室内遊びが増える梅雨の時期、カエルや紫陽花などの折り紙を保育に取り入れてみてはいかがでしょうか。折り紙を通して6月らしい季節感を味わえるとよいですよね。今回は、しずくやかたつむりなどの簡単な梅雨の折り紙を紹介します。てるてる坊主のガーランドや紫陽花リース、立体的な傘など壁面飾りに活用できる折り方もまとめました。
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■目次
梅雨の折り紙製作をするときのねらい
春から夏にかけて雨が多くなる、梅雨の季節。
地域によって時期は異なりますが、雨の日が多くなると、保育園や幼稚園では室内遊びが増えるかもしれません。
保育のなかで梅雨の折り紙製作を行うのには、どのようなねらいがあるのでしょうか。
折り紙製作を通して梅雨にちなんだモチーフに親しむ
梅雨の時期は、春から夏に向けてさまざまな花や生き物が顔を出す頃でもあるでしょう。
紫陽花やかたつむり、カエルなどさまざまなモチーフが挙げられますが、そうした植物や生き物についてよく知らない子どももいるかもしれません。
梅雨の折り紙製作をすることで、「カエルってジャンプが上手な生き物なんだね」「紫陽花ってお花がたくさん集まっているんだ」など子どもたちにとって新しい発見につながるのではないでしょうか。
折り紙を通して自然に親しみをもち、梅雨の植物や生き物の対する発見や気づきを促すとよいですね。
梅雨にちなんだ折り紙で製作の楽しさを味わう
折り紙は細かな作業の繰り返しなので、指先の巧緻性が高まり、集中力を養うことにもつながるかもしれません。
紫陽花や傘などさまざまな作品を教えて、「今日はこの折り紙をどのように変身させよう?」と子どもがわくわくするように、梅雨の折り紙製作をサポートできるとよいですね。
それでは、梅雨にちなんだ折り紙製作のアイデアをジャンル別に紹介します。
梅雨の折り紙製作:しずく・てるてる坊主
梅雨の時期の壁面飾りにも活用できる、雨のしずくとてるてる坊主ガーランドの折り紙を紹介します。
雨のしずく
折り紙で雨のしずくを作ってみましょう。3歳児でも簡単に作れる折り方なので参考にしてみてくださいね。
あわせて、雨のしずくの製作を始める際の子どもたちへの言葉がけの例も紹介します。
用意するもの
- 折り紙
折り方
1.折り紙の白い面を表にして、三角に折って開きます。
2.左右を真ん中の折り目に向かって折り、開きます。
3.右下の辺と左下の辺を(2)でつけた折り目に合わせて折ります。
4(3)の状態から再び左右を真ん中の折り目に合わせます。
5.下の角を上に向かって少し折り上げて、裏返したらできあがりです。
製作ポイント
折り目を合わせる折り方が多いため、子どもたちの様子を見ながら手伝うようにするとよいかもしれません。
雨のしずくに目や口をシールでつけたり、ペンで書いたりするとオリジナルの作品ができて楽しめそうですね。
言葉がけの例
「空からお水がぽつぽつ落ちてくるのは知っているかな?なんて言うんだっけ?」とクイズを出し、雨の一つひとつが「しずく」であることを話してみましょう。
「雨」は知っていても「しずく」という言葉を知らない子どももいるかもしれません。
あらかじめしずくに関しての絵本や折り紙で折ったものを用意し、子どもたちがイメージしやすいように工夫できるとよいですね。
てるてる坊主のガーランド
てるてる坊主を作り、紐でつなげてガーランドを作ってみましょう。ゆらゆら揺れる折り紙のガーランドなので、室内の飾りつけにも役立ててみてくださいね。
用意するもの
- 折り紙
- 端を丸く結んだ紐(PEテープなど)
- セロハンテープ
製作ポイント
簡単な折り方で作ることができるため、折り紙初心者の年少クラスで取り入れてみましょう。
てるてる坊主の服に子どもたちの名前を書いておくとわかりやすくなります。ペンを使うのが難しい場合は、目や口のシールを用意して貼ると作りやすいかもしれません。
雨のしずくと組み合わせて、しずくとてるてる坊主のガーランドを作ってもよいですね。(詳しい説明はこちら)
言葉がけの例
まずは「てるてる坊主って何か知っているな?」と子どもたちに問いかけてみましょう。
