子どもに響く!保育士の「言葉かけ」の仕方や気をつけるポイント、事例

保育園や幼稚園で子どもと接している際に、「言葉かけ」について考える保育士さんもいるかもしれません。子どもへの言葉かけは、日々の保育活動において信頼関係を育む大切なものになります。今回は、保育士さんによる言葉かけのポイントや、登園から降園までの保育スケジュールにあわせた言葉かけの事例を紹介します。


子どもたちと活動をする先生

milatas/shutterstock.com

 

保育活動の中で大切な「言葉かけ」とは

保育活動をする中で大切な「言葉かけ」。

日々子どもと接している保育士さんにとって、言葉を通してコミュニケーションを図ることは、子どもとの関係性を育むうえで大切になります。

 

登園や一斉保育のときなど、さまざまなシーンで「言葉かけ」を行うことがあるでしょう。その際に、どのように言葉かけをすればよいのかと迷うこともあるかもしれません。

 

まずは、子どもたちに接する際の言葉かけのポイントについて見ていきましょう。

保育士さんが子どもに言葉かけをするときのポイント

保育士さんが子どもと接するとき、どのような点に視点を置き、注意するとよいのでしょうか。

 

子どもへの言葉かけのポイント

 

子どもへの言葉かけのポイントを具体的に解説します。

子どもの気持ちを受け止めて話す

保育士さんに対して、子どもたちはさまざまな場面で自分の気持ちを伝えることがあるでしょう。

 

忙しい保育活動の中で、子ども一人ひとりの言葉を受け止めるというのは大変なことかもしれません。

 

しかし、子どもたちが自分の考えや意思を保育士さんに伝えられるということは、保育士さんとの信頼関係を築き上げているからこそでもあります。

 

まずは「この子はどんなことに興味があるのか」「どんなことを楽しいと思い、悲しいと思うのか」など言葉や表情などを汲みとりつつ、子どもの話を受け止める時間をもつことが大切かもしれません。

 

子どもの話を受け止めたうえで、褒めたり、会話を楽しんだりして、保育士さんと話す安心感が芽生えるような言葉かけをしていきましょう。

子どもを具体的に褒める

子どもたちは周囲に対して、さまざまな場面自分を「認めてもらいたい」という気持ちが芽生えることでしょう。その点は、大人も子どもも同様かもしれません。褒められると嬉しくなりますし、否定されると悲しくなるものですよね。

 

ただ「すごいね!」と褒めるのではなく、具体的に褒められると自分ができた喜びを感じ、自己肯定感が高まることにつながるのではないでしょうか。

 

子育てなどの本の中でも「褒める」ということは大切なものだといわれています。

保育士さんも自分自身が子どもの頃にどんな風に褒められると嬉しかったのかと考えつつ、言葉かけをする際は、具体的に褒めることを意識するとよいかもしれません。

子どもの自発性を大切にする

子どもが0歳児や1歳児などは、大人からの援助を必要とする場面も多いことでしょう。

 

保育士さんはおむつを替えたり、食事を補助したりと保護者に代わってさまざまなサポートを行いますが、子どもは成長するにつれて、自分で考えて行動する場面も増えていくことでしょう。

 

その際は、必要以上に子どもを援助するのではなく、自発性を育めるような言葉かけも大切になります。

 

できたことに対して子どもと共に喜びつつ、くじけてしまうときには、「ここまで自分で頑張ってみよう」など意欲を引き出すような言葉選びをしていくとよいかもしれません。

子どもに感謝の気持ちを伝える

子どもたちが保育士さんを手伝ってくれたり、積極的に行動して助けてくれたりすることもあるでしょう。その際は「ありがとう」「嬉しいよ」など感謝の気持ちを言葉にして伝えるようにしましょう。

 

子どもたち同士で自然にお礼の気持ちを言い合えるように、まずは保育士さんが率先して子どもに感謝の気持ちを伝えることは大切なことかもしれません。

 

