年末年始に向けて、保育園でお正月らしい製作遊びをしようと考える保育士さんもいるでしょう。門松などの飾りや絵馬、獅子舞などお正月にはさまざまなモチーフがあるため、活動を通して子どもが行事に親しめるとよいですね。今回は、0歳児や1歳児クラスから年長児まで楽しめるお正月製作のアイデアを、ジャンル別に紹介します。

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■目次
保育園でお正月の製作をするねらい
保育活動にお正月の製作遊びを取り入れて、子どもたちと新年の雰囲気を味わい、古くからの伝統に親しむこともあるでしょう。
保育園で行うお正月製作には、どのようなねらいがあるのでしょうか。
お正月とはどのようなものかを知る
保育園で行うお正月製作のねらいとして、お正月とは何かを知ることが挙げられます。
お正月は、無事に1年が終わり新年を迎えられたことを祝う日本の伝統行事です。
製作のなかでお正月の風習について子どもたちに説明すれば、鏡餅や門松を飾ったりお餅を食べたりする意味を知ることができ、文化に対する理解を深めることにつながりそうですね。
日本の伝統文化に親しみを持つ
お正月の製作には、製作を通してお正月という日本の伝統文化に親しみをもつというねらいもあるようです。
飾りつけをしたり伝承遊びを楽しんだりして、お正月行事を盛大に祝う家庭も多いでしょう。
遊びや正月飾りに活用できるものを製作することで、よりお正月文化に親しみを持つことができそうですね。
保育に使えるお正月製作:壁画
では、保育園で楽しめるお正月製作のアイデアを見ていきましょう。
まずは、保育室をお正月らしく彩る壁画製作をまとめました。
①だるまの壁画製作
転んでも立ち上がるだるまは縁起物として親しまれています。
新年を迎えるお正月に用意されることが多いため、保育園でも製作してみましょう。
用意するもの
- 画用紙(赤色・薄橙色・白)
- クレヨンやフェルトペン
- はさみ
- のり
作り方
1.赤色の画用紙をだるまの形に切ります。
2.薄橙色の画用紙を顔の形に切ります。
3.白の画用紙をだるまの目玉の形に切ります。
4.(1)の半分より上のあたりに、(2)で保育士さんが切った画用紙を貼ります。
5.(4)の顔のなかに、(3)の目玉の画用紙を貼ります。
6.ペンなどでだるまの顔や体を自由にかけばできあがりです。
ポイント
0歳児や1歳児の乳児クラスで製作するときは、(1)~(3)の工程は保育士さんが行い、子どもたちには装飾や貼りつけ作業を楽しんでもらいましょう。
はさみを使える年齢の子どもたちが行う場合は、あらかじめ切り取り線をかいた画用紙を渡し、線に沿って切ってもらうとよいかもしれません。
子どもたちが作っただるまを一枚の大きな画用紙に貼り、縁起のよい壁画製作に仕上げてみてくださいね。
②福笑いの壁画製作
お正月遊びとして古くから親しまれている福笑いを壁画製作にアレンジしてみましょう。
用意するもの
- 画用紙
- はさみ
- のり
作り方
1.画用紙を顔の輪郭に沿って切り、土台を作ります。
2.画用紙で目・眉・鼻・口のパーツを作ります。
3.(2)のパーツを(1)の顔の中に貼ればできあがりです。
ポイント
おかめやひょっとこなど福笑いで定番の顔以外にも、新年の干支にちなんだ動物で作ってみても面白いでしょう。
本物の福笑いと同様に目をつぶってパーツを貼り、どんな顔ができあがるのか楽しみながら製作するのもよいですね。
③絵馬の壁画製作
お正月の初詣でおなじみの絵馬。
保育園でも絵馬をテーマにした壁画製作をして、子どもたちとお願いごとや新年の抱負について話し合ってみましょう。
用意するもの
- 色画用紙
- はさみ
- のり
作り方
1.絵馬をイメージして画用紙を五角形に切ります。
2.お願いごとをかいて、大きな画用紙に貼りつければできあがりです。
ポイント
絵や文字をかくのが難しい1歳児や2歳児クラスで行う場合は、シールやマスキングテープなどでデコレーションしてオリジナルの絵馬を作ってみましょう。
年長クラスであればひらがなをかける子もいるかもしれないため、チャレンジしてみてもよいですね。
保育に使えるお正月製作:おもちゃ
続いて、保育園で作れるお正月にぴったりなおもちゃ製作のアイデアを紹介します。
④獅子舞
用意するもの
- 画用紙 6cm×1.5cm 6枚
- 画用紙(緑) 1枚
- 獅子舞装飾用の画用紙など
- 鉛筆
- クレヨン(白)
- セロハンテープ
- はさみ
ポイント
ティッシュ箱をカットする工程は、保育士さんが事前に済ませておきましょう。
