9月1日は防災の日。保育園での避難訓練のポイントや子どもたちへの伝え方

毎年9月1日の「防災の日」に向けて、避難訓練を計画する保育園も多いのではないでしょうか。近年は地震や豪雨、台風、猛暑による災害が各地で相次ぎ、子どもたちの命を預かる保育現場では、日頃からの備えがこれまで以上に大切になっています。この記事では、防災の日とは何かをやさしく整理し、保育園での避難訓練を進めるポイント、「おはしも」などの合言葉を使った子どもへの伝え方まで、現場でそのまま使える形で紹介します。

この記事でわかること
  • 2026年の防災の日は9月1日。由来と防災週間(8/30〜9/5)がすぐ分かる▼詳細
  • 避難訓練の進め方と見直し、子どもと覚える合言葉も▼詳細
  • 子どもへの防災意識の伝え方3つのアイデア▼詳細

防災の日とは?2026年も9月1日

「防災の日」とはどのような日か、あらためて聞かれると説明に迷うこともありますよね。

防災の日は、台風や地震、津波、豪雨などの災害についての認識を深め、備えを強化するために1960年(昭和35年)に制定された日で、2026年も9月1日(火)です。

日付が9月1日なのは、1923年に起きた関東大震災にちなむとともに、台風が多いとされる「二百十日」にあたることも理由とされています。

制定のきっかけは、その前年の1959年に甚大な被害を出した伊勢湾台風(いせわんたいふう)だったといわれています。

また、防災の日を含む8月30日から9月5日までの1週間は「防災週間」とされています。

この期間には国や自治体によって防災訓練や啓発イベントなど、さまざまな行事が行われます。

防災の日
毎年9月1日(2026年は火曜日)
災害への認識を深め、備えを強化する日。された年
関東大震災や伊勢湾台風の教訓を背景に1960年(昭和35年)制定
防災週間
8月30日〜9月5日
全国で防災訓練や保育園や幼稚園、小学校でも、防災の日に限らず避難訓練が日頃から行われています。

防災の日に向けて子どもたちと防災意識を高めていくには、どのような点をおさえるとよいのでしょうか。

まずは、保育園で避難訓練を行う重要性から見ていきましょう。

保育園で行う避難訓練の重要性

保育園では、年に数回のペースで避難訓練を行うところが多いでしょう。避難訓練の実施には、大切な目的があります。

日本は、位置や地形、地質、気象などのあらゆる条件から、地震・津波・台風・豪雨などの災害が起きやすい国土といわれ、実際に各地で災害が発生しています。

加えて、自然災害は発生の時期や規模の予測がむずかしく、想定外のことが起こる可能性もあります。だからこそ、災害についての知識を深め、非常時に落ち着いて動けるよう、避難訓練が必要になります。

保育園で行う避難訓練には、以下のような目的があります。

  • 子どもたち:保育士さんの指示にきちんと従って避難できるようになる
  • 保育士さん:落ち着いて判断し、子どもたちに的確な指示を出せるようにする

保育園は、子どもたちの命を預かり、守らなければならない場所です。

地震や火災などが起きたことを想定して対処や避難のしかたを学んでおくことで、実際に災害が起きたときに役立ち、日頃の防災意識を高めることにもつながります。

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保育園で避難訓練をするときのポイント

ヘルメットをかぶる子どもT.TATSU / stock.adobe.com

保育園での避難訓練をスムーズに進めるためのポイントを紹介します。

職員で役割分担を決めておく

園長先生をはじめ、園にいる職員全員で役割分担をしておきましょう。

責任者は誰か、子どもたちに声をかけて誘導するのは誰かといった具体的な役割を決めておくと、慌てずに訓練を行うことができます。

あわせて、けが人が出た場合の対応や、保護者への連絡・引き渡しの担当も決めておくと安心です。

避難訓練用のマニュアルを作る

避難訓練では、事前にマニュアルを作成することが大切です。ここえは、避難計画を立てるうえで重要な項目を紹介します。

災害を想定する

毎回、どんな災害から避難するのかを想定しましょう。

火事なのか地震なのか、豪雨や洪水なのか、またどの程度の規模なのかを具体的に決めておきます。

災害の種類によって必要な準備や避難のしかたは変わるため、対象を明確にしておくと、実際に起きたときにも対処しやすくなります。

近年は線状降水帯による豪雨や河川の氾濫も各地で起きているので、地震や火事だけでなく、水害を想定した訓練も取り入れておくと安心です。

避難経路を確認する

避難経路を確認しておきましょう。ホールに避難するのか、園庭に避難するのかなど、避難場所によって経路も変わります。

外へ避難する場合は、避難所とそこまでの道のりを確認し、子どもたちが安全に通れるかチェックします。

安全なルートを選び、物が置かれていないか、子どもがけがをしそうなものはないかなど、日頃から点検をしておくとよいでしょう。

あわせて、園のある地域のハザードマップで浸水や土砂災害のリスクを確認しておくと、経路選びの参考になります。

防災グッズを確認する

災害時に身を守るための防災グッズを、園に準備しておきましょう。

防災頭巾やヘルメット、消火器などがきちんと用意されているか、保管場所や使い方も職員全員で確認しておきます。

外へ避難する際に持ち出すもの、反対に園が避難場所となった場合の備蓄品もあわせて用意しておくと安心です。

飲料水や食料に加え、乳児用ミルクやおむつ、アレルギー対応食、保護者への連絡用ツールなど、園の子どもの年齢や状況に合わせた備えを、消費期限とともに定期的に見直しておきましょう。

