保育園で子どもが楽しめる的当てゲーム。子どもが熱中しやすい室内遊びですが、遊び方のアイデアに悩む保育士さんもいるのではないでしょうか。的当て遊びのねらいや、ボール、水鉄砲を使ったアイデアを紹介します。夏祭りや節分の鬼退治などのイベントにも導入できる手作りの的当て遊びを、子どもといっしょに楽しんでくださいね。
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■目次
的当て遊びで期待できる保育の効果とは?
お絵かきや工作などの製作遊びの他に、室内でできる保育遊びのレパートリーに悩むこともあるのではないでしょうか。
運動やゲームなどさまざまな室内遊びがあるなかで、的当て遊びはボールの投げ方や、的の方向、力加減など、遊びを通して子どもがいろいろな力を身に着けられる遊びです。
ただ好きなようにボールを投げたり飛ばしたりする段階から、どうすれば当たるかを考えてコントロールすることを覚えたり、動作のレパートリーを増やしたりすることができます。
また、上手くできるまで何度も挑戦するチャレンジ精神を養う効果もねらえるかもしれませんね。
普段の保育活動はもちろん、季節のイベントにも活用できる的当て遊びを子どもたちといっしょに楽しんでみましょう。
【乳児向け】保育園でできる的当て遊びのアイデア
ここでは、複雑な動作がまだ難しい乳児もできる的当て遊びを紹介します。
コロコロボールで的ねらい
用意するもの
- 牛乳パック
- マジック
- 折り紙
- はさみ
- のり
- 手の平サイズくらいの大きめのボール
作り方
1.牛乳パックの底部分をはさみで切り取ります。
2.飲み口の部分を全部開いて、牛乳パックを平らになるように折ります。
3.飲み口部分をはさみで切り取ります。
4.天井と底が切り抜かれた四角柱の状態になった牛乳パックを立てます。縦の4つの辺のうち1カ所だけをはさみで切り込みを入れて、牛乳パックを広げます。
5.真ん中の線にそって切り、牛乳パックを2つに分けます。
6.片方を手にとって、真ん中で折った状態のまま好きな幅で切ります。
7.二つ折りになった牛乳パックの片側に、マジックで番号を書いたり、折り紙で動物の顔を作ったりして貼ると的のできあがりです。
8.乳児が転がしやすい大きさのボールを使い、転がして的を倒して遊びます。
ボールを掴めるくらいの年齢の子どもが対象のゲームです。的はボールが当たった時に倒れやすいよう、的の後ろに小さな消しゴムなどで少しだけ重りをつけておくと進めやすいでしょう。
また、上手に転がして的に当てられた時には「どーん!」「やったー!」と保育士さんが声を出し、的に上手にぶつけられたことを子どもたちが認識できるように進めるとよいですね。
そうすれば子どもが音でも反応しやすく、直感的に「できた」という感覚を味わえて楽しめるかもしれません。
フェルトで的当て
用意するもの
- ピンポン玉 1個
- マジックテープ 1枚
- 画用紙 1枚
- 大小異なる大きさのフェルト 数枚
- ハサミ
- ペン
遊び方のポイント
ピンポン玉は小さいので、子どもが口にいれてしまいそうな場合は布で作ったボールなどにマジックテープをつけて代用してもよいでしょう。
また、動画では画用紙フェルトを貼りつけて数字を余白にかいていますが、まだ数字になじみのない乳児クラスなどではフェルトを使って子どもが好きな動物の顔を作るなど、子どもが馴染みやすいかもしれません。
限られた大きさの的をねらうことが難しい年齢の子どもには、画用紙の代わりにマジックテープを貼り付けられる素材の布を段ボール等にはって、的以外の余白にも貼りつくようにすると、「投げたら貼りつく」という感覚で楽しめるかもしれませんね。
【幼児向け】保育園でできる的当て遊びのアイデア
ここからは、幼児向けの的当て遊びを紹介します。
鬼は外!みんなで鬼退治
用意するもの
- 段ボール
- 白画用紙や模造紙
- マジックまたは絵具
- 新聞紙
- ガムテープ
- カッター
作り方
1.段ボールに白画用紙または模造紙を貼りつけます。
2.貼りつけた紙にマジックや絵具を使って鬼の絵をかきます。
3.鬼の口、またはおなかを切り抜いて空洞にします。
4.別の紙に、退治されて降参した鬼の顔をかいて、裏に両面テープを貼ります。
5.新聞紙を丸めてガムテープで止め、ボールを作ります。
6.切り抜いた口、またはおなかにボールが入るようにねらいを定めてボールを投げて遊びます。
7.ある程度のボールが穴の中にはいったら、降参した鬼の顔を貼りつけて鬼退治終了です。
段ボールはできるだけ大きなものを用意すると、的の鬼も大きく作れるので子どもがねらいやすいでしょう。
