モビールは子どもの興味を引く装飾の一つといえるでしょう。保育園でできる手作りの製作方法や、モチーフのバリエーションを知りたい保育士さんもいるのではないでしょうか。今回は春のひな祭りや、夏の七夕に使える季節に応じたアイデアを紹介します。子どもと一緒にゆらゆら揺れるモビールの世界を楽しみましょう。
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■目次
保育園に飾れる手作りモビールとは
モビールとは、天井などから糸で吊るす装飾品で、風や空気の流れに反応してゆらゆらと動きます。
空気の動きに応じて動くためランダムな揺れ方をするという特徴があり、特に乳児にとってはその不規則な動きが興味の対象となりやすく、釘づけになる赤ちゃんも多いでしょう。
手を伸ばして触れようとしたり、常に揺れているモビールの動きをじっと見つめたりすることで、子どもの集中力を養うことにつながるかもしれません。
今回は保育園で使える手作りモビールのアイデア例をみていきましょう。
保育園を装飾!手作りモビールのアイデア:春
ひな祭りモビール
用意するもの
- 色画用紙
- 毛糸
- ペン
- のり
- はさみ
製作のポイント
装飾の一つである丸いモチーフは、大きさを変えて作ったり金や銀の折り紙を使ったりするとメリハリが生まれて華やかになるかもしれません。
動画で扱ったモチーフ以外にも、桃の花を画用紙で作ったり、折り紙で折ったお雛様をつけたりしても、オリジナリティあふれるひな祭りモビールができるでしょう。
ちょうちょとお花モビール
フェルトで作ったちょうちょと花のモチーフが春らしいモビールを作っていきます。
用意するもの
- 型紙に使用する用紙(色やサイズは自由) 2枚
- 定規
- ペン
- フェルト
- はさみ
- 糸
- フェルト用接着剤
作り方
1.型紙に使う用紙の真ん中に定規で縦線を引きます。
2.縦線にあわせて(1)の用紙を2つ折りにして、開いたときに花やちょうちょの形になるよう片面のみに切りとり線を書きます。
3.(2)で書いた線にそってはさみで切ると、ちょうちょと花の型紙のできあがりです。
4.フェルトの上に(3)をのせて型紙の形に切り、同じものを複数作ります。
5.糸にちょうちょや花のモチーフをつける場所を決めて、ペンで印をつけます。
6.(5)に接着剤を塗り、中心に糸をつけて同じモチーフのフェルトを重ね合わせて貼り付けます。
7.同じように残りのちょうちょと花をつけていきます。
11.それぞれのモチーフの中心に接着剤をつけて、糸を隠すようにフェルトを縦に2つ折りにして貼り合わせます。
12.それぞれのモチーフを折りとめたら、上から吊るしてできあがりです。
製作のポイント
フェルトはたくさんの色を用意するとカラフルな仕上がりになるでしょう。
ちょうちょや花のモチーフはいろいろな大きさのものを作ると見た目に変化が出て楽しいかもしれません。
フェルトではなく色画用紙や折り紙でも同じように作れるので、保育士さんが用意しやすい材料で作ると良いでしょう。
こいのぼりモビール
トイレットペーパーの芯でこいのぼりを作り、竹串と糸で複数のこいのぼりをとりつけていきます。
用意するもの
- 折り紙
- トイレットペーパーの芯
- 竹串
- 糸
- ペットボトルのふたや1円玉
- マスキングテープ
- ペン
- のり
- はさみ
- きり
作り方
1.トイレットペーパーの芯に折り紙を貼り付けます。
2.折り紙の余った部分を尾びれに見立てて、切り込みをいれます。
3.もう1枚の折り紙の上にペットボトルのふたや1円玉をおいて形を縁取りし、切りとります。
4.(2)に(3)を貼ってこいのぼりの模様を作り、最後に目を貼って顔を作ります。
5.(4)の背中部分にきりで穴をあけて、糸を通します。
6.竹串の尖端を切り落とし、残りの串全体にマスキングテープを貼ります。
7.(6)に糸がついたこいのぼりをつけ、同じものを複数作ります。
8.(7)同士をタコ糸を使ってつなげてバランスを調整し、上から吊るしたらできあがりです。
