チラシや落ち葉など、いろいろな素材を使って楽しく創作できるコラージュ。急な雨天時での室内遊びとして導入できそうですが、そもそもコラージュとはどのような技法なのでしょうか。今回は、コラージュ製作のねらいや子どもに期待できる効果、基本的な作り方やアイデアなどを紹介します。
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■目次
コラージュとは
保育活動のなかで、さまざまな技法を用いて製作をすることがあるかもしれません。
子どもの自由な発想で創作できるコラージュも、保育園で楽しめる技法のひとつです。
そもそもコラージュとは、統一性のないバラバラな形状のモチーフを使って1つの作品を完成させる遊びのことをいいます。
ちなみに似ている技法として、ちぎり絵と切り絵がありますが、
- ちぎり絵:手で紙などをちぎって貼り合わせる技法。 貼り絵の一種。
- 切り絵:はさみを使って1枚の紙で似顔絵などを表わしたりする技法。
というように、コラージュとは少し異なるようです。
コラージュは用意する素材に制限はなく、色紙やチラシ、雑誌の切り抜きや落ち葉など、台紙に貼り合わせできるものなら基本なんでも使うことができるのが魅力ですね。
保育にコラージュを導入することで期待できる効果
コラージュを行うことにより、子どもにとって期待できる効果をまとめました。
手先の感覚を養う
はさみで紙を切り抜いたり画用紙にパーツをのりで貼り付けたりする活動を通して、手先の感覚を養うことができそうです。
指を使うことで、手先が器用になる働きが期待できるでしょう。
創造力を養う
自分の理想の完成図に向けてパーツをどのように貼りつけるとよいのかと工夫しながら創作することで、創造する力を育むことができそうです。
いろいろな形のパーツを用意すると作品の幅が広がりそうですね。
想像力を育む
子どもの発想で自由に取り組めるコラージュは、どのような作品になるのか思いえがきながら想像する力を鍛えることができるでしょう。
子どもが思い思いに製作できるよう、保育士さんがテーマを決めずに製作するのもよいかもしれませんね。
表現力が身につく
バラバラのパーツを貼りつけてオリジナルの作品を完成させることで、子どもの個性溢れる表現を楽しむことができそうです。
作品を受け入れて認めることで、子どもは自信をもって自由な感性を形にできるかもしれません。
自我が発達する
自由に好きな形のパーツを選ぶことで、自我が発達することにつながりそうです。
どのような作品に仕上げたいのか自己主張することで、意思表示をする力も育むことができるでしょう。
保育園でコラージュをするときのねらい
保育園でコラージュをすることには、次のようなねらいがあるようです。
- イメージを膨らませながら1つの作品を作る
- はさみで切ったり、のりで貼ったりする工程を楽しむ
- 自由に製作し、完成したときの達成感を味わう
製作に入る前にコラージュの技法を使った絵本を見せると、さまざまな色や形のパーツに興味関心をもって意欲的に取り組めるかもしれません。
子どもの自由な発想を活かせるよう、保育士さんはパーツを貼る位置など子どもの表現を否定しないようにしましょう。
保育園でのコラージュの基本的な作り方
コラージュの製作方法はそれほど難しくはありません。
基本的な作り方は、以下の3工程です。
<コラージュの作り方>
1.パーツを用意する
2.台紙にパーツを並べる
3.パーツをのりなどで貼り付ける/p>
保育士さんといっしょであれば、0歳児クラスでも楽しめそうですね。
なおパーツとして選ぶ素材に決まりはなく、台紙に貼りつけることができればどのようなものを使ってもよいでしょう。
保育で使えるコラージュのネタ
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保育で楽しめるコラージュのアイデアを、素材別に紹介します。
雑誌やチラシのコラージュ
用意するもの
- 雑誌やチラシ
- 画用紙(白)
- はさみ
- のり
製作のポイント
雑誌やチラシの写真やパーツを使って、おしゃれなコラージュを作りましょう。
ファッション雑誌から時計やブーツ、洋服などを切り抜いてレイアウトしてもセンスあふれるすてきな作品が作れそうですね。
チラシの野菜や玩具、電化製品などをパーツとして使ってもユニークな仕上がりになりそうです。
絵の具を使ったコラージュ
用意するもの
- 画用紙(白2枚)
- 絵の具セット
- はさみ
- のり
製作のポイント
画用紙に絵の具で色をつけて、パーツ自体を手作りしてみましょう。
塗り方に色むらが多少あったほうが、コラージュの仕上がりに風合いがでるかもしれません。
絵の具が乾いたら、画用紙をいろいろな形にはさみで切り抜きます。
にじみ絵やはじき絵などの技法を取り入れてコラージュをしても、個性溢れる作品に仕上がりそうですね。
落ち葉のコラージュ
用意するもの
- 画用紙(白)
- 落ち葉
- のり
製作のポイント
園外保育のときにきれいな落ち葉を集めておき、コラージュのパーツにしましょう。
秋の風情を感じられるコラージュを作り、壁画製作にしてもよいですね。
落ち葉に顔のパーツや手足をつけると、ユニークな作品に仕上がりそうです。
異素材を使ったコラージュ
用意するもの
- フェルト
- ビーズ
- ボタン
- 接着剤
製作のポイント
フェルトを台紙にして、いろいろな形に切り抜いたフェルトやビーズを貼り合わせます。
年長クラスでは、ビーズなどの細かい素材にも挑戦してもよいでしょう。
このように素材を工夫することで、少し立体感のあるコラージュ作品を作ることができそうですね。
保育園でコラージュを楽しもう
今回は保育で使えるコラージュについて紹介しました。
素材に決まりはなく、チラシと落ち葉など異種のパーツを使うことで、アイデアあふれるおもしろい作品が作れそうです。
また、工程も少なく簡単な技法なので、保育士さんといっしょであれば乳児クラスでも取り組めるでしょう。
1つの作品を作る工程を楽しみ、達成感を味わうというねらいを意識しながら、子どもの自由な発想を受けとめられるとよいですね。
コラージュを通して、子どもの想像力や表現力を育んでいきましょう。