獅子舞は本来眉毛が吊り上がっていて少し怖い顔をしていますが、子どもたちの自由な発想でかわいらしい顔の獅子舞を作ってみても面白いかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
⑤コマ
用意するもの
- ダンボール 1枚
- タコ糸 100cm 1本
- つまようじ 1本
- コンパス
- はさみ
- 接着剤
- キリ
ポイント
コンパスやキリ、はさみを使う作業は保育士さんが行いましょう。
穴にタコ糸を通すときは、先端がとがったもので上から押すようにすると通りやすくなりますよ。
上手く糸を通せない子どもがいたら、保育士さんがキリや竹串を使ってサポートしましょう。
みんなで作って、コマ回し大会を開催してみても盛り上がりそうですね。(詳しい作り方はこちら)
⑥福笑い
用意するもの
- 写真 2枚
- 折り紙(薄橙色) 1枚
- はさみ
- のり
ポイント
はさみを使うのが難しい0歳児や1歳児の子どもが行う場合は、保育士さんがあらかじめパーツを用意しておき、子どもには貼る工程を楽しんでもらいましょう。
幼児クラスの子どもが作る場合は、パーツを切るところから挑戦してみてもよいですね。
動画では1つの写真をもとに製作していますが、友だちの写真のパーツと組み合わせて作ってみるのも面白そうですね。(詳しい作り方はこちら)
⑦おみくじ
用意するもの
- お菓子の空き筒 1本
- 色画用紙 1枚
- アイスクリームの棒 数本
- のり
- カッター
- 接着剤
ポイント
保育士さんは、あらかじめカッターでフタに切り込みを入れておきましょう。
主に空き筒を飾りつける作業がメインになるため、3歳児頃から楽しめそうです。
動画のようにおみくじとしても楽しめますが、アレンジとしてアイスの棒にハートや星などのマークをかき、「3回連続でハートを出したら勝ち」などゲームのように遊んでみても面白いかもしれません。(詳しい作り方はこちら)
⑧羽子板
用意するもの
【羽子板】
- 牛乳パック 1個
- 割りばし 2膳
- ビニールテープ
- はさみ
【羽根突き】
- 短く切ったPEテープ 数枚
- ビニールテープ(黒)
ポイント
この羽子板製作は難しい作業は少ないものの、工程数が多いため4歳児や年長児向けかもしれません。
羽根突きは少し重さがあると飛びやすくなるため、ペットボトルキャップなどと組み合わせて作るとよさそうです。
干支の動物の絵をかくなど自由にデザインして、個性的な羽子板を作ってみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
保育に使えるお正月製作:飾り
続いて、保育園で作れるお正月飾りの製作アイデアを紹介します。
⑨起き上がりだるま
用意するもの
- 画用紙(赤)
- ガムテープの芯
- 乾電池
- 両面テープ
- はさみ
- テープ
ポイント
はさみで切り込みを入れる工程があるため、4歳児や5歳児の年長児クラスでチャレンジしてみましょう。
ガムテープの直径にあわせて画用紙を切る工程は、少し難易度が高いかもしれません。保育士さんはあらかじめガイドとなる線を書いておき、子どもにはその線に沿ってカットしてもらうとよいでしょう。
だるまの顔のデコレーションも子どもたちに任せれば、個性的な作品ができあがりそうですね。(詳しい作り方はこちら)
⑩門松
用意するもの
- トイレットペーパーの芯 3個
- 緑の画用紙 (11.5×15㎝) 3枚
- 画用紙 (30×15㎝) 1枚
- 和柄の折り紙 2枚
- はさみ
ポイント
年長クラスの子どもであれば、1人で挑戦できそうです。3歳児や4歳児が取り組む場合は、はさみでカットする部分にあらかじめ線を引いておくとよいかもしれません。
また、1歳児や2歳児の子どもが作る場合は、保育士さんがはさみを使う工程を担当し、のりをつけたりデコレーションしたりする工程を子どもたちが担当するとよいでしょう。
製作したあとに保育園の玄関や保育室内に飾れば、よりお正月の雰囲気を楽しめそうですね。(詳しい作り方はこちら)
⑪しめ縄
用意するもの
- 紙ひも
- 折り紙(オレンジ)
- 折り紙(金)
- 折り紙(白い正方形 何枚か)
- 丸めた新聞紙
- 赤いひも
- テープ
- ペン
ポイント
ひもをひねったり結んだりする工程があるため、幼児クラス向けの製作です。
縄が解けないように固定する作業は力が必要になるため、保育士さんが行うとよいでしょう。
しめ縄がどのようなものか、どうして玄関に飾るのかなどを説明すれば、お正月に対する理解を深められそうですね。(詳しい作り方はこちら)
