5歳児クラスの活動にゲーム遊びを取り入れてみましょう。友だちと会話のやり取りを楽しんだり、ルールを理解して取り組んだりする姿が見られる時期なので、言葉探しやじゃんけんをアレンジした遊びなどにチャレンジするとよいかもしれません。今回は、室内と戸外で楽しめる5歳児向けのゲーム遊びのアイデアを紹介します。
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■目次
保育園の5歳児クラスでゲーム遊びをしよう
社会性が身につき、理解力や記憶力もぐっと高まるようになる5歳児。
友だちと遊びのイメージを共有しながら協力し、集団で楽しむ姿も見られるでしょう。
そんな5歳児クラスのゲーム遊びには、以下のねらいがあるようです。
- 友だちといっしょにルールのある遊びを楽しむ
- グループで力をあわせて遊びを進めるよろこびを味わう
5歳児は、ゲームのなかで積極的に周囲とかかわったり、友だちと言葉の伝え合いを楽しみながら遊ぶ時期のようです。
また、ルールを理解したうえで、自分なりの楽しみ方やアレンジを考えることもあるでしょう。
子どもが主体的に考えて行動したり発言できたりする環境を整えながら、集団での交流を楽しめるようなアイデアを取り入れるとよいかもしれませんね。
【室内】5歳児向けのゲーム遊び
ここでは、5歳児が室内で楽しめるゲーム遊びのアイデアを紹介します。
ハンカチ落とし
室内遊びの定番と言えばハンカチ落とし。
ホールなどの広い場所を使用して遊んでみましょう。
遊び方
1.子どものなかから鬼を1人決めます。
2.鬼以外の子どもは内側を向いて輪になって座り、鬼は輪の外側に立ちます。
3.座っている子どもは手を背中にまわし、手の平を上に向けた状態にします。
4.鬼は子どもの後ろを時計回りに周りながら、1人の手の平の上にハンカチを落とします。
5.ハンカチを落とされた子どもは、ハンカチを持って時計回りに鬼を追いかけます。
6.鬼は時計回りに走って逃げ、ハンカチを落とした相手が座っていた場所に座ります。
7.座る前にタッチされた場合は、もう一度同じ子どもが鬼をします。
8.(3)~(6)を繰り返して遊びます。
ポイント
走って追いかける遊びなので、子どもが動き回れるように広いスペースを確保し、周囲に物がないことを確認しておくことが大切です。
シンプルなルールですが、「追いかけるときは時計回りに走る」というルールをきちんと守るようあらかじめ伝えておきましょう。
ジェスチャーゲーム
言葉を使わずに身体の動きだけでお題を伝える、ジェスチャーゲームに挑戦してみましょう。
遊び方
1.先生はお題を書いた紙を用意します。
2.子どもたちを2つのグループに分け、回答者をそれぞれ1人ずつ選びます。
3.1チーム目の回答者に前に出てきてもらい、残りの子どもたちは縦一列に並びます。
4.先生は回答者の後ろに立ち、出題者となる子どもたちにお題が書かれた紙を見せます。
5.出題者の子どもはお題を読んで、ジェスチャーで伝えます。
6.何を表しているのかわかったら回答者が答え、答えが合っていれば「ピンポーン」間違っていれば「ブブー」と声を出して知らせます。
7.一度ジェスチャーをしたら出題者は列の最後尾に並び直し、次の子どもに代わります。
8.(4)~(7)を繰り返し、制限時間内にたくさん正解したチームが勝ちです。
ポイント
ジェスチャーゲームは「出題者は言葉を発してはいけない」というルールがあります。
ゲームを始める前に子どもたちに遊び方を説明し、回答者のみ声を出してよいことを改めて伝えましょう。
5歳児クラスの場合、「〇〇をしている〇〇」など、少し難易度の高い問題にチャレンジしてみてもよいかもしれません。
体の動きや表情だけで伝えるので、子どもたちの表現力が養われそうですね。
言葉探しゲーム
ひらがなを読めるようになったら、5歳児クラスで言葉探しゲームをしてみましょう。
「お題の言葉を早く見つけた方が勝ち」というルールを作り、1対1や2人1組のペアで競えば盛り上がりそうです。
