異年齢保育で楽しめる室内遊びアイデアを知りたいという保育士さんもいるでしょう。年齢が異なる子どもたちがいっしょに参加できる製作やゲームを取り入れる必要がありますよね。今回は異年齢保育で室内遊びを行うねらいや遊びアイデアを紹介します。乳児(0歳児~2歳児)と幼児(3歳児~5歳児)の縦割りクラス別にまとめました。
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異年齢保育で室内遊びを行うねらい
異年齢保育は、乳幼児期のさまざまな年齢の子どもたちが同じグループやクラスで生活したり、遊んだりすることを意味します。
別名「縦割り保育」と呼ばれ、乳児クラス(0歳児〜2歳児)と幼児クラス(3歳児〜5歳児)の2つに分けて活動することも多いでしょう。
異年齢保育では園生活を豊かにするためにさまざまな室内遊びを取り入れることも大切です。
年齢が異なる子どもたちがいっしょに室内遊びを行うねらいは以下の通りです。
- 異年齢の子ども同士で交流を楽しむ
- 年齢が違う子どもと接することで社会性や協調性を養う
- 製作・運動遊びを通して創造力や達成感を味わう
例えば、乳児(0歳児~2歳児)の縦割りクラスでは2歳の子が0歳の子を抱っこしたり製作やゲームへの参加のサポートをしたり、やり取りを楽しむ場面も多いかもしれませんね。
また、幼児(3歳児〜5歳児)の縦割りクラスでは、3歳の子が5歳児の頼もしい姿を真似たり5歳児が4歳児にルールを教えたりする機会もありそうです。
年齢が異なる子ども同士で室内遊びを楽しむことで、コミュニケーション力や発想力なども育むことができるでしょう。
異年齢保育で室内遊びを見守るポイント
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続いて、異年齢保育における室内遊びにおいて保育士さんが子どもたちを見守るポイントをまとめました。
安全な環境を用意する
まず、子どもたちが安全に遊べることができるよう、環境を整えることが大切です。
特に乳児クラスでは、ゴミやおもちゃのパーツなどを口に入れてしまう可能性もあるでしょう。
事前に職員同士で危険なものはないかチェックし合うことも重要ですね。
また、幼児クラスでは広範囲のスペースが必要な遊びを取り入れることもあるかもしれません。
きちんとテープで遊びの範囲を囲み、危ない場所がないかチェックして机や椅子の配置も考えておきましょう。
子ども同士の関わりの機会を大切にする
室内遊びを楽しむ中、子ども同士でさまざまなコミュニケーションをとることでしょう。保育士さんはその様子を見守り、必要に応じて声かけや援助を行うことが大切です。
ケンカやトラブルがあった場合も子どもたちが主体的に行動できるよう、適切なタイミングを考えたうえでサポートしていきましょう。
活動内容を振り返り今後に活かす
年齢差によって上手く活動内容が理解できなかったり、遊びが簡単すぎて飽きてしまったりと不満を抱く子どももいるかもしれません。
保育士さんはその都度活動を振り返り、子どもの様子にあわせてこれから取り入れる遊びが適切か判断していく必要があるでしょう。反省をふまえてねらいの見直しを行い、導入方法や遊びの進め方も工夫できるとよいですね。
異年齢保育の室内遊び【乳児縦割り向け】
0歳~2歳児の縦割りクラス向けの室内遊びを紹介します。
製作遊び編
プチプチスタンプ
<用意するもの>
- 段ボール
- はさみ
- カッター
- 緩衝材
- テープ
- 絵の具
<製作ポイント>
異年齢児の子を組み合わせてグループを作り、交流が持てるように環境設定を工夫するとよいかもしれません。大小違う形のスタンプを用意して年齢に合わせて掴みやすいものを用意しておくとよさそうです。(詳しい作り方はこちら)
毛糸ミノムシづくり
<用意するもの>
- 毛糸
- 画用紙