また、的になる鬼は、大きい鬼や小さい鬼など複数のパターンを作っておくと、的当ての難易度に変化をつけて遊べますね。
節分のイベントでは新聞紙ボールの代わりに、豆まきの豆を使っても面白いでしょう。
ゆらゆらおばけ
用意するもの
- 風船
- 折り紙
- 画用紙
- タコ糸
- はさみ
- マジック
- 両面テープ
- 新聞紙
- ガムテープ
作り方
1.風船を膨らませ、折り紙でおばけの顔のパーツを作り、風船の結び目を上にして貼りつけます。
2.(1)の風船の結び目にタコ糸の端を結びつけます。
3.画用紙におばけのイラストを書いて、おばけの形にはさみで切り同じものを2枚作ります。
4.(3)の裏にタコ糸の端を両面テープで貼り、もう1枚のおばけと背中合わせに貼りつけます。
5.新聞紙を丸めてボールを作り、ガムテープを巻いて固定します。
6.(2)と(4)を天井か、突っ張り棒から吊るすと的のできあがりです。
7.ゆらゆら揺れる的にボールを投げて的当て遊びをします。
製作のポイント
タコ糸の長さを調整して、おばけの高さを変えると的当ての難易度が上がってより楽しめるでしょう。
年長さんクラスで行うときはおばけの後ろに数字を書いた紙を貼り付けて、当てた的の点数を競い合っても面白いかもしれません。
回転おみくじ
用意するもの
- 牛乳パック2個
- 色画用紙
- ストロー
- 竹串
- 両面テープ
- マジック
- はさみ
- のり
- きり
作り方
1.牛乳パックの飲み口部分を切り取ります。
2.色画用紙を(1)のすべての面に貼りつけます。切り抜いた上の部分も画用紙で覆うように貼りつけます。同じものを2つ作りましょう。
3.別の色画用紙を縦6cm、横12.5cmの大きさを目安に切ります。長辺は両端から図って6cmになる部分で折り目を入れます。真ん中に残る長さは0.5cmが目安です。同じ大きさのものを全部で4つ作ります。
4.4枚の紙を背中合わせにしてのりで貼りつけます。出ている面が回転するおみくじの面になるので、絵や文字を書いていきます。
5.貼りつけた紙の真ん中の空洞にストローを入れて両面テープで固定します。
6.ストローに竹串を通して、牛乳パックで作った柱にきりで穴をあけて竹串を通して固定すると的のできあがりです。
7.ピンポン玉な小さいボールを投げて的にあてると、回転して止まった面のおみくじが見えます。
製作のポイント
的になる色画用紙の長辺を折ったとき、真ん中に残る長さはストローの直径です。使うストローの大きさにあわせて色画用紙の大きさを変えて作ると、スムーズに的を作れるでしょう。
必要に応じて牛乳パックを増やして柱を高くしたり、牛乳パックを段ボール、ストローや竹ひごを模造紙で作った筒や棒に変えたりして巨大な回転式の的を作り、みんなで一斉に的当てをしても面白いですね。
またイベントなどで行うくじ引きの代わりに、回転的を使っても楽しめるかもしれません。
吹き矢で山崩し
用意するもの
- 細いストロー
- 太いストロー
- はさみ
- 紙コップ
- マジック
- 折り紙
作り方
1.太いストローの片側の端を1~2cmくらいの長さで切ります。
2.細いストローの片側の端を1~2cmくらいの長さで折り曲げます。
3.(1)で切り落とした1~2cmの太いストローの中に(2)を入れ込みます。簡単に抜けないくらい入ったら、細いストローが届いていない部分は切り落とし、抜けないようにセロハンテープで固定します。
4.(3)のセロハンテープで固定した側が吹き矢の先端です。この先端に、丸く切った画用紙を複数枚重ねてセロハンテープで固定します。
5.(4)を、(1)で切ったまだ使っていない太いストローの中に入れます。
6.(5)の太いストローをふいて、細いストローが飛んだら吹き矢のできあがりです。
7.紙コップをさかさまにして、的になるイラストをかいたり折り紙で鬼の顔を使ったりして紙コップに貼ります。
8.(7)を山積みにして、吹き矢で的をねらい積み上がった的の山を崩して遊びます。
製作のポイント
(4)の丸く切った画用紙は、大きいほど矢を吹いた時に的にあたる面積が広いので的を倒しやすくなるでしょう。
ただし、あまりに大きすぎると矢が重くなり遠くまで飛びにくくなります。矢を吹く肺活量が必要になる的当てゲームなので、子どもたちの年齢にあわせて行うとよいでしょう。
【鉄砲工作】保育園でできる的当て工作のアイデア

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サポートしながら年長さんクラスの子どもといっしょに進めてみてくださいね。
飛びます!バネ鉄砲
用意するもの
- トイレットペーパーの芯
- ビニールテープ
- 輪ゴム
- 色画用紙
- はさみ
- のり
- セロハンテープ
作り方