⑫年賀状
用意するもの
- ガーゼ 1枚
- 脱脂綿 適量
- 割りばし 1本
- 輪ゴム 1本
- 年賀はがき 1枚
- 絵の具
- 色鉛筆やペン
ポイント
たんぽで色をつけるだけで簡単に作れるため、0歳児や1歳児クラスでも楽しめるでしょう。
年長クラスのこどもであれば、「あけましておめでとう」など簡単なメッセージを書くのに挑戦してもよいですね。
干支の動物をかいたりオリジナルな模様づけをしたりして、かわいらしいオリジナル年賀状を作成してみましょう。(詳しい作り方はこちら)
保育に使えるお正月製作:折り紙
続いて、保育園で作れるお正月をテーマにした折り紙製作のアイデアを紹介します。
⑬鏡餅
用意するもの
- 折り紙(茶色) 1枚
- 折り紙(橙色) 1枚
ポイント
台座の折り方はシンプルなため、保育士さんが見本を見せれば2歳児後半~3歳児でも作れるかもしれません。
一方、鏡餅の製作には細かい作業が必要となるため、年長クラス向けでしょう。
保育士さんは子どもと同じペースで折り進め、子どもが最後まで自力で作れたという達成感を味わえるよう適切に援助してくださいね。(詳しい作り方はこちら)
⑭絵馬・だるま
用意するもの
- 折り紙 1枚
ポイント
だるまの製作は工程数が少なく作り方が簡単なため、2歳児後半くらいの子どもからチャレンジできそうです。絵馬は途中で細かい作業があるため、4歳児頃から取り組めるかもしれません。
だるまと絵馬は、それぞれ左右対称になるように意識して折るときれいな仕上がりになりますよ。
クレヨンやペンを使って、自由にだるまの顔やお願いごとをかいてみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
⑮羽子板(0:41~2:47)
用意するもの
【羽子板】
- 折り紙 1枚
- 折り紙 1/4サイズ 1枚
【羽根突き】
- 折り紙 1/8サイズ 4枚
- のり
ポイント
羽子板はシンプルな折り方で作れるため、2歳児から挑戦できるでしょう。
一方、羽根突きは小さな折り紙で作るため、折り方に慣れていないと複雑に感じてしまうかもしれません。製作に入る前に通常の大きさの折り紙で折り方を練習しておけば、スムーズに作れそうですね。(詳しい作り方はこちら)
⑯獅子舞
用意するもの
- 折り紙 2枚
- ペン
- のり
ポイント
頭と胴体の2つのパーツを作って組み合わせる必要があるため、少し難易度が高いでしょう。
保育士さんがお手本を見せて子どもと同じペースで折り進めるようにすれば、4歳児や5歳児なら挑戦できるかもしれません。
顔の部分は工程が複雑なため、赤い折り紙に画用紙を貼りつけて耳や口を表現するなど、子どもの年齢にあわせて簡単な作り方にアレンジするとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
⑰門松
用意するもの
- 折り紙 1枚
- ペン
- テープ
ポイント
細かく折る工程や折り目がたくさんあるため難易度が高く、年長クラス向けの製作といえそうです。
保育士さんは子どもたちに見本を見せて、一工程ずつ確認しながら折り進めましょう。子どもたちが途中でつまずきそうであれば、適宜サポートしてくださいね。
できあがった門松をだるまや絵馬などといっしょに画用紙に貼れば、壁画製作に活用することもできますよ。(詳しい作り方はこちら)
⑱富士山
用意するもの
- 折り紙(水色)
ポイント
細かく折る工程はありますが、作り方はそこまで難しくないため、3歳児頃から挑戦できそうです。
「お正月になんで富士山なの?」と疑問に思う子どももいるかもしれないため、製作に入る前に初夢について話してみましょう。富士山といっしょに、折り紙で鷹やナスを作ってみるのもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
関連動画:折り紙なすの折り方/保育士バンク!
保育園でお正月製作を行い、日本の伝統行事に親しみを持とう
今回は、保育園で作れるお正月製作のアイデアをジャンル別に紹介しました。
お正月には鏡餅や絵馬、だるまなどさまざまなモチーフがあり、一つずつに意味があります。
子どもたちと壁画製作や折り紙製作を楽しみながら、お正月の風習や文化についてもいっしょに伝えられるとよいですね。
保育活動にお正月製作を取り入れて、日本の伝統行事に関心をもつきっかけ作りをしてみましょう。
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