製作のポイント
こいのぼりは紙コップでも作れるので、大きさが違うこいのぼりを作っても楽しめるかもしれません。
ペットボトルのふたや1円玉以外にも、サイズの違う円形のものがたくさんあると、こいのぼりのうろこ模様のバリエーションが増えて面白い仕上がりになるでしょう。
保育園を装飾!手作りモビールのアイデア:夏
朝顔モビール
色折り紙と白い用紙の2枚を使って1つの朝顔を作っていきます。
用意するもの
- 折り紙(水色、紫など)
- 白い用紙
- 緑の色画用紙
- 円形を縁取れるお皿やお椀など
- えんぴつ
- のり
- はさみ
- 糸
作り方
1.色折り紙と白い用紙を、同じサイズの円形にカットします。
2.色折り紙の裏面を上にして置き、2つ折りにします。
3.半円の形になったら、右半分を半円の1/3の大きさの扇形に折り、裏返して残った左半分も同じように折ります。
4.扇の中心角の部分をV字に切り落とし、上部の弧の両端をラウンド上に丸くカットします。広げたら朝顔の花びら部分のできあがりです。
5.白い用紙も同じように(3)まで同じ工程で折り進めます。
6.(5)の扇の中心角の部分を、(4)の色折り紙よりも小さいサイズになるようV字に切り落とします。
このときブーメランの形のように角を丸くカットすることがポイントです。
7.(6)を開いたら、朝顔の花びらの中心部分のできあがりです。
8.(4)を裏返しにして(7)を貼り付けます。
9.1か所のみ、花びらの間に中央に向かって切り込みを入れます。
10.切り込みの隣の花びら同士を重ねて貼り合わせ、花を円錐状に仕上げて形を整えます。
11.緑の画用紙を葉の形にカットして(10)に貼り付けたら朝顔のできあがりです。
12.(11)を複数個作り、セロハンテープで糸をつけて上から吊るしたらできあがりです。
製作のポイント
(1)の円形には、小さいどんぶりや丸いお皿などを使うと進めやすいでしょう。
できあがった朝顔の花びらの先にえんぴつを巻いて花びらにカールをつけたり、緑の画用紙を細く切ってえんぴつで巻くことでツルに見立てたりすることもできます。
色やサイズが異なる朝顔を複数作り、さまざまな形の葉やツルをランダムにつけることでリアリティが出てくるかもしれませんね。
あじさいモビール
発泡スチロールのボールに花びらを装飾してあじさいに見立てたモチーフを作ります。
用意するもの
- 発泡スチロール球
- 色画用紙
- 造花
- つまようじ
- はさみ
- 接着剤
- ワイヤー
- ペンチ
- 糸
作り方
1.ワイヤーを3センチ程度の長さを目安にペンチで切り、端を折り曲げてU字型を作ります。
2.(1)の両端に接着剤をつけて、発泡スチロール玉の真ん中に入っている線上に差し込みます。
3.色画用紙で直径2センチ程度の花の模様を書いて切り取り、同じ物を複数作ります。
4.(3)を2~3枚重ねて真ん中に穴を開けて、つまようじを通します。同じものを複数作ります。
5.(4)のつまようじの尖端に接着剤をつけて、(2)に差し込み全体が画用紙の花びらで埋まるように飾りつけていきます。
6.(1)と(2)の手順で作った別の発泡スチロール玉を用意します。
7.造花の花びら部分をはさみで切り落とし、接着剤をつけて(6)に貼り付け発泡スチロールの面が見えなくなるように全体を花で埋めていきます。
8.(5)と(7)の同じモチーフを複数作り、U字ワイヤーに糸をつけてモチーフを糸でつなげていき、上から吊るしたらできあがりです。
製作のポイント
色画用紙や造花を貼る際には高さに変化をつけながら飾りつけると、あじさいのイメージに近くなるでしょう。
花びらは細かいパーツにするほどリアリティが増した仕上がりになりそうです。色画用紙で花びらを作るときには、紫や白、紺などの複数の色を重ねると綺麗なあじさいのモチーフになるかもしれませんね。
七夕モビール
用意するもの
- 色画用紙
- 糸
- えんぴつ
- はさみ
- セロハンテープ
- のり
製作のポイント
モチーフのバリエーションとして、七夕飾りの笹を加えるとより七夕の雰囲気が演出できてイベントを楽しめるかもしれませんね。
