心機一転、新しい園へ転職をする際に避けたいのが「ブラックな保育園」ですよね。なかには「休みが取りづらい」「残業が多い」など、職場環境がよくない保育園もあるようです。今回は、これから転職する保育士さんに向けて、ブラックな保育園の特徴を紹介します。また、求人探しや園見学の際に役立つ見分け方もまとめました。

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■目次
ブラックな保育園を見分けよう
「ブラック企業」という言葉を耳にしたことがある保育士さんは多いでしょう。
そもそも職場環境における「ブラック」とはどういった状態なのかご存じですか?
一般的に言われる「ブラック企業」とは、法外な長時間労働や賃金の未払いなど、不適切な労働環境を従業員に強いている企業を指します。
ブラックな企業で働いていると精神的・肉体的に疲弊してしまい、仕事がままならなくなることも。
こうした職場は誰しもが避けたいものですが、保育業界にもブラックな体質の保育園はあるようです。
今回は、「職場環境がよいところで働きたい!」という保育士さんのために、ブラックな保育園の特徴とともに、転職活動の際に見分ける方法を紹介します!
ブラックな保育園の特徴とは?

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では早速、ブラックな保育園の特徴を見ていきましょう。
①労働時間が長い
まず1つ目の特徴として「労働時間が長い」ことが挙げられます。
1日数分程度ではなく、長時間の残業が当たり前になっている保育園があるよう。
保育士さんからは、「終わらなかった仕事を家に持ち帰ってやっている」といった声も聞かれます。
慢性的な人手不足であったり業務が効率化されていなかったりする園では、仕事量が多い分保育士さんの労働時間が長引いているケースがあるようです。
②残業代が適切に支払われない
2つ目の特徴として、「残業代の未払い」が挙げられます。
本来勤怠管理はしっかりと行われるべきものですが、なかには手書きで出退勤の時刻を記録するなど、適切に勤怠が管理されておらずサービス残業が当たり前になっている園もあるようです。
また、持ち帰り仕事が常態化している園ではその分の時間が残業としてカウントされないため、「本来働いている分の残業代が支給されない」「支給されたとしても少額」などブラックな状態になってしまいます。
③有給休暇を使えない

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3つ目の特徴として、「有給休暇を希望通りに取れない」ことが挙げられます。
本来、有給休暇は労働者の権利として原則好きなタイミングで取得できることになっています。
しかし、なかには有給休暇を自由に使わせてもらえない園もあるようです。
「人が足りないから」「今は忙しいから」などを理由として保育士さんに希望通りの休みを与えない園は、ブラックと言えるでしょう。
④仕事内容・量に比べて給料が安い
4つ目の特徴として、「仕事内容・量に見合わない給料」が挙げられます。
たとえ労働時間が長かったり仕事量が多かったりしても、相応の給料が支払われていれば働き方に満足できる方はいるでしょう。
しかしブラックな保育園では、保育士さんに対し、長時間労働や膨大な仕事量に見合わない安い給料が支払われているようです。
⑤常に人手が足りていない
5つ目の特徴として、「慢性的な人手不足」が挙げられます。
ブラックな体質の園では保育士さんが離職しやすいため、常に人手が足りていないことも。
その結果、「休みが取りづらい」「業務量が多い」「休日出勤がある」など、保育士さんにとって働きにくい労働環境ができあがっていることが考えられます。
ほかにも、園長や主任の指導が厳しく、保育士さんが精神的に疲弊してしまうような環境がある場合も、ブラックな保育園と言えるでしょう。
入職前に知っておきたい!ブラックな保育園の見分け方

