雨の日など外遊びができないときでも、保育室内で砂遊びを取り入れたいと考えている先生も多いのではないでしょうか。しかし、室内で砂遊びするときは片付けがしやすく、散らからない種類のものを使いたいですよね。今回は、室内での砂遊びについて、ねらいやメリット、遊びに使える砂の種類などを紹介します。
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子どもたちにとっての砂遊びとは
保育園や幼稚園では、園庭や公園などの砂場を使って砂遊びをすることもあるでしょう。
穴を掘ったり山を作ったりと、子どもたちが砂の感触や性質を学びながら自由に遊びを展開していくことができるので、砂遊びを好む子どもたちも多いのではないでしょうか。
自分の好きなものを想像して作ったり、友だちと協力して一つのものを作ったりして砂遊びを楽しむかもしれません。
保育園や幼稚園で砂遊びを行うのには、
- 砂の感触を楽しみながら工夫して遊ぶ
- 砂や土の性質を学ぶ
- 先生や友だちと砂遊びを通して、いっしょに作ることを楽しむ
というようなねらいがあるようです。
乳児クラスの場合、一人で砂遊びをしたり、目の前のものに集中して長時間遊んだりする姿が見られるようになるでしょう。
一方、幼児クラスの場合、友だちと協力して遊びを展開したり、同じ目的をもって取り組んだりする姿が見られるようになるかもしれません。
水を加えることで性質が変わったり、積み重ねた砂を崩して形を変えたりと、普段のおもちゃ遊びでは体験できないようなことを学べる砂遊びは、子どもたちにとって創造力を伸ばすことにつながっていくといえるでしょう。
では、室内で砂遊びをするメリットについて紹介します。
室内で砂遊びを行うメリット
保育園や幼稚園の室内で砂遊びをすることにはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
天候に左右されない
室内で砂遊びをするメリットの一つとして、天気や気温に左右されないということが挙げられれます。
外遊びができない雨の日や夏の暑い日、冬の寒い日などでも季節を問わずに砂遊びをすることができれば、外遊び同様、思い切り砂で遊ぶことができるでしょう。
衛生面に配慮された砂のため安全
室内用の砂は、外の砂場よりもゴミや汚れが入りにくく衛生的であるというメリットがあります。
公園などの砂場で遊ぶ際には、砂場の衛生面や危険物が入っていないかなど気になることもあるでしょう。室内用の砂で遊ぶことができれば、子どもたちの衛生面や安全面に配慮できるため安心できそうですね。
子どもの全身が汚れない
室内での砂遊びのメリットとして、子どもたちが全身を汚す心配がないということが挙げられます。
外での砂遊びとは違い、砂場の上に座ったり転がったりしないため、汚れる範囲も狭くなり洋服が汚れにくくなるでしょう。
多少の砂汚れや泥はねが気になってしまう場合には、砂場着を着用すれば安心かもしれません。
室内で砂遊びをするときに準備すること
保育園や幼稚園の室内で砂遊びをするにあたって、どのようなものを準備するといいのでしょうか。
室内で砂遊びをするときには、以下のものを用意するとよさそうです。
- 砂場用ケース
- ビニールシート
- 砂遊びセット
- 砂場着(汚れても大丈夫な服装)
一つずつ見ていきましょう。
砂場用ケース
室内で砂遊びをするときには、砂を入れておく砂場用のケースが必要になります。
そのため、市販の室内用の砂場ケースや大きめの衣装ケースに砂を入れて遊ぶといいかもしれません。
市販の砂場ケースや衣装ケースには蓋がついているものが多く、砂遊びが終わった後におもちゃなどの砂遊びセットを中に入れておくことができるため、片付けがしやすくなりそうです。
また、ケースに入れたままの状態で砂を保管することもできるでしょう。
他にも、折りたたみプールやビニールプールを砂場ケースとして代用することも可能です。
しかし、大きな折りたたみプールを使用すると砂の保管や持ち運びが困難になってしまうという側面があるため、ペット用などの小さいサイズのものを用いて砂遊びをするといいかもしれません。
ビニールシート
室内で砂遊びをするうえでは、砂が床に散らからないようにしたいですよね。
