保育参観に向けて、親子で楽しめる製作について知りたい保育士さんもいるのではないでしょうか。乳児クラス向けや幼児クラス向けなどの年齢別のアイデアや、1月や2月など春夏秋冬にあったネタを知っておくと役立てられそうですね。今回は、保育参観の製作アイデアについて、ねらいとあわせて紹介します。
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■目次
保育参観で製作遊びをしよう!
保育園の保育参観は、年間行事の中でも保護者の方が子どもといっしょに活動できる機会のひとつです。
普段の雰囲気と違いますが、園での子どもたちの生活やクラスの様子などが見られるので、保育参観を楽しみにする子どもや保護者が多いでしょう。
いっしょに伝承遊びをしたり、子どもたちが発表をしたりすることがあるようですが、保護者といっしょに何かを作れるように、製作遊びを取り入れている園が多いようです。
保育参観で製作を行うのには、以下のようなねらいが挙げられます。
【乳児クラス】
- いろいろな素材に触れ親子で製作を楽しむ
- 指先で表現をすることを楽しむ
【幼児クラス】
- 子どもと保護者がいっしょに製作遊びを楽しむ
- 保護者と一つのものをいっしょに作る楽しさを味わう
乳児クラスの場合は、信頼している保護者の方との政策を楽しみながら、指や手を使って表現するというねらいが挙げられます。
3歳児などの幼児クラスの場合は、保護者の方と一つのものを作り上げる楽しさを味わったり、達成感を得たりするといったことが挙げられます。
このようなねらいをもとに、保育室に飾れるものや手作りおもちゃなどをテーマにして、保護者といっしょに楽しめるとよいですね。
今回は、親子で作れる保育参観の製作について、乳児向け・幼児向けの年齢別に紹介します。
【乳児クラス向け】保育参観での親子製作のアイデア
まずは、0歳児、1歳児、2歳児の乳児クラス向けの親子製作のアイデアを紹介します。
4人で1つの机で座るようにするなど、子どもと保護者が隣同士で製作を楽しめるように環境構成も工夫していきましょう。
壁面・立体製作
保育室の壁面やそのまま飾れるものを見ていきましょう。
カラフルきのこ
秋にぴったりなカラフルきのこを作りましょう。
<用意するもの>
- 画用紙(桃)
- 画用紙(黄)
- 絵の具
- のり
- ハサミ
- 新聞紙(机に敷いておく)
- 手をふくタオル
<製作のポイント>
事前に画用紙にきのこの形を書いておくと、保護者の方もスムーズにカットできるでしょう。0歳児の子どもであれば指スタンプを手形に変えてもよいかもしれません。
動画では、秋をイメージしてきのこを作っていますが、春は桜、夏は海や魚など保育参観を実施する時期に合わせてテーマを工夫してもよいでしょう。
あおむし
卵のパックを使った立体的なあおむしを作りましょう。
<用意するもの>
- 卵パック
- 折り紙 3色
- 緑色のモール
- 目玉シール
- ハサミ
- 接着剤
- セロハンテープ
<制作のポイント>
卵パックは事前に切り取っておくと製作がスムーズに進むでしょう。接着剤を使うので、子どもがなめたりしないように保護者の方に注意を促すことが大切です。そのうえで、保育士さんも細心の注意を払うようにしましょう。
手作りおもちゃ
ここからは手作りおもちゃを紹介します。
絵合わせ輪投げ
動物などをかいて絵合わせの輪投げを作りましょう。
<用意するもの>
- 紙皿 1枚
- 紙コップ 1個
- ダンボール(画用紙を貼っておく) 1枚
- 鈴
- コンパス
- ハサミ
- テープ
<製作のポイント>
紙皿には、ハサミで切る線を事前に書いておくとよいでしょう。何の絵をかくのかあらかじめに決めておくのもよいですが、当日親子で話し合ってもよいかもしれません。その際は、絵の参考になるような絵本やイラストなどを用意しておくとスムーズに取り掛かれそうですね。
でんでん太鼓
どこでも遊べるでんでん太鼓を作りましょう。
<用意するもの>
- チーズの空き容器 1個
- ボタン 2個
- タコ糸 15cm 2本
- 割り箸
- 折り紙
- のり
- ハサミ
- キリ
<製作のポイント>
キリやハリを使う工程があるため、子どもたちが手の届かいないところに置くなど、危険がないよう配慮しましょう。容器に貼る折り紙は、同じ大きさに切っておくとよいですね。
「子どもたちができるところはお家の方がお手伝いながらいっしょにやってみてくださいね」と言葉をかけながら進めていきましょう。(詳しい説明はこちら)
【幼児クラス向け】保育参観で親子製作のアイデア
次に、3歳児、4歳児、5歳児の幼児クラスで親子製作のアイデアを紹介します。
思い出に残る製作
