保育園で子どもといっしょに遊べる、紙粘土の製作アイデアを探している保育士さんもいるでしょう。軽くて扱いやすい紙粘土は感触や形の変化を楽しめるため、子どもが関心を持ちやすいアイテムといえそうです。今回は、0歳~2歳児の乳児向けのものから、3歳~5歳児の幼児向けのものまで、秋をテーマにした年齢別の製作アイデアを紹介します。
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■目次
秋の紙粘土製作のねらい
自分の手でこねたり伸ばしたり、いろいろな形を作れる紙粘土製作は、子どもに人気のある保育活動のひとつでしょう。
保育園で秋の紙粘土製作を取り入れるねらいとしては、以下の内容が考えられます。
- 粘土の感触や重さを感じながら、秋のモチーフにを変化させることを楽しむ
- 自分のイメージ通りに秋らしい作品を作る面白さを感じる
- 手や指先の動かし方などを知り、身体の運動機能を促す
紙粘土製作は、丸めたりつぶしたり、さまざまな方法で好きな形を作ることができるため、子どもの発想力を養うことができそうです。
また、園児の年齢にあわせて扱う粘土の固さを変えることで、子どもが扱いづらさを感じずに製作に集中できるでしょう。
紙粘土の特徴
紙粘土は、一般的に「パルプ」「水」「のり」と3つの材料で作られており、とても軽いため小さな子どもが扱いやすい特徴があります。
乾燥させることで固まる性質があることから、製作に使用しない粘土はラップなどでくるみ、水分の蒸発を防ぐとよさそうです。
また、紙粘土は好きな色をつけて楽しむことができます。
絵具を練り込んだり、乾燥したあとに作品の上から色を塗ったりと、用途にあわせて着色することができ、保育園での製作遊びに取り入れやすいでしょう。
乳児クラスでは、製作の際に子どもが紙粘土を口に入れてしまう可能性があるため、小麦粉を使った粘土を使うとよさそうです。紙粘土よりも柔らかいため、手の力が弱い低年齢の子どもでも楽しみやすいかもしれません。
小麦粉のアレルギーがある子どもがいる場合は、取り扱いに充分注意しましょう。
【0歳児・1歳児向け】秋の紙粘土製作アイデア
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ここでは、低年齢の子ども向けの製作アイデアを紹介します。
型取り遊びをしよう♪
用意するもの
- 紙粘土
- 絵の具
- 筆
作り方
1.紙粘土をこねて伸ばして板状にします。
2.(1)に手形や足形を自由につけます。
3.粘土が乾いたら、上から好きな絵の具を塗ってできあがりです。
製作のポイント
粘土が固くならないうちに、手足の型をとりましょう。子どもが自由に型をとって、粘土の板に模様をつけます。
絵の具は筆で塗るか、手や足でスタンプして色をつけても面白い仕上がりになるでしょう。
また、手形・足形の横に、紅葉やイチョウの葉をちりばめると秋の雰囲気が感じられる仕上がりになるでしょう。
お団子でお月見しよう♪
用意するもの
- 紙粘土
- 牛乳パック
- 紙皿
- 折り紙
- テープ
- はさみ
- のり
作り方
<三方の作り方>
1.牛乳パックをはさみで切って十字に開きます。
2.牛乳パックの内側が表面にくるように裏返して組み立て、テープで固定します。
3.(2)に折り紙をのりで貼りつけて装飾します。
4.牛乳パックの口の淵にのりをつけて、紙皿を貼りつけます。
<お団子の作り方>
5.紙粘土をこねて、手のひらサイズのお団子を複数作ります。
6.お団子ができたら(4)の紙皿の上にのせて、できあがりです。
製作のポイント
三方は保育士さんがあらかじめ用意しておきましょう。また、子どもがお団子を作りやすいように紙粘土を小さなサイズにちぎって渡すと、スムーズに進められるかもしれません。
紅葉などの落ち葉を添えると秋の雰囲気が感じられますね。
秋の味覚を作ろう♪
用意するもの
- 紙粘土
- 絵の具
作り方
<ぶどうの作り方>
1.紙粘土を丸めてぶどうの実を複数個作ります。
2.1房のぶどうの形になるように、(1)をくっつけます。
3.粘土でぶどうの茎や葉の形を作って(2)につけます。
4.(3)が乾いたら、色をつけてできあがりです。
<栗の作り方>
5.手の平サイズのお団子を作ります。
6.栗の形になるように、手のひらで少しずつつぶしながら、形を整えます。
7.粘土で棒を作り、手のひらでつぶします。
8.(6)の下の部分に(7)を巻きつけて、栗の下の部分を作ります。
9.(8)が乾いたら、色をつけてできあがりです。
製作のポイント
(2)や(7)(8)は保育士さんが見本をみせながら、子どもといっしょに作るとよいでしょう。
あらかじめ、絵の具を練りこんだ粘土を用意しておくと、あとから着色する必要がないため、小さな子どもでも手軽に作品を作ることができそうです。
【2歳児・3歳児向け】秋の紙粘土製作アイデア
ここでは、2歳児や3歳児が楽しめる製作アイデアを紹介します。
秋のケーキを作ろう♪
用意するもの
- 紙粘土
- ボール
- 水
- 袋
- ゴムベラ
- 牛乳パック
- どんぐり
- 落ち葉
- ビーズ
- はさみ
製作のポイント
