児童発達支援管理責任者の仕事内容とは?役割やなるために必要な要件など

児童発達支援管理責任者の仕事内容をご存知でしょうか。保育士さんのなかには、児童発達支援管理責任者がどんな役割を担い、業務を行っているのか気になっている方もいるかもしれません。今回は、児童発達支援管理責任者の仕事内容に加え、なるために必要な要件や働くうえでのやりがい、大変なことについて紹介します。


子どもの面倒を見る先生

polkadot_photo/shutterstock.com

 

児童発達支援管理責任者とは

児童発達支援管理責任者とは、児童発達支援を行う施設で働く職員のことを言います。ここでは、児童発達支援管理責任者の概要と役割について解説します。

 

概要

 

児童発達支援管理責任者は、障害児が通う施設において、専門性を活かして子どもたちの療育を行います。

 

児童発達支援管理責任者が作られる前は、「サービス管理責任者」が児童・成人ともに障害者のための施設での指導計画作成にあたっていました。

 

しかし、2012年に児童福祉法が改正され、児童分野の専門職として児童発達支援管理責任者が新しく誕生しました。

 

役割

 

厚生労働省の資料によると、児童発達支援管理責任者は以下の2つの役割を担っているようです。

 

  • 個々のサービス利用者のアセスメントや個別支援計画の作成、定期的な評価などの一連のサービス提供プロセス全般に関する責任
  • 他のサービス提供職員に対する指導的役割

 

児童発達支援管理責任者の業務は個別支援計画の作成がメインとなりますが、保護者の相談支援や他の指導員への助言や指導なども行います。

 

障害を持つ子ども一人ひとりの個性や能力をよく理解するだけでなく、保護者の意思を汲み取りながら、子どもが社会でよりよく生きることができるように支援するのが、児童発達支援管理責任者の役割と言えそうです。

 

出典:障害児支援(通所・入所共通)に係る報酬・基準について≪論点等≫/厚生労働省

児童発達支援管理責任者が働ける施設や仕事内容

児童発達支援管理責任者がそのような役割を担っているのか分かったところで、ここでは働ける施設や仕事内容について解説します。

 

働ける施設

 

児童発達支援管理責任者はどのような施設で働くことできるのでしょうか。

障害児入所支援施設

障害児入所支援は、医療提供の有無によって「福祉型」と「医療型」の2つのタイプに分かれています。

 

これらの施設は身体障害や知的障害、精神障害をもつ子どもを対象としており、障害への対応だけでなく自立支援も充実させていることが特徴です。

 

福祉型障害児入所施設では、保護や日常生活の指導、知識や技能の付与などが主に提供され、医療型の施設では、医療の提供もあわせて行われます。

障害児通所支援施設

障害児通所支援は、以下の4つの支援を指します。

 

  • 児童発達支援
  • 医療型児童発達支援
  • 保育所等訪問支援
  • 放課後等デイサービス

 

児童発達支援は、障害児が身近な地域でより質の高い支援を受けられる場を提供できるように設けられており、医療の提供の有無によって「児童発達支援」か「医療型児童発達支援」に分かれています。

 

また、保育所を利用中あるいは、これから利用する障害児に対して、集団生活のための必要な支援を行う保育所等訪問支援や、小学校以上の児童を対象に、放課後や長期休暇中、療育として訓練や学習指導をする放課後等デイサービスなどでも働くことができます。

 

これらの施設ではいずれも、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与や集団生活への適応訓練などのサービスを提供しています。

 

仕事内容

 

児童発達支援管理責任者の仕事内容をくわしく見ていきましょう。

アセスメント・モニタリングの実施

アセスメントやモニタリングは、子どもたちに合った支援計画を作成する上で大切になります。

 

アセスメントとは、障害児の情報を集めて分析し、自立した日常生活を営むために必要な課題を把握することを言います。具体的には、家庭での様子や、保育所または学校などでの様子、医療歴などの情報を集めて現状をしっかりと確認するものです。

 

一方モニタリングとは、支援計画に基づいて決められたサービスが提供できているかや実際の効果などを、利用者と提供者の双方で確認することです。おおむね6カ月に1回以上行われることになっていますが、子どもの状態や家庭の状況に変化があった場合には、適宜行う必要があるようです。

 

モニタリングは、子どもにとって最適な療育を行うために見直しが必要かどうかを判断するために行われているそうです。

個別支援計画の作成

児童発達支援管理責任者の主な仕事は個別支援計画の作成です。

 

子どもによって伸ばすべき能力や適切な方法は違うでしょう。
そのため、学習能力を伸ばすための学習、人とのコミュニケーションに慣れる練習、集団内でのルールの理解など、子ども一人ひとりの能力や発達段階を理解し、あらゆる手段の中から適切な方法を見つけて個別支援計画を作成します。

 