子どもたちに分かりやすく避難方法を説明する

避難訓練では、子どもたちが先生の指示に従って安全に避難することが大切です。

避難方法は、子どもが覚えやすい合言葉を使って伝えましょう。園でなじみのある言葉に合わせて説明すると覚えやすいです。

地震や火事などの避難では「おかしもち」
さない
かけない
ゃべらない
どらない
ちかよらない(危険物などに)
不審者への対応では「いかのおすし」
いか
ない
らない
おごえをだす
すぐにげる
らせる

また、地震発生時には「机の下でダンゴムシのポーズをとる」など、イメージしやすい言葉を使うと、どう動けばよいか伝わりやすくなります。

ペープサートや絵カードでクイズにするなど、視覚的にわかりやすく説明すると、子どもも興味をもちながら避難方法を理解しやすいでしょう。

想定する災害ごとに避難方法は異なるため、訓練の前に子どもたちといっしょに確認しておきましょう。

避難訓練の振り返りをする

避難訓練が終わったら、振り返りをして改善点を見つけましょう

次のような項目をチェックするとよいでしょう。

保育現場の避難訓練
振り返りチェック

避難経路は適切だったか
職員が役割を分担できていたか
職員間の連携はうまくとれていたか
子どもへの指示は的確にできていたか
備品の用意と量は適性にされていたか
※タップしてチェックできます

うまくできなかったところは反省点として挙げ、次の訓練に向けて修正しておきます。

あわせて、こわがっていた子や配慮が必要な子の様子を職員間で共有し、次回に活かすこともポイントです。

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    防災の日についての子どもたちへの伝え方

    防災の日とはどのような日なのかを、子どもたちに分かりやすく伝える方法を紹介します。

    クイズ形式で伝える

    まずは、子どもたちの興味を引き出すためにクイズから入ってみましょう。

    9月1日は「防災の日」っていうんだけど、どんな日か知っているかな?

    「わからない!」「おやすみ?」などさまざまな答えが返ってくるでしょう。子どもの反応に耳を傾けながら進めます。

    じつは、地震や火事みたいな「あぶないこと」があったときに、どうやって自分を守るかを考える日なんだよ。今日はみんなで練習してみようね。

    むずかしい言葉を使わず、「自分の身を守る練習をする日」と伝えると、小さな子にも届きやすくなります。

    絵本や紙芝居を読む

    「防災」や「災害」を知る第一歩として、防災をテーマにした絵本や紙芝居を活用しましょう。

    自分の身の守り方や、災害ごとの避難のしかたを描いたものなど、さまざまな種類があります。

    物語を通して伝えることで、子どもたちは災害の危険性や避難の大切さを自然に感じ取りやすくなります。

    簡単な言葉に言い換えて伝える

    子どもからの質問を想定して、やさしい言葉に言い換えた例を紹介します。

    簡単な言葉への言い換えパターン例
    園児
    「防災の日ってどんな日?」
    先生
    →「地震や大雨みたいな、あぶないことがあったときにどうするかを考える日だよ。先生のお話を聞こうね。」
    園児
    「防災の日はなにをするの?」
    先生
    →「もしものときのために、保育園でみんなで避難の練習(避難訓練)をするんだよ。」
    園児
    「どうして避難訓練をするの?」
    先生
    →「みんなが安全におうちの人のところへ帰れるように、じゅんびをしておくんだよ。」

    このようにやさしい言葉で伝えると、子どもたちは防災の日がどのような日か、そして災害から身を守る大切さを理解しやすくなります。

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    防災の日をわかりやすく伝えるためのQ&A

    Q. 防災の日とは?

    A. 防災の日とは、災害についての認識を深め、備えを強化するために1960年に制定された日です。

    台風・地震・津波・豪雨などに対する心構えを準備する日で、記念日ですが祝日ではありません。保育園では、避難訓練を通して子どもたちと防災意識を高める機会になります。

    Q. 2026年の防災の日はいつ?

    A. 防災の日は毎年9月1日で、2026年は9月1日(火)です。

    あわせて、9月1日を含む8月30日〜9月5日は「防災週間」とされ、全国で防災訓練や啓発イベントが行われます。

    Q. なぜ9月1日が防災の日なの?

    A. 1923年9月1日に発生した関東大震災にちなんでいます。

    あわせて、台風が多いとされる「二百十日」にあたることも理由とされています。制定の直接のきっかけは、前年(1959年)に大きな被害を出した伊勢湾台風だったといわれています。

    Q. 保育園の避難訓練で大切なポイントは?

    A. 職員の役割分担、マニュアルづくり、子どもへの分かりやすい説明、そして訓練後の振り返りが基本の4つです。

    想定する災害(地震・火事・水害など)を毎回決め、避難経路や防災グッズを事前に確認しておくと、実際のときにも落ち着いて対応しやすくなります。

    Q. 子どもに避難のしかたをどう伝えればいい?

    A. 「おはしも」「いかのおすし」など、覚えやすい合言葉を使うのがおすすめです。

    「おはしも」はおさない・はしらない・しゃべらない・もどらない、「いかのおすし」は不審者対応の合言葉です。地震のときは「ダンゴムシのポーズ」など、動きをイメージできる言葉を添えると伝わりやすくなります。

    出典:過去の災害に学ぶ/内閣府

    防災の日を理解し、保育園での避難訓練に役立てよう

    今回は、防災の日の概要や子どもたちへの伝え方、保育園で避難訓練を行うときのポイントを紹介しました。

    防災の日は、災害の多い日本ならではの大切な日です。

    過去の災害の教訓を忘れず、日頃から防災意識を高めるきっかけになります。保育園での避難訓練は、子どもたちに目的や重要性を理解してもらうことが大きなポイントです。

    絵本や紙芝居、合言葉などを通して、普段から災害に対する意識を育てられるとよいですね。

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