京都府の南部に位置する京都市。京都府の中で人口が最も多い京都市の保育施設に転職しようと考えている保育士さんもいるのではないでしょうか。しかし、実際に働くなら、事前にその地域の平均給与や年齢などを知っておきたいですよね。今回は、京都市を含む京都府の給与事情や保育士不足を解消するために行なっている取り組みなどを詳しく解説します。
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京都市の保育施設数や待機児童数
京都市が実施している保育士支援策を見ていく前に、まずは市内の保育施設数や待機児童数などを確認しておきましょう。
保育施設数
2021年4月時点、京都市には認可保育施設が422カ所あります。
認可外保育施設数は、2022年6月時点で143カ所です。
定員数
京都市の認可保育施設の定員数は、2022年6月時点で3万1740人です。
認可外保育施設の定員数は、2469人となっています。
待機児童数
2023年4月時点で、京都市の待機児童は0人です。長年児童受入枠の確保に努めてきた結果、10年連続で待機児童0人を維持しているようです。
京都府の保育士の現状
保育士として働く際に気になるのが、給料や労働時間などではないでしょうか。ここでは、厚生労働省が発表した令和4年賃金構造基本統計調査をもとに、京都市を含む京都府の保育士さんの平均年収や勤続年数などを全国のデータと比較してみました。
京都府 | 年齢(歳) | 勤続年数(年) | 労働時間(時間) | 給与 (万円) |
賞与 (万円) |
平均年収(万円) | 労働者数(人) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
男性保育士 | 35.4 | 11.6 | 173 | 32.25 | 115.88 | 502 | 490 |
女性保育士 | 41.4 | 10.0 | 169 | 29.15 | 86.80 | 436 | 3400 |
全国 | 年齢(歳) | 勤続年数(年) | 労働時間(時間) | 給与 (万円) |
賞与 (万円) |
平均年収(万円) | 労働者数(人) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
男性保育士 | 30.5 | 5.7 | 166 | 27.79 | 70.82 | 404 | 16320 |
女性保育士 | 38.6 | 8.3 | 167 | 26.61 | 71.23 | 390 | 267870 |
京都府の保育士の平均年齢
京都府の保育士さんの平均年齢は、男性が35.4歳、女性が41.4歳です。
全国の保育士さんの平均年齢は男性が30.5歳、女性が38.6歳であるため、京都府で働く保育士さんの年齢層は全国平均よりもベテランの保育士さんたちが活躍しているようです。
京都府の保育士の平均勤続年数
京都府の保育士さんの平均勤続年数は、男性が11.6年、女性が10年です。
全国の保育士さんの平均勤続年数は男性が5.7年、女性が8.3年であるため、京都府の保育士さんは男女ともに全国平均よりも長く勤める傾向にあることがわかります。
京都府の保育士の所定内労働時間(残業時間は除く)
京都府の保育士さんの月平均労働時間は、男性が173時間、女性が169時間です。
全国の保育士さんの月平均労働時間は男性が166時間、女性が167時間であるため、京都府の保育士さんの労働時間は男女ともに全国平均よりも長いことがうかがえます。
京都府の保育士の「決まって支給する現金給与額(給料)」
京都府の保育士さんの平均給料は、男性が32万2500円、女性が29万1500円です。
全国の保育士さんの平均給料は男性が27万7900円、女性が26万6100円であるため、京都府の保育士さんの平均給料は男女ともに全国平均よりも高いことがわかります。
京都府の保育士の年間賞与その他特別給与額
京都府の保育士さんの年間賞与は、男性が115万8800円、女性が86万8000円です。
全国の保育士さんの年間賞与は男性が70万8200円、女性が71万2300円であるため、京都府の保育士さんの年間賞与は男女ともに全国平均を大きく上回っています。
京都府の保育士の平均年収
京都府の保育士さんの平均年収は、男性が502万8800円、女性が436万6000円です。
全国の保育士さんの平均年収は男性が404万300円、女性が390万5500円であるため、京都府の保育士さんの平均年収は男女ともに全国平均よりもかなり高いことがわかります。
京都府の保育士の労働者数
京都府の保育士さんの労働者数は、男性が490人、女性が3400人です。
