保育園や幼稚園では、2月3日の節分に向けて、節分にちなんだ製作を行い、節分へのイメージを膨らませることでしょう。今回は、身近な素材や折り紙などを使って簡単につくれる、節分製作のアイデアを紹介します。鬼のお面や福豆を入れる枡、三角帽子など、製作後のごっこ遊びにも活用できるので参考にしてみてください。
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■目次
保育園や幼稚園で行う節分にちなんだ製作とは
節分とは、昔からある伝統行事の一つで、本来、季節の変り目である「立春、立夏、立秋、立冬」のそれぞれの前日に行われていたとされています。
しかし、節分は大晦日に相当し、旧暦では春から1年が始まったことで「立春の前日の節分」が重要視されるようになり、今では、立春前にあたる2月3日ごろが節分として定着しています。
保育園や幼稚園でも、2月3日の節分に向けて、鬼のお面や福豆を入れる枡、三角帽子などの節分にちなんだ製作を行うことでしょう。保育園や幼稚園で行う節分製作には、製作を通して節分とは何かを知り、節分行事に親しみを持つ、というねらいがあります。
保育園や幼稚園でできる節分製作について、身近な素材や折り紙を使ったアイデアや節分のごっこ遊びに活用できる製作など、ジャンルごとに紹介します。
保育園や幼稚園でできる節分の折り紙製作のアイデア
折り紙を使った鬼や福豆を入れる枡の作り方を紹介します。
折り紙でつくる「鬼」
折り紙で鬼を作ってみましょう。
作り方
- 1.折り紙をひし形の状態に置いて三角に一度折って開きます。
- 2.(1)の折り目に向かって、左右を合わせるように折り、裏返します。
- 3.上の先端部分を、左右の角を結んだ直線(三角の底辺)を目安に折ります。
- 4.(3)の状態から、折った先端部分を白い部分のフチに合わせるように折り返して、裏返します。
- 5.下の部分を上に向かって折ります。このとき、3cmほど外に出して折りましょう。
- 6.(5)の左右4つの角を折ります。
- 7.表にして、鬼の顔を書けばできあがりです。
製作のポイント
折り紙製作の場合は、はさみなどの道具を使わずにできるので、子どもたちも安全に作ることができるでしょう。
折り目に合わせて折る工程は少し難しく感じるかもしれません。そのときは、保育者がサポートすることで、子どもたちも楽しく作れそうですね。
折り紙でつくる福豆をいれる枡
折り紙で福豆を入れる枡の作り方を紹介します。
◯用意するもの
・折り紙
〇製作のポイント
折り紙で枡を作るときは、はじめは保育者がサポートしながら折り進め、子どもたちが慣れてきたら、折り紙だけでなく、画用紙や新聞紙といった別の素材で作ってみましょう。
折り紙とは違った大きさの枡を作ることができますよ。
保育園や幼稚園でできる身近な素材を使った節分製作のアイデア
節分製作は、牛乳パックや紙皿などの身近な素材でも簡単に作ることができます。
鬼のお面
牛乳パックや紙皿、紙袋で作れる鬼のお面の作り方を紹介します。
それぞれ、はさみを使う工程があります。ハサミを使い始める2歳児から3歳児頃の子どもが作る場合は、保育者が子どもたちのそばでサポートしながら、複雑な場合は保育者が行うといいかもしれません。
牛乳パックでつくる鬼のお面
牛乳パックでつくる鬼のお面を紹介します。
〇用意するもの
・牛乳パック
・輪ゴム
・毛糸
・折り紙
・はさみ
・クレヨン、フェルトペンなど
・接着剤
・セロハンテープ
・ホチキス、または千枚通し
〇作り方
1.牛乳パックの底の部分と縦の部分を切って開きます。
2.(1)に、鬼の輪郭、目、口をかき、はさみで切り抜いて穴を開けます。
3.(2)の表面に色を塗りましょう。
4.牛乳パックの余った部分や、折り紙などを使って、鬼の角を作り、接着剤やセロハンテープで裏側に貼り付けます。
5.角と角の間に毛糸を丸めたものを貼り付けるなど、自由に装飾してみましょう。
