幼稚園教諭免許を取るうえで、一種と二種のどちらにしようか悩んでいる方もいるかもしれません。具体的にどのような違いがあるのか、後から切り替えることはできるのかなど気になりますよね。今回は、幼稚園教諭一種免許状とは何か、取得するメリットなどを紹介します。あわせて、二種との違いや保育士から目指す方法もまとめました。

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■目次
幼稚園教諭一種免許状とは
幼稚園教諭一種免許状とは、「幼稚園教諭免許状」のうちの一つです。
文部科学省が認める幼稚園教諭の養成課程がある4年制大学や短大の専攻科(大学と同等の教育を受けられる)で所定の単位を修得すると取得することができます。
幼稚園の先生を目指す場合は、一種免許状の他に、二種免許状と専修免許状があります。
二種免許状は、幼稚園教諭を養成する教育課程がある短大や・大学に併設されている短期大学部(文部科学省が認めている)の所定の単位を修得すると取得できる免許状です。
一方専修免許状の取得には、大学院修士課程の修了が必要です。
文部科学省の「幼稚園教員の免許資格を取得することのできる大学」に幼稚園教諭免許を取れる大学の一覧が記載されているので、確認してみてくださいね。
出典:1.幼稚園教員の免許資格を取得することのできる大学/文部科学省
幼稚園教諭一種免許状と幼稚園教諭二種免許状の違い

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幼稚園教諭一種免許状と幼稚園教諭二種免許状では、仕事をするうえで大きな違いはありません。
大きな違いがあるとすれば、主に以下の2点です。
給料
1つ目は給与面の違いです。
幼稚園教諭一種免許状を取得すると、二種免許状を持っている場合よりも給料が高くなるケースがあるようです。
求人などで「大卒(幼稚園教諭一種免許状取得の方)月給20万9000円、専門・短大卒(幼稚園教諭二種免許状)月給20万5700円」など、具体的に給料の差を明記している園もあります。
園によっては給料の金額に差を設けない場合もありますが、幼稚園教諭一種免許状を持っているのは待遇面を考える上ではメリットとなるかもしれません。
就ける役職
2つ目は、将来的に園長になれるかどうかです。
幼稚園の園長職は一種免許状か専修免許状を持っている方のみ就くことができます。そのため、幼稚園教諭二種免許状を持っている方が園長を目指す場合は、一種免許状を取得する必要があります。
園長になるために幼稚園で働きながら通信制の大学などに通い直す方もいるため、将来的なキャリアアップを見据えるなら、学生時代に幼稚園教諭一種免許状を取得しておくとよいかもしれません。
次に、幼稚園教諭二種免許状から一種への切り替えは可能なのか見ていきましょう。
幼稚園教諭二種免許状から一種への切り替えはできる?

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必要な条件を満たせば、幼稚園教諭二種免許状から一種免許状への切り替えは可能です。
ここでは、東京都を例にケース別の切り替え方を紹介します。
大学を卒業している場合
大学を卒業していて幼稚園教諭二種免許状を持っている場合、免許取得後の幼稚園の在籍年数が3年以上あれば、指定養成大学で必要単位を修了することで、幼稚園教諭一種免許状を取得することが可能です。
在籍年数ごとの必要な単位を以下にまとめました。
- 在籍年数3年:25単位
- 在籍年数4年:20単位
- 在籍年数5年:15単位
- 在籍年数6年:10単位
※大学に3年以上在学し93単位以上を修得した方、または大学に2年以上及び大学の専攻科に1年以上在学し、93単位以上を修得した方が対象です
大学を卒業していない場合
大学を卒業しておらず幼稚園教諭二種免許状を持っている場合は、幼稚園の在籍年数5年以上で必要な単位を指定養成大学で修了することで、幼稚園教諭一種免許状を取得することが可能です。
- 在籍年数5年:45単位
- 在籍年数6年:40単位
- 在籍年数7年:35単位
- 在籍年数8年:30単位
- 在籍年数9年:25単位
- 在籍年数10年:20単位
- 在籍年数11年:15単位
- 在籍年数12年:10単位
このように、大学を卒業しているかどうかや幼稚園の在籍年数によって、必要な修了単位数が異なります。
ちなみに東京都の場合、非常勤講師の期間の在職年数は、実際の在職年数の半分としてカウントされるため、パートやアルバイトで勤務している方は注意しましょう。
くわしい切り替えの要件は都道府県ごとに異なるため、居住地や勤務先がある地域の教育委員会に確認してみてくださいね。
出典:東京都教育委員会
保育士資格保有者が幼稚園教諭一種免許状を取得する方法

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続いて、保育士資格を持つ保育士さんが幼稚園教諭一種免許状を取得する方法について紹介します。
幼保特例制度を活用する
「幼保特例制度」とは、幼稚園教諭免許状または保育士資格のどちらかを持っている場合、実務経験を評価してもう片方の未保有の資格を取得するために必要な単位数を軽減させる制度です。
ここでは、保育士資格保有者が幼稚園教諭一種免許状を取得する場合の要件や必要単位について解説します。
対象者
幼保特例制度を利用して幼稚園教諭一種免許状を取得できる保育士さんは、主に以下の施設での実務経験が3年かつ4320時間以上あり、大学を卒業した方です。
- 幼稚園
- 認定こども園
- 保育所
- 小規模保育施設
- 事業所内保育施設
- 幼稚園併設型認可外保育施設
- へき地保育所
- 「認可外指導監督基準」を満たす認可外保育施設(※一部対象外あり)
ただし、個々の施設が対象かどうかは都道府県ごとに異なるため、勤め先の園が所在する自治体に確認してみましょう。
必要単位
指定の大学などで合計8単位修得する必要があります。
通常、特例を適用せずに保育士資格を持つ人が幼稚園教諭一種免許状を取得する場合、合計59単位必要です。
特例制度の適用期間は2025年3月31日までであるため、一種免許状の取得を考えている方は早めに計画を立てて必要単位を修了するとよいでしょう。
通信大学に通う

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保育士資格を持っている保育士さんのなかには、大学に通って幼稚園教諭一種免許状の取得に向けた勉強をしたいと考える方もいるでしょう。
仕事をしながら大学に通うのが難しい場合は、通信大学に通って幼稚園教諭一種免許状を取る方法もあります。
通信大学であれば、通学の必要がなく自宅などで勉強を進められるため、社会人の方でも取得を目指しやすいでしょう。
一種免許状を取得できる通信課程のある大学は全国に13校あるため、気になる方は各大学のサイトなどから資料請求してみるとよいですね。
出典:幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例/文部科学省
出典:幼稚園教諭免許状授与の所要資格の特例に関するQ&A/文部科学省
幼稚園教諭一種免許状を取得して転職先の選択肢を広げよう
今回は、幼稚園教諭一種免許状と二種免許状の違いや、保育士資格を持つ方が取得するための方法などを紹介しました。
幼稚園教諭一種免許状を持っていれば、園長になることができるほか、幼稚園によっては二種免許状を持っている場合と比べて給料アップが期待できるなどのメリットがあります。
保育士さんは幼保特例制度を利用すれば、通常よりも少ない単位数で幼稚園教諭一種免許状を取得できるため、仕事の幅を広げるために取得を検討してみるのもよいですね。
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