保育園で楽しめる水族館ごっこについて知りたい保育士さんもいるでしょう。水族館にちなんだおもちゃなどを活用すれば、さらに盛り上がりそうですね。今回は、保育園で水族館ごっこを行うときの導入例や、やり方のアイデアを紹介します。あわせて、遊びに使える製作を乳児クラスと幼児クラス向けにわけてまとめました。
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■目次
保育園で水族館ごっこを行うねらい
暑い夏の時期は、水や海を連想させるような活動を保育に取り入れることがあるでしょう。
プールで水遊びをしたり、海にまつわる歌を歌ったりするかもしれません。
ほかにも、海の生き物をテーマにした製作を夏の活動として導入することもあるでしょう。水族館ごっこに発展させれば、少し涼しい気持ちで楽しめるかもしれませんね。
幼稚園や保育園で行う水族館ごっこには、次のようなねらいが挙げられます。
- 水族館にはどのような生き物がいるのか興味をもつ
- 身近な素材を使って水族館にまつわるごっこ遊びを楽しむ
- 水族館という共通のテーマを意識しながら友だちと協力して遊ぶ
これらのねらいを踏まえて、子どもが夢中になる水族館ごっこになるよう計画をしてみましょう。
ごっこ遊びの活動に入る前に子どもが水族館に興味をもてるような導入を行い、子どもが自主的に遊びを計画する流れになるとよいですね。
保育園で水族館ごっこを行うときの導入例
子どもが水族館ごっこをやりたくなるような導入例を、いくつか紹介します。
絵本の読み聞かせをする
魚が主人公の物語や海が舞台の絵本などを、子どもに読み聞かせてみましょう。
年中児や年長児クラスでは、魚図鑑に親しむことで、海の生き物に興味をもてるかもしれません。
子どもと水族館の話をする
クラスのなかには、水族館へ行ったことがある子どももいるでしょう。
水族館で見て感じたことなどをクラスで発表する時間を設ければ、まだ行ったことのない子どもも水族館に興味がもてるかもしれません。
友だちの水族館にまつわる話をもとに、水族館にいる生き物や、館内はどのような様子なのかなどをイメージしてみましょう。
水族館ごっこをするには何を用意するとよいのか、みんなで相談できるとよいですね。
魚や海にちなんだ歌をうたう
水族館にどのような生き物がいるのか想像しながら、魚にちなんだ歌をみんなで歌ってみましょう。
水族館で見ることのできる生き物のペープサートを用意してもよいですね。
海の日の意味について説明しながら海の歌を歌うなど、海にまつわる活動を導入しても、水族館のイメージが広がるきっかけになるかもしれません。
水族館へ行く
園外保育を計画している場合、可能であれば水族館へ行ってみるのも手です。
実際に足を運ぶことで実際の水族館の雰囲気を感じることができ、魚を直接見ることで泳ぐ様子などを知る機会となるでしょう。
保育園に帰ったら、水族館を題材に絵をかいて子どもの感動を受け止める時間を設けると、ごっこ遊びへイメージがつながりやすいかもしれませんね。
このようにさまざまな活動を通して水族館に興味をもてれば、「水族館ごっこをしてみたい」という子どもの声が聞こえてくるかもしれません。
「楽しそうだね!水族館にはなにがいるのかな?」など質問を投げかけ、子どもが自分で考えたり友だちといっしょに相談したりしながら開催するという流れで進めてみましょう。
保育園で楽しめる水族館ごっこのやり方
次に、保育園でできる水族館ごっこの楽しみ方を紹介します。
海の生き物を製作する
水族館ごっこを行う日に向けて、遊びに使える製作をたくさん行いましょう。
魚やクラゲ、カメなどの生き物をたくさん作って天上から吊るしたり、壁に飾ったりすると、保育室をまるで海のような空間に仕上げられるかもしれません。
保育室内の雰囲気を変える
保育室内を海底に見立て、青いPEテープで作ったカーテンを壁や天井につけるのもよいでしょう。
また、窓を黒いカーテンで覆えば太陽の光を遮ることができ、水族館の薄暗い様子を演出できそうです。
室内に水の音のBGMを流すと、より雰囲気を作りやすいかもしれません。