また、先生が指定した言葉にしりとりを続けるゲームや、保育室内にカードを貼って、宝探しと言葉探しをいっしょに楽しめるゲームにアレンジしてみても面白いかもしれません。
子ども同士のコミュニケーションも活発になりそうですね。
私は誰でしょうゲーム
クイズ感覚で楽しめる私は誰でしょうゲームで遊んでみましょう。
先生が出題者となって、子どもたちに答えてもらいます。
問題を出すときは、はじめに答えを特定しにくいヒントを言い、徐々に簡単にしていくと盛り上がるでしょう。
慣れてきたら、保育園の先生をお題にしてみるのも面白いかもしれません。ゲームを通して、5歳児の思考力や想像力が刺激されそうですね。
【戸外】5歳児向けのゲーム遊び
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ここでは、戸外で楽しめる5歳児向けのゲーム遊びのアイデアを紹介します。
猛獣狩り
猛獣狩りは、リズム遊びの要素もある集団で楽しめるゲームです。
遊び方
1.先生がリーダーとなって、子どもたちの中心に立ちます。
2.先生が手を上げながら「猛獣狩りに行こうよ」と歌ったら、子どもたちも後に続いて歌い、動きを真似します。
3.(2)をもう一度繰り返します。
4.先生が「猛獣なんて怖くない」と歌いながら腕組みのポーズをし、子どもも後に続きます。
5.先生が「槍だって持ってるもん」と歌いながら槍を投げるポーズをし、子どもも後に続きます。
6.先生が「鉄砲だって持ってるもん」と歌いながら鉄砲を構えるポーズをし、子どもも後に続きます。
7.先生が「あっ、〇〇(動物の名前)」と言いながら指をさします。
8.子どもは動物の名前の文字数と同じ人数で集まってグループを作り、座ります。
9.(2)~(8)を繰り返して遊びます。
ポイント
最初は、「ゾウ」「コアラ」など文字数の少ない動物を選び、徐々に「チンパンジー」や「オランウータン」など長い名前の動物を言って、難易度を上げてみるのも楽しいでしょう。
また、「一つ前で組んだ友だちとは連続で同じグループになってはいけない」など、少し難しいルールを追加して遊ぶのも面白いかもしれません。
「こっちきて」「あと〇人足りない!」などさまざまな会話が飛び交い、ゲームを通して子ども同士の言葉のやり取りが盛んになりそうですね。
はないちもんめ
伝承遊びの一つであるはないちもんめを、5歳児の保育に取り入れてみましょう。
遊び方
1.子どもを2つのチームに分けて、横1列になり手をつなぎます。
2.チームの代表者がじゃんけんをして、勝ったチームから「勝ってうれしいはないちもんめ」と歌いながら、3歩進んで片足を蹴り上げます。この時、相手チームは歌にあわせて後ろに下がります。
3.負けたチームは「負けてくやしいはないちもんめ」と歌いながら前に出て、同様に片足を蹴り上げます。
4.その後はないちもんめの歌を歌い、最後に「相談しよう、そうしよう」で両チームが相談し、相手チームから来てほしい友だちを1人選びます。
5.1人決まったら、「きーまった」と言い、それぞれ「〇〇ちゃんがほしい」「〇〇くんがほしい」と発表し合います。
6.名前が呼ばれた子は真ん中に出て、じゃんけんをします。
7.負けた子は相手チームに移動して、(2)~(6)を繰り返します。
8.どちらかのチームのメンバーがいなくなったらゲーム終了です。
ポイント
はないちもんめの歌は地域によって異なるので、保育園がある地域特有の歌詞を調べて、子どもたちに伝えてみましょう。
集団遊びとして大人数で取り組む場合、なかなか決着がつかないかもしれません。あらかじめ時間を決めて、最終的な人数が多いチームを勝ちにするとよさそうです。
友だちと声をあわせて歌ったり同じ動きをしたりするので、遊びのなかで協調性が身につくかもしれませんね。
渦巻きじゃんけん
じゃんけんを発展させたうずまきじゃんけんで遊んでみましょう。
遊び方
1.地面に渦巻きをかきます。
2.渦の中心に一つ陣地を作り、外側にももう一つ陣地を作ります。
3.子どもはそれぞれ自分の陣地からスタートし、渦の道を走って進みます。
4.途中で相手チームと対面したらそこでじゃんけんをします。