保護者のこうしてほしいという思いも汲み取りつつ個別プランを作成していくこの仕事は、まさに専門性を活かしていると言えるでしょう。

保護者への相談支援

保護者の相談支援業務も重要な仕事の一つです。

 

児童発達支援施設を利用する保護者の中には、子どもの障害への不安や、日々の子どもとの関わり方に戸惑っている方もいるかもしれません。そういった保護者の悩みに寄り添い、適切なアドバイスをするのも、児童発達支援管理責任者の大切な仕事になります。

他の指導員への指導や療育

個別支援計画の作成や保護者への相談支援といった専門的な仕事の他にも、実際の療育のための訓練や指導に入ることもあります。

 

児童発達支援管理責任者は、リーダー的な役割として指導員への助言や指導をする立場にあり、直接療育指導に加わり、子どもたちと遊びや集団学習、個別ワークを共に実践します。

事務作業・雑務

施設での事務作業も児童発達支援管理責任者の仕事の一つです。支援計画の書類作成や、指導に必要な教材や職員の手配などが主な事務業務となります。

 

また、送迎などを実施している施設ではドライバーとして送迎を担当することもあるようです。

 

出典:障害児入所支援/厚生労働省

出典:障害児支援の強化について/厚生労働省

出典:障害児及び障害児支援の現状/厚生労働省

出典:児童発達支援ガイドライン/厚生労働省

児童発達支援管理責任者になるには?

勉強をしている女性

SAHACHATZ/shutterstock.com

 

児童発達支援管理責任者になるためにはどのような要件を満たす必要があるのか解説します。

 

一定期間、定められた職種での実務経験が必要

 

児童発達支援管理責任者になるための要件の一つとして、一定期間の実務経験が必要になります。

 

具体的には、障害児者の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における直接支援・相談支援などの業務における3年から8年の実務経験が必要で、このうち3年以上は障害者や障害児に対する実務経験があることが求められます。

 

くわしく見ていきましょう。

相談支援業務で5年以上の経験

相談支援業務とは、福祉や医療、介護、教育などの分野で、障害に関する相談支援や自立に関する相談支援などに応じて、利用者への助言や指導を行う仕事のことを言います。

 

児童相談所や福祉事務所、老人福祉施設、障害者入所施設の相談に乗る立場での仕事や、特別支援学校の進路相談担当などが挙げられます。

 

ただし、5年の実務経験のうち、老人福祉施設または医療機関以外での経験が3年以上必要になるので注意が必要です。

直接支援業務で8年以上の経験

直接支援業務とは、福祉や医療、介護、教育などの分野で施設での介助や介護、保育や指導を通して、利用者の日常生活を手伝う仕事のことです。

 

介護老人保健施設でヘルパーとして働いていたり、障害者を雇用している会社の雇用支援業務、特別支援学校の職業教育担当をしていたりすることなどが挙げられます。

 

また、相談支援業務と同様に、老人福祉施設や医療機関等以外での実務経験が3年以上必要となっています。

有資格者で相談・直接支援業務に一定年数従事する

相談支援業務や直接支援業務に従事しており、資格を持っている方の場合、必要な実務経験の期間が短縮されます。

 

例えば、保育士資格や児童指導員任用資格などを持ち、直接支援業務に従事している場合は、8年の経験が必要なところが、5年以上の経験があれば要件を満たしていることになります。

 

また、医師や看護師、保健師などの資格を持ち、相談・直接支援業務に従事している場合は、3年という期間で資格要件を満たすことができます。また、これも同様に医療機関や老人福祉施設以外での経験が3年以上必要になります。

 

詳しい経験年数や職種・資格に関しては、都道府県や政令指定都市等が定める要件によって異なることもあるので、自身の住む地域の資格要件をチェックするようにしましょう。

 

3段階の研修が必要

 

これまでは児童発達支援管理責任者になるための要件として、2つの研修を修了することが必要でした。

 

しかし、研修体制が見直され、2019年より新しく3段階の研修が設けられました。

新しく設置された研修は以下の3つです。

 

  • 基礎研修
  • 実践研修
  • 更新研修

 

これまで行われてきた「相談支援従事者初任者研修」と「サービス管理責任者等研修」が統一され基礎研修となりました。

 

また、基礎研修を修了し実践研修を受講するまでの間に、児童発達支援施設などで実務経験を積むOJTが2年間必要となっています。

 

実践研修や更新研修を受けるのには一定の実務経験の要件があるため、研修を受ける場合には、事前にチェックしておくことが大切です。

 

出典:障害児支援(通所・入所共通)に係る報酬・基準について≪論点等≫/厚生労働省

出典:相談支援専門員及びサービス管理責任者等の研修制度の見直しについて/厚生労働省

児童発達支援管理責任者のやりがいや苦労

児童発達支援管理責任者として働くうえで、どのようなやりがいや苦労があるのでしょうか。

 

