幼稚園の預かり保育とは?一時保育との違いや内容、必要な資格について

幼稚園の預かり保育についてご存じでしょうか。簡単に説明すると、幼稚園や認定こども園の教育時間終了後に、延長で子どもを預かる制度のことです。保育園の一時保育と混同されやすいため、違いをきちんと理解しておきましょう。今回は、預かり保育とは何か、制度の概要や必要な資格、一時保育との違いなどを紹介します。


子どもをお迎えにきたお母さん

maroke/shutterstock.com

 

預かり保育とは

幼稚園で行われる預かり保育とはどのようなものでしょうか。くわしく解説します。

 

預かり保育の概要

 

預かり保育とは、幼稚園が通常の教育時間外に子どもたちを預かることを言います。

 

「地域子ども・子育て支援事業」の一環として自治体を主体として行われており、幼稚園や認定こども園で実施されています。

 

本来幼稚園は朝9時から14時ごろまで教育活動を実施していますが、規定の教育時間以外の朝や夕方の時間帯に延長として子どもを預かります。

 

対象となるのは主に在籍している園児で、平日以外の土曜日や長期休暇期間にも行われるようです。

 

預かり保育を行う幼稚園の割合

 

近年は、少子化や核家族化に伴って子どもたちが同年代の子と交流できる機会が少なくなってきていることもあり、預かり保育へのニーズが高まっているようです。

 

文部科学省の資料によると、令和元年度に預かり保育を実施している幼稚園は全体の87.8%にものぼっていることが示されています。

 

また、私立と公立それぞれを見ると、私立では96.9%、公立では70.5%の園が預かり保育を行っているようです。

 

このことから、預かり保育ニーズの高まりとともに、実施する幼稚園が増えることが予想されるでしょう。

 

文部科学省による預かり保育の位置づけ

 

文部科学省が告示している幼稚園教育要領において、預かり保育は「教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動」と位置づけられています。

 

預かり保育は、「保育」という名称がついているものの、学校教育法に示される幼稚園教育の基本をふまえて実施することが定められています。

 

また、2008年に告示された幼稚園教育要領では、新たな幼稚園の役割として「子育て支援」が追加されました。

 

そのため、預かり保育は幼稚園が行う「子育て支援」の一環として実施されるものとして位置づけられることもあるようです。

 

預かり保育の無償化について

 

預かり保育を利用する子どもも「幼児教育・保育の無償化」の対象となっています。

無償化の対象となる子どもは、共働き家庭やシングル家庭などで、居住する市町村から「保育の必要性」の認定を受ける必要があります。

 

対象となると、幼稚園保育料だけでなく1カ月あたり1万1300円までの範囲で利用料が無償化されるようです。

 

出典:一時預かり事業(幼稚園型)について/内閣府

出典:令和元年度 幼児教育実態調査/文部科学省

出典:幼稚園における子育て支援活動 及び預かり保育の事例集/文部科学省

出典:教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動(いわゆる預かり保育)及び子育ての支援 関係資料/文部科学省

出典:幼稚園、保育所、認定こども園等の無償化について/内閣府

預かり保育と一時保育の違い

幼稚園で行われるものを預かり保育、保育園で行われるものを一時保育と言います。

 

内閣府の「子ども・子育て支援新制度について」の資料によると、預かり保育と一時保育は「一時預かり事業」として以下のように定義されています。

 

家庭において保育を受けることが一時的に困難となった乳幼児について、主として昼間において、認定こども園、幼稚園、保育所、地域子育て支援拠点その他の場所において、一時的に預かり、必要な保護を行う事業

出典:子ども・子育て支援新制度について/内閣府から抜粋

 

一時預かり事業において、預かり保育は「一時預かり事業(幼稚園型Ⅰ)」、一時保育は「一時預かり事業(一般型)」として実施されています。

 

どちらも子どもを一時的に預かるという点では違いがないように感じられますが、預かり保育と一時保育の違いについて以下の表にまとめました。


預かり保育と一時保育の違い

預かり保育では主に幼稚園に通う3歳以上の園児を対象としているのに対し、一時保育は保育園や幼稚園などに通っていない乳幼児を対象としています。

 

また、預かりを実施する場所にも違いがあるようです。

 

出典:一時預かり事業(幼稚園型)について/内閣府

預かり保育の仕事内容や求人状況

幼稚園で遊ぶ子どもたち

maroke/shutterstock.com

 

預かり保育の概要や一時保育との違いについて押さえたところで、ここからは仕事内容や求人状況について見ていきましょう。

 

仕事内容

 

預かり保育の時間帯で働く保育士や幼稚園教諭は、比較的短時間の勤務となるでしょう。

 

多くの場合教育活動が終わる14時~15時から始まり、17時から18時ごろに終わる園が多いそうです。

預かり保育は教育活動としても位置づけられているため、単に遊びをするだけではなく教育的なねらいをもって活動することが求められるようです。

 

学年やクラス関係なく活動している園も多いため、保育園のような縦割り保育の経験も積むことができそうですね。

 

求人状況

 

多くの求人では、保育士資格あるいは幼稚園教諭免許を持っている資格保有者の募集が多いでしょう。また、保育教諭を募集している園もあります。

 

しかし、パートやアルバイトとして資格取得見込みの方を募集している求人もあるため、経験を積みながら働くことができそうです。

 

また、正社員以外にも派遣社員やアルバイト・パート勤務の募集もあり、パートやアルバイトの場合預かり保育を専門に行う職員としての採用もあるようです。

預かり保育をするために必要な資格

これまで、預かり保育を行うことができるのは保育士、幼稚園教諭普通免許状、市町村長等が行う研修を修了した者(子育て支援員)とされ、担当職員の2分の1以上が保育士か幼稚園教諭普通免許状所有者でなければなりませんでした。

 

しかし、資格要件が以下のように緩和されました。

 

①必要な有資格者の割合を引き下げ、担当職員の3分の1以上を保育士又は幼稚園教諭免許状所有者とする
②教育・保育に関して一定の知識をもつ小学校教諭、養護教諭を配置可能とする
③幼稚園教諭教職課程および保育士養成課程を履修中で、教育・保育に関して一定の知識をもつ学生を配置可能とする

 

このように資格要件を緩和することで、地域や保護者のニーズにあわせた預かり保育の実施を促進することを目指しているようです。

 

出典:一時預かり事業(幼稚園型)における担当職員の資格要件の緩和について/内閣府

預かり保育とは何かを押さえ、今後の転職に活かそう

今回は、預かり保育とは何か、概要や一時保育との違い、働くうえで必要となる資格などを紹介しました。

 

幼稚園で実施される預かり保育は、保護者や地域からの要請によって一時的に子どもたちを預かるというものです。

 

幼稚園教育要領において教育活動かつ子育て支援としての役割を果たすことが定められているため、幼稚園教諭や保育士は、適切なねらいをもって活動を行うことが大切になるでしょう。

 

保育士資格や幼稚園教諭免許以外にも、子育て支援員の資格があれば働くことができるので、自身のスキルを活かして預かり保育で働くことを視野に入れてみるのもよいかもしれませんね。

 

幼稚園で働ける求人を紹介

 

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