放課後等デイサービスの個別支援計画の書き方!5領域の紐付け・記入例

放課後等デイサービスの個別支援計画は、通所する児童一人ひとりに合わせた療育の要となる計画書です。児童発達支援管理責任者(児発管)が中心となり、2024年(令和6年)度の報酬改定で義務化された「5領域」との関連づけや時間区分など、最新の要件を満たして作成する必要があります。今回は、作成の基本ステップや抽象的な表現を避ける書き方のコツ、全項目を網羅した記入例を解説します。なお、放課後等デイサービスの仕事内容・人員配置・給料は以下の記事で解説しています。▶ 放課後等デイサービスの仕事内容

この記事でわかること
  • 個別支援計画作成の基本ステップとモニタリングの重要性▼詳細
  • 計画書に必須となる記載内容のポイント!長期・短期目標▼詳細
  • 5領域に関連付けた支援内容の書き方と具体的な記入例▼詳細

目次

放課後等デイサービスの個別支援計画とは

放課後等デイサービスの個別支援計画は、通所する児童一人ひとりの状態と、本人や家族のニーズにもとづいて、支援の方向性・目標・方法を具体的にまとめた計画書です。

原則として、児童発達支援管理責任者(児発管)が、現場の支援から見る状況と本人・保護者からの聞き取りを中心とした、アセスメント結果をもとに作成します。

5領域との関連づけと「3つの支援」

2024年度の報酬改定により、個別支援計画書に記載する支援目標と支援内容は、以下の「5領域」と関連させて作成することが義務付けられました。

本人支援における5領域

  • 健康・生活
  • 運動・感覚
  • 認知・行動
  • 言語・コミュニケーション
  • 人間関係・社会性

また、計画書の「支援目標及び具体的な支援内容等」では、以下の区分を網羅して記載することが求められます。

  • 本人支援:5領域と紐づけた児童への直接的な支援
  • 家族支援:保護者面談や家庭での関わり方のアドバイス
  • 移行支援等:学校や他施設、放課後児童クラブ(学童)との連携・インクルージョンの推進
 
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個別支援計画の作成基本ステップと重要ポイント

個別支援計画を作成する際は、児童と家族の意向をスタート地点とし、一貫性を持って目標・支援内容へと落とし込むことが重要です。以下の基本ステップに沿って作成します。

Step1. アセスメント(本人や保護者の意向把握)

