保育で楽しめる野菜スタンプの製作について知りたい保育士さんもいるでしょう。映える野菜の種類や切り方のコツなどをおさえれば、面白い作品を作れるかもしれません。今回は、野菜スタンプのやり方や保育園で行うねらいなどを紹介します。あわせて、夏の風物詩である花火や花束などの製作アイデアをまとめました。

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■目次
野菜スタンプとは?
野菜スタンプとは、本物の野菜の断面を活かしたスタンプのことです。
身近にある野菜を使って気軽にアート体験ができるので、保育に取り入れたいと考える保育士さんは多いかもしれません。
できあがりの模様がおもしろいので、保育士さん自身も子どもといっしょに夢中になれるでしょう。
野菜スタンプの製作を通して、子どもが興味を持ちながら苦手な野菜を克服するきっかけにもなるとよいですね。
まずは、保育園で行う野菜スタンプのねらいについて説明します。
保育園で野菜スタンプを行うねらい
保育園で野菜スタンプを行うことには、次のようなねらいが挙げられるでしょう。
- 野菜の形状や触った感触などに興味を持つ
- 野菜の断面のおもしろさを感じながらスタンプ遊びを楽しむ
- さまざまな色に関心を持ち、創造性を養う
- 手先の器用さを育む
0歳児や1歳児クラスの子どもは、野菜を見たことはあっても、実際に触った経験は少ないかもしれません。
まずは野菜をじっくりと観察することで、その後の活動に興味を持てるようになるかもしれませんね。
スタンプにすると映える野菜の種類
さまざまな種類のなかから、断面図がおもしろくスタンプにすると映える野菜を挙げてみました。
- オクラ
- れんこん
- とうもろこし
- ピーマン
- ゴーヤ
- しいたけ
- きゅうり
- りんごの上の部分
- オクラのヘタ
- れんこんの端
- ピーマンの頭
- 玉ねぎの頭
これらの野菜の断面を活用すると、きれいな模様や花火などに見立てることができそうです。
ほかにも、ほうれん草、青梗菜、小松菜、セロリなどの野菜は、根本の部分をスタンプにすると、花のように見えるでしょう。
いろいろな野菜を用いれば、組み合わせて動物や虫、顔が作れるなど新たな発見があるかもしれませんね。
保育園で行う野菜スタンプの製作のやり方
次に、野菜スタンプを活用した製作のやり方について説明します。
用意するもの
- 野菜
- 新聞紙
- 絵の具
- 紙皿
- 画用紙
- キッチンペーパー
作り方
1.模様が出るように野菜を切ります。
2.数種類の絵の具を、それぞれの色が混ざらないよう紙皿に用意します。
3.(2)にキッチンペーパーを浸して、各色のスタンプ台を作ります。
4.野菜の断面に絵の具をつけます。
5.色のついた野菜を、画用紙に押しつけます。
6.よく乾かします。
7.(6)でできた模様を活かして製作します。
絵の具を濃くすると、しっかりと画用紙に色がつくでしょう。
野菜スタンプでできる模様を工夫して、楽しい製作ができるとよいですね。
保育に活用できる野菜スタンプの製作アイデア

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野菜スタンプの模様を活かして作れる製作アイデアをまとめました。
花火
野菜スタンプの模様で、夏を彩る花火を表現しましょう。
用意するもの
- 野菜スタンプ(数種類)
- 絵の具
- 画用紙(水色・桃色・黄色など)
- 模造紙(黒)
- 折り紙
- のり
- はさみ
作り方
1.丸い形の画用紙に野菜スタンプで模様をつけます。
2.(1)の絵具が乾いたら、夜空に見立てた黒い大きな模造紙に貼ります。
3.キラキラの折り紙をはさみで切り、(2)にのりで貼ればできあがりです。
製作のポイント
