保育園や幼稚園での遠足の際に役立つバスレク。おもしろいクイズやなぞなぞなどのアイデアを取り入れれば、移動中も子どもたちと楽しく過ごせそうですね。今回は、バスレクをするねらいやシルエットクイズ、なぞなぞ、マルバツクイズなど年齢別のアイデアを紹介します。また、バスレクをする際の注意点もまとめました。
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■目次
保育園でバスレクをするねらい
バスレクとは、バスのなかで行うレクリエーションという意味で、座席についたまま楽しめるクイズやゲームなどの遊びのことを言います。
バスでの移動を伴う遠足は、保育園や幼稚園における3歳児以上の幼児クラスで取り入れられることが多いでしょう。
バスレクをすることで子どもたちと楽しみながら目的地へ向かえるため、保育士さんが事前にアイデアを用意しておけば、実際の行事の際に活躍するかもしれません。
まずはバスレクをするねらいについて、3つ説明します。
車内で安全に過ごす
1つ目のねらいとして、バスの車内で安全に過ごすことが挙げられます。
幼稚園や保育園に通う年齢の子どもたちは、長時間の乗車に飽きてしまい立ち上がったり、落ち着きなく騒いでしまったりするなどのケースも考えられるでしょう。
レクリエーションを用意することで、バスでの移動時間を全員が楽しく、かつ安全に過ごせるかもしれません。
子どもの負担を減らす
2つ目は、子どもたちの体や心の負担を軽減させるというねらいが挙げられます。
バスに長時間同じ姿勢で座っていると、体を痛めてしまったり、乗り物酔いをしてしまったりする子どももいるかもしれません。
その対策として、手遊びやゲームなど体を動かすバスレクを取り入れれば、子どもの負担を減らしたり、気分転換できたりするでしょう。
目的地への期待感を高める
3つ目のねらいとして、遠足の目的地への期待感を高めるということが挙げられます。
たとえば行き先が動物園なら動物にちなんだ手遊びやゲーム、水族館なら魚にまつわるクイズなど目的地にかかわるテーマを取り入れると、子どもたちの期待感を高めたりイメージを膨らませたりすることができるでしょう。
以上のようなねらいをふまえたうえで、ここからはバスレクで活用できるクイズのアイデアを年齢ごとに紹介します。
【3歳児向け】バスレクに使えるクイズのアイデア
3歳児向けのバスレクに使えるクイズのアイデアを紹介します。
3歳児向けのなぞなぞ
3歳児向けのなぞなぞのアイデアです。
3歳児向けには、遠足の目的地にかかわるものや、身近な物を答えとしたなぞなぞを出してみましょう。
なぞなぞに慣れていない子どももいるかもしれないので、簡単なヒントを出したり、近くの友だちと相談して答えてOKとしたりと、様子にあわせて難易度を変えるとスムーズに進むかもしれません。
身近な生きものクイズ
身近な生きものをテーマとしたクイズのアイデアです。
遊び方
出題例1:「毛」がたくさん生えている虫、なーんだ?
答え:毛虫
出題例2:両手に「かま」を持っている虫、なーんだ?
答え:カマキリ
出題例3:空にふわふわ浮いている虫、なーんだ?
答え:クモ
ポイント
3歳児が身近にふれあったことのある昆虫などをテーマとすると、答えのイメージが浮かびやすいかもしれません。また、家庭で飼っていることもある犬や猫などのペットにまつわるクイズもおもしろいでしょう。
シルエットクイズ
ペープサートを使った、シルエットクイズのアイデアです。
用意するもの
- 画用紙
- ペン
- えんぴつ
- 割りばし
- ビニールテープ
- セロハンテープ
- コンパス
- はさみ
ポイント
クイズの答えは、おにぎりや時計など、普段子どもたちが目にしているものにするとスムーズに回答できるかもしれません。
クイズに慣れたら、タコやゾウなど、目的地にかかわる生きもののお題を出してみましょう。
「タコは本当に足が8本あるのかな?水族館に着いたら数えてみようね」といった声かけをすればより関心が深められそうです。(詳しい説明はこちら)
【4歳児向け】バスレクに使えるクイズのアイデア
次に、4歳児向けのバスレクに使えるクイズのアイデアを紹介します。
○×クイズ
4歳児頃から楽しめる、バスのマナーにかかわる○×クイズのアイデアです。
子どもたちには、問題が正しいと思ったら手で大きくマルを作りながら「マルー!」、違うと思ったときは手で大きくバツを作りながら「バツー!」と声を出してもらうようにします。
「席を立ってもいい?」、「窓から手や顔を出してもいい?」といった答えがバツのときは、なぜバツなのかその理由もあわせて話すと、バスにおける約束事を楽しく伝えられそうですね。
後ろ読みあてクイズ
後ろから読んだ言葉が何かを当てるクイズに挑戦してみましょう。
遊び方
出題例1:後ろから読むと、「ごんり」になる食べもの、なーんだ?
答え:りんご
出題例2:後ろから読むと、「カルイ」になる海の生きもの、なーんだ?
答え:イルカ
出題例3:後ろから読むと、「シシノイ」になる動物、なーんだ?
