肢体不自由児施設とは?施設の種類・保育士の仕事内容・働くために必要な資格を解説

肢体不自由児施設(したいふじゆうじしせつ)とは、上肢・下肢・体幹などに機能障がいのある18歳未満の児童に、治療やリハビリテーション、生活支援、教育を行う施設でしたが、現在は「障害児入所施設」に名称が一元化されています。本記事では、肢体不自由児施設(障害児入所施設)の種類ごとの特徴、保育士の仕事内容、働くために必要な資格、求人の探し方をわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 肢体不自由児施設は、2012年の法改正で「障害児入所施設」に名称変更。入所と通所の2種類がある▼詳細
  • 保育士は日常生活の介助やレクリエーション活動を担当。保育士資格があれば働ける▼詳細
  • 医療型・福祉型・通所の違いと、2024年の児童発達支援一元化の最新情報も解説▼詳細

肢体不自由児施設とは?定義と歴史

肢体不自由児施設とは、上肢(腕)・下肢(足)・体幹などの機能に障がいのある18歳未満の児童に対し、治療やリハビリテーション(機能訓練)、日常生活の支援、教育を行う施設です。

児童は整形外科的な治療や理学療法(PT)・作業療法(OT)などのリハビリを受けながら、施設内や併設された特別支援学校で教育を受けることができます。

肢体不自由児施設の歴史

日本の肢体不自由児施設の原型は、ドイツの身体障がい児のための施設「クリュッペルハイム」にさかのぼります。

東京大学(旧東京帝国大学)医学部整形外科の高木憲次名誉教授が、1924年にクリュッペルハイムに関する論文を発表したことをきっかけに、1942年に身体に障がいのある方の社会生活を支援する施設「療護園」が開設されました。

その後、全国各地に肢体不自由児施設が順次設置され、1963年にはすべての都道府県に設置されています。

2012年の法改正で「障害児入所施設」に名称変更

かつては「肢体不自由児施設」「知的障害児施設」など障がいの種類別に施設が分類されていましたが、2012年の児童福祉法改正により障がい種別の区分が一元化され、「障害児入所施設」という名称に統一されました。

そのため、正確には「肢体不自由児施設」という種別の施設はありません(施設固有の呼び名としては個別に現存する可能性あり)。

現在は以下のように、入所か通所かで分類されています。

障害児入所施設の分類(入所)医療型障害児入所施設:治療を必要とする児童が入所し、医療とリハビリを受ける施設
福祉型障害児入所施設:治療の必要はないが、家庭での養育が困難な児童が入所する施設
通所で支援を受ける施設児童発達支援センター:就学前の障がいのある子どもが保護者とともに通い、発達支援やリハビリを受ける施設

なお、以前は「医療型児童発達支援センター」という類型がありましたが、2024年4月の児童福祉法改正により「児童発達支援」に一元化されました。

これにより、通所の支援は障がいの種類を問わず「児童発達支援」として一体的に提供される仕組みになっています。

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障がい児入所施設の種類と特徴

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ここでは、過去に「肢体不自由児施設」とされていた、障がい児入所施設の種類ごとの特徴を確認しましょう。

医療型障害児入所施設

医療型障害児入所施設は、18歳未満の児童が治療やリハビリテーションを受けるために入所する施設で、多くは病院に併設されています。

医療的ケアは医師や看護師が、リハビリテーションは理学療法士(PT)や作業療法士(OT)が担当します。

保育士や児童指導員は、日常生活の支援やレクリエーション活動を担当するのが特徴です。

入所中の児童は、施設内や併設の特別支援学校で教育を受けることができます。

福祉型障害児入所施設

福祉型障害児入所施設は、家庭での養育が困難な18歳未満の児童が入所し、日常生活の支援や学習支援を受ける施設です。

医療型と異なり病院に併設されていないケースが多く、保育士・児童発達支援管理責任者・児童指導員・看護師・栄養士・調理員・臨床心理士などが連携して支援にあたります。

児童発達支援センター(通所)

児童発達支援センターは、就学前の障害のある子どもが保護者とともに通い、発達支援やリハビリを受ける通所型の施設です。

入所施設とは異なり、自宅から通いながら療育や訓練を受けられるのが大きな特徴です。

保育士は、日常の保育活動を通じた発達支援や保護者への相談対応などを担当します。

2024年4月の法改正以降、従来の「医療型」と「福祉型」の区分がなくなり、児童発達支援として一体的に運営されるようになっています。

施設の種類と主な違い
施設の種類 利用形態 対象 特徴
医療型障害児入所施設 入所 治療・リハビリが必要な18歳未満の児童 病院併設。医師・看護師による医療的ケアあり
福祉型障害児入所施設 入所 家庭での養育が困難な18歳未満の児童 生活支援・学習支援が中心
児童発達支援センター 通所 就学前の障害のある子ども 保護者と通い、療育・発達支援を受ける