そこで、砂遊びをするときには床に大きめのビニールシートを敷いて行うようにしましょう。
ビニールシートの上であれば砂がこぼれても片付けがしやすくなり、水を使って砂遊びをするときでも、床が濡れにくくなります。
ただし、ビニールシートは水に濡れると滑りやすくなるため、子どもたちに走らないように声をかけるなどして安全に配慮するとよさそうです。
砂遊びセット
砂場遊びをするときには、型にはめたり穴を掘ったりするのに砂遊び用のおもちゃを使いますよね。
スコップや熊手、型やバケツなどがそろった砂遊びセットを用意しておけば、子どもたちもより砂遊びを楽しむことができるでしょう。
おもちゃの数が少ないと取り合いになってしまうことも考えられるため、多めに用意しておくといいかもしれません。
また、砂遊びセットをたくさん用意するのが難しい場合には、プラスチックコップや、プリンまたはゼリーなどの空容器といった、水に濡れても大丈夫な身近な廃材を型抜き用のおもちゃとして活用してみてもよさそうです。
砂場着
外で砂遊びをするときには、子どもたちに砂場着を着せて遊ぶことも多いでしょう。
室内で砂遊びをする際にも、汚れても大丈夫なように砂場着を着用するといいかもしれません。
外での砂遊びのように砂の上に座ったりすることはないため、全身が汚れることはないかもしれませんが、室内であっても遊びの最中に砂が飛び散ったり泥がはねることも考えられます。
そのため上半身だけのものや、サロペットタイプの砂場着を保護者の方に用意してもらうといいでしょう。
室内での砂遊びに使える砂の種類
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室内で砂遊びをするときに使用できる砂の種類を紹介します。
砂粘土
砂粘土は砂と粘土の間のような感触で、触っても手が汚れにくいのが特徴です。また、飛び散りにくいため、砂が床に散らからないというのも特徴と言えるでしょう。
砂粘土は水を使わずにいろいろな形を作ることができるため、砂遊びセットにあるような型にはめて遊ぶのに適しているかもしれません。
また、さらさらとした通常の砂のように砂が減る心配もなく、何度でも繰り返し使って遊ぶことができます。
砂粘土は100円均一ショップや玩具店、インターネット通販などで購入することができ、最近では色がついているカラフルなものもあるので、いろいろな色の砂粘土を用意してみてもいいかもしれませんね。
抗菌砂
抗菌砂は抗菌加工がされている砂で、通常の砂に混ぜて使うものです。
砂には加熱処理が施されて抗菌剤が含まれているため、衛生的で子どもたちにとって安全な砂と言えるでしょう。
抗菌砂を使用する場合、市販の砂場ケースや大きめの衣装ケースなどの中に入れ、通常の砂と混ぜれば遊ぶことができます。
通常の砂と同様に水を加えて土や泥を作ったり、砂遊びセットのスコップや熊手のおもちゃを使って楽しむこともできるでしょう。
抗菌砂はホームセンターやインターネット通販で購入することができますが、通常の砂よりも少し値段が高いこともあるようなので、購入する際は確認するとよさそうです。
ホワイトサンド
ホワイトサンドは見た目が白く、粒子が細かいためさらさらしているのが特徴です。
砂が肌や服についても軽くたたけば落ちるため、洋服が汚れにくいだけでなく、掃除や片付けもしやすいでしょう。
また、ホワイトサンドは通常の砂と同様に、水で濡らすことでさまざまな形を作って遊ぶことができるため、抗菌砂のように市販の砂場ケースや大きめの衣装ケースなどに入れて遊ぶといいでしょう。
ホワイトサンドも、ホームセンターやインターネット通販で購入することができるので、参考にしてみてくださいね。
外に出られない日も室内で砂遊びを楽しもう
今回は、保育園や幼稚園の室内での砂遊びについて、メリットや必要な準備、砂遊びに使える砂の種類などを紹介しました。
室内で砂遊びをするときは、砂が散らからないことや片付けがしやすいことなどを重視する先生も多いでしょう。
砂粘土など散らかりにくいような種類の砂を用いたり、掃除がしやすいように周辺環境を工夫して砂遊びに取り組めば、雨の日など外に出られないようなときでも、子どもたちと砂遊びを楽しむことができそうですね。