水のトンネルを作る
青いビニールシートで水を表現し、天上から間隔をあけて2枚吊り下げてみましょう。
歩くスペースの天上からPEテープを数本垂らし、ビニールシートやPEテープに製作した魚やクラゲを貼れば、水のトンネルのできあがりです。
おもちゃを活用する
水族館ごっこに欠かせないアイテムは何か子どもと相談しながらピックアップし、おもちゃで揃うものは代用してみましょう。
レジスターやお金などのおもちゃは、受付で活用できそうです。
魚などのぬいぐるみもあれば、会場内に飾ってみてもよいですね。
お面をつける
自分で作成した魚のお面をつけて水族館ごっこをすれば、水族館に訪れたお客さん役としてだけでなく、魚の気分になって楽しむこともできるかもしれません。
魚以外にもタコやイカ、クラゲやカメなど、さまざまな海の生き物のモチーフのお面を作ってもおもしろそうですね。
チケットを作る
水族館に入場するためのオリジナルのチケットを作れば、よりごっこ遊びが盛り上がるでしょう。
画用紙を小さくカットし、海の生き物を自由にえがけばできあがりです。
幼稚園や保育園の行事として水族館ごっこを開催し、5歳児クラスの子どもが水族館スタッフになりきってチケットを販売してもよいですね。
釣り堀や水槽を作る
子どもの製作した魚を釣って遊べるコーナーを設けてみましょう。
釣れた魚は実際に家へ持ち帰れるようにすれば、子どもはよろこぶかもしれません。
また、水族館ごっこでは、魚が泳ぐ水槽も欠かせないアイテムの一つです。
段ボールの上部を切り取り、水色の絵の具を塗ったり青いビニール袋を活用したりして、水槽を手作りしてみましょう。
水槽を複数作って並べ、製作した魚やクラゲなどを中に貼ったりぶら下げたりすれば、水族館の雰囲気に近づきそうですね。
イルカショーをする
水族館のお楽しみコーナーのひとつ、イルカショーを再現できたら楽しいかもしれません。
保育士さんがイルカになりきり、ボールやフラフープを使って一芸を披露します。
輪くぐりなどを愉快に行えば、子どもたちの楽しい笑い声が会場に響くかもしれませんね。
以上のようなアイデアを取り入れつつ、水族館で見られる魚などを手作りして、さらにごっこ遊びを盛り上げてみましょう。
次からは、廃材などの身近にある材料を使った製作アイデアを紹介します。
【乳児】保育園の水族館ごっこを盛り上げる製作5選
まずは、乳児クラス向けの水族館ごっこに活かせる製作をまとめました。
1歳児からできるシール貼り遊び。紙皿でカラフルなお魚を作ろう
用意するもの
- 紙皿
- 丸いシール
- ハサミ
- セロハンテープ
製作のポイント
いろいろな色や形のシールを用意すると、楽しい模様の魚を作れるでしょう。
クレヨンで自由にえがいて仕上げてもよいですね。
できあがった作品に紐をつけて保育室の天上からぶらさげれば、風に揺れて泳いでいる魚を演出できるでしょう。(詳しい作り方はこちら)
シャボン玉と絵の具で遊ぶバブルアート
用意するもの
- シャボン玉液
- シャボン玉液を入れるお皿
- 水彩絵の具
- 液体を混ぜる棒
- ストロー
- 画用紙
製作のポイント
ぶくぶくと泡を作る遊びを取り入れた、2歳児クラスから楽しめる製作です。
子どもが誤ってシャボン玉液を吸わないよう保育士さんがそばで見守り、活動中は目を離さないようにしましょう。
不思議な模様の魚をたくさん作ったら、天上から吊るしたビニールシートに貼ってもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
簡単で可愛い紙コップくらげ
用意するもの
- 紙コップ
- 水色の画用紙
- ハサミ
- ペン
製作のポイント
身近な素材の紙コップを使って、立体的なタコやクラゲを作りましょう。
受付に置いて、水族館に来るお客さんをお出迎えしてもよいですね。
工程も簡単なので、会場内にお客さんが自由に作れる製作コーナーを設けてもよいかもしれません。(詳しい作り方はこちら)
紙皿と折り紙で作るカメ
用意するもの
- 紙コップ
- 折り紙
- 色画用紙
- ハサミ
- のり