ケーキの型は、保育士さんがあらかじめ牛乳パックを切って組み立てておくとよいでしょう。生クリームをイメージした白いケーキの他に、粘土に絵の具を練りこんで、チョコレートやストロベリーケーキを作ってもよいですね。
2歳児の場合は、クリームのデコレーションが難しい場合もあるため、保育士さんがサポートするとよさそうです。3歳くらいになると、自分でクリームを絞ることができる子どももいるため、いっしょに進めるとよいかもしれないですね。
デコレーションの際、ケーキにどんぐりをのせたり、色づいた落ち葉をちぎって上からちらしたりすると、秋の雰囲気が感じられる仕上がりになるでしょう。(詳しい作り方はこちら)
小枝でハリネズミを作ろう♪
用意するもの
- 紙粘土
- 短く切った小枝
- 絵の具
作り方
1.紙粘土をこねて、手のひらサイズのハリネズミの形を作ります。
2.(1)の頭の上と身体の部分に、小枝をさしていきます。
3.粘土で耳と顔のパーツを作って(2)につけます。
4.(3)が乾いたら、絵の具で色をつけてできあがりです。
製作のポイント
小枝は保育士さんがあらかじめ短く切って準備しておきましょう。安全性を考えて、先端部分が尖っているものは避けるとよさそうです。
アレンジとしてハリネズミの体の部分を松ぼっくりに置き換えても、かわいらしい仕上がりになるでしょう。いろいろなバリエーションのハリネズミを作って並べても、楽しめますね。
どんぐり好きのリスを作ろう♪
用意するもの
- 紙粘土
- どんぐり
- 太めの枝2~3本
- 麻ひも
- 絵の具
作り方
1.紙粘土をこねて、リスの形を作ります。
2.(1)の手の部分にどんぐりをのせます。
3.枝を束ねて平らにして麻ひもでしばります。
4.(2)を(3)の上に置いて、木の上にリスが乗るイメージで足部分の粘土と枝を固定します。
5.(4)が乾いたら、絵の具で色をつけてできあがりです。
製作のポイント
(3)の工程は、保育士さんがサポートしながら進めるとよいでしょう。
アレンジとして、リスがどんぐりを食べているように手の位置を変えたり、頬の部分を丸く作ってどんぐりを頬張っている姿を作ったりしてもかわいいですね。リスの周りに、落ち葉やどんぐりをたくさん置くと、秋の雰囲気を味わえる作品になりそうです。
【4歳児・5歳児向け】秋の紙粘土製作アイデア
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ここでは、4歳児や5歳児クラスが楽しめる製作アイデアを紹介します。
おしゃれなペン立てを作ろう♪
用意するもの
- 紙粘土
- 空き瓶
- 麻ひも
- おはじき
- シール
- リボン
- 接着剤
製作のポイント
おはじきやシールの代わりに、どんぐりや落ち葉など自然の植物を使うと秋の季節が感じられる作品になるでしょう。
あらかじめ絵の具で色をつけた粘土を使ったり、練りこむ際に複数の絵の具を使ってマーブル模様の粘土を用意したりすると、面白いかもしれません。(詳しい作り方はこちら)
みんなで飲みたいフラペチーノを作ろう♪
用意するもの
- 紙粘土
- 絵の具
- ガラス絵の具
- カップ容器
- しぼり袋
- ゴム手袋
- ボウル
- ストロー
製作のポイント
絵の具はさまざまな色を使って、いろいろな味のフラペチーノを作るとバリエーションが増えて楽しめるでしょう。ガラス絵の具がない場合は、のりに絵の具を混ぜるとよいかもしれないですね。
黄色や紫の絵の具を使って、栗やぶどうなど秋の味覚を代表する味のフラペチーノを作ることもできるでしょう。季節限定メニューを作成しても面白いかもしれないですね。
ビーズやちぎった折り紙などをのせて、トッピングをするとかわいい仕上がりになりそうです。4歳児以上のクラスであれば、できあがったフラペチーノを並べて、お店屋さんごっこを楽しんでもよいかもしれません。(詳しい作り方はこちら)
秋のマグネットを作ろう♪
用意するもの
- 紙粘土
- マグネットシール
- 絵の具
作り方
1.粘土で紅葉とトンボの形を作ります。
2.(1)の裏に、マグネットシールの淵を粘土で埋めてとりつけます。
3.(2)が乾いたら、絵の具で色をつけてできあがりです。
製作のポイント
紅葉やトンボの他に、キノコやかぼちゃ、柿やどんぐりなど秋のモチーフを作ると、見た目もにぎやかになって楽しめるでしょう。
モチーフが大きくなりすぎると、マグネットシールの強度では粘土の重さを支えきれない可能性があるため、サイズに注意するとよさそうです。
子どもが「秋」をテーマにして好きな形のモチーフを作り、お互いの作品を紹介しあっても面白いかもしれません。
保育園の紙粘土製作で、秋を感じる作品づくりを楽しもう
今回は、保育園で楽しめる紙粘土製作について紹介しました。
紙粘土は、さまざまな作品を作ることができるため、子どもの発想力を養い、製作を楽しむことができるでしょう。好きな色や飾りを使って装飾をすることで、世界に1つだけのオリジナルの作品ができあがりそうです。
紙粘土を使って、子どもといっしょにバリエーション豊かな作品を作りましょう。
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