保育士配置基準の計算方法が知りたい!認可保育園や小規模保育などの例や、基準緩和の流れ

保育士の配置基準を計算する方法をご存じでしょうか。保育園に配置する保育士の人数は、年齢ごとの子どもの定員数に対して基準が定められています。今回は、保育士の配置基準の計算方法について見ていきましょう。また、配置基準における緩和の流れについてもあわせてまとめたので、参考にしてみてくださいね。


電卓を持っているエプロンをした女性

miya227/shutterstock.com

 

保育士の配置基準の基礎知識

保育士の配置基準は国によって定められており、その基準をもとに必要な保育士の人数を算出しています。この基準を知っておくと、より計算方法が理解しやすくなるでしょう。まずは、保育士の配置基準の基礎知識を紹介します。

 

保育士の配置基準=保育士の最低人数

 

一言で表すと、保育士の配置基準は最低限必要な保育士の人数のことを表します。子どもが保育園で安全に過ごすためには、子どもにしっかりと目が届くだけの専門知識を持った保育士が必要です。そのため、子どもの安全を確保し、保育サービスの質を維持するために必要となる保育士の配置基準が設けられています。

 

国が定める配置基準

 

まず、確認しなければならないのは国が定める配置基準で、全国どの地域もこの基準より下回ってはいけないこととなっています。保育士1人あたりが保育できる子どもの数、という形で表現されていて、年齢が低くなるにつれて1人が保育できる人数は少なくなります。

 

以下が、国が定める保育士の配置基準です。

 

  • 0歳児:子ども3人に対し保育士1人
  • 1~2歳児:子ども6人に対し保育士1人
  • 3歳児:子ども20人に対し保育士1人
  • 4歳児以上:子ども30人に対し保育士1人

 

これに加えて、原則として園全体の保育士は2人を下回ってはいけないことになっています。

 

自治体(都道府県、市町村)が定める配置基準

 

国の配置基準を下回らない範囲で、自治体ごとに配置基準が設けられています。これは国と同じ水準でもいいのですが、保育に力を入れている自治体ではこの基準をより厳しくして(保育士が1人で保育できる人数を少なくして)、より多くゆとりをもった人数で保育できるようにしています。

 

この基準は地域によっても異なるため、保育士の最低人数を計算するためにはまず、園がある地域の保育士の配置基準をチェックすることが必要です。

 

施設形態ごとの配置基準

 

施設の種類ごとにも配置基準が異なる場合があります。特に、認可保育園以外の施設形態では、保育士の配置基準が異なる場合があります。これは、比較的新しい小規模保育や、補助金の支給はないけれど自治体の指導がある認可外保育などで設けられている施設形態に合わせた基準です。

 

例えば、小規模保育のA型では、国が定める認可保育園の配置基準を利用して算定した人数+1人を最低基準としています。

 

また、認可外保育の場合は、主たる保育時間が11時間を超えない場合には認可保育園と同様の配置基準以上とし、11時間を超える時間帯においては、現に保育されている児童が1人の場合を除いて常に2人以上の保育士の配置が必要と定められています。

 

加えて、配置基準で算定した人数の3分の1が保育士の有資格者でなければなりません。

 

出典:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準/厚生労働省

出典:子ども・子育て支援新制度ハンドブック/内閣府

出典:認可外保育施設の質の確保・向上について/内閣府

保育士の配置基準緩和の流れ

これまで配置基準は戦後間もない時期に作成されてから約70年間変わっていませんでした。しかし、保育士不足や保育施設の現状に合わせて見直そうという流れがあり、2016年に緊急的な対応として基準が緩和されました。ここでは、配置基準が見直されたことで具体的にどのように緩和されたのかを解説します。

 

朝夕の子どもが少ない時間帯の保育士配置

 

朝夕の子どもが少ないとされる時間帯で保育士を2人配置していると、現場の保育士の残業が増えたり、人材確保ができなかったりと施設側に大きな負担がかかってしまう恐れがあります。

 

そこで、朝夕の時間帯の保育士2人のうち1人を、子育て支援員研修を修了した人に代わることができるようになりました。子育て支援員は、保育や子育てに関する最低限の知識を身につけたとされる方が取得できる資格で、自治体の設置する研修を修了することで資格を取得できます。