- フェルトペン
製作のポイント
身近な材料の紙皿と折り紙を使って、カメを作りましょう。
ちぎり絵の技工を使ってカメの甲羅を表現します。
水族館ごっこでは、床に敷いたビニールシートにカメを並べてもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
ペットボトルがキラキラ輝く!お魚ボトル
用意するもの
- ペットボトル
- 水
- ラメ
- 台所用洗剤
- 画用紙
製作のポイント
ペットボトルに水とラメを入れるだけで簡単にできる魚の製作です。
台所用洗剤やラメを使うため、保育士さんがお手本になって子どもの前で製作して見せれば安全に楽しめるでしょう。
光があたるとキラキラと輝くので、窓際に並べるときれいかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
【幼児】保育園で水族館ごっこを楽しむ製作アイデア5選
次に、幼児クラス向けの水族館ごっこに活かせる製作を紹介します。
画用紙を使ってきれいな模様のお魚さんを作ってみよう
用意するもの
- 画用紙 3色
- 鉛筆
- ハサミ
- ペン
製作のポイント
子どもたちがカラフルな魚を作れるよう、いろいろな色の画用紙を用意するとよいかもしれません。
カッターを使う工程は、保育士さんが行いましょう。
壁一面に青い模造紙を貼り、子どもたちの作った魚で壁面装飾をすれば、保育室全体を水槽のように見立てられそうですね。(詳しい作り方はこちら)
紙コップで不思議な動!♪動くイカ・タコ
用意するもの
- 紙コップ 2個
- 絵の具(赤) 適量
- 画用紙 35cm×2cm 2枚
- ハサミ
- ノリ
製作のポイント
身近な素材の紙コップで、おもしろい動きをするイカやタコを作りましょう。
水族館ごっこではふれあいコーナーを作って、イカやタコに自由に触って遊べるようにすると楽しそうですね。(詳しい作り方はこちら)
不思議でたのしい♪マーブリングのお魚さん
用意するもの
- マーブリングインク
- マーブリング用水溶液(洗濯のりでも可)100ml
- 水 100ml
- 洗面器(水を張れる容器ならなんでも可)
- 竹串
- 画用紙
製作のポイント
マーブリングという技法を使って、カラフルで不思議な模様の魚を作りましょう。
できあがったら釣り堀コーナーに並べて自由に釣れるようにすると、子どもたちはきれいな魚に思わずテンションがあがるかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
窓際に飾るとかわいいクラゲの飾りつけ
用意するもの
- 画用紙
- クリアファイル
- たこ糸
- のり
- ハサミ
- ペン
製作のポイント
保育士さんがあらかじめ画用紙に切り取り線をかいておくと、子どもはスムーズに製作できるかもしれません。
クリアファイルにえがくパーツが細かいので、ハサミを使う練習にもなりそうですね。
窓際にたくさんぶら下げて、クラゲのコーナーを作ってみましょう。(詳しい作り方はこちら)
折り紙で作る貝
用意するもの
- 折り紙 1枚
製作のポイント
はじめのうちは大きめの画用紙で作ると、細かい部分も折りやすいかもしれません。
慣れてきたら小さな折り紙に挑戦し、大小さまざまな大きさの貝を作ってみましょう。
いろとりどりの貝をたくさん準備し、手作りの水槽や釣り堀コーナーなどあらゆる場所の装飾として使ってみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
保育園で子どもの製作を活かした水族館ごっこを楽しもう
今回は、幼稚園や保育園で楽しめる水族館ごっこのアイデアを紹介しました。
水族館ごっこを行うねらいを踏まえながら、海の生き物にちなんだ製作物や青いビニールシートなどを活用して、水族館の雰囲気を再現してみましょう。
また、作品展などの際に水族館をテーマとしたごっこ遊びを導入しても、盛り上がるかもしれません。
水族館ごっこを通して、子どもが魚やクラゲなど海の生き物に興味をもつきっかけにつながるとよいですね。