- たこ糸
- 両面テープ
- セロハンテープ
- ハサミ
- 丸シール(貼るみのむしのみ)
<製作ポイント>
1歳児〜2歳児さんには毛糸を貼ったり巻いたりする部分を頼み、0歳児さんには丸シールを貼る工程に取り組んでもらったりと年齢に合わせて役割分担を意識するとよさそうです。
運動遊び編
風船集めゲーム
風船の集めを楽しめる異年齢向けの遊び方を紹介します。
<遊び方>
1.園の中にいくつか風船を置いて子どもたちに座ってもらいます。
2.「よーいドン!」の合図で音楽が止まるまで風船を園の外のかごに入れておきます。
3.1歳児・2歳児さんは0歳児さんを抱っこしたりいっしょに風船を運んだりとスキンシップを取ります。
4.(2)と(3)を繰り返して遊びます。
音楽を流すことで小さな子もルールを理解しやすいでしょう。風船はハートや星などさまざまな形を用意しても盛り上がりそうですね。
楽しいハイハイ山登り
マットを使った異年齢向けの運動遊びを紹介します。
<遊び方>
1.マットを丸めて縄で結び土台を作ります。
2.もう1枚のマットを上からかぶせて山を作ります。
3.歩いて登るのではなくハイハイをして登り、降りるときはお尻つけて滑り降ります。
マットのうえを歩いて登ると他の友だちの手を踏んでしまう可能性があるため、「ハイハイルール」をきちんと伝えるとよいですね。0歳児さんのお尻を手で押して登るサポートをするなど協力して楽しむ姿が見られそうです。
異年齢保育の室内遊び【幼児縦割り向け】
3歳~5歳児の乳児クラス向けの室内遊びを紹介します。
製作遊び編
カラフルジュース作り
<用意するもの>
- 画用紙
- カラーフィルム
- スポンジ
- 絵の具
- 折り紙
- はさみ
- のり
<製作ポイント>
3歳児さんの中にはのりの使い方に慣れていない子もいるかもしれません。4歳児さんや5歳児さんがきっとサポートしてくれるので保育士さんはすぐに援助するのではなく見守ることを意識するとよいですね。
紙コップクラッカー
<用意するもの>
- 紙コップ
- 割りばし
- 輪ゴム
- アルミホイル
- コットンボールや折り紙など
- はさみ
- ボールペン
<製作ポイント>
割りばしに結び付ける工程は5歳児さんも難しいかもしれません。保育士さんが子どもたちの様子を見ながら必要に応じてサポートしていきましょう。
運動遊び編
的当てゲーム
5歳児さんに製作を頼んでみんなで的当てゲームを楽しみましょう。異年齢の子を組み合わせてグループを作り、互いに応援しながらふれあいを楽しめるとよいですね。
しっぽ取りゲーム
子どもに大人気!しっぽ取りゲームの異年齢児向けの遊び方を紹介します。
<遊び方>
1.逃げる範囲(円)を決めおき、鬼と「逃げるグループ(異年齢組み合わる)」に分かれます。
2.「逃げるグループ」には1人ずつ服と身体の間にしっぽに見立てたタオルをはさみます。
3.スタートの合図で鬼にしっぽを取られないように逃げます。
4.しっぽを取られてしまった人は円の外に出ます。
5.ゲームが終了し、しっぽを取られずに残った子が多いグループの勝ちです。
鬼にしっぽを取られても互いのグループを応援することでやり取りを楽しむことができるでしょう。
互いに抱っこしたり手をつないだりして互いを守る姿が見られるかもしれません。
異年齢保育で室内遊びを楽しもう
異年齢児保育において室内遊びは子どもたちがコミュニケーション力を育み、思いやりや協調性を学ぶ大切な機会となるでしょう。
保育士さんは声かけのタイミングなどを考え、子どもの主体性を大切にしながらサポートしていきましょう。
また、異年齢保育を取り入れた園で働く中で「さまざまな保育観を学びたい」と保育士としてスキルアップを考える方もいるかもしれません。
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