フルーツバスケットのルールをわかりやすく伝えて、子どもたちとゲーム遊びを楽しみましょう。保育園では3歳児頃から取り入れられることが多いようですが、遊び方を工夫すれば2歳児でも楽しめるかもしれません。今回は、フルーツバスケットの基本的なルールやアレンジ方法、子どもへの簡単な説明のしかたを紹介します。
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■目次
フルーツバスケットってどんな遊び?
フルーツバスケットは、集団で楽しめるルールのある遊びです。自分のグループが呼ばれたら別の椅子に移動するというルールに沿って、クラス全員で取り組めるのが特徴になります。
雨の日や夏の暑い日など、外遊びができないときに室内遊びで行なわれることが多く、保育園でも定番の遊びかもしれません。
基本的な遊び方であれば2歳児後半から3歳児くらいから楽しめるようですが、フルーツバスケットのルールを理解してもらうには、遊ぶ前に丁寧な説明が必要になるでしょう。
今回は、フルーツバスケットの基本的な遊び方や、子どもに向けて分かりやすく説明する方法などを紹介します。
フルーツバスケットの基本的なルール
まずは、フルーツバスケットの基本的なルールを見ていきましょう。
遊ぶ前の準備
ゲームを始める前に必要となる準備は以下です。
- 子どもの人数より1つ少ない椅子を用意し、内側を向けて円形に並べておく
- 子どもたちをフルーツの名前のグループに分ける
4歳児や5歳児の幼児クラスの場合、フルーツバスケットをした経験がある子どももいるかもしれません。
しかし、2歳児や3歳児の場合は初めて遊ぶということも多いので、はじめは先生が鬼になって遊んでみましょう。
遊び方
1.円の真ん中に立つ鬼を決めます。※はじめは先生が真ん中に立ちます。
2.鬼は好きなフルーツの名前を呼びます。
3.自分のフルーツを言われた子どもは立って移動し、座っている椅子とは別の椅子を探して座ります。このとき、鬼も空いている椅子を探して座ります。
4.椅子に座れなかった子どもが次の鬼となり、鬼はフルーツの名前を呼びます。
5.(2)~(4)を繰り返して遊びます。
6.鬼が「フルーツバスケット」と言ったときには、全員が移動します。
終わり方
フルーツバスケットには決まった終わり方がなく、基本的に繰り返して何度でも楽しめる遊びです。
何度も遊んでいると飽きてくる子どもも出てくるかもしれないので、回数を決めたり時間を決めたりと先生があらかじめ終わり方を決めておくとよいかもしれません。
ほかにも、「同じ子が〇回連続で鬼になったらおしまい」などとルールを設定しておくのもよいですね。
遊ぶときのポイント
自分のフルーツを覚えられなかったり忘れてしまったりする子もいるかもしれないので、フルーツの絵をかいたカードを作り、首からぶら下げてもらうようにしましょう。
そうすることで、子どもが動きやすくなるだけでなく、鬼のかけ声にあわせてみんなが動けているかどうかを、先生側でも確認しやすくなります。
フルーツバスケットのルールを理解して楽しめる目安は主に幼児クラスのようですが、2歳児の子どもが行う場合は、鬼を設けずに子どもの人数分の椅子を用意して遊ぶとよいでしょう。
自分のフルーツが呼ばれたら、椅子を立って空いている席に移動するというシンプルな遊び方から始めてみるとよさそうですね。
わかりやすいフルーツバスケットのルール説明のしかた
幼児クラスの子どもたちにルールを伝える際、口頭のみの説明では理解しづらいこともあるかもしれません。
そこで、実際にフルーツバスケットをするときに役立つ、子ども向けの簡単なルール説明のしかたを紹介します。
ペープサートや人形劇を用いる
子どもがゲームの内容や動きをイメージしやすいように、ペープサートや人形劇を活用してルール説明をしてみましょう。
フルーツの絵がかかれた画用紙を黒板などに貼り、実際に絵を動かしながら説明すると分かりやすいかもしれません。また、フルーツをモチーフにした小さな人形を使って、劇のようにセリフをつけてルールを紹介しても面白そうですね。
実際にキャラクターが動くことで、子どもたちは視覚的に遊びの流れを理解しやすくなるでしょう。
このような説明方法は、2歳児や3歳児など、ルールのある遊びに慣れていない年齢の子どもたちに行ってみてくださいね。
ルールをわかっている子どもに実演してもらう
4歳児や5歳児の場合、一度フルーツバスケットをやったことがある子どももいるかもしれません。ルールを知っている子どもにみんなの前で実演してもらうのも一つの手でしょう。
友だちが実際にやっている姿を見れば、ルールを知らない子や忘れてしまった子でも理解しやすくなるかもしれません。
また、友だち同士で教え合うことで、遊びを通して協力し合うことを学んだり、子ども同士の仲を深めたりすることにつながりそうですね。
実際にやってみる
先生が一通りルール説明をしたら、実際に動きながらゲームをやってみるという方法もあります。
まだ完璧にルールを理解できていない子どもでも、友だちといっしょに動いてみることで、身体を使って覚えられることもあるでしょう。
ゲームの本番前に時間を設けて何回か練習し、先生が「〇〇のフルーツの人は移動だよ、よーいどん」などと声をかけて、子どもたちが動きながらルールを理解できるようサポートしてみてくださいね。