子どもに言葉かけをするときに気をつけるポイント

 

子どもと接するときの言葉かけのポイントについて紹介しましたが、言葉かけをする際にどのようなことを気をつければよいのかを紹介します。

強制的な言葉を使わないようにする

子どもたちに、「○○やりなさい!」というような命令系の言葉は使わないようにしましょう。このような言葉かけをすることで、子どもたちが萎縮してしまったり、恐怖を与えてしまったりすることもあるかもしれません。

 

注意したり、叱ったりすることも大切なことですが、なぜしてはいけないのかなど、きちんと子どもたちがわかるように、理由を説明することが大切です。

否定的な言葉を使わないようにする

強制的な言葉と同様、「○○はダメ!」など否定的な言葉を使うことも避けるようにしましょう。なぜダメなのかをしっかりと説明して、「○○したほうがいいと思わないかな?」と子どもたちが自分で気づけるような言葉選びを意識するとよいかもしれません。

 

子どもの自尊心を育むためにも、ポジティブな言葉で伝えられるように工夫してみてくださいね。

子どもの知らない言葉は使わないようにする

子どもたちは保育園や幼稚園といった集団生活の中で、言葉を徐々に覚えていきますが、言葉の理解力については、個人差があるでしょう。

 

言葉かけをするときはできるだけ、子どもたちがわかりやすい言葉を意識して伝えるとよいかもしれません。

 

例えば、花について伝えるときにも「花は水をかけて太陽の光を浴びて大きくなるんだよ」と伝えると「水をかけると大きくなる?どうして」となかなか理解できない子どももいるかもしれません。

 

その際は、「花はたくさん水をあげると水をごくごく飲みます。そして、お日様の光をたくさん浴びるとそれが力になって大きくなるんだよ」と伝えると理解できる子もいるでしょう。

 

このように子どもに何かを伝えるときは、本やインターネットなどを活用するなどして、理解しやすい言葉かけについて考えられるとよいですね。

子ども同士を比較するような言葉は使わないようにする

子ども同士は成長することで互いを意識し、ときにはライバル心が芽生えることもあるかもしれません。

 

子どもが友だちを見て、「この子よりも足が速くなりたい!」「この子よりも上手に折り紙を作りたい!」という気持ちになることもあるでしょう。

 

その中で保育士さんによって「あの子は○○ができるのに、○○ちゃんはできないよね」など比較するような言葉を使うと、子どもの心を傷つけてしまい、自信をなくしてしまうこともあるかもしれません。

 

他者との比較する言葉は使わずに「○○ちゃんは、こんなところがあるからすごいね!」など「褒める」気持ちを大切にして、子どもと接していきましょう。

保育における言葉かけの事例

先生とおやつを食べる子ども

milatas/shutterstock.com

 

保育士さんは、子どもの登園から降園までの間に、さまざまなシーンで言葉かけを行います。保育の一日のスケージュールに合わせて、事例として

 

  • 登園
  • 一斉保育
  • 自由保育
  • 給食
  • 降園

 

に分けて紹介します。どのような言葉かけを行えばよいのかの事例を紹介するので、参考にしてみてくださいね。

 

登園

 

子どもが登園する際は、保護者と離れることに不安を感じることもあるでしょう。特に初めて保育園や幼稚園に通うときや休み明けの登園時に、保護者となかなか離れられない子どももいるかもしれません。

 

子どもの目線に合わせて「今日は○○して楽しもうね。」「○○ちゃんが来てくれて嬉しいな。」など、保育園や幼稚園が楽しい環境であることを伝えてみるとよいかもしれません。

 

子どもが安心して登園できるように、心に寄り添った言葉かけを意識して「笑顔」で迎えることが大切でしょう。

 

一斉保育

 

保育活動の中で、一斉保育や設定保育などで製作やゲームを楽しむ場面もあるのではないでしょうか。

 

導入の際は、子どもが楽しめるように手遊びやペープサート、エプロンシアターなどを活用するなどして工夫することも多いでしょう。

 