1.トイレットペーパーの芯に色画用紙を貼ります。
2.芯の端から2cmくらいの長さで切ったあと、切り落とした方の芯を半分に切ります。
3.(2)の片方を手にとり、芯の真ん中くらいの位置で十字になるように輪ゴムを置いてセロハンテープでとめます。
4.(3)の芯の両端を輪ゴムを貼った面が隠れるように折って、セロハンテープで固定します。
5.ビニールテープを12~13cmくらい長さで切り、片方の端を(4)の表面に貼ります。
6.ビニールテープのもう一方の端を持ち、輪を作って(5)でテープを貼った部分の反対側に貼りつけます。
7.ビニールテープの大きな輪ができたら、テープの接着面同士を貼り合わせていきます。
8.(2)で使っていない方のトイレットペーパーの芯を持ち、片側の端に2カ所数センチの切りこみを入れます。切り込みを外側に折ったら、対面になる箇所も同じように切り込みを入れて折ります。
9.(6)の輪ゴムを切り込み箇所にひっかけて、ビニールテープが芯の中に入るようにセットしたら、輪ゴムの箇所をセロハンテープでしっかり固定します。
10.ビニールテープを引くと、輪ゴムがついているパーツが下に引っ張られて弾を飛ばすバネになります。
11.色画用紙を丸めて、芯に入る大きさのボールを作り(10)にセットしたら、できあがりです。
製作のポイント
ビニールテープの部分は紐をとりつけて引っ張りやすくすると、子どもが使いやすいかもしれません。
トイレットペーパーの芯に貼る画用紙には、自分の好きな絵をかいたりちぎった折り紙を貼りつけたりしてオリジナルの鉄砲を作っても楽しいですね。
鉄砲から出るボールはある程度の速さで飛ぶため、子どもが人に向けないように保育士さんが必要に応じてサポートしながら進めるとよいでしょう。
空気砲!ペットボトル鉄砲
用意するもの
- ペットボトル
- カッター
- 風船
- ビニールテープ
- トイレットペーパーの芯
製作のポイント
ペットボトルの切り口にビニールテープを貼るときは、子どもが手を切らないように保育士さんがサポートしながら進めるとよいですね。
動画では空気砲の外側にもビニールテープを貼って装飾していますが、マスキングテープや色画用紙、リボンなども使って子どもが自分の好きなデザインで作っても素敵な仕上がりになるでしょう。
自分で作った個性あふれる作品を見せあいっこしたり、交換したりして遊んでも楽しめますね。
ピンポン玉の紙コップ鉄砲
用意するもの
- 紙コップ
- 風船
- ピンポン玉
- マジック
- 折り紙
- マスキングテープ
- セロハンテープ
- はさみ
- カッター
作り方
1.紙コップにマジックで絵をかいたり、折り紙を貼ったりして好きなデザインを作ります。
2.(1)の底の部分をカッターで切り抜きます。
3.風船の口の部分結び、反対側をはさみで切ります。
4.(3)の切り口を紙コップの切り抜き部分に被せて、セロハンテープで固定します。
5.ピンポン玉を紙コップの中に入れて、風船の結び口を引っ張って離し玉が飛び出たらできあがりです。
製作のポイント
紙コップの底の切り抜きは保育士さんがサポートしながら進めるとよいでしょう。
風船が紙コップから外れないようしっかり固定するときに、セロハンテープだけで不安な場合は上からビニールテープを貼るなどして強化すると壊れにくくなります。
ピンポン玉の飛距離は短いので、的は近くに置いて遊ぶようにすると楽しめるでしょう。
伸びる筒鉄砲
用意するもの
- ストロー
- 割りばし
- A4サイズの用紙
- 新聞紙
- 両面テープ
- はさみ
- のり
- マスキングテープ
製作のポイント
子どもがはさみで上手に切ることが難しい場合は、子どもが切りやすいように用紙に切り取り線を書いておくなど、保育士さんがサポートしながら進めるとよいでしょう。
また、動画では真っ白い用紙を使っていますが、子どもが好きな色の用紙にしたり自由に飾りをつけたりしても素敵な仕上がりになるかもしれませんね。
的は新聞紙のボール以外にも倒れやすいものであれば何でも使えますので、いろいろな種類の的を作って変化をつけると面白くなるでしょう。
手作りの的当てゲームで子どもといっしょに楽しもう
今回は、保育でできる的当て遊びのアイデアを紹介しました。
狙った的に当たるように子どもが自分でコントロールしながら行う的当てゲームは、子どもが自分でどうやったら上手に当たるか考える力を養う効果が期待できます。
また、通常に室内遊びに限らず夏祭りのイベントや、水鉄砲を使うなど外遊びのときにも活用できるため、子どもといっしょにいろいろな的当て遊びを楽しみましょう。
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