2021年の天皇誕生日はいつかご存じでしょうか。平成時代は12月23日に制定されていましたが、元号が変わったことで、日付にも変動があったようです。今回は、天皇誕生日はいつなのか、変更になった背景とともに解説します。また、子ども向けに伝えるときの簡単な言い換え例についてもあわせてまとめました。
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天皇誕生日について知ろう
天皇誕生日とは、「国民の祝日に関する法律」によって定められている日本国民の祝日の一つです。
文字通り、天皇陛下の誕生日をお祝いする日であるというのは予想がつくでしょう。一般参賀の様子などをテレビで見たことがある先生も多いかもしれません。
2018年までは、12月23日が天皇誕生日として人々に親しまれていました。しかし、2020年より日付が変更になったのをご存じでしょうか。
今回は、2020年より新しくなった天皇誕生日はいつなのか、この変更にはどのような背景があるのかなどを解説します。
また、簡単な言葉に言い換えて伝えるときの例文も紹介するので、保育園で子どもたちに向けて説明し、天皇誕生日に興味をもつきっかけづくりができるとよいですね。
天皇誕生日はいつ?
国民の祝日に関する法律の改正によって、天皇誕生日の日付に変更がありました。
日付
2021年の天皇誕生日は2月23日です。
これは、現在の天皇陛下が2月23日生まれであることから制定されました。
次に、2020年より新しい日付となったのにはどのような理由があるのか、見ていきましょう。
変更になった背景
2020年より天皇誕生日が2月23日になったのは、2019年5月1日より元号が平成から令和に変わり、新しい天皇陛下が即位されたからです。
ちなみに、現在の上皇さま(平成時代の天皇陛下)の誕生日が12月23日であったことから、2019年は天皇誕生日がない年となりました。
また、これまで昭和天皇や明治天皇の誕生日は「みどりの日」や「文化の日」として祝日に制定されてきた歴史がありますが、現在のところ上皇さまの誕生日を祝日に制定する動きはないようです。
これは、現在の上皇さまが生前退位をしたことで、12月23日を祝日に制定すると権威付けになりかねないと危惧する声が上がっているためと言われています。
そのため、12月23日は祝日にならず平日となっているのが現状です。
天皇誕生日の由来や意味
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天皇誕生日が祝日として制定されるようになった由来や意味について紹介します。
由来
天皇誕生日は、1948年までは「天長節」と呼ばれていました。
天長節は、奈良時代の光仁天皇のときに初めて行われたと言われています。それ以降天皇の誕生日ごとに天長節が設定され、長らく国民に親しまれていたようです。
戦前、天皇は神様として崇められ、天長節は祭日として扱われていたと言われています。しかし戦後になり、天皇は「日本国民の統合の象徴」という意味をもつようになりました。
それを受けて、国民と天皇陛下の距離を縮めるための日として、1948年に「天皇誕生日」が制定されました。
意味
内閣府の「国民の祝日について」によると、天皇誕生日には「天皇の誕生日を祝う」という意味があると説明されています。
つまり、現在の天皇陛下がお生まれになったことを国民でお祝いする日と言えるでしょう。
天皇誕生日には、国民が天皇陛下や皇族の方にお目にかかれる一般参賀のほか、宮中で祝賀の儀・宴会の儀・茶会の儀が行われています。
これらは皇族の方や内閣総理大臣、政治家や諸外国の要人などを招いて盛大にお祝いをする儀式です。
天皇誕生日は、天皇陛下がさまざまな方との交流をもつ日とも言えるのですね。
天皇誕生日について子どもたちに伝える言い換え例
天皇誕生日とはどのような日なのか、簡単な言葉に変えて説明してみましょう。
ここでは、子どもたちからの質問を想定した言い換え例を紹介します。
Q1.天皇誕生日っていつ?
「2021年の天皇誕生日は、2月23日だよ。
少し前までは12月23日だったんだけど、天皇が新しくなったから、日付も変わったんだよ。」
Q2.天皇誕生日って何の日?
「天皇誕生日は、今の天皇陛下が生まれたことをお祝いする日だよ。
みんなも誕生日になると、お誕生日会を開いたりおいしいご飯を食べたりしてお祝いするよね。 同じように、生まれてきたことを日本のみんなでお祝いしよう。」
Q3.天皇誕生日ってどんなことをするの?
「天皇誕生日には、天皇陛下が住んでいるところへ会いに行って『おめでとう』って伝えるんだって。保育園でも天皇陛下についてみんなでお勉強して、お祝いをしてみよう。」
天皇誕生日について説明するときは、子どもたちのお誕生日と同じように、おめでたい日であることを伝えてみましょう。
なかには、天皇の存在について知らず「天皇陛下ってなに?」と質問してくる子もいるかもしれません。
そういった場合は、「日本という国を見守ってくれたり、みんなが安全に暮らせるように外国の人とお話したりしている人だよ。」と、かみ砕いて説明するとよさそうです。
子どもたちが、「日本のみんなに誕生日をお祝いしてもらえるなんて、すごい人なんだな」という風に理解できるとよいですね。
天皇誕生日はいつかを知って、保育園で子どもたちに伝えてみよう
今回は、天皇誕生日はいつなのか、また子どもたちに簡単に説明するための言い換え例などを紹介しました。
天皇誕生日とは、天皇陛下が生まれたことをお祝いする日です。天長節という昔の祭日が由来であり、戦後に名称が変わって祝日として制定されました。
平成時代は12月23日に定められていた天皇誕生日ですが、2019年5月1日に元号が令和になったことにより、2020年からは2月23日へと変更になっています。
保育園で子どもたちに天皇誕生日について説明するときは、「誕生日をお祝いするおめでたい日なんだ」ということが伝わるように、わかりやすく言い換えてみましょう。
災害時の活動や外国への訪問など、日頃行っているご公務についてもあわせて伝え、子どもたちが天皇陛下について関心をもてる機会となるとよいですね。