 

幼稚園教諭や小学校教諭の活用

 

保育士資格を持つ人ではないものの、子どもに関わる人材を保育現場で活用する動きが進んでいます。幼稚園教諭や小学校教諭、養護教諭も子どもに関わる仕事であるとして、配置基準を満たす職員にカウントできるようになりました。さまざまな子どもに関わりの深い人材を保育士とみなすことで、保育士不足の緩和に取り組んでいるようです。

 

しかし、幼稚園教諭は3歳以上児、小学校教諭は5歳児を中心に保育することが望ましいとされ、保育をする上で必要な研修の受講も求められています。

 

子育て支援研修員の活用

 

保育所等を8時間を超えて開所していることなどにより、基準となる最低限必要な保育士の人数を上回って必要となる場合に、その追加分を子育て支援員研修を修了した人に代替することができるようになりました。子育て支援員が代替可能になることで、保育士の負担を減らすことが期待できるでしょう。

 

出典:保育所等における保育士配置に係る特例/内閣府

保育士の配置基準の計算方法

電卓を打っている様子

Natee Meepian/shutterstock.com

 

では具体的な計算方法を見ていきましょう。認可保育園と小規模保育A型の2つのパターンを想定して、計算方法を一つひとつ順を追って具体的に説明していきます。

 

1.配置基準を確認

 

まずは、園が設置されている地域独自の配置基準があるかを確認しましょう。

地域が設定した配置基準は、その園に必要な配置基準を算出するために必要となります。ここでは、国の配置基準を利用して計算を進めます。

 

2.保育園の定員数を確認

 

子どもの人数に対して保育士が何人必要であるかを求めるためには、実際に園にいる子どもの定員数を年齢ごとに確認する必要があります。認可保育園と小規模保育園のそれぞれの子どもの定員数を見ていきましょう。

認可保育園

0~5歳児までを保育する一般的な認可保育園に必要な保育士の人数を計算すると仮定し、各年齢の定員数を以下のように設定します。

 

0歳児:5人

1歳児:15人

2歳児:15人

3歳児:25人

4歳児:25人

5歳児:25人

 

以上のように、合計110人の認可保育園を想定します。

小規模保育A型

もう一つは、0~2歳児までを保育する小規模保育園に必要な保育士の人数を求めると仮定して、各年齢の定員数を以下のように設定します。

 

0歳児:7人

1歳児:6人

2歳児:6人

 

以上のように、合計19人の小規模保育園を想定します。

 

それぞれの定員数を設定したところで、次は必要となる保育士の人数を計算していきましょう。

 

3.各年齢ごとの定員数を配置基準で割る

 

各年齢ごとの定員数を配置基準で割ることで必要な保育士の数を計算することができます。各年齢ごとの保育士の人数を計算する場合に小数点が発生したときには、小数点第2位を切り捨て、最終的な保育士の合計数を計算する場合に小数点が発生したときには、小数点を四捨五入して計算します。

 

では、認可保育園と小規模保育園の計算結果をそれぞれ見ていきましょう。

認可保育園

認可保育園の場合、以下のように計算します。

 

0歳児:5人÷3→1.66(小数点第2位を切り捨て、1.6)

1歳児:15人÷6→2.5

2歳児:15人÷6→2.5

3歳児:25人÷20→1.25(小数点第2位を切り捨て、1.2)

4歳児:25人÷30→0.83(小数点第2位を切り捨て、0.8)

5歳児:25人÷30→0.83(小数点第2位を切り捨て、0.8)

 

各年齢ごとに求められた保育士の人数を合計すると、以下のようになります。

 

1.6+2.5+2.5+1.2+0.8+0.8=9.4

 

それぞれ求められた人数を合計すると9.4人となり、小数点以下を四捨五入すると9人となるため、この認可保育園では9人の保育士が必要となることが分かります。

小規模保育A型

小規模保育A型の場合、以下のように計算します。

 

0歳児:7人÷3→2.33(小数点第2位を切り捨て、2.3)

1歳児:6人÷6→1

2歳児:6人÷6→1

 

各年齢ごとに求められた保育士の人数を合計すると、以下のようになります。

 

2.3+1+1=4.3

 

