チャイルドマインダーになるには、チャイルドマインダーの資格を管理・認定する団体が用意しているそれぞれの通学・通信講座を受け、受験資格を得たのちに試験に合格する必要があります。少人数保育のスペシャリストとして、スキルアップのため独学で目指す保育士さんもいるのではないでしょうか。今回のコラムでは、チャイルドマインダーの講座費用や勉強期間など、資格の取り方をまとめました。
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■目次
チャイルドマインダーの資格を取得するには
チャイルドマインダーの資格とは
チャイルドマインダーとは少人数保育のスペシャリストに認定された資格です。
仕事の内容はベビーシッターと共通している部分もありますが、子どもを規定数内で預かり、教育や健康管理を個別にきめ細かく合わせて行う仕事です。イギリスではポピュラーですが、日本での歴史は新しく、まだ認知度は低い資格です。
慢性的な保育士不足である現在、小規模保育事業や家庭的保育の需要が増えつつあり、急速にニーズが高まっている資格といえます。保育士や看護師などの資格を持っている人が、少人数保育に転職やキャリアチェンジしたい際などにも、取得しておけば、非常に力強い資格であるといえます。
チャイルドマインダーの資格は民間資格
子どもの保育にかかわる仕事の資格として、代表的なものに保育士が挙げられますが、保育士は国家資格になります。一方でチャイルドマインダーは民間の団体が運営、管理する資格です。現在は主に3つの団体がチャイルドマインダー資格の運営、管理を行っています。
団体によってさまざまな特色があり、イギリスでチャイルドマインダー資格を認定する団体から正式運営を任されている団体や、日本で独自の基準を定めている団体など、特徴はさまざまです。
資格取得後、提携する法人・施設・企業などから仕事を紹介してもらえる、就職サポートサービスが受けられる団体や、独立開業を支援してくれる団体もあります。
チャイルドマインダーの資格の試験と受験資格
チャイルドマインダーの受験資格
各団体のチャイルドマインダーの受験資格は、次のような流れで取得します。
(1)各団体が用意する講座(通信・通学)を全て受講
(2)講座を修了すると修了証が付与され、これが受験資格となる
(3)チャイルドマインダー検定試験を受験
(4)合格によって、チャイルドマインダー認定資格を取得
チャイルドマインダー資格は独学では取得できない
チャイルドマインダー認定試験の受験資格を得るためには、各団体が設定する講座を受講しなければ、受験資格は得られないシステムになっているため、独学での受験は基本的にはできない仕組みになっているようです。
チャイルドマインダー認定試験と難易度
チャイルドマインダー試験は次のような形式で行われています。
試験料
講座費用とは別途で、試験料が必要になります。試験料の相場は安い団体で10000円から16000円程度と、各団体で差があります。
試験日程と年間回数
基本的に、各地域・講座終了ごとに認定試験があるため、試験回数はその団体ごとによって変わります。各団体のHPまたは講座資料で確認を。
認定試験の合格率
団体によって検定試験の内容と難易度には差があるようです。合格率を公開していない団体もありますが、検定試験の合格率は、70%から高いところでは90%を超えるため、難易度は保育士などの国家資格試験と比較すれば、低いと言えるようです。万が一不合格だった場合には追試制度など救済措置がある団体もあるので、事前に確認しておきましょう。
チャイルドマインダー講座の受講資格と特待生制度
チャイルドマインダーの資格取得には、各団体が用意するチャイルドマインダー講座を、通学制、または通信制で受講し、勉強することが必ず求められます。
チャイルドマインダー講座の受講資格
チャイルドマインダー講座は、心身ともに健康な男女であれば、基本的には資格の有無や経験験等にかかわらず、誰でも広く受講できるのが特徴です。ただし受講は年齢制限を設けています。団体によって異なりますが、16歳から受講可能な団体から、20歳から受講可能と定めている団体まであるため、受講前に確認が必要です。
有資格者や実務経験者の特待生制度
持っている資格や経験によっては受講期間が短くなる「特待生制度」がある場合もあります。
保育士・看護師・教諭免許などの有資格者
チャイルドマインダー講座は、保育士・看護師・幼稚園教諭免許・小学校教諭免許の資格を持っている場合、受講期間と科目数が少ない講座を選択することができる制度をとっている認定団体もあります。
ベビーシッターや保育補助などの実務経験
ある一定期間の保育補助など実務経験やベビーシッターなど他の民間保育資格を持っていれば、講座受講期間と費用が少なくなる制度を設けている団体もあります。
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チャイルドマインダーの資格取得の勉強方法
通学講座
運営団体が用意する施設に通って、教室でのスクーリング中心に勉強する講座です。コース内の講座は実習なども用意されており、専任講師の指導の下、きめ細やかに学ぶことができるでしょう。
団体によってスクーリング用講座の教室を持っている地域範囲が大きく異なるため、どの場所で講座が開講されているか、通える範囲であるかの確認が必要になります。
通信講座
運営団体が用意するテキストを購入し、基本的に自宅などで独学で勉強する講座のことです。スクーリングが時間的・環境的に難しい人にとっては、自分の好きな場所・空いている時間に勉強を進めることができるというメリットがあります。しかし、勉強で分からない箇所はリアルタイムで質問ができないなどのデメリットも考えられます。
通信講座といっても、2日間ほどのスクーリング期間が設けられているため、スクーリングを受ける際に通える範囲の教室で開講しているかどうか確認が必要です。また、通信講座を行っていない団体もあります。
チャイルドマインダーの通信・通学講座の費用と勉強期間
通学講座の費用と勉強期間
各団体で差があり、15万~30万ほど。入学金が別途かかる団体もあります。
講座受講期間は3カ月~半年ほどの期間で定めている団体が多いです。最短で短期集中で6日間の受講という団体もあります。
保育士・看護師・教諭免許(幼稚園・小学校)などの資格を持っている場合は、費用・期間ともに1/2~2/3程度でおさまる講座を設けている団体もあります。
通信講座の費用と勉強期間
通信講座の費用はスクーリング費用も含めて20万ほど。別途入学金が必要なようです。通学制と同じく有資格者コースもありますが、通信講座の場合は費用はさほど変わりません。スクーリングの交通費や宿泊費は実費負担になるため、できるだけ近い場所でスクーリング講座が行われているかどうかの確認が必要です。
勉強期間は3ヶ月~6ヶ月を想定していますが、最長2年間までの検定試験有効期限があるようです
チャイルドマインダー資格取得後の就職・転職に合わせた講座選びを
現在、チャイルドマインダーを認定する3団体はそれぞれ独自のカリキュラムを持ち、費用や勉強期間の面だけでなく、資格取得後の就職サポート体制なども違っています。
自分がチャイルドマインダーという資格を取得し、どのように資格を活かしていきたいかをしっかり見極めた上で、講座を選べるとよいですね。