言葉かけについても、「○○って知っているかな?」などクイズ形式などを取り入れて、子どもたちの興味や関心を高められるような導入方法を考えられるとよいですね。

 

ときには一斉保育の際に、「やりたくない」となかなか遊びに参加できない子どももいるかもしれません。その際は他の保育士さんと連携しつつ、「○○のところだけ参加してみようか。」など、子どものペースを考えながら、参加を促すことができるとよいですね。

 

給食

 

給食のときは、子どもによって好き嫌いがあったり、なかなか食が進まなかったりと、どのような言葉かけをすればよいのかと考える場面も多いのではないでしょうか。

 

好き嫌いがあるときは「ひとつだけ食べてみよう。」など、嫌いな食べ物の小さなかけらを渡して、徐々に好き嫌いが克服できるように援助するとよいかもしれません。

 

食事については個人差があるため、子ども一人ひとりがどのくらい食べられるのか、食事にかかる時間の目安などを見て、把握することも大切でしょう。

 

食事に時間がかかる子には「あの時計の針が5のところに動くまでに、これとこれは食べてみようか。」など自分で食事のペースをつかめるような言葉かけをして、接し方を工夫するとよいかもしれません。

 

自由保育

 

自由保育は自由時間と呼ぶ場合もあり、子どもが自由に遊びを行うことでしょう。子どもそれぞれが興味や関心のある遊びを自発的に選び、友だちと関わることも多くなる保育活動でもあります。

 

ときには、ケンカ中に手が出て怪我をしてしまう場合もありますし、自分たちで話し合いを行って解決できることもあるかもしれません。

 

その際に、今は子どもに任せた方がよいのか、それとも保育士さんが言葉かけを行って仲裁に入ったほうがよいのかなど、判断に迷ってしまうこともあるでしょう。

 

子どもたちの成長を考えているからこそ迷うことなので、周囲の保育士さんに相談したり、今までの経験を通して動いてみたりと、試行錯誤することも大切ではないでしょうか。

 

子ども同士が言葉を上手く伝えられないことで、ケンカになることもあるかもしれません。その際は「○○ちゃんはこんな風に思っていたんじゃないかな?」などお互いの気持ちが伝わるように、保育士さんが整理する、まとめ役の立場になることも必要かもしれません。

 

子どもたちの自発性や協調性を育めるようにサポートできるとよいですね。

 

降園

 

降園時は、子どもによって早く帰宅する場合もありますし、延長保育を利用する場合もあるでしょう。中には次々と帰っていく友だちを見て寂しくなる子どももいるかもしれません。

 

子どもの表情や仕草を見て、不安になっていないか、寂しさはないかなどを考えて「○○ちゃんは何をして遊びたい?」などと言葉かけをして、不安感を和らげられるように、配慮することも大切です。

 

降園時の際に「明日も○○ちゃんに会えるのを楽しみにしてるよ。」など、明日に保育園や幼稚園に来ることに期待がもてるような言葉選びを意識するとよいかもしれません。

保育士さんそれぞれの「言葉かけ」の引き出しを作っていこう

今回は、保育士さんによる言葉かけのポイントや注意点、保育スケジュールにあわせた具体的な言葉かけの事例を紹介しました。

 

保育士さんの中には「○○ちゃんにした言葉かけは正しかったのか」「今日の言葉の伝え方はあっていたのか」など、子どもたちへの言葉かけについて悩まれている方もいるかもしれません。

 

子どもたちへの言葉かけの方法が合っていたのか、間違っていたのか、そういった迷いは子どもたちと真剣に向かい合っているからこそ、生じるものではないでしょうか。

 

そういった日々の迷いが経験になり、保育士さん一人ひとりの「言葉かけの引き出し」を作り上げていくことでしょう。

 

保育活動の中で子どもたちの心に寄り添いながら、信頼関係を築けるような言葉かけを考えられるとよいですね。

 

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