「てるてる坊主を飾って雨が止むようにみんなでお願いすれば、雨が止んでお日様が見えるかもしれないね」と伝えてみると、雨の日でも楽しみながら製作できるかもしれませんね。
雨が続いている際に晴れを願うときにてるてる坊主を飾ることを伝え、楽しんで製作できるように言葉がけを工夫してみましょう。
梅雨の折り紙製作:生き物
ここでは、カエルやかたつむりといった梅雨の時期にあらわれる生き物たちの折り紙をまとめました。
カエル
梅雨が大好きなカエルの折り紙を作ってみましょう。
あわせて、カエルの製作を始める際の子どもたちへの言葉がけの例を紹介します。
ぴょんぴょんカエル
ぴょんぴょん飛び跳ねるカエルの折り紙です。製作後も楽しめる折り紙なので、雨の日の室内遊びに活かしてみてくださいね。
<用意するもの>
- 折り紙
<製作ポイント>
カエルの折り紙は折ったあとも楽しむことができます。左右の手や足のバランスを考えながらしっかり折るとよく飛ぶカエルになるでしょう。
カエルのお尻の部分を指で押すと、力強く飛び跳ねますが、加減が難しい場合もあるかもしれません。
保育士さんがお手本を見せたり、何度も繰り返し遊んだりとサポートしていくとよさそうです。(詳しい説明はこちら)
<言葉がけの例>
「雨が大好きなカエルさん。どんなことが得意かな?」と子どもたちに問いかけます。
カエルは両足でぴょんぴょんと飛ぶことができることを話し、カエルの折り紙製作につなげていきましょう。
顔をかき込むにっこりカエル
壁面飾りにも応用できる、にっこり笑ったカエルの折り紙です。
<用意するもの>
- 折り紙
- ペン
<製作ポイント>
少し複雑な折り方も含まれているので、保育士さんがいっしょに折り進めると子どもたちもわかりやすいでしょう。
折り紙の得意な子どもに、先生役になってもらってもよいかもしれません。
顔をかくときには、絵本や写真を見ながらカエルの目や口はどこについているか確認しながら書けば、子どもたちの興味をより育めそうです。(詳しい説明はこちら)
<言葉がけの例>
カエルにちなんだ歌を歌い、あらかじめ折ったおいたカエルを紹介して「みんなで作ってみよう。」と伝えてみましょう。
カエルは歌や絵本によく登場する生き物かもしれません。言葉がけの際にカエルの特徴を紹介すると、子どもたちも興味をもって折り紙製作を楽しんでくれそうですね。
かたつむり
雨が好きなかたつむりを作ってみましょう。折り方が複雑なため、5歳児などに取り入れてみるとよいかもしれません。
用意するもの
- 折り紙
- はさみ
製作ポイント
かたつむりの折り紙でははさみを使うため、取り扱いに気をつけるように伝えるとよいでしょう。
かたつむりの殻の部分は折り方が複雑なため、保育士さんが折り方を見せながら一つひとつの工程をゆっくりと進めていくことがポイントです。(詳しい説明はこちら)
言葉がけの例
保育士さんがグーとチョキでかたつむりを表現し、「折り紙でぼくの仲間を作ってほしい」と伝えてみましょう。
完成したら、みんなで作ったかたつむりの折り紙を大きな画用紙に貼り、周りに葉っぱや雨のしずくなどで装飾すると、壁面飾りに応用できそうですね。
梅雨の折り紙製作:傘
梅雨の時期に活躍する傘の折り方を2種類まとめました。
あわせて、傘の製作を始める際の子どもたちへの言葉がけの例を紹介します。
折り紙で作る傘の立体飾り
立体的な造形が目を惹く傘の折り紙を作ってみましょう。
クラスの飾りつけなどにも活用できるので、参考にしてみてくださいね。
用意するもの
- 折り紙 1枚
- 半分にカットした折り紙 1枚
- のり
製作ポイント
傘本体と柄の部分を貼り合わせるときは、のりが乾く前に傘のプリーツの部分が均等になるように調節すると、傘がきれいに仕上がるでしょう。
立体的な傘に仕上がるため、室内の壁面飾りとしても活用できそうですね。
リースを作って、タコ糸でぶら下げた飾りを作ってもよいかもしれません。(詳しい説明はこちら)
言葉がけの例
「みんなは雨を降るときに使うものは何かな?」など傘が答えになるようなクイズを出題してみましょう。
「みんなは何色の傘を作りたいかな?」など子どもたちにさまざまな問いかけをするなど、折り紙製作が楽しめるように工夫することも大切です。