思い出に残る製作アイデアをみていきましょう。
写真立て
画用紙で作る写真立てを作りましょう。
<用意するもの>
- 画用紙 1枚
- 写真 8枚
- ハサミ
- 鉛筆
- のり
<製作のポイント>
さまざまな色の画用紙を用意し、子どもが好きな色を選べるようにするとよいでしょう。説明だけでわかりにくいかもしれないので、事前に見本を作り完成品をテーブルに置くとイメージが膨らみそうです。
メダル
メダルを作りましょう。
<用意するもの>
- 紙コップ
- 写真
- 鉛筆
- はさみ
- ペン
- 布リボン
<製作のポイント>
事前に紙コップに切る線を書いきましょう。首にかける布リボンは、子どもに合わせた長さで切るように伝えるとよいですね。また、家から好きな写真を持ってきてもらい、メダルを完成させてもよいかもしれません。その場合は、おたよりなどで事前に周知しておくことが大切です。
手作りおもちゃ
続いて、手作りおもちゃのアイデアをみていきましょう。
トコトコ人形
<用意するもの>
- ミシン糸の芯
- 割り箸 1本
- 輪ゴム 2本
- ボタン
- 紙コップ
<製作のポイント>
程は、割り箸を切ったり、輪ゴムを結んだりする工程は保育士さんが事前に作っておくとスムーズに製作が進むでしょう。作る前にはじめに子どもたちが好きな動物を聞くなどすれば、オリジナリティー溢れる作品ができそうです。
ブタさん
<用意するもの>
- 紙コップ 2個
- ハサミ
- ストロー 1本
- テープ
- キリ
<製作のポイント>
各テーブルにテープを置くと、スムーズに製作が進むでしょう。
保育参観前に子どもたちが紙コップに色を塗っておいてもよいかもしれません。保育室内で遊べるため、1月や2月といった寒い時期の保育参観に取り入れてもよさそうですね。
フリスビー
<用意するもの>
- 紙コップ 2個
- ハサミ
- ペン
- マスキングテープ
- ホチキス
- テープ
<製作のポイント>
ホチキスはハリがあるため、子どもが対応するとけがをする危険があります。様子を見ながら保護者の方に行ってもらうよう伝えましょう。
さまざまな色や柄のマスキングテープを用意しておくと、子どもたちの個性が光るフリスビーができそうです。できあがった親子から園庭やホールなど広い場所で遊べるようにしましょう。
(詳しい説明はこちら)
アートアクアリウム
涼しさが感じられる夏にぴったりなアートアクアリウムを作りましょう。
<用意するもの>
- ペットボトルの空き容器 2本
- コットンボール
- 紙コップ
- 画用紙など
- 油性ペン
- のり
<製作のポイント>
ペットボトルをあらかじめ小さく切っておけば、絵を書く工程から始められるため製作がスムーズに進みそうです。ペットボトルの蓋が取れないようにしっかりテープで固定しておきましょう。
(詳しい説明はこちら)
保育参観で製作遊びを取り入れるときのポイント
製作遊びのアイデアがわかったところで、取り入れるときのポイントをまとめました。
年齢より少し難しい題材に挑戦する
保育参観の製作では、保護者といっしょに作ることを想定していつもより少しだけ難しいアイデアを取り入れてみましょう。年齢にあった題材より一つ工程増やしてみたり、保護者のフォローがあれば作れたりするようなものを選んで、一つの製作を作り上げる達成感を味わえるようにするとよいですね。
保護者の方がいない場合のサポートを考えておく
保育参観では、保護者が来られない場合の対応を考えておくことも重要です。
たとえば、園全体の参観の場合他の年齢に兄弟がいることから、製作に参加できないことも考えられます。
保護者の方が来られない子どもがいる場合、子どもが寂しくならないで過ごせるよう体制を整えておきましょう。
保育参観で製作を取り入れるときは、親子で楽しんで作れる題材にしよう
今回は、保育参観の製作遊びについてくわしく紹介しました。
保育参観での製作には、乳児クラスと幼児クラスそれぞれのねらいがあります。
0歳児、1歳児、2歳児クラスはいろいろな素材に触れ親子で製作をすることや、指先を使って表現することを楽しむというのが挙げられます。
一方、3歳児、4歳児、5歳児クラスは、子どもと保護者がいっしょに製作遊びをし、保護者と一つのものをいっしょに作る楽しさを味わうといったねらいが挙げられます。
春や秋といった季節に合うものにする、年齢よりも少し難しい題にするなど、達成感を味わえたり保護者の方といっしょに作れたよろこびを感じられたりできるとよいですね。
あわせて、保護者の方が来られない場合の子どものサポートをすることも大切です。
このコラムを参考にしながら、保育参観に向けて親子で楽しめる製作遊びを取りいれてみましょう。