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肢体不自由児施設(障害児入所施設)での保育士の仕事内容

障がい児入所施設では、医療・リハビリ・教育などさまざまな専門家が連携して支援にあたります。保育士が担う主な業務は以下の通りです。

日常生活の介助・支援

食事、入浴、着替え、排泄などの日常生活の介助が保育士の中心的な業務です。児童一人ひとりの障害の種類や程度に応じて、必要な支援の内容が異なるため、個別の状況を理解したうえで適切なサポートを行います。

レクリエーション活動・行事の企画

日々のレクリエーション活動の計画や、季節ごとのイベント(お誕生日会、クリスマス会など)の企画・実施も保育士の大切な仕事です。

児童が楽しみながら生活できる環境をつくる役割を担います。

他の専門職との連携

医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・児童指導員など、多くの専門職と連携しながら支援を進めます。

日常の様子をカンファレンスで共有したり、リハビリの進捗に合わせた生活支援の工夫を話し合ったりすることも求められます。

保護者への相談対応

通所型の施設(児童発達支援センター)では、保護者の子育てに関する悩みや不安に寄り添い、相談対応を行う場面もあります。

家庭での過ごし方や関わり方のアドバイスなど、保護者支援も保育士の重要な役割のひとつです。

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    肢体不自由児施設(障害児入所施設)で働くために必要な資格

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    障害児入所施設では、保育士資格を持っていれば保育士として働くことができます

    保育士資格があれば。ほかに障がい児支援に関わるための特別な資格などは不要です。

    ただし、障がいのある子どもへの専門的な対応が求められるため、以下のような知識やスキルがあると現場で活かしやすいでしょう。

    保育士等キャリアアップ研修「障害児保育」分野
    処遇改善等加算の対象にもなる公的な研修。障害のある子どもへの理解と具体的な関わり方を体系的に学べます。
    発達障害児支援士・発達障害コミュニケーション指導者
    発達特性のある子どもへの声かけや環境調整の方法を学べる民間資格。障害児施設での実践力が高まります。
    上級救命講習
    心肺蘇生法やAEDの使い方を学ぶ消防署の講習。医療的ケアが必要な児童がいる施設では特に重要です。

    また、障害児入所施設では、個別支援計画を作成する児童発達支援管理責任者(児発管)の配置が義務づけられています。

    そのため、将来的に管理職を目指す場合は、実務経験を積んだうえで児発管の要件を満たすことが求められます。

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    肢体不自由児施設(障害児入所施設)に関するQ&A

    Q. 肢体不自由児施設とは何ですか?

    A. 上肢・下肢・体幹に機能障害のある18歳未満の児童に、治療・リハビリ・生活支援・教育を行う施設です。

    2012年の児童福祉法改正により「障害児入所施設」に名称変更されました。入所型(医療型・福祉型)と通所型(児童発達支援センター)の3つの形態があります。

    Q. 障害児施設で働くには何が必要?

    A. 保育士資格があれば働くことができます。

    特別な追加資格は必須ではありません。ただし、障がいのある子どもへの対応力を高めるために、キャリアアップ研修の「障害児保育」分野や、発達支援系の民間資格を取得しておくと現場で役立ちます。

    Q. 障害児通所施設にはどんな種類がある?

    A. 2024年4月の法改正以降、通所型の障がい児支援は「児童発達支援」に一元化されました。

    以前は「医療型児童発達支援」と「福祉型児童発達支援」に分かれていましたが、現在は障がいの種類を問わず「児童発達支援」として一体的に提供されています。就学前の子どもが保護者とともに通い、療育や発達支援を受ける仕組みです。

    Q. 保育園での勤務経験しかないけど障害児施設に転職できる?

    A. はい、転職できます。未経験歓迎の求人も少なくありません。

    保育園での経験は、日常生活の支援やレクリエーション活動の企画などで十分に活かせます。施設によっては入職後の研修制度が充実しているところもあるため、未経験からのスタートも可能です。転職エージェントに相談して、自分に合った施設を探してみましょう。

    Q. 転職はまだ先、でも仕事や今の職場のこと相談したい…どうすればよい?

    A. 保育のお仕事、ちょっとしたご相談や情報収集だけでも利用できるのが保育士バンク!です

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    出典:肢体不自由児施設の歴史/全国肢体不自由児施設運営協議会

    肢体不自由児施設(障害児入所施設)で保育士の資格を活かして働こう

    肢体不自由児施設(障害児入所施設)は、身体に障がいを抱えた子どもたちの治療・リハビリ・生活支援・教育を担う大切な施設です。

    保育士資格があれば働くことができ、日常生活の介助やレクリエーション活動、保護者支援など幅広い場面で力を発揮できます。

    通常の保育業務とは異なる専門性が求められますが、児童一人ひとりの成長に深く関わるやりがいのある仕事です。

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