子どもの試し行動について、どのように対応するべきか悩んでいる保育士さんがいるかもしれません。場合によっては、あまりにもひどいと感じて戸惑ってしまうこともあるでしょう。そもそも、子どもはなぜ保育園で試し行動をするのでしょうか。今回は、考えられる理由をもとに保育士としての対応法をご紹介します。
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■目次
保育士が対応に悩む子どもの試し行動とは?
保育園で働いていれば、試し行動をとる子どもと関わることがあるかもしれません。
そもそも試し行動とは、子どもが保育士さんのことをわざと困らせるような行動をとり、自分に愛情があるのか確認する行為のことです。
子どものとる試し行動に翻弄されずに、保育士として子どもの気持ちを汲めるような対応ができるとよいですが、あまりにもひどかったりすると対応が大変ですよね。
まずは、子どもが試し行動をとる理由や、どういった行動をとるのかを見ていきましょう。
子どもが試し行動をする背景と理由
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子どもは次に挙げるような状況の変化において、試し行動をすることがあるようです。
- 弟や妹が生まれた
- 引っ越しをした
- 親が再婚または離婚をした
- 保育園や幼稚園に入園した
- 進級などで担任が変わった
このように、子どもをとりまく環境が変化することで試し行動をするケースが多いようです。
それでは、保育園で子どもが試し行動をするのはなぜなのでしょうか。
以下、考えられる理由をまとめました。
愛情不足を感じているから
家庭をとりまく環境が変わるなどして親からあまりかまってもらえないなど、試し行動は愛情不足の子どもに多くみられるようです。
親からの愛情に飢えている子どもは自分が愛されていることを確認するために、保育園において試し行動をとることが考えられます。
赤ちゃん返りしているから
できたことができなくなるなど、幼い言動をとるようになる赤ちゃん返りは、試し行動のひとつであると言われています。
例えば自分の弟や妹ができれば、これまで親から一心に受けていた愛情が減少したように感じることでしょう。
寂しさを覚えた子どもは赤ちゃん返りし、保育士さんに対して自分を気にかけて欲しいという思いから試し行動をとることも。
イヤイヤ期だから
自己主張が強くなるイヤイヤ期の子どもは、家庭において親から注意を受ける場面が増えることが予想されます。
親から叱られることによる辛い気持ちが要因となって、保育士さんへの試し行動につながることも考えられるでしょう。
園生活に不満があるから
保育士さんが自分のことをかまってくれないと感じたり、友だち関係がうまくいかなかったりすれば、子どもは寂しさを感じるでしょう。
園生活において不満があれば、保育士さんの気を引きたいという思いから試し行動をとることもあるようです。
子どもがとる試し行動の例
子どもが保育園で試し行動をとる例として、次のような内容が挙げられます。
- 人に嚙みついたり叩いたりと攻撃的な態度をとる
- 人の言うことを聞かず反抗的な態度をとる
- すぐに泣きわめく
- 絵本や玩具などを破損させたり投げたりする
- 食べ物や飲み物を口から出したりこぼしたりする
- 意識的に排尿をする
試し行動は、子どもが悪いと分かっていながら、保育士さんの顔色を見て行うものです。
愛情を確かめるための行動であるため、保育士さんが自分に向いていると安心するまで続くケースもあるでしょう。
試し行動をする子どもに保育士はどう対応する?
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子どものとる試し行動に、保育士さんはどのように対応すればよいのでしょうか。
突き放さない
あまりにもひどい試し行動が繰り返されれば、子どもとどう接すればよいのか戸惑うかもしれません。
関わり方が難しいからと保育士さんが突き放すような態度をとると、子どもは寂しさが増し、より試し行動がひどくなってしまうことも考えられます。
子どもが安心感を抱けるよう、しっかりと愛情を持って接することが大切です。
一呼吸おく
子どもの試し行動に対して叱り続けていれば、子どもの自尊心を傷つけてしまう可能性も。
つい感情的になってしまいそうなときは、一旦冷静になるために一呼吸おいてみましょう。
愛情表現を交える
子どもの試し行動をやめさせようと保育士さんが強引な態度を示せば、子どもはますます反発するかもしれません。
子どものために関わっているということが伝わるように、愛情表現を交えながら接することができるとよいですね。
子どもの気持ちを汲む
先述したように、子どもがひどい試し行動をとるのは、家庭環境の変化によるものかもしれません。
子どもを取り巻く状況を把握し、子どもの悲しさや寂しさに寄り添うことが大切です。
子どもと向き合い、何を求めているのか理解するようにしましょう。
子どもの試し行動に保育士として愛情を持って対応しよう
保育士さんが困るようなことを意図的に行う、子どもの試し行動。
保育士さんの気を引きたいがために起こしている行動であることを覚え、愛情不足を補うようしっかり子どもと向き合うことができるとよいですね。
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