日本の首都である東京都。保育士として働く場合、年収や労働時間、求人状況などが気になりますよね。今回は、東京都の保育士の給与事情や保育士不足を解消するために行なっている取り組みなどを詳しく解説します。これから東京で保育士として働きたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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東京都の保育士事情
東京で保育士として働くことを検討している方もいるのではないでしょうか。
2023年4月時点の東京都の認可保育所は3611カ所と前年同時期よりも42施設増加し、需要が高い状況が続いています。
働くことを考えたとき、給与や労働時間、公的な補助や窓口があるかなどが気になりますよね。
ここでは、厚生労働省が発表した令和4年賃金構造基本統計調査をもとに、東京都の保育士の平均年収や労働時間などを全国平均のデータと比較してまとめました。
東京都 | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 給与 | 賞与等 | 労働者数 |
保育士(男性) | 32.4歳 | 7.2年 | 165時間 | 29万3400円 | 80万1200円 | 5650人 |
保育士(女性) | 37.2歳 | 7.9年 | 164時間 | 30万3300円 | 89万6800円 | 3万7550人 |
全国 | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 給与 | 賞与等 | 労働者数 |
保育士(男性) | 31.7歳 | 6.5年 | 166時間 | 27万7900円 | 70万8200円 | 1万6320人 |
保育士(女性) | 39.2歳 | 8.9年 | 167時間 | 26万6100円 | 71万2300円 | 26万7870人 |
東京都の保育士の平均年齢
東京都の保育士さんの平均年齢は、男性が32.4歳、女性が37.2歳です。
全国の保育士さんの平均年齢は男性が31.7歳、女性が39.2歳であるため、東京都で働く保育士さんの年齢層は男性が全国平均よりもわずかに高く、女性が少し低くなっているようです。
東京都の保育士の勤続年数
東京都の保育士さんの平均勤続年数は、男性が7.2年、女性が7.9年です。
全国の保育士さんの平均勤続年数は、男性が6.5年、女性が8.9年であるため、東京都の保育士さんの勤続年数は男性が全国平均よりも長く、女性が全国平均よりも短い傾向にあるようです。
東京都の保育士の所定内労働時間(残業時間は省く)
東京都の保育士さんの月平均労働時間は、男性が165時間、女性が164時間です。
全国の保育士さんの月平均労働時間は男性が166時間、女性が167時間であるため、東京都の保育士さんの労働時間は男女ともに全国平均よりもやや短いことがうかがえます。
東京都の保育士のきまって支給する現金給与額(給料)
東京都の保育士さんの平均給料は、男性が29万3400円、女性は30万3300円です。
全国の保育士さんの平均給料は、男性が27万7900円、女性が26万6100円であるため、東京都の保育士さんの平均給料は全国平均を上回っていることがわかります。
なお、東京以外の地域の給与に関して知りたい方は、以下の記事を参考にしてくださいね。
東京都の保育士の年間賞与その他特別給与額
東京都の保育士さんの年間賞与は、男性が80万1200円、女性が89万6800円です。
全国の保育士さんの平均年収は男性が70万8200円、女性が71万2300円であるため、東京都の保育士さんの年間賞与は男女ともに全国平均を大きく上回っています。
東京都の保育士の労働者数
東京都の保育士さんの労働者数は、男性が5650人、女性が3万7550人です。
全国の保育士さんの労働者数は、男性が1万6320人、女性が26万7870人であるため、東京都で働く保育士さんが全国に占める割合は男性が約34.6%、女性が約14%となります。
以下の記事では、年齢・経験年数・都道府県別の保育士の平均年収について解説していますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
東京都の保育士への補助や取り組み
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現在、東京都では保育士の人材確保を目標にさまざまな取り組みを行なっています。そこで、すでに保育士として働いている人、有資格者ではあるが保育士として働いていない潜在保育士の人に向けた東京都の取り組みについて調べてみました。
キャリアアップ補助金制度
キャリアアップ補助金とは、保育人材の確保と定着を目的とし、創設された東京都の取り組みです。キャリアが見えづらいと言われている保育士のために、職位と職責に準ずる賃金の設定を目指しています。
補助の対象施設や事業は決まっているので、自身の働きたい施設が該当しているか確認してみるといいでしょう。
保育士就職支援研修・就職相談会
東京都では、都内の保育園への就職に向けた研修と就職相談会を有資格者向けに行なっています。年に数回開催されており、参加費は無料です。(※2023度は6回開催)
就職支援研修では、保育現場の現状を園長先生から聞けるなど就職に役立つ情報を手に入れることができます。就職相談会では、相談会に参加している民間保育園の様子や労働条件などを質問することができます。
保育士就職支援セミナー・保育実習
有資格者ではあるものの、保育園勤務がない未経験の方や長いブランクがある方向けのセミナーを実施しています。
実際の現場で実習することができ、おむつ交換や寝かしつけなど実践的な保育スキルを学べます。実習を通し、知識や技術に対する不安の解消が可能でしょう。
未就学児をもつ保育士の子どもの預かり支援資金
未就学児をもつ潜在保育士が保育士として復帰する際、子どもの預け先として、ファミリー・サポート・センターやベビーシッターなど対象施設・事業を利用するための料金の一部を借りることができます。
年額で利用した料金の半額(最大12万3000円)借りることができ、2年間保育士として勤務し続ければ、返還の免除を受けることも可能です。
保育従事職員宿舎借り上げ支援事業
保育士の社宅などを事業者が借り上げる場合、その一部を補助するというものです。一戸あたり月額8万2000円の補助を受けられます。
2016年度までは、採用後5年目までが対象となっていましたが、現在は6年目以降の保育士も対象となりました。
東京都の保育士求人状況は?
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東京都の保育士について、2022年10月時点の有効求人倍率は3.57倍です。依然として保育士需要が高く、比較的転職・就職しやすい状況が続いています。
ただ、東京都は保育施設の数が多いので、勤務先選びに戸惑う方もいるかもしれません。
そんなときは一度保育士バンク!にご相談ください。
「配置人数が多い園」「好待遇で年間休日127日」などさまざまな求人がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
また、東京に引っ越して保育士として働きたいという方のご相談もお待ちしています。
出典:令和4年賃金構造基本統計調査/政府統計の総合窓口(e-Stat)
出典:保育士就職支援研修・就職相談会/東京都保育人材・保育所支援センター
出典:未就学児をもつ保育士の子供の預かり支援資金/東京都社会福祉協議会
保育士として東京で働くことを選択肢に
東京都で保育士として働く最大のメリットは、保育士の全国平均の給与と比べて大きく上回っていることではないでしょうか。
働く場所を考えるうえで、賃金は重要なポイントでもあります。給与や自治体の補助、自分の理想の働き方や保育観などバランスを考えつつ、東京都で保育士になるということを検討してみるとよいかもしれません。
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