一人ひとりに寄り添った支援ができる

 

一人ひとりに寄り添った支援ができることは、児童発達支援管理責任者の仕事のやりがいと言えるでしょう。

 

大規模な保育所等で働いていると、子ども一人ひとりと密接に関われる時間が少なくなってしまうこともあるかもしれません。

 

一方で、児童発達支援管理責任者は、児童発達支援施設などにおいて子どもたちに最適な個別支援計画を作成することが主な仕事内容です。

 

そのため、子どもが抱える問題に向き合い自立のためのサポートするなかで、障害を持つ子どもとより近い距離で深く関わり合うことができるでしょう。

 

専門性を活かして働ける

 

専門性を活かして働けるのもやりがいの一つと言えるでしょう。

 

児童発達支援管理責任者は長い経験の中で得た障害や児童、福祉などについての知識を活かして個別支援計画の作成や療育をすることができます。

 

また、保護者の相談にも専門的な観点から対応することができるのため、子どもと保護者とのかかわりにおいて、専門性を活かして働けることはやりがいにつながりそうです。

 

仕事量が多くなる可能性も

 

働く施設によっては仕事量が大きく増えることもあるかもしれません。

 

例えば、施設の指導員に欠員が出た場合は新しい職員が入るまでヘルプに入ることもあるでしょう。また、施設によっては送迎サービスもあるため、業務負担が大きくなる可能性もあります。

 

さらに、基本的に児童発達支援管理責任者は一つの施設に1人配置すれば基準を満たしているため、1人で何人もの支援計画の作成を担当することも考えられるでしょう。

 

その場合に、他の業務も兼任するとなると、抱える仕事量は多くなることもあるかもしれません。

児童発達支援管理責任者の仕事内容を理解して、転職活動の選択肢を広げよう

今回は、児童発達支援管理責任者の役割や仕事内容、働ける施設などについて紹介しました。

 

障害のある子どもと関わる児童発達支援管理責任者の仕事は専門性が高く、アセスメントやモニタリング、個別支援計画の作成など仕事内容は多岐にわたります。

 

そのため、児童発達支援管理責任者になるためには多くの要件を満たす必要がありますが、子ども一人ひとりに関わったり保護者からの相談に乗ったりと、障害や福祉などの知識を活かして働くことができるでしょう。

 

児童発達支援の要とも言える重要な役割を持つ児童発達支援管理責任者の仕事についての理解を深め、転職活動における一つの選択肢として検討してみてもいいかもしれませんね。

 

ベビーシッターとして働く

 

関連する記事

保育士さんの貯金事情。平均貯金額と一人暮らしで貯蓄するためのポイント

保育士さんの貯金事情。平均貯金額と一人暮らしで貯蓄するためのポイント

保育士さんの中には、貯金を考えていてもなかなか実行できていないという方もいるでしょう。「給...

玩具の取り合いが起きたときの保育士の対応。環境整備や仲裁の方法

玩具の取り合いが起きたときの保育士の対応。環境整備や仲裁の方法

子どもが玩具の取り合いになったとき、保育士さんはどのような対応をするべきでしょうか。1歳児...

保育士さんの肩こりの解消方法は?原因とツボ押しやストレッチなどの改善アイデア

保育士さんの肩こりの解消方法は?原因とツボ押しやストレッチなどの改善アイデア

保育士さんは子どものお世話をしたり、いっしょに遊んだりと身体に負担をかかることが多く、肩こ...

幼保小連携とは?幼児教育と小学校教育をつなぐ取り組み

幼保小連携とは?幼児教育と小学校教育をつなぐ取り組み

幼保と小学校のつながりを深め、子どもたちの生活や学びの基盤を支える「幼保小連携」。小学校入...

保育士として主任になるには?経験年数などの必要な条件や、仕事内容・給料

保育士として主任になるには?経験年数などの必要な条件や、仕事内容・給料

主任になるにはどうすればよいのか知りたい保育士さんもいるでしょう。研修や経験年数など必要な...

特集コラム一覧

プロ厳選!プレミアム求人

保育士求人を探す

コラム記事を探す

よくある質問

Q

保育士バンク!のコラムにはどんな記事がありますか?

A

転職に関する記事の他に、日常の保育で使える手遊びや工作の動画など、幅広いジャンルで保育士さんや幼稚園の先生に役立つ情報を提供しています。詳細はコラム総合トップからご確認ください。

Q

最新の記事や動画はどこから見る事ができますか?

A

最新記事はこちらです。保育士バンク!では週に3~5本くらいの新しい記事や動画を公開していますのでぜひご覧ください!最新記事や人気記事はコラム総合トップからもご確認いただけます。

Q

最新の記事や動画をもっと簡単に見たいです。

A

保育士バンク!アプリがオススメです!iPhoneアプリはこちらからAndroidアプリはこちらからダウンロードください!