本人や保護者との面談、日々の活動観察から、意向や抱えている課題を把握します。

目先の課題だけでなく「将来的にこうなりたい」という願いを引き出し、児童の発達段階を踏まえて「利用児及び家族の生活に対する意向」として整理します。

Step2. 総合的な支援の方針

アセスメントをもとに、1年間を見据えた支援の方向性や見立てを記載します。

放課後児童クラブ(学童)との併行利用や、学校・家庭での様子を取り込み、事業所としてどのように関わっていくかの方針を明確にします。

Step3. 長期目標・短期目標の設定

方針を踏まえ、具体的な到達目標を設定します。主語は「本人」または「家族」になるように記載しましょう。

  • 長期目標:約1年後までに達成したい、日常生活や社会生活における姿
  • 短期目標:長期目標に向けて、3〜6か月で達成できる具体的な目標

Step4. 支援内容の具体化と「抽象的な表現」の回避

設定した目標に向けて、「誰が・いつ・どのように・何をするか」を明確に記載します。

このとき、抽象的な表現を避けて具体的に書くことが非常に重要です。

【書き方のNGとOK例】
❌ NG:コミュニケーション力を高める支援をする
⭕ OK:週1回の個別面談で、5W1Hを使って学校での出来事を報告する練習をする

このように具体化し、それが5領域のどれに該当するかを紐付けて記載します。

Step5. 計画時間(時間区分)の記載

令和6年度(2024年度)報酬改定に伴い、基本報酬を算定するための時間区分が明確化されました。

「支援の標準的な提供時間等」の欄には、以下の区分を意識して利用時間を記載します。

  • 30分以上1時間30分以下
  • 1時間30分超3時間以下
  • 3時間超5時間以下

Step6. 説明と同意・モニタリング

作成した計画書は、必ず保護者に十分説明し、同意の署名をもらった上で交付します。

また、計画は作って終わりではありません。

最低でも6か月に1回は進捗を評価(モニタリング)し、目標の達成度や新たな課題に合わせて計画を見直すPDCAサイクルを回すことが義務付けられています。

実務に追われてじっくり計画を立てる時間がない…とお悩みの場合は、効率化が進んでいる施設へ環境を変えることも一つの手段です。

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全項目を反映した支援内容の記入例【一覧表】

前述のステップと5領域の紐付けをもとに作成した、具体的な記入例(本人支援・家族支援・移行/地域連携)を紹介します。作成の参考にしてください。

項目 支援目標 支援内容(誰が・いつ・何を) 5領域との関連 達成期間 担当者・機関 留意事項 優先順位
本人支援 当施設の環境や職員に慣れ、安心感を持って活動開始時や休憩時の切り替えができるようになる イラスト、写真などを用いて、活動の流れやスケジュールを視覚的に提示する。
クールダウンできる部屋を示し、いつでも利用可能であることを伝える。
健康・生活
認知・行動
1カ月後 児童指導員
保育士
送迎時の声かけと表情の観察を徹底 1
本人支援 不安や感情の高ぶりを感じた際、言葉や身振りで職員に助けを求めることができる 週1回の個別活動で、本人の関心が高い遊びを取り入れ自発的な発言をうながす。
不安な表情が見られたら「休憩する?」と平易な言葉で問いかける。
言語・コミュニケーション
人間関係・社会性
3カ月後 児童指導員
保育士
言語聴覚士
言語聴覚士の個別療育(月1回)で非言語交流の手段を検討 1
家族支援 保護者が、こどもの感情の背景にある特性を理解し、家庭で適切な声かけを行えるようになる 月1回の面談を通して、児童が落ち着くためのツール(タイマーや絵カード)利用を支援する。
声かけ「〜しなさい」ではなく「〜しよう」を実践していただく。
記載なし 6カ月後 心理担当職員
児発管
保護者
面談は月1回の日程調整。
毎日の連絡帳で活動の共有
 
移行支援 地域の放課後児童クラブの活動に定期参加し、他児童との交流を楽しむことができる 児童の状況をクラブの職員と共有し、活動場所への慣れを目的とした併行利用を週1回実施。
担当職員が付き添い参加しサポートする。
記載なし 6カ月後 ○○学童クラブ
○○先生
放課後児童クラブへの移行支援につき、関係機関連携加算  
地域支援・地域連携 学校の担任教諭と支援内容について月1回情報共有し、一貫した対応が得られる 保護者の同意を得て、学校の担任教諭と月1回、電話または訪問により、本計画の共有を含めた情報連携・調整を行う。 記載なし 6カ月後 ○○小学校
○○先生
学校との情報連携のため連絡調整を行う  

以下はこども家庭庁が公開している個別支援計画書の記入例です。こちらも参考にしてください。

出典:個別支援計画書(参考記入例)/こども家庭庁

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    3ステップで作成できる、支援内容と5領域の組み合わせ方

    面談buritora / stock.adobe.com

    個別支援計画で設定する支援内容は「5領域」との関連性を明確にする必要があります。

    どのように結びつければよいか迷った時は、以下の3ステップで考えましょう。

    Step1. 保護者の意向から課題のある領域を見極める

    うちの子には、場面に合った行動を自分で気づいてふるまえるようになってほしい。

    このような保護者の願いを聞き取りした場合、この児童は状況判断にかかわる「認知・行動」や、他者との関わりである「人間関係・社会性」の領域に課題感があることがわかります。これを支援の軸に設定します。

    Step2. 日常の行動観察で児童の「得意(強み)」を見つける

    「ドアは静かに閉めてね」と口頭で頼んでも難しかったのですが、イラストを描いてドアに貼ったら、ゆっくり閉めてくれるようになりました!

