2月11日は建国記念日。正式名称は「建国記念の日」であるこの日は、どのような由来をもつのかご存じでしょうか。祝日の成り立ちや歴史を知って、保育園で子どもたちに説明できるとよいですね。今回は、建国記念日とはどのような日なのか、歴史や由来について解説します。また、子ども向けに簡単に伝える言い換え例、遊びアイデアについてもあわせてまとめました。
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■目次
建国記念日とは
建国記念日とは、「国民の祝日に関する法律」によって定められている日本の祝日の一つで、1966年に制定されました。
毎年2月11日※に制定されており、正式名称を「建国記念の日」と呼びます。
※2024年は日曜のため、2月12日に振替
内閣府の出している「国民の祝日について」の情報によると、建国記念の日は「建国をしのび、国を愛する心を養う」日と説明されています。
つまり、日本という国ができたことに思いをはせて、国を大切に思う気持ちを育む日と言い換えることができるでしょう。
文字通り、日本という国ができたことをお祝いする日であるものの、どのようにして制定されたのか、由来までは知らない先生も多いかもしれません。
詳しい成り立ちを知っておけば、子どもから質問されたときにもしっかりと答えることができるでしょう。また、子どもたちが祝日に対する理解を深めることにもつながるかもしれません。
今回は、建国記念日の由来や意味について解説します。簡単な言い換え例や祝日にちなんだ子どもと楽しめる遊びアイデアも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
建国記念日の由来
建国記念日は、「紀元節」と呼ばれる昔の祝日に由来していると言われています。
明治時代、日本の建国を祝う日として紀元節(きげんせつ)がありました。初代天皇とされる神武天皇が即位した日が、紀元前660年の2月11日だったことから定められたようです。
そして、1873年から第二次世界大戦後の1948年まで祭日として人々に親しまれていました。
しかし、戦後の日本を占領していたGHQ軍の意向により、紀元節が廃止されることになりました。
その後、国民の間で紀元節を復活させようという動きが高まり、建国を記念するための日が設けられたようです。その際に、「紀元節」から「建国記念の日」へと名称が変わったと伝えられています。
このようなことから、1966年に国民の祝日として制定され、翌年から適用されるようになりました。
建国記念日を「建国記念の日」と呼ぶ理由
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建国記念日の正式名称が「建国記念の日」なのはなぜなのでしょうか?
先ほど説明したように、建国記念の日は、日本書紀に記載があった神武天皇の即位を祝う日(紀元節)が名称を変化させたものとされています。
しかし、建国記念の日を制定するにあたり、「神武天皇が実在するかも定かではなく、日本という国の正確な起源がわからないのに、記念日をつくるのはどうか」という意見が専門家からあがったようです。
そこで「日本が建国されたことを祝う日」として建国記念の日という名前がつけられたと言われています。
建国記念日という名称は、日本が建国された日として誤って認識されてしまわないように、使うことを控えたようです。
建国記念日の由来を子ども向けに説明する言い換え例
続いて建国記念日の由来について、子どもたちへの簡単な伝え方を紹介します。
ここでは、子どもから質問されたことを想定した簡単な言い換え例をまとめました。
Q1.建国記念の日っていつ?
「毎年2月11日だよ。昔の本の中では、日本がつくられた日と言われているんだって。」
Q2.建国記念の日ってどんな日?
「みんなが住んでいる日本という国ができたことをお祝いする日だよ。日本のことを大切にしようっていう気持ちをもって過ごそうね。」
Q3.建国記念の日ってどんなことするの?
「保育園で日本地図を見たり、みんなが知っている日本のことを話し合ったりしてみよう。」
日本国がつくられた日は歴史的に定かではないため、あくまでも建国をお祝いする日であることを伝えましょう。
「みんながお誕生日をお祝いするのと同じように、日本ができたことをお祝いする日だよ」などと説明すれば、子どもたちも理解しやすいかもしれません。
建国記念日を子どもと楽しむ遊びアイデア
子どもに建国記念日について説明する際、絵本の読み聞かせやクイズを出題すると興味を持ってもらえそうです。
建国記念日を楽しむ遊びアイデアを詳しく紹介します。
絵本の読み聞かせをする
日本の地図や国旗にちなんだ絵本を読み、自分たちが住む国に興味を持ってもらえるとよいですね。
- はじめてのにほんちずえほん
(絵:てづかあけみ 監修:赤澤豊 出版社:パイインターナショナル)
- にっぽん地図絵本
(作・絵:とだこうしろう 出版社:戸田デザイン研究室)
- 国旗のえほん
(編集:戸田やすし 出版社:戸田デザイン研究室)
子どもたちの中には地図や国旗を見たことがない子もいるかもしれません。
2月に上記で紹介した絵本を子どもの手の届きやすい場所に置いておくと、関心をもってもらえそうですね。
クイズを出題する
日本にちなんだクイズを出題してみましょう。
Q.日本はどこに浮かんでいると思う?
A:海
Q.日本の名前がついた動物は?
A:ニホンノウサギ・ニホンザル・ニホンアシカなど
Q.日本うまれの食べ物は?
A:エビフライ・オムライスなど
この他にも子どもたちの興味がありそうなクイズを考えて、出題してみてくださいね。
世界の建国記念日はいつ?
最後に建国記念日という名称とは異なりますが、世界各国における同じような意味合いの記念日を紹介します。
- アメリカ:7月4日(独立記念日)
- ドイツ:10月3日(ドイツ統一の日)
- イタリア:6月2日(共和国建国記念日)
- 韓国:10月3日(開天節※開国記念日)
- モンゴル:11月26日(独立記念日)
お祭りが開催されたり、花火が打ち上げられたりと祝い方は各国によってさまざまなようです。子どもたちに建国記念日について話しをする際、海外の祝日についてもふれてみるとよさそうです。
建国記念日の由来を知って、子どもたちに伝えよう
建国記念日には、「日本ができたことを祝い、大切に思う気持ちを育む」という意味があります。
保育園で由来を説明するときは、どのような日なのかをわかりやすく伝え、日本の成り立ちや歴史などについて学ぶきっかけになるとよいですね。
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