫がされているものが多いため、言葉だけで説明するよりも理解しやすいかもしれません。
鯉のぼりやかぶとなど、こどもの日ならではの風習がキャラクターとなって登場しているものがあれば、子どもたちが楽しみながらお話を聞いてくれそうですね。
こどもの日にちなんだ製作をする
折り紙かぶと
<用意するもの>
- 折り紙 1枚
<ポイント>
比較的シンプルな折り方のため、4歳児クラスから一人で挑戦できるでしょう。
紙粘土や廃材などを使って人形を作り、できあがった折り紙のかぶとをかぶせて飾るのもよいかもしれません。
また、新聞紙や大きな画用紙を使って子どもたちが身につけられるサイズのものを作ってみてもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
ペットボトルで鯉のぼり
<用意するもの>
- ペットボトル
- ラメ
- 水
- 手形がついた画用紙
- 両面テープ
- 目玉シール(もしくは画用紙で作った目玉)
<ポイント>
はさみを使う工程がないため、2歳児や3歳児クラスからチャレンジできそうです。
ペットボトルの側面にマスキングテープを貼りつけて装飾したり、食紅を入れた色水を使ったりすれば、個性的な鯉のぼりができあがるでしょう。
少量の液体のりを混ぜると水にとろみがついて、スノードームのようにラメが舞う時間を長くすることができるので、アレンジとして取り入れてみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
トイレットペーパーの芯で作る柏餅
<用意するもの>
- トイレットペーパーの芯
- フラワーペーパー(白)
- 折り紙(茶色)
- 画用紙(緑)
- クレヨン(黄緑)
- はさみ
- のり
<ポイント>
画用紙を波形にカットするのは少し難しいかもしれないので、先生があらかじめ切るときのガイドとなる線をかいておきましょう。
柏餅は中のあんこが見えていないものも多いので、トイレットペーパーの芯をティッシュペーパーなどで覆い、本物に近い見た目に仕上げてみてもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
子ども向けに由来や意味を伝えて、こどもの日に親しみをもとう
こどもの日には、子どもの成長を願うとともにお母さんに感謝をするという意味があります。
子どもたちの成長を願って、わかりやすい言葉でこどもの日ついて説明するとよいでしょう。
また、行事の製作や食育活動も取り入れて、子どもたちがこどもの日に関心を寄せる機会を作るとよいですね。
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