保育士さんが「働いてみたい」と思えるような職場であるためには、保育園の設備も重要ですよね。
例えば休憩スペースや、職員室などのバックヤード、子どもが遊ぶ保育室、園庭、園舎など、働く保育園選びのポイントはいろいろあることでしょう。
また近年、保育園の新設や老朽化によって、設備を充実させる保育園が増えています。そこで、「設備充実」の保育園とはどのような園なのか、園見学の際に注目すべきポイントを解説します。
「設備充実」の保育園とは?
「保育士バンク!」では「設備充実」という条件で求人検索ができるようになっています。では「設備充実」の保育園とはどのような保育園なのでしょうか?その特徴を見ていきましょう。
「設備充実」の保育園とは、保育士の休憩室や職員室、園舎など、園児が過ごしやすいだけでなく、保育士にとっても働きやすい設備が充実した保育園のことです。
設備のどこが充実しているかは園によってさまざま。例えば、職員室や休憩室のようなバックヤードに余裕があり、保育室には子どもの日々の遊びを充実させるような仕掛けがあったり、備品を整理整頓できるような収納スペースがしっかりとられているなどの特徴があります。
子どもにとって大切な4つの環境
子どもが健やかに過ごせるかどうかは、設備が充実している環境かどうかは大きく影響します。園で過ごす子どもはもちろん、働く保育士さんにとっても、設備が充実していることで働きやすさを実感できるでしょう。
学校や試験勉強の時に学んだ、保育の4つの環境を中心に保育園の設備について考えてみましょう。
4つの環境には「生活環境」「自然環境」「人的環境」「社会的環境」があります。主に保育園の設備に関わってくるのが「自然環境」と「社会的環境」です。
「自然環境」とは、川や森などの自然が身近にあったり、園庭の中に緑が多いという環境です。子どもが多くの自然体験ができる「森のようちえん」が注目されているように、自然との触れ合いを重要に考える保育士さんも多いことでしょう。園庭や近隣の自然環境の充実も保育園を見る上での一つのポイントです。
また、「社会的環境」は園舎や園の設備、備品の充実などに関わる環境と、社会全体の雰囲気や家族、近隣の地域との関係などにわかれています。設備が充実している保育園では、こうした社会的環境が充実しているといえるでしょう。
「生活環境」は園や家庭での生活全般に関わること、「人的環境」は園や家庭での人間関係のことを主に表します。設備が充実していると、子どもの園での生活も充実し、保育士も働きやすく人間関係も良好になり、この2つの環境も自然とよくなるでしょう。そのため、設備充実の保育園は、子どもの健やかな発達・成長に必要な保育環境を提供している園だといえますね。
保育士にとっても大事な園設備!園見学ではここを見よう!
園の設備が充実しているかどうかは保育園で働く上で重要なポイント。そのため、転職・就職の際には、園を見学し、実際に自分の目で確かめることが大切です。ここではどのようなポイントで保育園の設備を見ればいいのかまとめました。
保育室 子どもの遊びが充実するようになっているか
保育士さんが日中の多くの時間を過ごすのが保育室。それだけに、保育室は園の特徴が大きく出る場所です。子どもの遊びが充実するような保育室のコーナー分けを行っていたり、子どもの動線が確保されているなどの工夫がなされています。「おや、一般的な保育室と少し違うぞ」と思った場合には、保育室にどのような工夫がなされているのか質問してみましょう。園の理念に基づいた特徴がわかるかもしれません。
また、意外に大事なのがおもちゃや絵本などの収納スペース。収納スペースがしっかり確保されていて整理整頓されていることは、子どもが今の遊びや活動に集中できる大切な要因です。保育士としても、機能的で十分な収納が確保されていると、日々の保育に取り組みやすくなるでしょう。また、散らかったものに子どもがつまずく危険も少なく安全な環境といえます。
職員室 作業スペースやパソコンの台数は十分か?