笹の葉も折り紙で作ることができるので、以下の動画を参考に製作してみるとよいでしょう。
花火モビール
カラーセロハンと黒い画用紙を使ったステンドグラス風の飾りを紹介します。光が差すとカラフルな花火の影絵ができるモビールを作ってみましょう。
用意するもの
- 画用紙(黒)
- カラーセロハン
- 糸
- カッター
- はさみ
- えんぴつ
- のり
- パンチ
作り方
1.丸くカットした黒画用紙に、花火の模様をえんぴつで下書きします。
2.カッターで内側の模様を切り抜いて、花火模様の枠を作ります。
3.切り抜いて空洞になっている部分に、好きな色のカラーセロハンを切ってのりで貼ります。
4.枠の上部分にパンチで穴をあけて糸を通して結びます。
5.全てのモチーフをつけたら、上から吊るしてできあがりです。
製作のポイント
花火の枠を作る際は、最後に糸を通す穴をあけることを想定して一番外側の枠は少し太めに作っておくとスムーズに製作することができるでしょう。
模様を細かくしたり、複数のセロハンを組み合わせたりして作ることで、色鮮やかな花火の色彩に近づき華やかな仕上がりになりますね。
海飾りモビール
プラバンを使って、すりガラス細工のようなモチーフを作ります。風に揺れたプラバンがカランカラン音をたてて、涼しさが感じられるモビールです。
用意するもの
- プラバン
- 糸
- 竹串
- パンチ
- やすり
- トースター
- クッキングシート
- クレヨン、油性マジック
- カッター
- 厚紙
- 重り
作り方
1.プラバンを魚、イルカ、浮き輪など好きな形にカッターで切ります。
2.(1)にやすりをかけて、すりガラスのような質感になるように表面を削ります。
3.(2)にクレヨンやマジックで魚などモチーフの模様をかいたり色を塗ったりします。
4.(3)の糸を通す部分にパンチで穴をあけます。
5.トースターにクッキングシートを敷いて(4)を焼きます。
6.プラバンの反りや動きが収まって平らになったらトースターから取り出します。
7.(6)をクッキングシートで挟んで厚紙をのせ、重りをおいて平らになるようプレスします。
8.熱が冷めたら竹串とプラバンの穴に糸をつけてモチーフを取りつけて、上から吊るすとできあがりです。
製作のポイント
プラバンを切るときは、焼く時の熱で縮むことを想定して大きめのサイズでカットするとよいでしょう。着色したときのクレヨンの粉ははらってから焼くと、熱で溶けたクレヨンの粉がダマにならず色ムラが少なくなりそうです。
パンチで開ける穴は縁から近いと焼いて縮んだときに割れたりヒビが入ったりする可能性があるので、できるだけ縁から余裕を持った位置に穴を開けるとよいかもしれません。
最後にニスを塗るとキズ防止になります。
また、焼き上がってからマニキュアなどで着色するとはっきりした発色のプラバンができるので、いろいろなパターンのモチーフを作っても楽しめるかもしれませんね。
保育園を装飾!手作りモビールのアイデア:秋
本物の落ち葉で作る秋モビール
外で拾ってきた落ち葉や木の実を加工してモビールを作ります。
用意するもの
- イチョウ、もみじ、松ぼっくり、どんぐり、木の枝など
- キリ
- ヒートン
- 絵の具
- ビーズ
- 接着剤
- 塩
- 水
作り方
1.イチョウやもみじの葉、松ぼっくり、枝は水洗いをして汚れを落とし、完全に乾かします。
2.どんぐりは虫の駆除のため塩水の中に沈め、上に浮いてきたどんくりは除外して1日程度つけておきます。
3.(1)と(2)に絵の具で着色をしたり、接着剤をつけてビーズでデコレーションしたり好きなように装飾します。
4.松ぼっくりのてっぺんにキリで穴をあけ、接着剤をつけたヒートンを差し込み固定します。
5.できあがったモチーフに糸をつけてつなげ、上から吊るしたらできあがりです。
製作のポイント
落ち葉は時間がたつと、パリパリになってちぎれやすくなります。シリカゲルにつけておくと綺麗なドライ状態になりやすいため試してみてもよいかもしれません。