保育士さんが、あらかじめ画用紙を丸く切っておきましょう。
幼児クラスでは、画用紙を丸く切る工程から取り組んでもよさそうですね。
蛍光色の絵の具を使えば発色がきれいなので、より花火のように仕上がりそうです。
うちわに貼って、夏祭りに向けた製作にしてもよいかもしれません。
花束
きれいな花束を作りましょう。
用意するもの
- 野菜スタンプ(数種類)
- 絵の具
- 画用紙(白)
- 折り紙(2色)
- のり
作り方
1.画用紙に三角形に切った折り紙を貼り、花束を包む包装紙に見立てます。
2.(1)の余白に、花に見立てた野菜スタンプをおして花束を作ります。
3.折り紙で小さな三角形を2枚作ってリボンに見立て、花束に貼ればできあがりです。
製作のポイント
葉野菜の根元は花のような形をしているので、さまざまな色をつけてスタンプすれば色とりどりの花束を作れるでしょう。
どの野菜を使うと花に見えるのか、子どもたちと考えながら製作するのも楽しそうですね。
ひまわり畑
夏によく見かけるひまわりの花を、たくさん咲かせましょう。
用意するもの
- 野菜スタンプ(とうもろこし)
- 絵の具(黄色)
- 画用紙(白)
- 折り紙(緑)
- のり
- クレヨン
作り方
1.画用紙にとうもろこしのスタンプをおして、ひまわりに見立てます。
2.(1)が乾いたら、茶色のクレヨンで中心を塗り、緑のクレヨンで茎をかきます。
3.折り紙で作った葉をのりで貼ればできあがりです。
製作のポイント
たくさんのひまわりをかき、きれいなひまわり畑を作りましょう。
葉を立体的に作ってもすてきかもしれません。
子どもたちみんなの作品を保育室に飾れば、部屋の雰囲気が明るくなりそうですね。
保育で野菜スタンプの製作をするときのポイント
野菜スタンプを上手に行うコツや楽しめるやり方を紹介します。
野菜の切り方を工夫する
どのように野菜を切るのか、子どもに見せて興味を惹きましょう。
断面が平らになるように切る
断面がでこぼこしていると、画用紙にきれいに色がつかないかもしれません。
できるかぎり平らになるようにまっすぐ切るようにしましょう。
さまざまな角度から切る
同じ野菜でも、切り口を変えることで異なる模様のスタンプが楽しめるということに、子どもはびっくりするかもしれません。
年長児クラスであれば、子ども用の包丁を使って自分で野菜を切るのに挑戦してもよさそうですね。
野菜の断面や形状を観察する
子どもは普段あまり野菜を触る機会がないかもしれません。
絵の具をつける前に、野菜にじゅうぶん触れる時間を設けてみましょう。
野菜によって、匂いや触った感触が違うことに気づけるかもしれません。
複数の色をつけて楽しむ
1つの野菜スタンプに、筆を使って複数の色を着色してみましょう。
グラデーションがきれいなスタンプになるので、仕上がりが美しくなりそうです。
赤と黄色を混ぜたらオレンジになるなど、子どもが色作りの法則を覚えるきっかけにもつながるでしょう。
0歳児や1歳児クラスの子どもは、野菜によってはスタンプを押すことが難しく感じることがあるかもしれません。
保育士さんが子どもの状況を見て、フォローしながら楽しめるとよいですね。
野菜スタンプの製作を通して、保育園で身近な野菜や色に興味を持とう
今回は、野菜スタンプについて、製作のアイデアや上手に作るためのポイントなどをまとめました。
野菜スタンプには、野菜の形や触った感触などを楽しむというねらいがあります。やり方は簡単なので、0歳児や1歳児の乳児クラスの子どもでも夢中になれるでしょう。
さまざまな野菜の断面模様を活かして、何に見えるのか考えながら製作することで、子どもの想像力を育むことができそうです。また、苦手な野菜にも興味をもてれば、食育につながることもあるかもしれません。
保育園で行う野菜スタンプの製作を楽しみながら、子どもがいろいろな野菜に親しめるとよいですね。