保育士さんが事務作業や会議を行うのが職員室です。ここでは机やいすが保育士さんの人数分確保されているのか、パソコンを利用する場合は十分な数の台数があるのか確認しましょう。また、研修で作成したレポートや、関係各所との連携資料など、職員室の壁に掲示されているものについても、その園のカラーを知るのに役に立ちますよ。保育が終わったあとの事務作業が多いのも保育士さんのお仕事。職員室は保育以外のお仕事をする重要な場所なのです。
休憩スペース 広さが確保されていて、リラックスできるか
休憩時間にしっかり休めるというのも大事な職場環境です。休憩をするスペースが十分に確保されていると、業務間の休憩でゆっくり休むことができて、午後の業務にも打ち込むことができます。休憩スペースは十分な広さがあるのか、自分にとってリラックスできる空間なのかチェックしましょう。
更衣室・トイレ 男性用のスペースなどが用意されているか
男性保育士さんにとって大事なのは更衣室やトイレではないでしょうか。保育士さんの多くが女性ということもあり、今まではトイレの男女の区別、男性の更衣室が確保されていない園も多かったといいます。近年では、男性保育士さんが増えたこともあり、トイレや更衣室を設ける園が増えています。
男性保育士さんにとって、男性用のトイレや更衣室が確保されている職場は性別に関係なく受け入れてくれる園だといえるでしょう。
また、こうしたジェンダーの違いに配慮している園は、時代の流れに合わせた柔軟な考え方ができ、設備投資を怠らない園といえます。
園庭・遊具 子どもが遊べる園庭があるか
子どもが遊ぶのは保育室だけではありません。園庭や遊具もその一つです。近年では園庭のない小規模保育の増加もあり、園庭のない保育園も一般的になってきました。
その一方で、保育士さんによっては、子どもにのびのびと外遊びをさせてあげたいと願っている方も多いのではないでしょうか。
園庭が広い、遊具数も多く、工夫された遊具が置いてあるなど、自身の理想の保育と照らし合わせて、園庭や遊具も見てみましょう。
設備充実の保育園で働くメリット
では、設備が充実している保育園で働くメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
保育の幅が広がる!
設備の充実は保育の幅を広げる大きな要素です。おもちゃ遊びや、絵本、お遊戯などの保育に加えて、充実した設備を活かした保育が広がっていくでしょう。例えばある園では、プレゼン室を設けて主に年長さんが自身の意見を効果的に発表する場を設けています。また、ある園では喫茶スぺースを設けて、地域の方や保護者などが園に来た時に子どもがお茶を入れておもてなしするなど、園の外での保育を提供している園もあります。
地方の保育園であれば園内には畑があって、芋ほりや野菜や花の栽培ができる自然体験もできます。
設備が充実している保育園は子どもにさまざまな体験をさせてあげられる保育園、保育士さんも幅のある保育を経験して自身の保育観を深めることができるでしょう。
保育士が気持ちよく働ける職場
もちろん、設備が充実しているということは働く保育士が気持ちよく働ける職場です。休憩する時間をしっかり休める休憩スペースがあれば、日々の業務の中にも疲れやストレスをためにくく、仕事に集中して取り組むことができます。
保育室や園庭・遊具が充実していると、その内容によっては自身の保育観にあった理想の保育ができます。保育という仕事のやりがいを再確認できるでしょう。
こうした設備の充実は、職場環境の面でも理想の保育を実現できるという点でも、働く保育士さんにとって気持ちよく働くことができる職場だといえるでしょう。
設備の充実した保育園で気持ちよく働こう!
以上が設備の充実した保育園の特徴です。設備が充実しているということは、そこで過ごす子どもだけでなく、働く保育士さんにとっても大切なこと。転職・就職の際には、園見学などに行って自分の目で設備が充実しているのかどうか確かめることが大切です。また、保育園の新設や改修が相次いでいることから、新しい園舎や設備の改善をする園は増えています。園の設備にも注目して、理想の転職・就職先を見つけましょう!