6.耳の位置に輪ゴムをつけてホチキスで止めたり、千枚通しで穴を開けて輪ゴムを結ぶと、お面を耳にかけられるようになります。(1)から(6)の工程を行ったら、鬼のお面のできあがりです。
牛乳パックで鬼のお面を作るときは、牛乳パックをよく洗い、乾燥させてから使うようにしましょう。
子どもたちの好きな色を牛乳パックの表面に塗ると、オリジナルの鬼のお面ができそうですね。
紙皿でつくる鬼のお面
紙皿でも鬼のお面のつくることができます。
〇用意するもの
・紙皿
・折り紙
・毛糸
・輪ゴム
・はさみ
・クレヨン、フェルトペン、絵具など
・接着剤
・ホチキス、または千枚通し
〇作り方
1.紙皿と、紙皿の大きさより一周分大きくカットした折り紙を用意し、折り紙を紙皿に貼り付けます。
2.(1)に鬼の目や口などをかきます。
3.毛糸や折り紙で、鬼の角などを装飾します。
4.ホチキスで輪ゴムを耳の位置に固定したり、千枚通しで穴を開けて輪ゴムで結べば、紙皿でつくる鬼のお面のできあがりです。
〇製作のポイント
紙皿に折り紙を貼ったり、絵具で色を塗ったりと、子どもの年齢に合わせて様々な作り方ができます。
絵具やクレヨンを使って紙皿を塗る場合は、最初に目や口の部分を切り抜いおくといいでしょう。
紙皿に角を貼るときは、厚紙を使うと折れにくくなります。
また、鬼の頭を装飾するときは、毛糸の代わりにモールを使用すると、また違った仕上がりになるので参考にしてみるといいかもしれません。
紙袋でつくる鬼のお面
紙袋でつくる鬼のお面の作り方を紹介します。
穴を開ける工程を保育者が行うと、2歳児、3歳児の子どもたちも楽しみながら作ることができそうです。
〇用意するもの
・紙袋
・折り紙や画用紙
・毛糸
・はさみ
・接着剤
・セロハンテープ
〇作り方
1.紙袋の手持ち部分をはさみで切り取ります。
2.(1)に、目や口の位置を決めて、紙袋をはさみで切ります。
3.折り紙や画用紙で角を作ったり、毛糸で鬼の頭を装飾すればできあがりです。
紙袋で鬼のお面を作るときは、紙袋の大きさをを子ども達の顔の大きさに合せて選ぶと、目や口の位置がずれにくくなるでしょう。
目や口の位置が決まれば、あとは自由に装飾して作ることができるので、子どもたち一人ひとりのオリジナルのお面がつくれそうですね。
福豆を入れる升
節分といえば豆まきですよね。
ここからは、身近な素材でつくる福豆を入れる升の作り方を紹介します。
牛乳パックでつくる升
牛乳パックで枡を作ってみましょう。
◯用意するもの
・牛乳パック
・画用紙(赤、黒、黄色など)
・マジックテープ
・PEテープ
・穴あけパンチ
・ハサミ
・ノリ
・テープ
◯製作のポイント
牛乳パックをはさみでカットする工程は、保育者が行うようにしましょう。
牛乳パックでつくる枡は軽くて素材もやわらかいので、子どもたちが安心して持ち運びできそうですね。
さらに、首からヒモを下げることができれば、枡をなくすことなく節分を楽しむことができるでしょう。
紙コップでつくる升
紙コップでつくる枡を紹介します。
紙コップの場合、牛乳パックよりも簡単に作ることができるので、1歳児後半や2歳児向けの製作にぴったりかもしれません。
〇用意するもの
・紙コップ
・折り紙
・はさみ
・クレヨン、フェルトペン、絵具など
・接着剤
・セロハンテープ
〇作り方
1.紙コップに好きな色を塗ります。
2.(1)に鬼の目や鼻、口などをかきます。
3.折り紙でつくった角を表面に貼り付けたらできあがりです。
◯製作のポイント
紙コップの両端にパンチで穴を空けて、PEテープなどのひもを通すと首にかけて持ち運べるようになるでしょう。
白い紙コップを使う場合は自由に装飾し、あらかじめ色のついた紙コップを用意できれば、より簡単に作ることができそうです。
節分のごっこ遊びに活用できる製作アイデア
