入園時や休み明けなどに多い「登園しぶり」の対応に困る保育士さんもいるかもしれません。保護者の方と離れられなかったり、泣いていたりすると接し方に迷うこともあるでしょう。今回は、「新しい環境への不安」「生活リズムの変化」など登園しぶりの原因や子どもと保護者への対応方法を詳しく紹介します。
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登園しぶりの対応に困る保育士
登園しぶりとは何らかの理由で子どもが「園に行きたくない」「保育園の中に入りたくない」と登園を拒否する状態のことを言います。
特に入園・進級時の1〜2週間や長期の休み明けなどに保護者の方と離れる寂しさから、泣いてしまう子どもが多いかもしれません。
保育士さんは子どもたちが気持ちを切り替えるように笑顔で対応するものの、接し方がわからずに悩むこともあるでしょう。
登園しぶりとなる原因を把握して、子どもたちが笑顔で園生活を送ることができるように、対応方法を考えられるとよいですね。
登園しぶりが起こる原因
まずは登園ししぶりが起こる原因を紹介します。
新しい環境に適応できない
入園や進級時は環境の変化になかなか適応できず、登園を拒否する子どもがいるでしょう。特に1歳〜3歳頃は、人見知りや場所見知りなどで不安を抱く場合もあるかもしれません。
また、進級時には、新しい担任や友だちと上手くコミュニケーションをとれないことで登園しぶりが起こる可能性があるでしょう。
保護者と離れることがさみしい
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保護者と離れることに寂しさを感じて登園を拒否する場合も多いものです。
入園当初はわからなくても、徐々に「保育園はお母さんと離れ離れになる場所だ」と認識して、登園前に自宅で泣き出してしまうこともあるようです。
特に2歳以降に入園する場合は、それまで一日中いっしょにいたお母さんと離れてしまうことに不安を感じて「保育園に行きたくない」「お母さんと離れたくない」と言葉で伝えることもあるでしょう。
生活リズムに問題がある
休み明けは生活リズムが戻らず、眠かったり、機嫌が悪かったりして登園を拒む場合がありそうです。
体調が優れない場合もあるため、子どもたちの様子を注意して見る必要があるでしょう。
園で嫌なことがあった
園で嫌なことがあったときに、登園したくないという気持ちを表す場合があるかもしれません。
行事の練習が上手くいかなかったり、嫌いな遊びに参加したくなかったりと、さまざまな理由で登園をしぶることもあるようです。
友だちと仲よくすることが難しい
友だちと仲よく遊べないことに不安を感じて登園を拒否することもあるでしょう。
特に年長クラスになると仲がよい子とグループになって遊ぶことも多くなります。その際に友だちができなかったり、自分の気持ちを伝えることが難しかったりすると、登園に対して前向きになれないケースもあるかもしれません。
保育士が登園しぶりに対応する方法:子ども編
原因を把握する
まずは子どもたちの様子をきちんと観察して登園しぶりとなる原因を把握しましょう。
入園時や休み明けは保護者と離れることに寂しさを感じている子が大半ですが、環境に慣れてきた頃に登園を拒否する場合は、園生活や友達関係が原因の可能性があります。
また、子どもの中には登園拒否の原因を担任に話したくても、友だちや周りの大人に聞かれたくないと感じることもあるでしょう。空いている保育室などを使って1対1の状況を作り、話ができる環境を整えることも大切かもしれません。
好きな遊びに誘う
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登園時に保護者の方と離れることができない場合、「車のおもちゃで遊ぼうか」「おままごとしよう」など子どもの興味をひく遊びに誘うとよいでしょう。
入園前に子どもの好きな遊びをあらかじめ確認する園もあるようです。好きなキャラクターや食べ物の話をして、登園が楽しみになるように接しましょう。
園生活の見通しが立つようにサポートする
子どもの中には、同じ行動を繰り返し行えば、安心して園生活を送ることができる場合もあります。
登園後に「まずは靴を脱いで次に保育室に行こうね…」とひとつひとつの行動を保育士さんといっしょに取り組み、時系列に見通しを立てられると、登園しぶりがやわらぐかもしれません。
子どもたちの様子を見ながら、対応方法を工夫していきましょう。
保育士同士で連携する
子どもが登園拒否している場合は、その様子を保育士同士で共有することも大切です。勤務時間によっては、子どもが登園したときに担任が対応できない場合もあるでしょう。
子どもたちの様子や登園しぶりの原因を共有し、園全体でサポートできるような体制を作れるとよいですね。
保育士が登園しぶりに対応する方法:保護者編
登園後に保育園に長居しないことをお願いする
入園や進級時は、保護者と離れたくない一心で泣いている子どももいるでしょう。保護者の姿が見えていると気持ちが切り替えにくい場合もあるかもしれません。子どもたちが登園後にスムーズに保育室に入ることができるよう、保護者の方には長居せず、対応を任せて欲しいことを伝えてみましょう。
なかなか子どもが気になって離れられない保護者の方もいるかもしれません。その場合は、気持ちを汲み取りながら、「大丈夫ですよ」「昨日も泣いた後に元気に遊んでいました」など安心できる声かけを意識するとよさそうです。
連絡をこまめにとる
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登園しぶりの際は、保護者へのケアを大切にして、こまめに連絡をとることを心がけましょう。
慣らし保育期間は、働き始めたばかりの保護者の方も多いかもしれません。不安を抱いている場合はその気持ちを受け止められるよう、登降園時などに会話する時間を設けましょう。
家庭の様子を把握する
0歳〜3歳ごろまでは自分の気持ちを言葉で話せず、態度や行動で表す子どもがいるでしょう。泣いていることが多く、どのように対応すればよいか迷う保育士さんもいるかもしれません。
子どもたちの変化を見落とさないように保護者の方から家庭の様子を詳しく聞いて、一人ひとりの性格や興味のある遊びなどを知ることも大切です。
保護者の方も登園しぶりに誠実に対応する保育士さんの姿勢を見れば、「この園を選んでよかった」「安心して子どもを任せられる」という気持ちを抱いてくれそうですね。
登園しぶりに対応して保育士として成長しよう
特に新人保育士さんは経験が浅いことから、登園しぶりの対応方法に迷うこともあるでしょう。
「どうすれば泣き止むかな」「設定保育が始まってしまう。どうすればいいのだろう」と不安を抱く方もいるかもしれません。
先輩保育士さんと協力しながら経験を重ねれば、徐々に対応の仕方が身につくでしょう。
子どもたちの楽しい園生活を支えることができるよう、保護者や子どもに寄り添った対応方法を考え、保育士として成長できるとよいですね。
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