5.勝った子どもはそのまま進み、負けた子どもは自分の陣地に戻ります。
6.(3)~(5)を繰り返し、先に相手の陣地に辿り着いた方が勝ちです。
ポイント
渦巻きじゃんけんは1対1でも楽しめますが、渦を大きくすればチーム戦にすることもできます。
その場合、メンバーは陣地の中で1列に並び、仲間がじゃんけんに負けたら次の子どもがスタートしましょう。じゃんけんに負けた子は、列の最後尾に並びます。
また、じゃんけんの代わりに「あっち向いてほい」をするなど、勝ち負けを決める遊びを工夫してみてもよいですね。
Sケン
チーム戦で宝を奪い合うSケンを5歳児クラスでやってみましょう。
遊び方
1.地面に大きなS字をかき、それぞれの陣地の隣に安全地帯となる〇をかきます。
2.子どもを2つのチームに分け、それぞれの陣地の奥に空き缶などの宝物を置きます。
3.子どもたちで相談し、攻める役と守る役を決めます。
4.先生の合図でスタートし、相手の陣地へ攻め込みます。
(S字の切れている部分が出入り口となり、そこからしか入ることはできません。また、自分の陣地と相手の陣地、安全地帯以外の場所では片足ケンケンで移動し、S字の外で両足をついたらアウトになります。)
5.自分のチームの宝物を守りながら、相手チームの宝物をゲットしたチームの勝ちです。
ポイント
Sケンには、上記で説明した以外にも以下のようなルールがあります。
- ケンケンをしている相手チームの子を押して、両足をつかせてもOK。
- S字の中に引き込まれたり、S字から押し出されたりしたらアウト。
- 安全地帯の中にいる子とは戦ってはいけない。
少し複雑かもしれませんが、5歳児クラスであればチャレンジしてみてもよいでしょう。
押したり引いたりしてもよいというルールがあるため、子ども同士の衝突が激しくなることも考えられます。ゲーム前に、相手がケガをしないように強く攻撃しないという約束事を、きちんと伝えておきましょう。
戦略が大事になるゲームなので、子ども同士の協力やコミュニケーションが活発になりそうですね。
5歳児クラスでゲーム遊びをするときのポイント
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保育園の5歳児クラスでゲーム遊びをする際に配慮するとよいポイントを紹介します。
子どもたちにルールを考えてもらう
5歳児になると、自分なりに遊びを発展させて、新しい楽しみ方を考えられるようになるかもしれません。
そこで、基本的なルールで遊んだあとに、子どもにオリジナルの遊び方を考えてもらいましょう。また、みんなで話し合いながら一からルール作りを楽しんでもよいですね。
子どもならではの斬新なアイデアがたくさん出てくるかもしれませんよ。
子ども同士が話し合える時間を作る
5歳児は、相手への思いやりや社会性を身につけ始める時期と言われていますが、自分の主張を聞いてほしいと感じることもあるでしょう。
そのため、集団遊びのなかで、友だち同士で意見が割れて衝突する姿も見られるかもしれません。
そういった場合は、子どもが話し合い、お互いの意見を聞き合う時間を作るようにしましょう。
コミュニケーションを通じて相手の主張を聞き入れる経験をすることで、子どもの社会性が育まれるかもしれません。
どうしても解決しない場合のみ、先生が仲立ちをするように配慮しましょう。
5歳児クラスの活動にゲーム遊びを取り入れよう
今回は、5歳児クラスが行うゲーム遊びのねらいと、戸外や室内で楽しめるアイデアを紹介しました。
身体だけでなく心も大きく成長する5歳児クラスのゲーム遊びには、ルールを守る楽しさや、友だちと協力することの楽しさを知るというねらいがあるようです。
競争することに面白さを見出す時期でもあるため、チームでの対決を楽しめるSケンなどの集団遊びを取り入れるとよいかもしれません。また、言葉の伝え合いができるような私は誰でしょうゲームなどもぴったりと言えそうです。
5歳児クラスの保育でゲーム遊びを楽しみ、さらに友だちとの交流を深められる時間を作ってみましょう。