それぞれ求められた人数を合計すると4.3人となり、小数点以下を四捨五入すると4人となります。小規模保育A型の場合、認可保育園の基準にさらに1人加える必要があるため、この小規模保育園では全体で5人の保育士が必要となることが分かります。

 

4.特別に配置しなければならない人数を足す

 

「子どもが保育園にいる間は常に保育士が2人いる必要がある」という条件を確認しましょう。

 

先ほどの計算によって求められた保育士の人数はあくまでも「日中の保育」に必要な保育士の数です。例えば、朝と夕方に延長保育をする場合には、保育士の実働時間が8時間であることを考えると、最低でも2人の保育士が各延長時間帯に必要となり、朝と夕方をあわせると追加で4人の保育士が必要になります。

 

また、主任や園長などの管理職は保育士資格を持っていながらも、保育に携わる機会が少ないこともあるため、施設の状況によっては保育士がさらに必要になる場合を考慮しておくとよさそうです。

 

このように、保育士の配置基準は、地域ごとの基準を確認したうえで、園の年齢ごとの定員数を基準で割ることで計算することができます。また、必要に応じて追加で保育士を配置する必要があることを頭に入れておくことが大切です。

保育士の働き方に関わる配置基準の計算方法を押さえよう

今回は、認可保育園と小規模保育園を例に挙げて保育士配置基準の計算方法を中心に解説し、基準の見直しによる緩和の流れについてもあわせて紹介しました。

 

保育の質を確保するという観点からみると、この配置基準を守ることが働く保育士にとっても、預ける保護者にとっても大切になります。

また、配置基準は見直されつつあり、保育士の代わりとして子育て支援員や幼稚園教諭などの活用も進んでいるようです。

 

国や自治体、施設の形態によって保育士の配置基準は異なるため、自身が勤める園が設置されている地域の基準や国が定める基準をもとに、必要な保育士の人数を確認してみてくださいね。

 

気になる保育求人を紹介

 

関連する記事

保育園看護師の仕事内容とは?役割や給料、求人事情などを解説!

保育園看護師の仕事内容とは?役割や給料、求人事情などを解説!

看護師の資格を活かして働ける場所の一つに保育園があります。看護師さんは1人に限り保育士とし...

インクルーシブ保育とはどのような取り組み?保育者の役割やメリット・課題

インクルーシブ保育とはどのような取り組み?保育者の役割やメリット・課題

インクルーシブ保育とは何か、気になる保育士さんもいるでしょう。取り組みについて保育者の役割...

子育て支援センターとは?保育士の役割や施設のサポート内容

子育て支援センターとは?保育士の役割や施設のサポート内容

子育て支援センターは育児家庭をサポートする地域交流の場です。支援センター求人を目にした転職...

幼稚園教諭 一種ってどんな資格?取得方法や二種から一種への切り替え方法を解説 

幼稚園教諭 一種ってどんな資格?取得方法や二種から一種への切り替え方法を解説 

幼稚園の先生になるために、一種・二種どちらを目指すべきか悩んでいる方もいるかもしれません。...

幼稚園教諭の仕事内容とは?目的や資格など保育士との違いを比較

幼稚園教諭の仕事内容とは?目的や資格など保育士との違いを比較

幼稚園教諭の仕事内容について、知りたい方もいるでしょう。教育者として求められることや役割、...

特集コラム一覧

プロ厳選!プレミアム求人

保育士求人を探す

コラム記事を探す

よくある質問

Q

保育士バンク!のコラムにはどんな記事がありますか?

A

転職に関する記事の他に、日常の保育で使える手遊びや工作の動画など、幅広いジャンルで保育士さんや幼稚園の先生に役立つ情報を提供しています。詳細はコラム総合トップからご確認ください。

Q

最新の記事や動画はどこから見る事ができますか?

A

最新記事はこちらです。保育士バンク!では週に3~5本くらいの新しい記事や動画を公開していますのでぜひご覧ください!最新記事や人気記事はコラム総合トップからもご確認いただけます。

Q

最新の記事や動画をもっと簡単に見たいです。

A

保育士バンク!アプリがオススメです!iPhoneアプリはこちらからAndroidアプリはこちらからダウンロードください!