全国で働く保育士さんの人数は男性が1万6320人、女性が26万7870人であるため、全国に占める京都府の保育士さんの割合は男性が3%、女性が1.2%となります。
京都市が実施する保育士向けの支援や取り組み
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ここでは、京都市が保育士さんに向けて実施している支援をまとめました。どのような事業があるのかを確認しておきましょう。
再就職支援研修
保育士資格を持ちながら現在保育士として働いていない潜在保育士さんを対象に、保育現場への復帰を支援する研修を実施しています。
研修には講義や実技、保育実習などが含まれており、3.5日間、あるいは5.5日間で行なわれるコースのどちらかを選択して受講することが可能。
参加費は無料なので、保育現場への復帰に不安がある方は参加してみるとよいかもしれません。
就職支援実技研修
保育士試験に合格して保育士資格を取得した、実務経験のない保育士さんを対象とした研修です。研修は7.5日かけて行なわれ、講義や実技講習もあるものの保育実習がメインとなります。
参加費として3000円必要ですが、保育士として働き始める前に実務経験を積みたい方は申し込んでみるとよいでしょう。
保育士宿舎借り上げ支援事業
京都市は、市から遠い地域出身の保育士さんを支援するために、民間の保育園や認定こども園などに対して、保育士さん用の宿舎借り上げにかかる費用を支援しています。
補助を受けられるのは、新たに常勤保育士として採用された方や採用後5年以上経過した方などで、補助金額は月額6万5000円以内です。
この事業は保育事業所を対象としていますが、実施している保育所などに勤めれば住居にかかる負担を減らせるでしょう。
保育士等の子どもの保育園入園を優先
保育士さんの子どもが京都市内の保育所に入所を希望する場合、利用調整において優先させる措置が取られています。
対象となるのは、京都府内の認可保育所などで働く保育士さんや保健師さん、看護師さんなどです。子育てをしながら保育士として働きたい方にとってはうれしい制度でしょう。
京都市が実施する子育て支援の取り組み
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京都市が取り組む子育て支援策についてもまとめました。お子さんをお持ちの保育士さんは、どのような支援が行なわれているのか確認しておくとよいでしょう。
地域子育て支援拠点事業
京都市は、市が運営・設置している市営の保育所で、地域の子育て支援を行なっています。対象となるのは、小学校就学前の子どもを育てる保護者やこれから子育てをする方などです。
保育所では、専任の保育士さんが保護者の相談に応じたり、子育て教室を開催したりしているので、資格を活かして活躍できるかもしれませんね。
放課後子ども教室推進事業~放課後まなび教室~
小学生児童が学ぶ場所を確保するとともに、安全に過ごせる場所を提供するために実施されている事業です。京都市内の全小学校区で運営されており、子どもたちの学習を手伝ったり、季節の行事を行なったりしています。
放課後まなび教室では、地域の方や元教員の方などが学習サポーターとして活躍しているようなので、保育士としての経験を活かせそうですね。
病児・病後児保育
病気中、あるいは回復期のこどもがいる保護者が仕事などの都合で子どもの面倒を見れない場合に、医療機関に付設された施設で一時的に保育する事業です。
保育士として働けば、これまでの経験を活かしながら病児保育の知識も学べそうですね。
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豊富な支援策が魅力の京都市で保育士として働いてみよう
今回は、京都市が実施する保育士支援や子育て支援の内容とあわせて、保育士さんの平均給料や労働時間などを紹介しました。
京都府は、再就職および就職を支援する研修を実施したり、家賃に対する補助金の支給をしていたりと、保育士さんが働きやすくなるための環境を整えているようです。
さまざまな取り組みを行なっている京都市で、保育士として働くことを検討してみてはいかがでしょうか。
保育士バンク!は、全国の保育士さんの転職のお手伝いをしております。京都市で働きたいと考える保育士さんの転職も手厚くサポートいたしますので、この機会にぜひご登録ください。
出典:保育所等及び学童クラブ事業における利用児童等の状況について/京都市情報館
出典:令和4年賃金構造基本統計調査/政府統計の総合窓口(e-Stat)
出典:放課後子ども教室推進事業~放課後まなび教室~/京都市情報館