保育士さんのお悩みにお答えします
はじめまして!『保育のあるある!ゆるりホッと相談室』を担当させて頂くことになりました内田淑佳(うちだよしか)と申します。
もともと私も保育士で、5年前まで、兵庫県の認可保育園で13年間ほど園長を務めていました。
保護者の方や職員の悩みに対応する中で、「心の健康」の重要性を改めて感じ、
本格的に心理を学び、現在は一般社団法人を立ち上げ、カウンセラーとしての視点も交えながら、
子育て支援や保育の研修をサポートしています。
いつか、みなさんにもお会いできる日が来るかもしれませんね。
保育と心の関係
さて、私は心理学、そして「心の本質」、心と身体の関係などを学んでいくうちに、乳幼児期に「心を育む」ことの重要性を再認識しました。
人生の基礎を育むこの時期だからこそ「健康な心」に必要なものを、しっかり入れたいと思っています。
ん?どこに「入れる」のって?………それはね、「無意識」です。
私たちは9割「無意識」で生きているって知っていましたか?
そんな「心」についてのお話も盛り込みながら、保育にとって大切なことをお伝えしていきますね。
『相談室』ということで、現場の先生方が楽しく保育するための一助となるよう、いろいろな悩みにお答えしていきます。
「先輩の保育に疑問を感じる…」
例えば、『先輩の保育に疑問を感じる…』など、現場の先生にはよくある悩みです。
給食の食べさせ方、子どもをどこまで手伝うのか、声かけ、ケンカの仲裁、行事での取り組み方…などなど。
「私はこう思うのに」「本当にこの保育でいいのかな?」ぶっちゃけて言うと「子どもが可愛そう…」そんなことを、よく相談されます。
私はこう答えます。「先輩の思い、考えは?聞いてみた?」
多くの場合、聞けていないのです。
人にはそれぞれ、思いがあり、価値観があり、自分の思いや価値観と、他人のそれとは違って当たり前なのです。
目玉焼きに何をかけて食べますか?しょうゆ、ソース、ケチャップ、マヨネース?
それぞれ、自分の好みがあり、自分のお気に入りが「一番おいしい!」と思っています。それは「自分の中での一番」であり、他人のそれとは違うものなのです。
いろんな価値観の保育者がいて「当たり前」
保育に対する価値観もそうです。
保育園には、さまざまな子どもがいるように、考え方やものの見方が違う先生がいても「当たり前」です。
ただ、目玉焼きは自分の好きなように食べたら良いですが、保育の場合、一番大切なのは「子ども」です。
先生が自分の価値観を主張するのではなく、子どもの育ちにとってどんな環境がより良いのか、考えることが重要です。
私はこう考えます。いろいろな思い、価値観を持つ先生がいるのだから、みんなで考えを出し合って、子どもにとって何が必要で、何がより良いか。
切磋琢磨していくほうが、良くないですか?
保育の現場には、沢山の人のアイディアが出るほうが、良いと思うのです。
自分の考え方にとらわれすぎないことは、相手を否定しないことでもあります。また、相手を否定しないことは、相手から否定されないことにつながります。
誰かの保育を否定的に見た時、その相手からあなたが否定されても仕方がないのです。
否定から入らず、「なぜ、あんなことをするのだろう?なぜ、そんなことを言うのだろう?」と考え、相手の思いに気付くことから始めてみましょう。
大事なのは、「価値観を合わせる」ことではなく、みんなが「子どもにとって何が大切か」を考えることなのです。
つまり「この保育、間違っていませんか?」と否定することではなく、「子どもにとって何が大切なんでしょう?」と質問していくことです。
先日、研修おわりに相談にきた先生が、先輩について悩んでいました。
そして、私は、この「否定しない」話をしました。その後、その先生からメールを頂きました。
「先日は、ありがとうございました。あれからいろいろ考えてみました。先輩には先輩の思いがある、確かにそうですね。
そして内田先生に言われた「自分の思いは?」というところで、やはり子どもに寄りそう保育がしたいです。
だからそうします。私自身が楽しい気持ちでいること、これが一番大事!本当にそうですよね。
だから私は楽しく保育できるようにします。ありがとうございました」
先生自身が楽しい保育を!
保育にとって一番大切なのは「子ども」です。
でも先生が楽しく働いていなくて、子どもが楽しいハズはないのです。
子どもたちが楽しい毎日をおくれるよう、先生自身が楽しく保育をしてください。
先生の笑顔が、子どもたちにとって何よりの安心です。
これからこの相談室で、具体的な例をあげながら、楽しく保育をする方法をお伝えしていきますね!!お楽しみに!!
※この連載では、現役の保育士の皆さんからのお悩みを募集しています。
こちら(info@hoikushibank.jp)まで、保育士お悩み相談と明記の上、お送りください。
プロフィール
内田淑佳(うちだよしか)
一般社団法人そだち 代表理事。心理カウンセラ―。
保育士、認可保育園の園長などを経て、一般社団法人を立ち上げ、子育て支援、保育運営サポート、研修講師を数多く務める。
カウンセラーとしてメンタルサポートの仕事に取り組みつつ、現役の保育士、保育教諭から主任・園長などの管理職、資格取得を目指して勉強中の人、潜在保育士などに向けて、保育の仕事の素晴らしさや、保育をする上で大切なことを伝え続けている。
ウェブサイト https://www.sodachi.net/