フルーツバスケットのルールをアレンジした遊び方
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先述したようにフルーツバスケットは決まった終わり方がなく何度も遊べるため、ずっと同じルールで遊んでいると子どもの集中力が切れてしまうかもしれません。
ここでは、子どもが飽きずに楽しめるフルーツバスケットのアレンジルールを紹介します。
なんでもバスケットをする
フルーツバスケットの定番のアレンジルールとして、なんでもバスケットがあります。
これは、最初にグループ分けをせず、鬼が自由にお題を設定できるという簡単な遊び方です。
鬼は、友だちの特徴や着ている服など、何人かの子どもに当てはまりそうなお題を考えます。
例えば「朝ごはんにパンを食べた人」「赤色の服を着ている人」などです。とっさにお題を考えるのは難しいかもしれないので、年長さん向けのアレンジと言えるでしょう。
フルーツ以外のお題を設定する
フルーツ以外のカテゴリーをお題に設定するという、簡単なアレンジ方法です。
例えば、野菜、動物、魚、花、色など、子どもたちが興味のあるものによってさまざまなグループ分けをしてみましょう。
ほかにも季節に合わせてハロウィンやクリスマス、お正月にちなんだものなど、子どもたちが覚えやすく身近なものをお題にするのもよいかもしれません。
どんなグループ分けがいいか子どもたちにアイデアを出してもらえば、遊ぶ前から盛り上がりそうですね。
1回で2種類のフルーツを呼ぶ
フルーツの名前を一度に2つ呼ぶというアレンジした遊び方もあります。
基本的なルールでは1回につき1つのフルーツしか呼ばれませんが、このアレンジルールでは「みかんとりんご」など、2種類のフルーツの名前を一度に呼ぶことができます。
このルールを取り入れると、一度により多くの子どもたちが移動できるため、たくさん動き回りたい子どもにはぴったりかもしれません。
また、たくさんの子どもが一斉に移動することで、鬼が椅子に座れるチャンスが増えるという特徴もあります。
椅子なしでやる
椅子を使わないでフルーツバスケットをするというアレンジで、これは室内だけでなく外でも楽しむことができるという特徴があります。
最初に子どもたちのグループ分けをして、地面に円形の目印をかいておきます。そしてランダムで2人1組のグループを作り、ペアになって座りましょう。
鬼はフルーツの名前を言い、呼ばれた子どもと鬼は移動し、いち早く隣が空いている人とペアを組みます。ペアを組めずに残ってしまった人は鬼になります。
「ここあいてるよ」など子ども同士で教え合って、クラスの全員で楽しもうとする姿が見られるかもしれませんね。
鬼の回数を決める
なかには、何度も鬼をやりたくてあえて椅子に座らない子どもや、意図せずに何回も鬼になってしまう子どももいるでしょう。
みんながまんべんなく鬼になってフルーツバスケットを楽しめるように、あらかじめ連続で鬼になる回数に上限を設けておくというアレンジルールもあります。
「3回鬼をやったから、次の鬼は別の子ね」というように誰かに代わってもらいましょう。このようなルールを設定すれば、クラスの全員が等しく楽しめるかもしれませんね。
子どもたちにルールを考えてもらう
4歳児や5歳児であれば、子どもたちにルールを考えてもらうのもよいでしょう。
子どもならではの発想で、よりフルーツバスケットが盛り上がる斬新なアイデアが生まれるかもしれません。
また、オリジナルのルール作りを通して、どうやったらみんなで楽しめるかを子ども一人ひとりが考えるきっかけになり、友だちといっしょに遊ぶ楽しさを知ることもできそうですね。
フルーツバスケットをするときの注意点
フルーツバスケットの基本的な遊び方やアレンジルールを踏まえたうえで、実際に保育園で遊ぶときの注意点や配慮のポイントを紹介します。
トラブルを想定してルールを決めておく
幼児クラスになると、自主性が高まることで自己主張をするようになり、遊びのなかで子ども同士が衝突してしまうこともあるでしょう。フルーツバスケットの場合は、椅子の取り合いによるケンカなどが考えられます。
先生はこうしたトラブルが起こることを想定し、「同じ椅子に集まったらじゃんけんで決める」など、あらかじめケンカに発展しないように約束事を決めて、子どもたちに伝えておきましょう。
ケガをしないように周りを見ることを伝える
遊びに夢中になり、周りや友だちの状況をきちんと見ていない子どももいるかもしれません。
周囲への注意力が欠けていると、移動する最中に友だちとぶつかったり椅子に足を引っかけたりと、ケガをしてしまう恐れもあります。
先生は、「周りをよく見て、ケガをしないように動く」ことを子どもたちにしっかりと呼びかけましょう。
簡単にルール説明をして、子どもたちとフルーツバスケットを楽しもう
今回は、フルーツバスケットの基本の遊び方やアレンジルール、子どもへの簡単なルール説明のしかたなどを紹介しました。
フルーツバスケットはルールのある集団遊びのため、一般的に3歳児、4歳児、5歳児の幼児クラスの子どもが楽しめるゲームとされているようです。
しかし、ルールの伝え方を工夫したり遊び方を簡単にしたりすれば、2歳児後半くらいの子どもでも取り組めるかもしれません。
わかりやすいルール説明のしかたを押さえて、保育にフルーツバスケットを取り入れてみてくださいね。