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鬼のお面や福豆を入れる升以外にも、鬼の金棒や鬼の三角帽子などを製作すると、節分のごっこ遊びに活用することができ、節分をより楽しむことができるでしょう。
節分のごっこ遊びに活用できる製作アイデアについて紹介していきます。
鬼の金棒
鬼の金棒の作り方を紹介します。
鬼の金棒は固い素材を使うと、怪我につながる可能性もあるので、やわらかい素材を使って作るのがポイントです。
用意するもの
- ・サランラップなどの芯
- ・卵パックか牛乳パック
- ・新聞紙
- ・セロハンテープ
- ・黒の粘着テープ
- ・はさみ
作り方
- 1.ラップなどの芯に新聞紙を巻きつけて、セロハンテープで固定します。
- 2.金棒が好きな太さになるまで、新聞紙を巻いていきます。
- 3.金棒のトゲの部分を、牛乳パックの底の四つ角を切ったものや、卵のパックの出っ張り部分を1つずつ切ったものでつくり、(2)に貼り付けていきます。
- 4.(3)の新聞紙の部分を黒の粘着テープで巻いていきます。
- 5.手で持つ部分にも黒の粘着テープを貼ればできあがりです。
製作のポイント
金棒の手で持つ部分に新聞紙を巻かないほうが、金棒を持ちやすくなります。
また、アレンジとして、手で持つ部分をアルミホイルや銀色の折り紙、画用紙などで貼ると見栄えがよくなり、かっこいい金棒をつくることができそうです。
鬼の三角帽子
鬼の三角帽子は、画用紙で簡単に作ることができます。
用意するもの
- ・画用紙
- ・はさみ
- ・フェルトペン
- ・セロハンテープ
- ・ゴムひも
作り方
- 1.画用紙に扇の形に形をかいて、はさみでカットします。
- 2.(1)の端を両面テープで貼り合わせて円すいの形をつくります。
- 3.(2)に雷模様や鬼の顔などをかいて、自由に装飾します。
- 4.(2)の内側の左右のフチにゴムひもをつけて固定すれば、できあがりです。
製作のポイント
乳児クラスの場合は、保育者があらかじめ扇の形に切った画用紙を円すい状にして用意し、シールやスタンプなどで子どもたちに自由に装飾してもらいましょう。
幼児クラスの場合は、ハサミを使える子どもも出てくる頃なので、扇の形の書いてある画用紙をカットする工程から始めてみてもいいかもしれません。
鬼のパンツ
ビニール袋やポリ袋で鬼のパンツを作ってみましょう。
用意するもの
- ・カラーポリ袋かカラーのゴミ袋
- ・はさみ
- ・黒の粘着テープ
- ・ホチキス
- ・両面テープ
- ・ゴムひも
作り方
- 1.ビニール袋を子どもの腰の大きさに合わせ、袋の底と取っ手の部分をカットし、筒状にします。
- 2.(1)の真ん中半分くらいに縦に切れ込みを入れ、左右それぞれホチキスまたは両面テープで固定します。
- 3.切り込みを入れていない筒状の端部分に、1カ所だけ3cmくらい切り込みを入れ、外側に折ってからホチキスまたは両面テープで固定します。できたら裏返しにしましょう。
- 4.(3)の穴にゴムひもを通します。
- 5.黒いガム粘着テープなどで、雷やトラの模様をつけるなど装飾をすればできあがりです。
製作のポイント
ハサミでカットした部分をホチキスで貼り合わせる場合は、ホチキスの上から粘着テープなどで貼ると、針で怪我をすることなくごっこ遊びに活用できそうですね。
また、ホチキスの針はフラットクリンチという、針の裏が平らになるものを使用すると、怪我をしにくくなるので参考にしてみるといいでしょう。
保育園で行う節分製作を通して、節分行事を楽しもう
保育園や幼稚園でできる節分製作のアイデアについて紹介しました。
鬼のお面や福豆を入れる枡などは、折り紙や身近な素材で簡単に作ることができます。
画用紙で三角帽子を作ったり、ポリ袋などで鬼のパンツを作ると、ごっこ遊びにも活用することができるので、節分をより楽しむことができるかもしれません。
保育園や幼稚園で行う節分製作を通して、節分とは何かを知り、節分を楽しみましょう。