    現場の指導員からこのような報告があった場合、この児童は「視覚的な情報で理解するのが得意」という強みを持っていると考えられます。

    Step3. 強みを活かした支援内容を5領域に紐づけて記載する

    課題と強みをもとに、具体的な支援内容を考え、該当する領域を紐付けます。

    (1)活動の流れやルールを絵や写真で分かりやすく提示して、日常の行動を習慣化する
    「認知・行動」「人間関係・社会性」

    (2)成功体験を通じて「自分はできる!」という自信を高め、情緒の安定を図る
    「健康・生活」

    このように、支援の流れを多角的な視点で見通すことで、偏りのない5領域に紐づいた計画が完成します。

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    放課後等デイサービスの個別支援計画に関するQ&A

    Q. 保護者への「説明・同意」は、面談が必須?

    A. 対面やオンラインでの丁寧な説明と同意が求められます。

    原則として、計画作成時や変更時には、保護者に計画の内容を示しながらていねいに説明を行い、同意(署名)を得ることが必要とされています。近年はオンライン面談も可能とされていますが、計画の意図が誤解なく伝わるよう工夫しましょう。

    Q. 計画書どおりにうまく運用できない。改善方法は?

    A. PDCAサイクルを回しながら、モニタリングで見直しを行いましょう。

    計画と実際の現場運用にズレが生じるのはよくあることです。実践しながら定期的に評価(モニタリング)を行い、目標が高すぎないか、支援方法が合っているかを施設長や他のスタッフと共有しながら改善していくことが重要です。

    Q. 実利用時間が計画より短くなった場合、報酬加算はどうなる?

    A. 利用者の都合か事業所の都合かで算定方法が変わります。

    事業所の都合で短くなった場合は、個別支援計画に定めた時間ではなく、実際の支援時間で基本報酬を算定します。児童や家族の都合(急な体調不良など)で短くなった場合は、計画上の時間で算定可能です。

    Q. まだ児発管のOJT研修中ですが、みなし配置されているのは問題ない?

    A. 原則NGですが、条件付きで可能な場合もあります。

    児発管は基礎研修修了後から2年間のOJT期間中は「みなし配置」が可能でしたが、2026年時点では研修制度の猶予措置は終了しています。ただし、正規の児発管がすでに1名以上配置されている施設であれば、2人目として配置することは可能です。また、基礎研修修了者は個別支援計画の「原案」を作成することができます。

    Q. 実務の負担から転職を考えています。今の職場に知られずに登録できる?

    A. 知られることはありません。ご本人の許可なく情報が伝わることは一切ありません。

    登録の際に「在職中」とお伝えいただければ、勤務時間中の電話を避ける、LINEやメールで連絡するなど、一人ひとりの状況に合わせて連絡方法やタイミングを配慮します。忙しい児発管の方でも安心してご利用いただけます。

    Q. まだ転職するか決めていないけど、情報収集だけでも相談していい?

    A. はい、情報収集だけの相談も歓迎しています。

    「他の施設の支援体制を比べてみたい」「事務作業が少ない施設を知りたい」という段階で相談される方はとても多いです。無理に転職を勧めることはなく、求人票だけではわからない現場の情報をお伝えしています。

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    放課後等デイサービスの個別支援計画はこれでレベルアップ!

    放課後等デイサービスの個別支援計画は、児童と家族の意向をスタート地点とし、5領域を踏まえて具体的に作成することが求められます。

    2024年の報酬改定により、支援時間の区分の明確化や、インクルージョン推進のための移行・地域連携の記載が新たに必要となりました。

    抽象的な表現を避け、現場の職員が誰でも同じように支援できる計画書を目指しましょう。

    放課後等デイサービスの仕事内容・人員配置・給料など、働くうえでの基本情報を確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
    ▶ 放課後等デイサービスの仕事内容

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