どんぐりの虫の駆除は冷凍する、茹でるなどの方法でも可能なので、保育士さんが行いやすい方法で進めるとよいでしょう。
糸は麻ひもを使うと秋らしい色や質感の仕上がりになるかもしれません。
また、アレンジとして松ぼっくりなどは白い絵の具を筆でつけると雪が積もったような加工になります。リボンをつけてクリスマスの装飾にも応用することができそうですね。
画用紙で作る落ち葉モビール
用意するもの
- 色画用紙
- 折り紙
- 紙紐
- はさみ
- えんぴつ
- パンチ
製作のポイント
動画では落ち葉のモチーフをメインにしていますが、もみじや木の実をほおばるリスなどのイラストを画用紙にかいてモチーフにしても可愛らしい仕上がりになるでしょう。
保育園を装飾!手作りモビールのアイデア:冬
クリスマスモビール
モチーフの型紙に毛糸を巻きつけて、カラフルなモチーフを作ります。
用意するもの
- ダンボール
- 毛糸
- のり
- 糸
- ペン
- はさみ
作り方
1.ダンボールにツリーの形をかいて、はさみで切ります。
2.(1)の表面にのりをつけて、ダンボール面を覆うように毛糸を巻きつけていきます。
3.(1)(2)と同じように、星型や真ん中をくり抜いてリース型のモチーフを作ります。
4.モチーフに糸をつけて上から吊るしたらできあがりです。
製作のポイント
箱型のパーツを作り、毛糸を巻き終えたあと最後にリボンをつけると、プレゼントボックスのモチーフに見立てることができます。クリスマスに関連する立体的なモチーフを組み合わせると、賑やかな雰囲気に仕上がるでしょう。
また、毛糸の代わりにマスキングテープを巻くと質感の違うモチーフを楽しめるかもしれません。
お正月モビール
折り紙で作った梅の花と、フェルトで作った繭玉を組み合わせて質感の違うモチーフを作ります。
用意するもの
- 折り紙
- 色画用紙
- 羊毛フェルト
- 糸
- ペン
- はさみ
- 水
- 洗剤
- 洗面器
作り方
<梅の花>
1.折り紙を三角に2回折ります。
2.(1)の2回目に折った分を広げて、左側の角を広げながら潰すように折ります。
3.裏返してもう1方も同じように折ります。
4.左右の角を中心にある折り目に合わせて折り、裏側も同様に折ります。
5.上の三角の部分を梅の花びらに見立てて丸く切り落とします。
6.(5)で切った部分を下方向に折ります。
7.花びらを広げます。
8.一番下の花びらが三角になるように底辺を作り裏側に折ります。
9.余っている一番下の三角部分も裏側に折り込みます。
10.最後に、黄色の画用紙を雄しべの形に切って貼ればできあがりです。
<繭玉>
1.羊毛フェルトを2センチ幅を目安に取り分けます。
2.(1)を毛糸玉を作るように、多方向から巻いてまとめていきます。
3.洗面器に洗剤と水を入れて石鹸水を作り、(12)をつけて手で表面を擦ります。
4.擦っているうちに水が浸透してフェルト同士がくっつきます。
5.手の平で転がしながらボールを作ったらできあがりです。
梅の花と繭玉を複数作り、糸をつけて上から吊るすとお正月モビールのできあがりです。
製作のポイント
羊毛フェルトは繭玉をイメージしていろいろな色を使うと華やかな仕上がりになるでしょう。
梅や繭玉以外にも、画用紙にかいて切りとったウグイスや、折り紙で羽子板などを作ってもお正月らしいモビールができて楽しめるかもしれませんね。
また、梅の花は別の作り方もありますので、羽子板などのお正月グッズの折り方と一緒に、下記の動画を参考に進めてみると良いでしょう。
折り紙で梅の折り方♪/保育士バンク!
子どもも簡単に折れるお正月の折り紙♪/保育士バンク!
保育園でできる手作りモビールで子どもといっしょに季節を楽しもう
今回は季節ごとに楽しめる手作りモビールのアイデアを紹介しました。
モビールは乳児クラスの室内飾りとして使うだけではなく、春のひな祭りや夏の七夕などのイベント装飾としてさまざまな場面で活躍するアイテムです。
いろいろなアレンジを加えながらオリジナルの作品を作って、子どもと一緒にゆらゆら揺れるモビールの動きを楽しみましょう。