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入職してから「実はブラックな保育園だった…」とならないために、入職前に見分けるポイントをまとめました!以下に紹介する内容をチェックしたうえで転職先を選びましょう。
求人を見るとき
☑常に求人が出ていないか
いつも求人が出ている園は、ブラックな体質が原因で「保育士さんの離職率が高い」「常に人手不足」な園である可能性があります。
また、条件が悪く人がなかなか集まらないケースも。あまりにも古い求人があった場合は避けるのがベターと言えます。
☑給料の記載が詳細か
給料に関してくわしく記載されているかもチェックしておきたいポイントです。
月給だけでなく、基本給や手当などの内訳が書いてあると安心ですね。また、残業代の支払い方について書かれているかもきちんと見ておきましょう。
加えて、月収例や年収例だけが記載されている求人がありますが、これには注意が必要です。
記載されている金額はあくまでも例なので、入職後に「これくらいしかもらえないのか…」とギャップを感じる可能性があります。
特に給料に関して記載がぼかされている保育園はブラックである可能性が高いので、求人票をきちんと確認しましょう。
☑有給休暇の取得実績が書かれているか
先述したように、休みが取りづらい園はブラックな可能性があるため、有給休暇の取得実績もチェックしておきましょう。
このとき、具体的な数字で示されているかどうかがポイントです。「休みが取りやすい」「連休の取得も可能」だけだとあいまいで実態が分かりません。
「昨年度実績で消化率90%以上」など、くわしい実績が書いてあると休みを取りやすい環境であることが伺えますね。
園見学や面接のとき

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☑勤怠の記録を取っているか
先ほどお伝えしたように、ブラックな保育園では職員さんの勤怠管理がずさんで、サービス残業や長時間労働が当たり前になっているケースがあります。
そのため、職員さんの労務管理がきちんと行われているかをチェックしましょう。
ICTシステムで正しく勤怠が管理されていれば、残業削減に取り組んでいたり、残業代が適切に支払われていたりする園であることが考えられます。
☑保育士同士の雰囲気がよいか
保育士同士の雰囲気も確認しておきましょう。
職場の人間関係のよさは、働きやすさに直結するポイント。ギスギスした雰囲気がないか、職員さん同士が助け合って業務に取り組んでいるかなどをチェックしておくとよいかもしれません。
また、保育士さんの人数や年齢層なども見ておくと、自分がその園に馴染めそうかを判断するのにも役立ちそうですね。
☑施設の管理が行き届いているか
保育園の施設管理が行われているかもチェックしておきましょう。
たとえば設備が老朽化していたりおもちゃが壊れていたり、清掃が行き届いていなかったりと、保育に適した環境が整備されていない園では、「人手が足りていない」あるいは「忙しくて手が回っていない」ことが考えられます。
そういった園は保育士さんだけでなく、子どもにとってもよい園とは言えない可能性があるため、入職前に見極めておきたいですね。
今の保育園はブラックかも…よい職場環境で働くには?

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ここまで読んで、「いま勤めている園はもしかしたらブラックなのかも…」と思った保育士さんもいるかもしれません。ここでは、職場環境がよいところで働くためにできることを紹介します。
園長や労務担当に改善を働きかける
今の園の職場環境がよくないと感じる場合は、園長先生や運営元の労務担当に話をしてみましょう。
特に複数園を運営している法人や株式会社などの場合、本部が現場の実態を知らないケースもあるかもしれません。
「忙しくて手が回っていないから、もう少し人を雇ってほしい」など一度相談してみることで、環境が改善される可能性もあります。
自分一人では話しづらい場合は、同僚といっしょに働きかけてみるとよいですね。
新しい園へ転職する
改善を働きかけても職場環境がよくならない場合は、新しい園へ転職するのも一つの手です。
先述した見分け方を参考に職場環境がよい「ホワイト」な保育園を探してみましょう。
「自分で探すのが難しい」「よい園を見つけられるか心配」といった場合は転職エージェントを利用すると便利ですよ。
アドバイザーは保育園の内部情報を知っているので、勤務時間や休みの取りやすさなどについて相談してみるとよいでしょう。
ブラックな保育園を見極めて、気持ちよく働ける転職先を見つけよう
今回は、ブラックな保育園の特徴や見分け方を紹介しました。
ブラックな保育園の特徴として挙げられるのは、「労働時間の長さ」や「休みの取りづらさ」など。
こういった特徴がある園で働き続けると、精神的にも肉体的にも消耗してしまうため、転職先選びの際はしっかりと見極めることが大切です。
現在ブラックな保育園に勤めている保育士さんは、一度改善を働きかけてみましょう。それでも環境がよくならない場合は、気持ちよく働けるホワイトな園への転職を検討してみてくださいね。
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