答え:イノシシ
ポイント
まずは簡単な2文字~3文字の短い単語からスタートし、慣れたら4~5文字など文字数を増やして難易度を上げてみましょう。文字数が多くなるほど難しくなるので、子どもたちも夢中になれるかもしれませんね。
わたしは誰でしょう?クイズ
ヒントを徐々に出していく、わたしは誰でしょう?クイズのアイデアです。
このクイズをする際は、保育士さんが「わたし(答え)」になりきってヒントを出していくことがポイントです。難しいヒントから、徐々に簡単なヒントにしていくと、答えを導きやすいかもしれません。
お話だけでクイズを進めるほか、動画のように紙のなかに答えとなるイラストのカードを隠しておくのもよいでしょう。
【5歳児向け】バスレクに使えるクイズのアイデア
次に、5歳児向けのバスレクに使えるクイズのアイデアを紹介します。
5歳児向けのなぞなぞ
5歳児向けの、少し難しいなぞなぞのアイデアです。
5歳児向けのなぞなぞは、簡単なものから徐々に難易度の高いものへとアレンジしてみましょう。
チーム対抗のゲームにしたり、シンキングタイムや友だちとの相談タイムを設けたりすると、子どもたち自身で考えて答えを導き出せるかもしれません。
さまざまな答えが出てきた際は、「どうしてそう思ったのかな?」と尋ねると、子どものイメージを共有するきっかけにもなり、より盛り上がりそうですね。
イントロクイズ
バスのCDプレーヤーなどを利用して、イントロクイズをしてみましょう。
遊び方
1.「クイズ!何の曲でしょう?」と声をかけ、保育士さんがプレーヤーで音楽をかけます。
2.数秒間経ったら一旦停止し、子どもたちに「何の曲かわかったかな?」と尋ね、回答を聞きます。
3.徐々に再生時間を延ばすなどしてヒントを出し、正解が出たら別の曲に変えてくり返します。
ポイント
問題として取り入れる曲は、いつも園で歌っている童謡や、子どもたちが好きなアニメの主題歌などにすると、子どもたちが答えやすくなるかもしれません。クイズをしたあとに、1コーラスだけみんなで合唱すれば、歌の時間も楽しめそうですね。
運転手さんクイズ
バスの運転手さんにちなんだクイズのアイデアです。
遊び方
1.保育士さんが、バスの運転手さんに「好きな食べ物は?」などいくつかの質問をし、回答を聞いておきます。
2.回答を含め、3~4択程度の選択肢を作ります。
3.「運転手さんクイズ!運転手さんの好きな食べ物は何でしょう?1番・オムライス、2番・カレーライス、3番・ラーメン、このなかのどれかな?」とクイズを出します。
4.「◯番だと思う人ー?」と、順番に尋ね、子どもに手を挙げて答えてもらいます。
5.運転手さんに正解を聞いて発表し、何問かくり返します。
ポイント
保育士さんが運転手さんと接するときは、運転の邪魔にならないように配慮することが大切です。出発前、バスの手配をする際に担当の運転手さんとクイズをすることを話しておき、回答を得ておくと準備もしやすいかもしれません。
いじわるなぞなぞ
5歳児向けに、いじわるななぞなぞを出すのもおもしろいでしょう。
遊び方
出題例1:ケロケロと鳴くカエルの子どもの鳴き声はなーんだ?
答え:鳴かない(おたまじゃくしだから)
出題例2:玉手箱のなかに入っている生きものはなーんだ?
答え:タコ(タマテバコの文字のなかにタコがあるから)
出題例3:うさぎとバッタとカラス、話しかけても無視するのは誰でしょうか?
答え:バッタ(虫・無視だから)
ポイント
いじわるななぞなぞは、上記のように少しひねった問題を出してみましょう。
なかなか正解が出ない場合は、少しずつヒントを出したり、相談タイムを設けたりして導くとよいかもしれません。「いま何問目かな?」「先生が昨日食べた夕飯は何だったでしょう?」など、子どもが自由に考えた回答を聞くのもおもしろそうですね。
バスレクでクイズをする際の注意点
最後に、バスレクでクイズをする際の注意点を紹介します。
移動時間に合わせたアイデアを取り入れる
バスレクでクイズをするときは、移動時間に合わせたアイデアを取り入れましょう。
短時間の移動では、クイズがやりきれずかえって慌ただしくなることもあるかもしれません。
移動時間を想定し、その時間内で楽しめる長さのアイデアや問題数を意識して取り入れることが大切です。
一点に注視するアイデアは控える
バスレクのクイズでは、一点に注視するアイデアは控えましょう。
スケッチブックに書かれた文字のお題など、子どもがじっと見たり読んだりしなくてはいけないものは、乗り物酔いにつながることも考えられます。
見せるお題を取り入れる際は、簡単なイラストなどパッと見てわかるものにするなどの配慮をするとよいかもしれません。
バスレクにクイズやなぞなぞを取り入れて、子どもと盛り上がろう
今回は、保育園や幼稚園でバスレクをする際のねらいやクイズのアイデアを紹介しました。
シルエットクイズやなぞなぞなど子どもの年齢に合わせてお題を選ぶと、移動時間も楽しく過ごせるでしょう。移動時間に配慮して、十分にやりきれるアイデアを取り入れることがポイントです。
今回紹介したアイデアを参考にオリジナルでアレンジするなどしながら、バスレクで子どもたちと盛り上がれるとよいですね。