壁面飾りに使える傘の折り紙
折り紙1枚で完成する、傘の折り方を紹介します。
用意するもの
- 折り紙
製作ポイント
最初に完成形の折り紙を見本として見せることで、折り方のイメージが湧きやすくなるかもしれません。
段折りや開いてつぶす折り方があるため、少し複雑な折り紙に挑戦し始める年中さんなどで取り入れるとよさそうです。(詳しい説明はこちら)
言葉がけの例
指人形を用意して、「この子が雨でぬれて困っているから、みんなで傘を作ってあげよう!」と伝えてみましょう。
そうすることで、子どもたちも雨の日に傘をさすことをイメージしながら製作することができそうですね。
梅雨の折り紙製作:お花
最後に、梅雨の時期に咲くお花をモチーフにした折り紙をまとめました。
紫陽花のリース
紫陽花のリースを作ってみましょう。壁面飾りにも役立つ紫陽花のリースなので、活用してみてくださいね。
用意するもの
- 土台用の半分に切った折り紙(黄緑5枚、緑5枚)
- 紫陽花用の折り紙(折り紙4枚)
- のり
折り方
【土台の折り方】
1.白い面を上にして半分に折ります。
2.右端と左端を三角に折ります。
3.真ん中に合わせて半分に折ります。
4.(1)から(3)までの工程を繰り返し、10枚のパーツを作ります。
5.折り目が長い部分を上にしてもう1枚を折り紙のすき間に折りこみ、交互に全ての パーツをつなげるとできあがりです。
【紫陽花の折り方】
1.折り紙を半分に折って折り目をつけます。
2.さらに半分に折って折り目をつけます。
3.袋を開いてつぶします。
4.中央の線に向かって折り、裏側も同じように折ります。
5.半分に折り目をつけます。
6.上部分を開いて折ります。
7.紫陽花のできあがりです。
土台に紫陽花の花をのりで貼れば、紫陽花のリースのできあがりです。
製作ポイント
リースの土台には複雑な折り方も含まれているため、あらかじめ土台は保育士が作っておくなどして、年齢に合わせて製作工程を考えてみるとよいかもしれません。
紙皿をくりぬいてリースの土台にするなど、折り紙以外で簡単に製作する作り方も活用してみてくださいね。
言葉がけの例
あらかじめかいておいた紫陽花の絵などを見せて「このお花はなんていうか知っているかな?」と問いかけてみましょう。
紫陽花は小さな花が集まって咲いていることや、さまざまな色の種類があることを伝えてみるとよいかもしれません。
「花びらはどんな形かな?」など、子どもたちが紫陽花に興味をもてるように言葉がけを工夫できるとよいですね。
関連記事:【動画】折り紙あじさい たくさん折って飾ろう♪/保育士バンク!
睡蓮
梅雨の時期になると池や沼などの水上に咲き始める「睡蓮」の花。綺麗な形を表現した折り紙を紹介します。
用意するもの
- 折り紙
製作ポイント
途中までは「やっこさん」と似た簡単な折り方ですが、花びらを1枚ずつ開いていく工程は難しいと感じる子どもも多いかもしれません。
子どもの横に座って、お手本を見せながら丁寧に折り方を伝えていきましょう。(詳しい説明はこちら)
言葉がけの例
睡蓮は少し難しい折り方であるため、梅雨の室内遊びのなかで、折り紙の好きな子どもたちに個別に教えるのがよさそうです。
「とっても綺麗で、少し難しいお花の折り紙があるんだけどやってみない?」などと誘ってみるとよいでしょう。
睡蓮の花を知らない子どももいるかもしれないため、絵本や図鑑で睡蓮について紹介したり、本物の睡蓮の花を観察したりすれば、子どもたちが折り紙を楽しむきっかけにつながりそうですね。
梅雨にちなんだ折り紙を製作して雨の時期を楽しもう
今回は、保育園で行う梅雨の折り紙製作のねらいと合わせて、カエルやしずく、てるてる坊主といった折り紙のアイデアを紹介しました。
梅雨をモチーフとした傘や紫陽花の折り紙には難しい折り方もあるため、子どもの年齢に合わせて説明の仕方やを工夫するとスムーズに作業できるでしょう。
また、梅雨の時期に折り紙製作を行うことは、子どもたちが天候や自然の変化に対して関心や興味をもつきっかけとなるかもしれません。
雨が続く梅雨の室内遊びでも、子どもたちの言葉に耳を傾けながら折り紙製作を楽しめるとよいですね。