先輩保育士の大切な役割の一つに、後輩や新人の指導があります。チームワークが重要となる保育現場において、どうすれば上手く連携をとって、信頼関係を築くことができるのでしょうか。今回は、後輩や新人指導を行う保育士さんに向けて、指示の出し方や伝え方など指導するときのポイントを紹介します。
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■目次
後輩・新人保育士を育てる指導のしかたを押さえよう
日々の保育や行事などあらゆる場面で協力が必要となる保育士の仕事。
職員同士の連携を強め、良好な関係を構築するためにも、日々の接し方や指導のしかたが大切になります。
特に新年度を迎える4月になると、新人保育士が入職し、初めて後輩をもつようになる保育士さんもいるでしょう。なかには、指導係を担当するケースもあるかもしれません。
しかし、初めて指導を任された場合、どのように後輩と信頼関係を築いていけばよいのか、接し方などに戸惑ってしまうこともあるでしょう。
今回は、初めて後輩指導を任される先輩保育士さんに向けて、指導のコツや注意点を紹介します。
後輩・新人保育士との接し方のポイント
そもそも、日頃からどのように後輩や新人と接すれば、良好なコミュニケーションをとれるのでしょうか。接し方のポイントを紹介します。
笑顔でポジティブに接する
後輩や新人保育士さんと話すときには、常に笑顔でいることを心がけましょう。
にこやかな雰囲気を作れば、後輩も親しみやすさを感じやすくなるかもしれません。
また、アドバイスをする際にも、否定的な言葉ではなく前向きなコメントをするようにすれば、何かあったときに話しやすいと思ってもらえるでしょう。
トラブルがあったときはフォローする
仕事において、新人や後輩がミスやトラブルを起こしてしまった場合、先輩保育士さんがフォローすることが大切です。
入社したてや慣れていない場合、ミスをしてしまったことに対して落ち込んでしまうこともあるでしょう。
そんなときに、「すぐに相談してくれてありがとう」「〇〇ができていたのはよかったよ」など声をかけて仕事をすれば、後輩や新人のやる気につながるかもしれません。
また、日頃から相談しやすい体制をつくっておくことで、信頼関係を築くことにも役立つでしょう。
後輩・新人保育士指導の4つのコツ
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日々の接し方のポイントを踏まえて、後輩や新人指導における4つのコツを紹介します。
1.指示は的確に出す
後輩にやってほしいことを指示する際は、的確に行うようにしましょう。
特に、新人保育士さんの場合はわからないことばかりですよね。
「〇〇移動しておいて」「きちんと直しておいて」など、あいまいな指示ではどのように動いたらよいのか伝わりづらいこともあるかもしれません。
「〇〇を△△に運んで」など、具体的な指示を出すよう心がけることで、後輩も動きやすくなるでしょう。
また、複数の指示がある場合には、一度にすべての説明をせずに、順を追って話すようにすることも大切です。
2.頑張りを認めて褒める
後輩や新人が積極的によい行動をしていたら、些細なことでも褒めるようにしましょう。
どんな時にどんなことをしていたのがよかったのか具体的に褒めることで、後輩の自信を育み、仕事のモチベーションを高めることにつながるでしょう。
また、後輩はきちんと評価してもらえているという安心感や信頼感を得ることができ、良好な関係を築きやすくなるかもしれません。
3.後輩・新人の意見も取り入れる
仕事のなかで、後輩や新人保育士さんが意見を言った際には、きちんと耳を傾けるようにしましょう。
たとえば、何か指示を出した際に「〇〇したらどうですか?」など、新しい提案があるかもしれません。
それに対し、「そういうやり方もいいね、確認してみよう」など前向きに話を聞き入れる姿勢を持っていれば、後輩も仕事に対して積極的になってくれそうです。
はじめから否定せずに、一度受け入れるよう心がけると、コミュニケーションもスムーズになるかもしれませんね。
4.適切にリードする
先輩保育士として、適切に仕事をリードするようにしましょう。
特に新人保育士さんの場合、一度にたくさんの仕事を覚える必要があるので、「次は何をすればいいんだろう」「〇〇ってどうやるんだっけ」など、さまざまな不安を抱えているかもしれません。
そのようなときに、何も指示を出さずに任せっきりにしたり、反対に自分で先回りして全部進めたりしてしまうと、後輩や新人の成長につながりにくくなるでしょう。
適切な指示を出すのはもちろん、要所要所でアドバイスしながら、仕事の進め方をリードすることが大切です。
「後輩指導がうまくできない…」とお困りではありませんか?
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後輩・新人保育士を指導するときの注意点
ここでは、後輩や新人保育士さんを指導する際に押さえておきたい注意点を紹介します。
感情的に叱ることを避ける
何かミスやトラブルがあった際に、注意をすることがあるかもしれません。そういった場合、感情的な伝え方をするのは避けましょう。
自身の感情にまかせて叱っても、根本的な問題解決にはなりません。
間違えていた行動とその理由、これからはどうするべきかを具体的に提示し、端的にミスを指摘する伝え方を心がけましょう。
他の保育士と比べる発言は控える
後輩や新人を指導するうえで、他の保育士さんと比べるような発言はしないようにしましょう。
他の人と比較する発言をすることで、言われた本人を傷つけてしまいます。また、保育士さん同士の関係も良好ではなくなってしまうかもしれません。
キャッチアップのスピードや、向き不向きは人によって異なるので、指導する相手と二人三脚で仕事を覚えていくという心構えをもつとよいでしょう。
人となりや性格を否定する言葉を控える
後輩指導をするうえで、相手の性格や人格を否定するような言葉を言わないようにしましょう。
たとえば「〇〇な性格だから間違えたんでしょ」などは、問題の解決にならないうえに後輩を傷つけてしまう発言なのでNGです。
注意をする際には、ミスをした原因や同じことを繰り返さないための対処法などをいっしょに考え、きちんと根本的な解決をすることが大切になります。
指導のコツを押さえて、後輩保育士を育てよう
今回は、はじめて後輩指導をする保育士さんに向けて、日々の接し方や指導のポイントなどを紹介しました。
後輩や新人の教育をするのは、先輩保育士さんの大きな役目です。
保育士の仕事は職員同士の連携や協力がとても重要になるため、日々少しずつ信頼関係を築いていくことが大切になります。
的確に指示を出すことや頑張りを褒めること、ミスをした際の伝え方のポイントなどを押さえて、後輩や新人保育士さんの育成に力を注ぎましょう。